古いやつって言うと餓狼MOWくらいです。
………………えっ、水着サオリ??
水着カンナで石無いが…………??
暗い、整備室の中。
エックスは技士に腕を整備されていた。
「……調整完了です」
「ふぅ……ありがとう、これで……」
『完成です!エックスさん用の新装備……名付けて、』
エックスは立ち上がり、拳を握る。
その拳に、ナックルダスターが装着された。
そして、拳を振り抜いた。
空を裂く小気味良い音が鳴り響いた。
「
『完成です!ゼロさんの装備をエックスさん用に調整し使用できる様になりました!』
「おお……素晴らしい……」
隣に控えていたカイザーPMCの技士が感極まるように呟いた。
「私達も貴方のようなオーパーツの塊に触れられて恐悦至極でございます……!」
「い、いや……よしてくれよ……同僚だろ?」
「先程までの失礼な態度をどうかご容赦ください……エックス……いえ、エックス様……!」
「困ったな……」
割と、エックスは新参なのでPMC内でも軽んじられる傾向にある。
ただ、戦場を共にしたり少しコミュニケーションを取っただけで皆こんな感じになるのはどうなのだろうか。
「さぁ、エックス様!その力を存分にお振るいください!!さぁ!!」
「……あっ」
エックスは時計を見て気付く。
約束の時間が近いことに。
「すまない!これから別件だ!試運転はまたの機会に!リコもありがとう!」
『はい!いってらっしゃいませエックスさん!』
「な、なんですと!??!!?」
――――――――――
「それで、その話は本当ですかリコさん?」
『ええ、それはもう!エックスさんたらしきりに時間を気にしていらっしゃいました!』
「あらあらあらあら、それは気になりますね……!」
『エックスさんが女性と会う約束をしてるなんて、こんな事今までまっっっっっったくありませんでした!新事実です!気になります!』
ミレニアム、特異現象捜査部の部室にて。
いつの間にか勝手にリコと繋がるようになっていたこの場所で、リコとヒマリは騒いでいた。
如何に天才といえども10代の少女であり、他人の色恋に興味津々だった。
「先日はミレニアム生徒会の書記と色々あったみたいですが……ちゃんと約束の方を優先するのは合格点が出せますね」
『えっ!そうなんですか!?その話詳しく……!』
「聞きたいのですかリコさん?仕方ありませんね、このどんな日にも特別なこの超天才清楚系病弱美少女ハッカー明星ヒマリがお答えしましょう
!」
『きゃー!凄いです頼もしいですカッコいいですー!』
「あんまりそういうのに首突っ込んでると馬に蹴られるよ」
その傍らで、エイミは死んだ目をしながら雑誌に目を通していた。
「エイミは気にならないのですか?」
「全然」
エイミは暴走特急の様な二人を見て、ため息を吐きながら祈った。
エックス、早く戻ってきてくれと。
――――――――――
D.U.の地下鉄の出入り口が見える公園で、エックスは一人ベンチに座っていた。
……人を待つために。
「エックスさーん!!」
遠くからエックスを呼ぶ声が聞こえた。
視線を向ければ、まだ距離はあるというのにぶんぶんと手を振っている少女がこちらに駆けてきた。
……てっきりアビドスから来るのだから地下鉄経由で来ると思っていたのだが、当てが外れた。
「……フフッ」
エックスは、久しぶりに会う少女の様子に笑みを零す。
「久しぶりだね……また会えて嬉しいよ。ノノミ」
「はい☆お久しぶりです、エックスさん!」
件の少女……十六夜ノノミは、花が開くようにパッと笑った。
そう、今日は約束していた日。
お互いに顔を合わせて状況報告(エックスはそう認識している)を行う日だった。
「立ち話もなんですし、どこか行きませんか?」
「俺は飲食が出来ないけど……それで良いなら」
「わぁ、じゃあここに行きましょう☆前から気になってたんですよ~」
ノノミの手にした端末の画面を向けられる。
確か、この店はすぐこの辺りだったはず。
「分かった……っと、ノノミ?引っ張らないでくれるかな……っ、力強っ!?」
エックスははしゃぐノノミにされるがままに引きずられて行った。
……前に会った時は、思い詰めた様な顔をしたり、戦闘中だったりと
何か、心境の変化があったのだろう。
やっぱりこの年の子供達はこのくらい笑顔の方が良い。
「……あの、ノノミ?そろそろ腕が取れそうなんだけど……ノノミ?ちょっと?ノノミ!?待ってくれ!腕が……あっ」
「あっ」
――――――――――
「……そんな事が」
腕がすっぽ抜けてしまい戻すのに時間が掛かった後、目当ての喫茶店で近況を話し合っていた。
「そんな事が……」
「間違いなくアレはキヴォトス全土に災厄をもたらす……だから、俺がなんとかしなくちゃいけないんだ」
バイルの件は既に様々な報道機関が取り上げているらしく、ノノミの耳にも入っていた。
「うーん……」
ノノミが唸る。
アビドスへの被害も懸念しているのだろう。
「エックスさん」
「なんだい?」
「えい☆」
「!?」
ノノミがテーブルから身を乗り出し、正面のエックスの額に手を伸ばしてデコピンをした。
「何を……」
「また無理したんですね」
「あー……」
「全く……エックスさんは目を離すとすぐ無茶するんですから」
「それは……」
「駄目ですよ、義務感なんて感じちゃ」
「えっ」
「困ったら、頼ってください。私達もエックスさんを頼りますから」
「君たちも……大変だろうに」
エックスは今、カイザーに力を貸しているが……どうもノノミ達アビドスが借金をしている相手がカイザーローン……要するにカイザーコーポレーション傘下の企業らしい。
「俺は君達に糾弾されてしかるべきだ」
「しません。貴方は私達の学園の為に戦ってくれました」
「……でも」
「貴方がカイザーに居ながらアビドスでの作戦に参加していないのも知っています。他の地域での治安維持活動、他PMCとの衝突でしか出動していない事も。エックスさんが関わった傭兵さんたちが皆行儀良くなってることも、ちゃんと知ってます」
「ノノミ……」
言葉の節々から、ノノミが本当にエックスのことを心配しているのは分かった。
(……いや俺の活動筒抜けじゃないか!?)
嫌なことにふと気付いてしまったエックスは、ノノミから目を逸らして聞いた。
聞いてしまった。
「随分詳しいけど……何処まで知ってるのかな、俺の活動」
「全部です☆」
「んな……」
エックスは絶句してしまった。
……気を取り直してひと息つく。
店を出た後、D.U.を見て回りたいと言うノノミに着いて歩いていると。
「……?何でしょう、あの人だかり」
「本当だ。何だろうか」
一際目立つ……と言うか野次馬が物凄く沢山いる。
長い白髪を三つ編みで纏めているヴァルキューレの学生が物凄く困っている様に見えた。
「行ってみよう。トラブルかも知れない」
「あ、エックスさん……もう、すぐに首を突っ込むんですから……」
「君!何があったんだい?」
人混みをかき分け……いや、海が割れるように人がエックスを中心に左右に分かれた。
「見ろよ……」
「あれ、カイザーがイメージ戦略で起用してる……」
「いや、内側からあの悪徳企業直そうとしてるって話だぜ……」
「タイチョウミズカラ!?」
「サスガダァ」
周りからヒソヒソと声が聞こえる。
良い印象悪い印象が半々といった所。
「えっと、貴方は……?」
ヴァルキューレの学生の前までやってきた。
「俺はエックス。困っているみたいだったから……つい、ね」
「本官はヴァルキューレ警察学校1年の中務キリノです!」
「よろしく、キリノ……ところでこの騒ぎは一体?」
「あー……それはですね。こちらの方が……」
キリノが示した方向をみやると、何やら奇妙な格好をしたロボットが道端に座り込んでいた。
道着のような物を着崩していて、さながら破戒僧の様な出で立ちだった。
「あのー、すみません!ここは公道です!皆さんの為のものです!速やかに退去していただけないでしょうか!?」
キリノが手をメガホンのようにして叫んだ。
「……強者よ」
「……と、ずっとこの調子で」
「はぁ……?」
話を整理すると、このロボットがずっとここで座り込んでいて通行の邪魔なのだが向こうが対話を拒否してくるせいでどうにも出来ず困っていたと。
見た所このロボットはキリノの事は眼中に入っていない様だ。
それこそ、これだけ集まっている野次馬にも。
ノノミが追い付いてきた。
「もう、エックスさん……!すぐに何処かへ行くんですから……」
「ごめん、ノノミ……ん?」
ふと、気付く。
……このロボットが、ずっとエックスを見ていることに。
「………………ノ」
嫌な予感がして、ノノミを下がらせようとした瞬間。
「強者……!」
「っ!?」
「きゃ……!?」
ロボットが急に動き出し、エックスに飛び掛かってきた。
エックスは咄嗟にノノミを突き飛ばして迎撃する。
「くっ……!」
「と、止まりなさい!撃ちますよ!」
「撃て、キリノ!」
「迅速に制圧します!」
エックスが飛び掛かってきたロボットの頭を拳を振り抜き吹っ飛ばす。
間髪入れずにキリノへ指示、キリノが愛用の拳銃を構え……。
……明後日の方向へ弾が飛んでいった。
「え」
「あっ」
キリノの放った弾はエックスの立っていた後ろに立つ看板に当たり、支柱大きくひしゃげてエックスの頭に落ちた。
「ぐ、おっ……!?」
「エックスさん!?」
「う、わぁぁぁぁすみません!?大丈夫ですか!?」
頭を抱えて、ロボットに向き直った。
……向こうは様子を見ているようだ。
「何が目的だ」
油断なく、エックスは腕をバスターに変形させて構える。
「闘争だ」
「何……?」
「強者との、闘争。構えろ」
「……なるほど、そういうことか」
「エックスさん……?」
「俺と戦えば、満足して退くんだな?」
「貴様次第だ」
「仕方ない……ノノミ、下がっててくれ」
エックスは
「行くぞ!」
「来いッ!!」
「はぁっ!!」
先に動いたのはエックスだった。
一歩前に跳び、正拳突きを繰り出す。
相手はそれを片手で払い裏拳をエックスの顔に繰り出す。
「っ!」
エックスは裏拳をガードし、足払いをかけるも既にそこに足は無く相手は飛び上がっていた。
「キエエエエッ!!」
「うおおお!」
上からの攻撃。
相手が拳を振る前にエックスは飛び上がる。
「雷迅拳!!」
「ぐ、がっ!?」
エックスの振り上げた拳が顎にヒットする……が、浅い。
クリーンヒットにはならず、両者距離が離れた。
「「………………」」
無言。
そして動かない。
ギャラリーがいつの間にか増えている気がするが気にしないでおく。
ノノミとキリノが固唾を飲んで見守る中、二人は同時に動いた。
「キエエエッ!!」
「波動拳!!」
なんと、エックスもロボットも掌からエネルギー弾を撃ち出した。
「なっ」
「!?」
撃ち出したエネルギー弾はぶつかり合い、掻き消えた。
「ふ、ははは!!これほど昂った事は過去にあっただろうか!これ程の強者!胸が踊る!」
ロボットは一瞬でエックスとの距離を詰める。
「早い……!?」
「破ァッ!!」
「ぐ、あっ……!?」
掌打がエックスの腹を捉える。
凄まじい衝撃に、エックスの体が一瞬浮く。
「セイヤァッ!!」
「うわぁっ!?」
その瞬間、逆の手で出された正拳突きがエックスを吹っ飛ばした。
「くっ、強い……!」
転がりながら体勢を立て直し、次の攻撃に備える。
そこへ、ロボットが足元を狙い足払いの構えを見せた。
「竜巻旋風脚!」
「なんと……オゴッ!?」
下段攻撃を飛び上がり回避すると共に、回し蹴りの連打をロボットに浴びせた。
「終わらせる……!」
エックスはダウンしているロボットに素早く近付き、拳を振り下ろした。
「岩斬波っ!」
「ぐおっ……!?」
コンクリートを砕く衝撃。
ロボットが地面にバウンドして上空に吹っ飛んだ。
「とう!喰らえっ!」
エックスも大ジャンプし、宙を舞うロボットを飛び越え……。
「焔降脚!」
炎を纏った所謂ライダーキックで蹴り抜いた。
「ぐおおおっ!?」
再度地面に叩きつけられ、ロボットはゴロゴロと転がり、動かなくなった。
「……終わったか」
「エックスさん!まだです!」
「何……!?」
「キエエエッ!!」
吹っ飛んだ地点を見ても、相手の姿は無い。
猿叫に気付き慌てて振り向くも既に相手の射程内。
エックスに出来るのは……左手のショートアッパーを相手の体に叩き込む事だった。
「昇、龍、拳ッ!!」
直ぐ様右の拳から放たれる渾身のアッパーカット。
バコォォォォン!と小気味良い音が鳴りロボットが天高く舞い上がった。
「見事……!」
そう言ってロボットは頭から地面に突き刺さったのだった。
「あ……おい!?大丈夫か!?」
割りと本気の一撃を放ってしまい、慌ててエックスは駆け寄るのだった。
ノノミの感情がちょっと重くなってきました。
おかしいな……プロットではもう会う事なかったはずなんだけど……。
ちなみにこの報告会はリコとヒマリの監視下にあります。
酷いですね。