【完結】デカグラマトンハンターX   作:塊ロック

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なお想いは届かない模様。

皆さんはホシノとシロコは引いたでしょうか。
私はまだ様子見です。



休日の終わり

 

「ご協力ありがとうございます!では本官はこれで!」

 

キリノの対応が終わった頃には、日は朱く染まっていた。

結局、あのロボットは生活安全課が邪魔にならない程度の場所で解放するらしい。

 

「強者よ……我は百鬼夜行連合で待っているぞ……!」

「はいはい行きますよー」

 

(百鬼夜行連合……?どこの事だ?)

 

エックスが百鬼夜行連合学園に向かうのは少し先の話である。

 

「………………」

 

はたと気付く。

この刺すようなプレッシャー。

まるで油を差していない関節が悲鳴を上げるかのようにギギギと振り向く。

 

……そこには、笑っているが薄く開いた瞳は真剣(ガチ)な感情を放つノノミが居た。

 

「えっと……ノノミ?」

 

恐る恐るエックスは声を掛ける。

 

「はい、何でしょう?」

「その……」

 

初めての感覚だった。

10代の少女にこれほど圧されるなんて。

ふと、女性との関わりが多い同僚に脳内で助けを求める。

 

(助けてくれ、ゼロ……)

 

……彼は、鈍感なので担当オペレーターのレイヤーのアプローチに全く気付いていないのだ!

 

(くっ……ゼロは頼りにならない……!)

 

親友がショックを受けたような顔をした気がする。

 

(アクセルは……駄目だな)

 

アクセルもアクセルで、相方のパレットと仲良く喧嘩しているがぶっちゃけ友人関係だ。

 

……なお、当のエックスもエイリアからの好意に全く気付いていない事は敢えて言及しておく。

 

ちなみに更に未来で鈍感ムーブを発揮するらしい。

 

「……ふふっ……」

「え……」

 

などと心のなかで頭を抱えていると、たまらずノノミが吹き出した。

 

「あははっ……あれだけ強いのに、そんなに慌てて……可笑しくって笑っちゃいました☆」

「あ、あー……俺はてっきり怒ってるのかと」

「怒ってますよ?」

「う……」

 

スン、とノノミが真顔になる。

時たま見かける女性の切り替えの早さはたまに恐怖を感じる。

 

「エックスさんは本当にすぐ無茶しますね?」

「いや、これは」

「エックスさんがやる事ではないですよね?」

「けど」

「エックスさん?」

「……ハイ」

 

敗北。

エックスはいつの間にか正座してノノミに叱られていた。

先程まで居た野次馬達は苦笑しながら散っていった。

 

「もう……本当に心配してるんですからね?」

「すまない……でも、俺は」

「……分かってます。エックスさんはそういう人ですもんね」

 

ノノミが目を伏せる。

 

「じゃなかったら、あの時私を助けてくれませんでした。あんな風に……自分が傷付くのを厭わずに。そんな『大人』は……私達の周りには居ませんでした」

「………………」

「だから、心配なんです。居なくなって欲しくないんです」

「それは」

「エックスさんは……必要なんです。居て欲しいんです」

「………………」

 

エックスは、いつか元の世界に帰還するつもりでいる。

現地の人間達とここまで親交が深まるとは思っていなかった。

 

「あんまり心配させちゃうと、アビドスに持って帰って閉じ込めちゃいますよ☆」

「そ、それは勘弁してくれないかな……」

「冗談です☆」

 

めちゃくちゃ顔がガチだった。

ノノミはたまに冗談とも本気とも取れる言動をするから判断に悩む時がある。

 

「と言うか立ってください。私がいじめてるみたいじゃないですか」

「え、ああ……あれ、いつの間に」

 

エックスは無意識での行動だった。

 

「ふふ……反省、ちゃんとしてるみたいなので……あそこのたい焼き買ってくれたら許します」

「……まぁ、それくらいなら」

 

カイザーが意外に羽振りが良かったので、実はそこそこ金は貯まっている。

なお、一度預金をエイミに確認された時はしばらくエイミはフリーズしていた。

キヴォトス基準の金銭感覚はエックスにまだ無かった。

 

「あら……エックスさん?」

「えっ?」

「こんにちは、奇遇ですね」

 

にこやかに笑っているのは……ミレニアムの書記であるノアだった。

何故ここに?とは思うものの人の往来が激しいD.U.に来るのは普通の事なのだろうと納得する。

 

「……貴女は?」

 

ゾットするくらい平坦な声がノノミから聞こえた気がした。

エックスはそろそろ聴覚機能のメンテナンスを心に決めた。

 

「初めまして。生塩ノアです」

「十六夜ノノミです」

 

……この二人は、笑顔で挨拶を交わしていたが……何故かエックスには両者の間に火花が散るのを空見した。

 

(……メインカメラも点検しようかな)

「ノアさん、貴女はエックスさんとどういった関係ですか?」

 

ノノミが初手を取る。

ノアはいつもの微笑みを絶やさず返す。

 

「以前、ミレニアムの廃墟で戦闘があると通報を受けた際ですね」

「ああ、あの爆破騒ぎの……」

「あら、ご存知でしたか」

「はい☆どこかの誰かさんが無茶ばかりするので」

「うっ……」

 

ノノミの何気ない一言がエックスの胸に刺さる。

 

「そうだったんですね……ノノミさんはどちらで?」

「私はアビドスですね。路頭に迷っていた所を保護して」

「いや、あれは別に迷っていた訳じゃ……」

「……違いましたか?」

「……道には迷っていたね」

 

何故だろう。

今日はやたらと圧をかけられている気がしてくるエックスだった。

 

「ああ……エックスさんの言っていた大事な予定と言うのは貴女の事だったんですね」

「大事な……」

「ああいや、そこまでとは……」

 

言っていなかったのだが、大事な、と言う部分に反応してノノミが何故か照れている。

 

「お二人はそういった関係なんですか?」

「そういった……?」

「え、ち、ちょっとノアさん!違いますよ〜〜」

「……?」

 

エックスは首を傾げた。

ノノミとの関係。

それにしっくりくる言葉を探す。

 

「俺とノノミは……そうだな、死線を共にくぐり抜けた謂わば戦友だ」

 

そういった瞬間、空気にギガフリーズが適用されたかのように時が止まった。

 

「………………」

「……違ったか?」

「違い……ません……」

 

何故かノノミが俯いて消え入りそうな声でそう言った。

そしてノアが慰めるようにノノミの肩に手を置いた。

なんだかんだ仲良くなれそうでちょっと安心するエックスだった。

なおその原因が自分にあるとは露ほど思っていない。

 

「心中、察します」

「ありがとうございます……ノアさんもたい焼き食べませんか?エックスさんの奢りで」

「いいんですか?頂きます。エックスさんの奢りで」

「え……?何で……別に構わないが……」

 

やたらと奢りを強調されたが特段気にすることでもないとエックスは結論付けた。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「本当に此処までで良いのかい?」

「はい。この駅からが一番アビドスに近いので」

「別にアビドスまで送っても良いんだが……」

 

しばらくして、エックスとノノミは地下鉄の出入り口付近に居た。

ここまでエックスがバイクを出してノノミを送ってきた。

 

……余談だが、サイドカーを付けてもらおうと頼んだらエックスの足のサイズの関係で断念する羽目になった。

 

「今日はありがとうございました。楽しかったです」

「そうかい?結局いつもと変わらなかった気がするけど……」

「いつもあんな事を?」

 

スッ、とノノミの目が細くなる。

 

「……失言だったかな」

「ふふっ、そうですね」

「また連絡するよ。そっちも頑張って」

「はい☆またお会いしましょう」

「ああ」

「……必ず」

「うん?」

「さよなら、エックスさん」

 

にぱっ、と笑顔で手を振り、ノノミは駆けていった。

 

「さよなら、ノノミ」

 

エックスの休日は、終わる。

明日からまた活動再開だ。

 

「……よし、帰ろう」

 

 

 

 




あーあ……出会っちまったか……。
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