めちゃくちゃ難しいですけど。
アリウスの夏イベント見終わったのでサオリがどうしても欲しい……書けば出るかな……。
「おはようございます、エックスさん」
「え……おはよ、う……?」
朝。
部屋の呼び鈴が鳴ったので玄関ノドアを開くと、先日会ったばかりの生塩ノアがにこやかに微笑みながら立っていた。
「ど、どうしたんだい……?まだ朝の7時だけど……」
「たまたま近くを通りがかったので様子を見に来ちゃいました」
(……待て、ヒマリは確か誰にも俺の居る場所を教えていないって言ったよな……!?)
なお、既にヒマリはノアにバラしていた。
面白半分で。
「そ、そうなんだ……どうしてここを?」
「とある親切な方から聞きました」
「奇特な奴も居るものだな」(ヒマリーッ!!)
「ええ、ホントに。エックスさんはどんなお部屋にお住まいで?」
「え、いや……大したことないよ。俺は横になる必要なんてないし」
「お邪魔しまーす」
「ちょ……!?いつの間に!?」
エックスが何か言う前に既に上がり込まれていた。
何だこの速さは。
「……何も有りませんね」
「だから言ったろう……活動の拠点に過ぎない」
エックスの住む部屋は……片隅にパイプ椅子と長机。
ちょっとした本棚に少々の本。
キヴォトス中のアナログな地図。
そして自身のメンテナンスの為の簡単な工具しか置かれていなかった。
「俺は人間じゃないから……そんなに物は必要じゃないんだ」
「それにしたって殺風景ですね……」
「そうかな……?これでも物は多い方だと思うけど」
向こうでもそれほど私物は持っていなかった。
「もし良かったら、家具を買いに行きませんか?」
「え?いや、そんな……君の手を煩わせる事じゃないよ」
「まだお礼が済んでませんので」
「うっ……そうか……」
もうこういう手合は好きにさせた方が却って状況は好転するのかも知れない。
「……分かった、今度時間のある時にお願いしようかな」
「……!本当ですか?良かったです」
どうも、エックスは女性に対して弱くなる所があるのではないだろうか。
(……俺が人間なら、もう少し気の利いた事が言えるんだろうか)
レプリロイドらしからぬ、もしも、の考えが頭を過る。
「考え過ぎか……」
「どうかされました?」
「いや、気にしないでくれ」
「そうですか……そういえば、今日はどういったご予定で?」
「今日?ああ……パトロールと……」
エックスは地図の一つを取り出して広げる。
「……トリニティ総合学園に行こうと思ってる」
――――――――――
ノアと別れたエックスは、いつも通りD.U.を歩いていた。
人が多い場所ではあるが……人々が穏やかに生活している風景を眺めるのは、エックスにとって数少ない趣味とも言えるものだった。
「あっ!エックスさん!おはようございます!」
ベンチに座っていたエックスを呼ぶ声。
「おはよう、キリノ」
なんだかんだすっかり顔馴染となったヴァルキューレの生徒、キリノだった。
「今日もパトロールですか?」
「ああ」
「これも……カイザーPMCの?」
「いいや、これは俺が自発的にやってる事だよ」
「そうなんですね……」
「何でまたそんな事を?」
キリノがエックスの隣に座る。
「え?あはは……そうですね……」
「……カイザーの評判が悪いから、とか?」
「うっ……」
「君は嘘を付くのが苦手みたいだね」
自分の事は棚に上げておどけて笑った。
「うぅ……そもそもどうしてエックスさんみたいな人がカイザーに……?」
「まぁ……なりゆきかな?」
「えぇ……?」
たまたま共闘してたまたま拉致されてたまたま交渉が上手く行ってたまたま籍を置いているにすぎない。
しかもカイザーPМCとしての仕事よりエックスの価値観に従った仕事ばかりしているので利益が出てるとは言い難い。
「よくそんな事許されてますね」
「何だかんだ結果が出てるから……その一点だろうな」
「そうなんですね……」
「キリノ、君は今日どうしてここに?」
「勿論、本官はパトロールです!」
「そうか。じゃあ俺も一緒に行こうかな」
「本当ですか!では行きましょう!」
「と言っても……今日は午後から予定があるから、午前中だけだけどね」
「それでもエックスさんが居るなら百人力です!」
「ははは……」
――――――――――
午後。
キリノと別れ、トリニティへと辿り着いた……が。
「お引き取りください」
「……え?」
がちゃり、と周りにいる黒いセーラー服の少女達がエックスに銃を向ける。
「カイザーコーポレーションの者は我々トリニティに一人たりとも入れると思わないでください」
エックスの身長を超える長身の生徒に、そう宣言されてしまった。
(参ったな……)
エックスは、両手を上げるしかできなかった。
(またノノミに怒られる……)
もう何か面倒に巻き込まれるとノノミに怒られる事を心配するようになってしまったエックスだった。