【完結】デカグラマトンハンターX   作:塊ロック

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キヴォトスのランドマーク間の距離ってどうなってるんでしょうね。
各自治区からシャーレとか、アビドスの広さとか。


距離はどうなっているのだろう

 

「……以上だ」

「なるほど、ご苦労だった」

 

理事長はエックスから受け取ったレポートを見て満足そうに笑う。

 

「トリニティへの進出は不可能、そう見るべきか」

「部門によるんじゃないか。少なくとも金融とPMCは無理だろう」

「誰かのお陰で会社として利益は出ている……痛手にはなるまい」

「一度自分の行いを見つめ直したらどうだ?」

「機会があればな。ところでエックス」

「?」

「デカグラマトンの調査は進展しているか?」

「……今のところ、進展なしだ」

 

カイザー理事が何故エックスを野放しにしているのか。

トリニティへデカグラマトンの調査に赴いていると言う一点があったからだ。

 

カイザーも資料を提供する見返りとしてデカグラマトンの情報を欲しがっている。

 

……恐らく、対デカグラマトン部隊を率いて大義名分を得た上でトリニティへ進行するためだろう。

部隊の存在意義をアピールし一度でも領地への進入を許せば二度目からは諸々綻びやすい。

 

「そうか。まぁ急ぎではない……気長にやる事だ」

「これはお前たちの為にやっている事じゃない」

「子供たちのお遊びに付き合っているだけだろう?構わない。お前のお陰で住民からのイメージが改善しつつある……少しずつ需要が増えてきているからな」

「これを機に方針を変えたらどうだ」

「冗談にしては上等だな」

「それはどうも」

 

一触即発の空気が醸し出されるが、一瞬で空気は霧散する。

 

「俺はこれで失礼する」

「エックス」

「まだ何か?」

「出張手当だ」

「……今はそっちの仕事で働いていないのだが?」

「なら個人的な報酬だと思って受け取れ」

「自分で雇われておいて何だが、あまりにも待遇が良くないか……?」

「フッ……自分の影響力をもう一度確認しておけ」

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

ふと、おでん屋の屋台が目についた。

たまには手土産に何か買っていこうかと思案する。

ヒマリは寒がりだからこういった温かいものは好きだろうか。

 

「すみません」

 

気が付けばエックスは屋台の暖簾をくぐっていた。

 

「いらっしゃい」

「持ち帰りはできるかい?」

「ちょっと待っててくれよ……ほら、お客さん」

 

先客の対応中だったらしい。

視線をやれば……頭にヘイローが浮かんでいる。

何処かの学園の生徒だろう。

ジャケットを脱いで少しラフな格好で座っていた。

 

「ありがとう……ん?」

 

少女と目が合った。

 

「あ……貴様は確か……!」

「君は……?」

 

ブロンドの長い髪に……頭頂部から生える三角の耳。

こんな特徴があるのなら印象に残る筈だが……。

 

「以前、カイザーPMCの本社ビルの前でデモ隊と騒いでいたのを見た」

「……そんな事もあったな」

 

あの時は行方不明になっていたエックスの捜索で躍起になっていたらしいが。

 

「あの騒ぎは酷かった」

「同僚達がすまない……」

「……同僚?貴様カイザーPMCの一員だったのか?」

「あの時はそうじゃなかったけど、今はそうだ」

「……とてもそうは見えんが」

「よく言われるよ。どれだけあの企業の評判が悪いのやら……」

「フン、まぁいい……問題さえ起こさなければな」

「善処するよ」

「フン……」

 

鼻を鳴らすと、カンナは手にしていたお茶を口に含んだ。

……雰囲気からアルコールの類ではと疑ったがそんな事は無かった。

 

「へい、お待ち」

 

店主から袋を受け取る。

中身はおでんの詰め合わせだった。

冷めないうちに早く帰ろう。

 

「ありがとう」

 

帰ろうとしてふと足を止める。

 

「そういえば君……名前は?」

「は?」

「名前だよ。俺はエックス」

「………………公安局、尾刃カンナ」

「よろしく、カンナ」

「………………ああ」

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「ただいま」

 

ミレニアムの特異現象捜査部に戻ってきた。

ヒマリが休憩中だったのか、マグカップを口に付けて振り向いた。

 

「おかえりなさい、エックスさん。お疲れ様です」

「ヒマリこそお疲れ様。頼んだ件はどうなった?」

「そうですね……何分こちらから探すとなると厳しいものがありますね」

「まぁそうだよな……」

 

エックスは戻る前にヒマリに例の地下通路の話をし、調べてもらっていた。

トリニティの地下にある広大な通路について。

 

「トリニティへの出入りが自由になったのでしたら……トリニティの方に文書を探しに行くのも手では?」

「なるほど……それは確かに」

 

話は少し逸れるが、エックスがこちらの世界に来てから驚いたことの一つとして、こういった古い情報をデータにして保存していない事だった。

 

保存状態を良くしているとは言え何年も前の書物を頼りにしているというのもどうなのだろうと思う。

 

「エックス〜……」

「エイ……ミ……?」

 

名前を呼ばれたので、思考の海に沈んでいた意識をエイミに向ける。

……だが、言葉に詰まってしまった。

 

なぜなら、そこに居たのはエイミのようなものだったからだ。

 

「エイミ、溶けてないでちゃんと服を着なさい」

「暑い……助けて……」

「え……今、溶けて……?えっ……?」

 

瞬きをした瞬間ちゃんと人の形になっていたので、錯覚だったのだろうか……。

 

「エックス……あれちょうだい……」

「あれ……?あ」

 

先日の戦闘でフロストタワーを使用した為、エイミに与えていた氷塊が無くなっていたのに気付くのに……少し時間が掛かったのだった。

 

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