【完結】デカグラマトンハンターX   作:塊ロック

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ウマ娘が3.5周年で遂に顔見せからずっと欲しかった子が実装されたんですよね。
これを機に未育成の子のシナリオとか読んでたりしてました。

脳が……輝きに焼かれる……!

ブルアカもイベスト読まないとなぁ。

アーマード・コアⅵ発売1周年!

あまり関係ない作品ですが私はこのシリーズ大好きなので祝わせてください。

戦い続ける歓びを!


スランピアの攻防

 

「サークルブレイズ!」

 

バスターから炎の弾が発射される。

ドローンの一体に命中した途端、炎が命中した箇所をぐるりと一周し周りのドローンを巻き込んだ。

 

「なにそれ、ずるい」

「言ってる場合か!まだ来るぞ!」

 

エイミからの抗議の声を流してエックス達は進む。

頑丈なエックスと、どういう理屈か分からないが同じく頑丈なエイミは2人で前へ前へと進軍していく。

 

ドローン程度の機銃では2人を止められなかった。

 

「エックス、後ろ!」

「くっ……!ダブルサイクロン!」

 

囲まれたとしてもエイミがカバーしてくれる上に注意までしてくれるので、一人で戦うより幾分か楽では有ったが。

 

エックスの前後に発生した竜巻がドローンをまとめて吹き飛ばした。

 

「ふぅ……そろそろ打ち止めかな」

『はい!周囲にイレギュラー反応はありません!』

「……リコ?今イレギュラー反応って……」

『厳密には違いますが……エックスさんに馴染みある言い方のほうが良いかと思いまして』

「……そうか」

『エックスさん、その遊園地ですが……やっぱり電力は生きています』

 

ヒマリからの連絡を聞きつつ、二人で周囲への警戒は怠らない。

 

「その電力はどこに?」

『それが……』

 

ヒマリが続きを喋る前に、エックスとエイミの周囲の電灯に明かりが灯った。

続いて、何処となく不協和音になりつつある愉快なBGMが鳴り響く。

そして……門の近くにあったアトラクションが稼働し始めた。

 

『パーク全体の……アトラクションに』

「今目視したよ……何が目的なんだ……?」

「これ、電気代どこが払ってるんだろ……」

『ハッ!盗電だろこんなの!』

「電力会社が気の毒だな……」

 

一体いくらの損失になるのか考えたくもない。

企業に半分所属しているエックスはなんとも言えない気分になるのだった。

 

『あっ……大変ですエックスさん!』

「リコ……?どうした?」

『オメガと同じ反応です!』

「何だと!?場所は!?」

 

すぐさま視界にスランピアの見取り図が表示される。

赤い点が一つ……最悪の、ステージに。

 

「ここだと……!?」

『何かの冗談だと思いたいが、ここに居る……!恐らく行方不明者はイコールで被害者……もしくは』

「……犠牲になんてさせない」

「エックス」

 

気が付くと、エックスの前にエイミが立っていた。

 

「な……なんだい?」

「気負わないで。エックスが機械だろうと……感情があってそれ任せになるならエネルギーの効率が悪くなる」

「……え?」

『落ち着いて、と言っているのですよ、エイミなりに』

「ヒマリ……」

『この事件の解決はエックスさんがやるのです!でも……エックスさんは一人ではありません!ここに居る皆さんでやるのです!』

『そうだエックス。俺達がいる……当てにならんかも知れんがな』

『ちょっとヴィアさん!』

「……ハハハ」

 

つい、笑みが溢れてしまった。

なんだかんだゼロやアクセルと共に任務に行くことは何度かあったが……ここまで賑やかなものではなかった。

和んでいる場合ではないのは承知だが、それでも肩から力が抜ける。

 

「ああ……そうだな……」

「行こう」

「ああ!」

 

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

『エックスさん!大変です!』

「リコ……?」

 

もう何度目か分からない大慌てするリコの声。

この子はこういうタイプなのかも知れない。

 

『今しがた確認しましたが……私たちが通った反対方向の出入り口で戦闘が起きています!』

「なんだって!?」

 

俺達以外にここで戦闘しているというのは……生存者?

 

『落ち着けエックス!向こうも出入り口だぞ。侵入者に決まってる』

『生存者である可能性は確かに低いですね……』

「エックス。多分助けに行ってる時間はないかも」

「くっ……」

 

エックスは、悩んでしまう。

どれだけ覚悟を決めたとしても。

エックスと言う存在は悩んでしまうのだ。

 

「エックス。私が先に行っても良い」

「エイミ……?」

 

エックスが口を開く前に、エイミがそう切り出した。

 

「エックスの足なら、追いつけるでしょう?」

「……すまな……」

 

エックスが言葉を発する前に、エイミは手を振って制した。

 

「謝罪より、礼を言う方が心の効率は良いよ」

 

エイミに諭されて、ハッとする。

 

「……ああ!ありがとうエイミ!」

『……仕方のない人』

 

ヒマリも飽きれたように笑っていた。

 

「ヒマリも……」

『ああ、私は謝罪でお願いしますね』

 

スン、といつもの真顔に戻ってそんな事を言われてしまった。

 

「はい……」

 

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

 

「あれか……!」

 

エックスはダッシュ機能をフル活用しスランピアを一瞬で横断する。

すると見えてきたのは……正義実現委員会とはまた違う、黒い装束の集団。

 

「シスターフッドか!」

 

エックスのライブラリの中に入っている情報から判断する。

ドローンや自立稼働型のガードメカに囲まれている。

素早く状況判断し、彼女たちを傷つけずに済む武器を探す。

……廃棄された施設なのだから、有効活用してやろう。

 

「スクラップシュート!」

 

あちこちにある廃材がエックスの周囲に浮かび上がり、シスターフッドの生徒たちの周りに殺到する。

 

「えっ……!?」

「援護する!」

 

そのままエックスは生徒たちの前に滑り込み、バスターを連射する。

 

「ご、ご助力感謝します……!皆さん、今のうちに立て直しを……!」

 

リーダー格の生徒が周囲の生徒に指示を出し、陣形を組みなおしていた。

指示を出すのは慣れていないが、戦闘は慣れている、そんな集団に見えた。

 

(あれは……マリー?)

 

その中に、見知った姿があったが今はそれどころではない。

手早く片付けてエイミに追い付かなくては。

 

「行くぞ!」

 

一掃のために特殊武器を選択する。

 

「アタック!レイスプラッシャー!」

 

前方広範囲に光の玉を乱射する。

耐久力の低いドローンやガードメカはこれで掃討された。

 

「今だ!」

「やぁぁぁぁ!!」

 

生徒たちの中で唯一ショットガンを持っていた生徒が、生き延びた最後の一体に肉薄する。

防御型のガードメカなのだろう、大きな盾を展開するが。

 

「だらっしゃぁぁぁぁぁ!!」

 

鬼気迫る怒号と共に繰り出された蹴りが掬い上げるように大盾を弾きあげる。

その瞬間にショットガンを連射し……、

 

カチン、と乾いた音がした。

 

「しま……!?」

「危ない!」

 

マリーがそう叫ぶと、今まさに反撃の為に振り下ろされた腕が壁に当たったように弾かれた。

 

「今のうちに!」

「ありがとマリー!」

 

エックスは特殊武器をチャージする。

ダッシュでガードメカに肉薄してそのまま突っ込んだ。

 

「ラッシングバーナー!」

 

バスターから炎が巻き起こり、エックスを包みこんだと思えばそのまま体当たりを敢行しガードメカの身体を貫いた。

 

「やりました……!」

「君たち、怪我は無いかい……!?」

 

着地もそこそこに、エックスはシスターフッドの生徒たちへ駆け寄った。

 

「え、えっと……」

「エックスさん、ありがとうございます」

 

言い淀むリーダー格の生徒を気遣うように、マリーが一歩前へ出てエックスに声をかけた。

 

「無事で良かった。君たちはどうしてここへ?」

 

……ふと、気付く。

エックスに対してマリー以外の四人の生徒は困惑や恐怖といった感情で混乱している。

 

無理もない。

いきなり現れて見知らぬ兵器で敵を掃討しているのだから。

 

「あー……」

 

どう声をかけるべきか決めあぐねてしまい、エックスが唸っていると……。

 

「皆さん、紹介します。こちらの方がミレニアム学園ヴェリタス所属の……《蒼き鋼鉄》エックスさんです」

「え、なんて……?」

 

マリーが紹介してくれた。

……だが……。

 

何だその二つ名……??

 

「まぁ!貴方様があの蒼き雷霆(アームドブルー)?」

「お会い出来て光栄です!」

「え……?」

 

反応が180°反転して今度はエックスが混乱することになった。

 

「お噂はかねがねお聞きしております!悪徳企業に敢えて身を置き内部から不正を暴き搾取された人々を救う、キヴォトスに舞い降りた迅雷!」

『わぁー……なんだかカッコいいです!』

『ハッ……いつの間にか有名人だな?エックス』

「い、いや……そんな大した事は……誰がそんな事を……」

 

悪評が流れるよりは良いがこれはこれで居心地が悪い。

 

「えーっと……マリーさんです」

「えっ……?」

 

先程までオドオドしていか黒髪の生徒がそう答えた。

 

「あ、えっと……カイザーの所属という事でエックスさんへの懸念、悪感情が広まる前にマリーさんが情報を集めてトリニティ中に流したんです」

「はい。エックスさんは正しく評価されるべきなんです」

 

マリーが力強く断言した。

 

「そんな、正しい評価だなんて……」

「エックスさんは、ずっと正しい行動をされています。神のお救いになれない弱者に手を差し伸べ、日々を戦い抜いています」

 

マリーがエックスに真っ直ぐな眼を向けてそう語った。

 

「……俺がやってることが、正しいかどうかなんてわからない。いつも悩みっぱなしで……昔同僚によくどやされてたよ」

 

ふと、エックスは懐かしむ。

かつての同僚達に心無いことを言われたり、親友からのフォローを。

 

「そんな事はありません。皆さんは知っています。貴方が強く……優しい人だと」

「……マリー」

『……こほん。エックスさん?』

 

咳払い。

慌ててエックスは思考を切り替えた。

 

「すまないヒマリ!これから合流する!」

「エックスさん……?」

「マリー、それと……」

 

黒髪の生徒に視線を向ける。

 

「わ、若葉ヒナタと申します……」

「分かった、若葉!今から俺は前線に居る仲間と合流して要救助者の居る場所へ向かう」

「えっ……わ、私達も救助に来たんです……!」

「そうだったのか……すまない、俺は君達を置いていくことになる」

 

この人数でエックスと同じ速度の進軍を要求するのは酷だ。

いくらキヴォトスの子供たちが強靭な肉体をしていると言っても足の速さはエックスに匹敵する者は少ない。

 

「この遊園地の中心……ライブステージに強い反応がある。俺達はそこへ向かう」

「わ、分かりました……私達もそちらへ向かいます」

「エックスさん」

 

マリーに呼ばれて振り向く。

すると、スッとマリーが手を出して……エックスの左手を、両手で包みこんだ。

 

「ま、マリー?」

「お気を付けて」

 

それだけ言うと、マリーは手を離した。

 

「ああ!」

 

エックスは駆け出した。

 

アトラクションも何もかも飛び越えてダッシュし、ようやくピンクと赤のシルエットが見えた。

 

「エイミ!」

「エックス。随分と遅かったね」

「すまない……知っていた顔だったから」

「ふぅん……?エックス、随分と女の子の知り合いが多いんだね」

「いや……そんな事は……ん?」

 

ふと引っかかる。

 

「……俺は女の子だと一言も言ってないが」

「あ……」

『あー……』

「ヴィア……まさかと思うが」

『ハッ!気にするなエックス!お前の知ってる子達は女の子ばかりなのは本当だろ!』

「男性の知り合いだって居る!」

『ヴィアさん、エックスさん……そう言うのは後にしてくださる?』

「……すまない……」

『ハッ!悪い悪い』

『えっと、エックスさん、エイミさん。生体反応をキャッチしました!この近くです』

「何!?」

 

エックスとエイミは立ち止まり、辺りを見回す。

メカニロイドの襲撃は落ち着いてはいるが、ここは敵地のど真ん中なのだ。

 

「……エックス」

 

エイミが静かにエックスを呼ぶ。

 

「あそこで今何かが」

「あれは……」

「多分、舞台裏の控室だと思う」

「行ってみよう」

 

ゆっくりと近付き、警戒しながら建物のドアに手をかける。

……鍵が掛けられている。

 

「電子ロックか」

「物理キーは破壊できちゃうからね」

『うーん……流石にハッキングは……』

『ハッキング?』

 

ヒマリが反応する。

 

『ハッキングならば……このミレニアム最高の天才清楚系美少女ハッカーであり、雲の上に咲く一輪の花、明星ヒマリの出番ですわ!』

「え……でもどうやって?このロックはどこともつながってな……そうか!」

 

エックスは手首からケーブルを引き出す。

 

『理解が早くて助かります。エックスさん経由でこのドアのロックを解除します』

「もしウイルスが入ってたら、エックス感染しちゃうんじゃない?」

『その程度、ウイルスバスティングしながら済ませますとも』

「頼むぞ、ヒマリ」

『お任せあれ』

 

カバーを外し、端子を探して差し込む。

 

「うっ……」

「大丈夫?」

「あまり……いい気分ではないかな」

『はい……開きました』

『早っ!』

『うふふ、この程度造作も有りません。罠の心配も無さそうですね』

『ヒマリさん、カッコいいです!』

『ええ、ええ!そうでしょうそうでしょう!なにせ私は……』

 

長くなりそうなので称賛もそこそこに中へ入る。

中は手入れされていないのか、ホコリが舞っている。

エイミが少し咳き込んだ。

 

「あっ」

 

すぐに、女の子が倒れているのが見つかった。

 

「大丈夫か!」

「あっ、エックス……」

『……罠は、無さそうだな』

 

すぐに掛けより、助け起こす。

……ヘイローが、無い……?

 

「気を失ってるみたい」

「そうなのか?」

「脈、あるでしょ」

「あ、ああ……」

 

……気を失うと、頭上のヘイローは消えるのか。

 

「この子、どこの子だろう」

「制服から察するに正義実現委員会だろう」

 

ハスミやツルギが連れていたのを思い出す。

 

『エックスさん!向こうにも……』

「ああ、四人……いや、五人か。他に反応は?」

『これで全部です!』

『全員気を失ってるだけみたいですね……ですが、恐らく食事は何も摂っていないハズ……急いで連れて戻らなければなりませんね』

「そうだな」

 

一人、見覚えのある黒い制服姿が目についた。

 

「シスターフッドの……この子か」

「知り合い?」

「いや……さっきの人たちは多分、この子を探しに来たんだろう」

 

取り敢えずこんな所に寝かせておくわけにもいかないので、一人ずつ外へ運び出した。

 

『あら……この制服はミレニアムのものですね』

「ミレニアムからも行方不明者が出ていたのか」

『それで……?こっちはゲヘナ……だと思います』

「ゲヘナ……」

 

確か、ミレニアムとトリニティと並ぶ巨大学園だったハズ。

 

『なんにせよ、まずは要救助者の護送が先決だな』

「俺もそう思うよ、ヴィア」

 

しかし、五人を運ぶとなると些か手間だ。

エックスでも二人が限界、エイミは一人……無理をすれば二人行けるだろうが……。

 

「エックスさん!」

「この声……マリー!」

 

遅れて、シスターフッドの救助隊が到着した。

 

「ご無事で……」

「ああ、大丈夫だ」

「エックスさん、先程シスターフッドに連絡しました。これで多少増員が来るはずです」

「そうだったのか……それは助かる。こっちに五人居てどう運ぶか悩んでいたんだ」

「なるほど……それならば都合が良かったですね」

 

マリーに現状の説明をする傍ら、エイミとヒナタ達が救助者を護送しやすいように移動させていた。

 

「それにしても……何故こんな場所に」

「ああ……それが不可解だ」

 

仮に迷ったのであれば解せない事がいくつかある。

そう……()()()()()()()()こと。

 

これは間違いなく人の手が入っている。

 

『あっ……!エックスさん!大変です!』

「リコ、どうした」

『オメガと酷似した反応が……来ます!』

 

その瞬間、遊園地に花火が上がった。

 

「な、何だ!?」

 

マリーは銃を抜き、エックスはバスターを構える。

 

そして……上空から巨大なボールが降ってきた。

 

「なっ――!?」

 

 

 




エックスの二つ名がどんどん増えていく。
蒼き鋼鉄はインティクリエイツの白き鋼鉄のXをもじったものですね。
アーマーがあったら白き鋼鉄のままですが、着てないので蒼き鋼鉄にしました。

なお、エックスの二つ名が広まっているのはマリーのせいです。

というわけで、いよいよボスの登場です。
遊園地に現れたオメガと同じ反応……まああの子達ですね。
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