【完結】デカグラマトンハンターX   作:塊ロック

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WARNING!! WARNING!! WARNING!!


実は総力戦の高難易度って挑んだ事無いんでんすよね……。
ここから先、更なるご都合主義展開のオンパレードとなります。
あらかじめアナウンスするのがこれで良いのだろうか……。


総力戦 シロ&クロ

 

空から降ってきた巨大ボールは、エックス達の目の前に落下し弾んでいた。

油断なくバスターを構える。

 

「あっ……!上!」

 

誰かが声をあげる。

釣られて見上げると、花火の光に紛れて何かが高速で移動している。

 

「何だ……!?」

 

そして、その何かは……ボールの上に着地した。

 

「……ネズミ?」

 

青い服を着た……白いネズミの様な顔をする……巨大なぬいぐるみだった。

 

「かわいい……」

『エックスさん!あのぬいぐるみからオメガと同じ反応が……!』

「アレから……!?」

 

ぬいぐるみは懐から何かを取り出し、こちらに放り投げた。

 

「攻撃……!?」

『アレは……爆弾ですぅ!?逃げて!!』

「逃げろと言われても……!拙い!」

 

エックスは救助者の方に走った。

何故なら……爆弾の一つがそちらに飛んでいるからだ。

 

「エックス!」

「当たれぇ!!」

 

咄嗟にバスターを発射したため、貯め段階の足りていないショットが放たれる。

 

それは爆弾を破壊できず……弾いた。

 

「くそっ、間に合え!」

 

エックスは救助者と爆弾の間に割って入る。

 

「フロストシールド!」

【ドッカーン!】

 

辺り一面に散らばった爆弾が全て爆発した。

 

「うわ!?」

「きゃあ!?」

 

シスターフッドの生徒たちが吹き飛ぶ。

エイミも慌てて伏せた。

 

『エックスさん、エイミ。アレはこちらに敵意を抱いています……全員の安全が確保出来ないので破壊するしかありません』

「部長……何か分かったの?」

『あれはテーマパーク内のロボットの一つで、夜な夜な勝手に動き出している様で……道行く人を襲っているみたいです』

「くっ……なるほど……それは……」

 

フラフラとエックスは立ち上がる。

間一髪、フロストシールドの生成は間に合い救助者たちに怪我はなかった。

 

……直撃のダメージを半減した程度なのでエックスにはかなりダメージが入ってしまったが。

 

「エックスさん!大丈夫ですか……!?」

 

マリーが慌てて駆け寄ってきて肩を貸す。

 

「すまない、マリー……大した傷じゃない」

「なんて無茶を……」

「俺は壊れても直せば良い。でも君達は……怪我は交換して直すものじゃないんだ」

「エックス!来るよ!」

「分かった!マリー、君達で何とか要救助者を運び出してくれ!」

「わ、私も……!」

「駄目だマリー。ここで全員戦っても全員無事で居られる保証はない……!」

「……うっ……分かりました……」

「行ってくれ!」

 

エックスはチャージショットをネズミのぬいぐるみに向けて放つ。

ボールに当たり弾かれる。

 

「硬いな……!」

「どこを攻撃すれば良いか、良く分からない……!」

 

エックスとエイミが立っている場所に、また爆弾が投げつけられる。

どうも、一定間隔でこちらに向けて爆弾を投げるルーチンが組まれているのであろうか。

二人は散開して飛び退く。

本体にバスターを当ててもびくともしない。

 

「とにかくぬいぐるみ本体に攻撃を集中だ!」

「分かった」

 

転がってくる巨大なボールを避ける。

長い戦いになりそうだ。

飛んでくる爆弾を避け、転がってくるボールを避け。

エックスとエイミは現れた謎の敵と戦い続けていた。

 

「このっ……!」

 

エックスが転がってきたボールを踏み付け飛び越える。

宙に浮くネズミのぬいぐるみへチャージショットを放つがひらりと空中で身をひねり躱されてしまった。

 

「すばしっこい奴め……!」

 

ネズミは挑発するようにうろちょろし、指を鳴らすとボールが何処からともなく3つ降ってきた。

 

「くそ……!数が増えている……!」

『長期戦は不利になるかも知れません』

「とは言え流石に……決定打が無い……!」

 

有効な特殊武器を探すという手も有るが、悠長にそんな事をする時間はない。

せめて、マリー達が無事に離脱していたら……。

 

『……おかしいです、反応が以前確認した時より弱い……?』

 

リコが、ふとつぶやく。

 

『どういう事だ?』

『オメガと比較すれば全てオリジナルより弱いのは頷けるんですけど……違和感があって』

『確かに……他のやつの半分くらいしかないな……』

 

リコとヴィアのやりとりを頭の片隅に起き、エックスは射撃に専念する。

ただのぬいぐるみが何故あそこまでの耐久力を有しているのか。

 

『こいつら、まさか複数体居るんじゃないだろうな』

 

ヴィアの一言に、ハッとした。

 

このロボットが、他にも……?

 

次の瞬間、ネズミの背後から一対の翼が飛び出した。

 

「なっ……!?」

 

そして、ネズミの後ろから新しい影が羽ばたいた。

 

「カラス……?」

 

今度は黒い、ステッキを携えた鳥を模したぬいぐるみだ。

……そして、エックスは嫌な予感が脳裏を走り抜けるのを感じた。

 

「アレは……拙い!」

 

鳥を模しているなら……()()()そう確信する。

飛べると言うことは……。

 

「離脱中のシスターフッドが狙われる……!」

『!!』

「逃さない……!」

 

エックスはフルチャージしたバスターをカラスのぬいぐるみに向ける。

すると、

 

【転がれ転がれー!】

 

エックスの背中をボールが直撃する。

意識を一瞬でも逸らしてしまった為、予備動作も見ていなかった。

 

「ぐあっ……!?」

「エックス!!」

 

ふっ飛ばされて、地面に激突する。

うつ伏せに倒され、起き上がろうとした瞬間……。

 

「うっ……!」

 

背中に更に衝撃。

エイミの攻撃を意に介さずボールごとエックスの背に飛び乗ったのだ。

 

「く、くそ……マリー……!」

 

何度も何度も踏み付けられる。

衝撃で意識を手放しそうになる。

段々と地面に埋まって更に身動きが取れなくなる。

 

「こいつ……!」

『あ、あわわ……!どうしましょう……!』

 

リコがパニック一歩手前のような声をあげる。

 

『拙いな……圧倒的に今出せる()()()()()()……。何か、何か策は……あ!』

 

ヴィアが何かに気づいた様な声を上げた。

 

『エックス!よく聞け!今から俺達はちょっとした()()をする!その仕込みのために離れるから今分かってる事だけを伝える!』

「ヴィ、ア……?」

『ヤツにはお前のバスターだけを軽減するバリアがある……!だが、物理的な攻撃には耐性は無い!エイミと連携して撃破しろ!』

 

エイミがネズミに対して飛び蹴りを浴びせ、何とかエックスの上から退かすことに成功する。

エイミに助け起こされ、なんとかエックスは立ち上がった。

 

「簡単に、言ってくれる……!」

『飛んでったカラスには何とか対抗できるかも知るんがお前も急いでくれ!リコ!パニクって無いで手伝え!』

『え、えぇ!何するつもりなんですか!?』

『トランスオンだ!』

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「リコ、お前はあっちの管理者に問い合わせてコードを解析しろ!」

「無理ですぅ!私達ディープログでも問題児扱いなんですよ!?」

「まずやってから泣き言を言え!エックスがあそこで死ぬと最悪俺達ごと吹っ飛ぶかもしれないんだぞ!」

「えっ……あっ……!()()()()()X()()()()()()()()()()()……!」

「そういうこった!それに……見殺しは寝覚めが悪いだろ?」

『失礼、リコさん、ヴィアさん』

 

エックスを中継していたモニターに、ヒマリの顔が表示された。

 

「どうしたヒマリ。俺達はそろそろ作業に入るから一旦通信を落とすぞ」

『そのズルとやら、私も一枚噛めないでしょうか?』

「なんだと?」

『……私も、見ているだけは歯がゆいので』

「……ハッ!そうかい!なら手伝ってもらうとするか!」

 

ヴィアが張り詰めていた表情から一転、破顔する。

 

『それで?私は何をすれば?』

「中の人間から手が出せるなら話が早い……今から、外と中、同時にハッキング仕掛けて()()()()()()()!」

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「エックス、大丈夫?」

「ああ……」

 

ヴィア達からの通信は切れた。

ヒマリとも連絡は取れなくなる。

 

そして……絶体絶命。

 

「ははは……なんだか、オメガと戦ってるときもそうだったな」

「笑ってる場合?早くしないと……シスターフッドに追い付かれるよ」

「分かってる……!」

 

未だ、踊りながら様子見しているネズミのぬいぐるみに向き直る。

決定打らしい決定打はなにも与えられていない。

 

ヴィアが最後に物理的な攻撃ならば、と言っていたが……。

 

「話が本当なら、俺のバスターは軽減されているらしい」

「……どうするの?」

「俺が隙を作る。その隙に……君の弾をありったけ至近距離で撃ち込む……それしかない」

「ふぅん?非効率にも程があるね。私の負うリスクは物凄く高いけど」

「君に負荷を掛けているのは申し訳ないと思ってる」

「……ま、エックスの火力が通じないなら……私がやるしかないか。いいよ、乗った」

「よし……」

 

エイミがショットガンに弾を込め始めた。

エックスは直ぐ様特殊武器を選択する。

 

「来るよ」

「なら……!」

 

ネズミのぬいぐるみは常にこちらへボールを投げつける、爆弾を撒き散らす、乗っているボールをぶつけるといった行動をランダムに繰り返している。

 

ボールを押し返してやる……エックスはそう考え、使う特殊武器を決めた。

 

「グランドダッシュ!」

 

目の前に大きな岩の塊を作り出し、それにタックルを仕掛けて転がす。

 

【!?】

 

ネズミの乗っていたボールとぶつかり、ひっくり返った。

 

「今だ!」

「っ……!」

 

素早くエイミが飛び込み、転倒したネズミのぬいぐるみを踏み付けた。

もがくぬいぐるみに再度ストンプを加え、銃を突きつけた。

 

「演目は、終わり」

 

ズドン、ズドンと何度も銃声が鳴る。

銃声の度にもがく手がバタバタと動いていたが……かちん、と空になった音がした後……動かなくなった。

 

「ふぅ……」

「やったなエイミ!」

「まだだよエックス。飛んでいったやつを追わなきゃ」

「ああ……だが」

 

飛んでいる相手に追い付くのは至難の業だ。

それに、エックスには空中戦をし続ける装備は無い。

 

一時的に飛ぶことは出来るが、そちらにエネルギーを持っていかれがちな上に、どうしても着地という隙を晒してしまう。

 

どうしたものかと悩みそうになった時……。

 

「エックス……何か、来る」

「えっ……なっ!?」

 

上空から何かが一気に落下し、地面にたたきつけられた。

 

「な、何だ……?!」

「これ、さっきのカラス……!」

 

……そして、空からまた何者かが舞い降りる。

エックスは咄嗟にバスターを向け……絶句した。

 

「貴方は……!?」

 

背にある大きな翼。

腕に付けられたバスター。

 

「久しぶりだな……エックス」

「……ストーム……イーグリード……!」

 

鷲型のレプリロイドは、悠然と舞い降りる。

かつての憧れと……敵が、目の前に立っていた。

 

(どう見てもイーグリードだ……何故……?)

「エックス……知り合い?」

「えっ……あ、あぁ……古い、な」

「……ハッ!悪いなエックス!見てくれだけなんだ」

 

堪えきれずに、イーグリードが笑い出した。

 

「その笑い方……」

「正解だエイミ!俺だよ、ヴィアだ」

「何でそんな姿を……」

「俺は事情があってかの姿で活動出来ないんだ。だからトランスオンで姿を借りて無理して駆け付けた訳だ」

「トランスオン……?」

「そいつの説明は後だ。このカラス、まだ動きやがる」

 

ハッとしてエックスとエイミがカラスのぬいぐるみを見る。

ボロボロになり、震えることしか出来ていないが……それはゆっくりと起き上がっていた。

 

「何なんだ、こいつは……」

「さぁな……だが、ここは遊園地だったんだろ?だとしたら……遊び足りないのかもな」

「未練とかそういう話?ロボットでしょ?」

「まぁな」

 

そして、カラスは再び舞い上がる。

 

「まだ飛べるのか……!」

「いや待て、様子がおかしい……」

 

こちらに向かってくるのではなく……一目散に()()()

 

「何処に行く……!?」

「拙いな、どうしてもシスターフッドに追い付きたいらしい」

「何だって……!」

 

イーグリードの姿をしたヴィアが翼を広げる。

 

「追いかけるぞ」

「ああ……頼む、ヴィア……ヴィア?うわっ!?」

 

飛び上がったヴィアがエックスの両肩を足の爪でしっかりとホールドした。

そのままエックスごと飛翔する。

 

「な、何で……!?」

「俺だとトドメが刺せないからだ!行くぞ!」

「う、うおおおお!?エイミは!?」

「私、弾切れだから先に行っててー」

 

完全に見送る流れだった。

 

「き、気を付けて……!」

「お前も気をつけろよ……!居たぞ!」

「!」

 

フラフラと飛ぶその姿には痛ましさを感じてしまう。

もしかすると、こいつは遊園地だった頃のルーチンを繰り返しているだけかも知れない。

 

だが……。

 

「人に危害を加えるのなら……お前は、イレギュラーだ」

「ああ、そうだな……。エックス、奴のバスター軽減能力は健在だ」

「あんなになっても、か」

「物理的な攻撃……何か思いついてるか?」

「……いや」

「よし、ならファーストアーマーだ」

「アーマー……そうか!」

「分かったか……なら、行って来いッ!」

「えっ……ヴィア、ちょっ、お前っ……!!」

 

ヴィアが遠心力を用いてエックスを振り回し……そしてカラス目掛けて投げ飛ばした。

 

「くそっ、めちゃくちゃだ……!」

 

吹っ飛んでいる最中、エックスはアーマーを装着する。

ファーストアーマー。

エックスが最も最初にライト博士より授かったアーマーだ。

後発のアーマーと比べて特段優れている点は無い。

 

ある一点を除いて。

 

「うおおおお……!」

【!?】

 

カラスに激突。

そのままエックスは組み付く。

暴れられるが、振り落とされぬようしがみついた。

 

「悪く、思うなよ……!」

 

そして、エックスは頭を引き……思いっきり振り下ろした。

 

「ヘッドブレイク!」

 

ファーストアーマーのヘッドパーツには、落下物保護機能が備わっている。

エックスはそれを逆手に取り……物凄い石頭の頭突きを敢行した。

 

カラスのぬいぐるみは凄まじい衝撃に動きを止め……落下した。

だが、その瞳は未だエックスを捉えている。

 

「お前は……イレギュラーだ……!」

【……?】

「恨むなよ……!」

 

エックスは、バスターをフルチャージし……バスターパーツの機能を追加する。

単純にして明快。

ファーストアーマーのバスターは……チャージ段階を引き上げる。

 

「スパイラルクラッシュバスター!!」

 

渦巻く螺旋が、時代に取り残されたぬいぐるみを包みこんだ。

 

「……それは、俺も……か」

 

エックスは、度重なるダメージとアーマー換装でエネルギーを使い果たし……目を閉じた。

 

「おっと……ったく、無茶しやがって」

 

落下するエックスを、鷲型のレプリロイドが受け止めた。

 

「ま、これで取り敢えず1つ目の問題は片付いたかな……」

 

ヴィアは、一人呟いた。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

???・地下研究所。

 

「何……?集めていたサンプルを奪取された?」

 

薄暗い空間で、Dr.バイルは赤く灯ったモニターに怒鳴った。

 

「あの場所は気付かれない筈ではなかったのか……ええい!護衛の信奉者はどうし……撃破された?誰に……いや、エックスか!」

【………………】

「忌々しい……!未だ人間の守護者気取りか……しかし対策は完璧だったハズ……ワシの記憶よりも奴は強い……」

【………………】

「エックス以外のレプリロイドだと……?」

【………………】

「これは……200年前に現れたイレギュラーの一体ではないか……!何故こいつが……」

【………………】

「エックスに、協力者が居る。それは間違いない……引き続き頼むぞ、デカグラマトン」

【………………】

 

 

 

 

 




ちょうどアプリの方も総力戦がシロクロでしたね。
シスターフッドから来た救難隊のメンバーはマリーとヒナタ以外に特に決めていません。

あ、エックスの二つ名ですが現状広まってるのは、
蒼き雷霆
イレギュラーハンター
メシア
蒼き鋼鉄
となってますが何か2Dアクション系で面白そうなのがあれば感想欄で教えて頂けると採用するかもしれません。


シロ&クロ戦、完。

テーマパークの取り残された亡霊に幕引きを。
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