ノノミとの定時報告回です。
ちなみにエックスが気絶してる間に日にちが過ぎました。
「……なんてこともあったなぁ」
『えっ……どうしたんですか?急に……』
エックスは久しぶりに戻った自室でスマホを机に置き、スピーカーモードで電話をしていた。
相手は……ノノミである。
結局あの後余剰となった特殊武器エネルギーを全て吐き出すまで症状は落ち着かず、また倒れて3日ほど経ってから意識を取り戻したのだった。
そして、その意識を失っている間に約束の1週間は過ぎた。
……後からスマホを確認したらモモトークの未読件数が99+とあって戦慄した。
なお、件数はノノミ七割マリー三割であった。
こうして電話をかけてみればまず上がった声は、
『……大丈夫でしたか……?』
恐る恐る、と言った様子の安否確認だった。
「ああ……久しぶり。連絡出来なくてすまない」
『よ、良かった……エックスさんです……それで、ずっと未読でしたけど……』
「それに関してはまぁ……説明すると長くなると言うか」
『はぁ……?』
「今回、調査でトリニティ総合学園へ向かったんだ」
ゴソゴソとエックスはテーブルの上に書類や借りてきた本を並べる。
結局、シミコが用意してくれた本をいくらか借りた。
彼女の努力を無駄にしたくはなかったからだ。
『トリニティ……とても大きな学校だと聞いています』
「ああ。ミレニアムと同じ……いや、それよりも大きいかも知れ……いやでもどうだ……?」
ミレニアムもまだまだエックスが踏み入れたことのないエリアは多数存在する。
『ふふっ……どっちなんですか?』
「あはは……実は報告することがたくさんあってね……何から話して良いか」
『今日は時間がたくさんあるので、全部聞きますよ』
「そうか?日時もズレたし予定外の事だったろう?良いのかい?」
『ええ、今日は1日空けてありますので〜』
それから、エックスは話し始めた。
正義実現委員会に門前払いされたこと、その時に助けてくれた子がいた事、ティーパーティー……ミカからの依頼で地下に潜入した事、そして……。
『遊園地の、取り残されたロボット達……』
「……ああ」
正直、エックスはやるせなかった。
確かに彼らはイレギュラーだ……ただ。
「別の道があったんじゃないか……そう思うよ」
だが、あの場でエックスに出来ることは……破壊することだけだった。
キヴォトスにおいて、エックスは戦うことしか出来ない。
彼らに新たな道を指し示す事など、出来なかった。
「俺は……同じ存在……レプリロイドや、ロボット達と戦いたくなかった……でも、いつも……いつも俺は、イレギュラーハンターとして皆を処分した」
『エックスさん……』
「でも……誰かがやらなきゃいけないんだ」
エックスは、無意識に拳を握る。
いつの間にか、ノノミに吐き出している形になっているが……エックスは気付かない。
「ははは……割り切ったつもりだったんだけどな」
『……戦うことに、理由があっても……辛いものなんですね』
「……本当にね」
『……はいっ!暗い話はここでおしまいです!』
「えっ?」
『次は……そうですね、エックスさんがトリニティで会ったお友達の話をしてくれませんか?』
「と、友達?」
『はい!』
「友達、か……」
思えば、エックスにとって友人と言った存在は少なかった。
ゼロのことは親友と豪語できるが、アクセルはどちらかと言うと同僚だ。
エイリアも同僚だし……他に、
「伊落マリーって子が、俺が正義実現委員会に締め出されたときに助けてくれて……」
『へぇ……』
「……っ!?」
一瞬だけエックスの首筋に悪寒が走った。
何もおかしなことは無い。
ノノミだって相槌を打っただけじゃないか。
『女の子ですか?』
「え?ああ……シスターフッドのシスター見習いだと言っていたよ」
『そうなんですか……また会えると良いですね』
「そうだな……まだ色々と礼が言いたいし、今回の件が落ち着いたらまた会いに行こうと思う」
『それがいいと思います……ところで』
ノノミがわざとらしく一拍置いた。
最近分かってきたのは、彼女も結構甘えたがりだと言うことだ。
何かしらお願いをされそうだ。
『私とは、会ってくれないんですか?』
「……ははっ、いつでもお安い御用だ……こんな俺で良かったらね」
『ふふふ、じゃあスケジュールの予約、入れちゃいますよ〜?』
「構わないよ。また少ししたら今度はゲヘナに向かうから……それまでにな」
こうして、夜も更けていった。
定期的に存在感出せるノノミ、ヒロインとして間違いなく強い気がしてならない。