【完結】デカグラマトンハンターX   作:塊ロック

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エックスをブルアカ式のユニットにしたらストライカー、スペシャル切替可能とかになりそう。
アーマー事に支援タイプ前衛タンク何でもこなせる万能キャラ。

そう言えばUA3万、感想100件に行きました。
いつもありがとうございます。


酔狂な美学

 

バイクを停め、懇親会の会場へと訪れた。

事前に雇われたメンバーを集めてのブリーフィングを行うらしい。

 

『しかしまぁ……この世界の企業ならもう少し組織単位で警備雇うくらいしないのか?』

 

ヴィアがぼやいた。

 

「どうなんだろうな……用意した警備に不安があって、そこを埋めるのに丁度いいから俺を雇ったのかもしれない」

『何にせよ、自由時間も仕事とは熱心なことだな……』

「どの道、動きは無いんだ。それなら自分に出来ることをするだけさ」

『目的はオメガの反応の調査。忘れるなよ』

「分かってるさ。行ってくる」

 

通信が切れた。

 

『お前に限っちゃその辺は心配してないが……エックス、手を伸ばせるからって際限なく差し伸べたら……お前には背負いきれなくなるぞ』

 

通信を切った後のヴィアの声は、誰に届く事もなかった。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「ようこそおいでくださいました『蒼き鋼鉄』様!」

 

案内されたフロアに入ると、背の低い……頭がブルドッグの様な男性に出迎えられた。

 

「貴方が依頼人ですか?」

「はい、その通り……ラウンズの人事を担当しております」

「……それで、何故俺に護衛の仕事を?ハッキリ言って不向きだが」

 

エックスの武器は、調整して加減が効くものでは無い。

当たれば間違いなく負傷……最悪死に至らしめる威力がある。

キヴォトスの生徒に放った事は今まで無いが……これからもない事を祈りたい。

 

「それは全員揃ったら説明したいと思います」

 

ふと、辺りを見渡せば……只者では無さそうな雰囲気のロボットや人間がそれぞれ端のほうに佇んでいた。

 

「……?」

「アンタが例のエックスか」

 

そのうちの一人が声を掛けてきた。

テンガロンハットの形をしたヘッドパーツが目を引く。

 

「俺はマック。よろしくなご同業」

「同業?」

「何、アンタも賞金稼ぎ(バウンティハンター)だろ?」

「いや、俺は違う」

「そうか?イレギュラーハンターってのは賞金稼ぎじゃなくて……何でも屋か?」

 

賞金稼ぎと言われて合点が行く。

この部屋に居る客は全員ラウンズに雇われた賞金稼ぎだと。

 

「オイオイ、ハンター名乗っててそりゃ無いぜ?」

「どんな奴かと思ってたがとんだ腑抜けだな」

「この前交通整備してたのを見たぜ」

「そんなに金に困ってるのかよ。俺が使用人として雇ってやろうか?」

 

あまりにも治安の悪い集まりだった。

懇親会の会場はD.U.にあったが、集まるのはトリニティやミレニアムに拠点を構える大企業が多い。

そして、D.U.と言っても都内ではなく……ハズレの方にある会場向けの施設群の中の一つだった。

その中にこんな奴らを入れるのか……エックスはそう思ってしまった。

 

「こほん、全員揃った様なので説明します」

 

依頼人が咳払いをしてスクリーンにスライドを表示した瞬間、全員が黙ってそちらに視線を向けた。

 

(……一応、彼らもプロとしての自覚はあるんだな)

 

「今回の依頼内容は……美術品の護衛です」

「えっ?」

 

美術品の……?

人の護衛じゃなかったのか。

 

「何故……」

「それは……こちらをご覧ください」

 

映されたスライドは……一枚の手紙だった。

 

「……これは」

「なんて酔狂な……」

「いや、待て……こんな事するやつ一人しか知らねぇぞ」

 

賞金稼ぎ達が口々に呟く。

 

エックスとしてもフィクションの中の話ではあったこれに対して、困惑を隠せなかった。

 

「……予告状」

 

……慈愛の怪盗。

予告状の最後には、そう添えられていた。

 

(慈愛の怪盗、か)

 

……ブリーフィングは終わり、ヒマリへ連絡し情報を集めてもらう事になった。

 

『どうしてエックスさんの周りにはトラブルばかり舞い込んでくるのですか……?』

『そう言う星の下だ』

「ヴィア」

 

(……一体どんな奴なのだろうか)

 

先ほどのブリーフィングの後にあった賞金稼ぎ達のやり取りを思い出す。

 

「おい、お前さっきの反応何か知ってたんじゃないのか?」

「あ、ああ……俺はダブルだ。慈愛の怪盗って言ったらちょっと前にヴァルキューレに捕まって牢屋の中だって聞いたが……」

「脱走したんだろ?」

「なるほどな……おい、カルレル。何か知ってんのか」

「詳しくは知らん。ただ……美術品専門の怪盗だって話くらいだ」

 

中々に謎の多い人物らしい。

エックスは地理を頭に入れるために敷地内を歩き回っていた。

懇親会の開催は今夜。

残す所あと3時間。

流石にラウンズも焦りがあるのか新しく警備員を増員した様だ。

ラウンズ傘下のトリスタンセキュリティと言うらしい。

至る所に武装した警備員が配置されている。

 

(……出入り口はひとつ、2階建て、ホールには庭を一望出来る大きなガラスの窓……当然防弾性)

 

運び込まれる美術品の詳細が聞けなかったのは中々にきな臭い。

 

(とは言え……雇われた賞金稼ぎ、どこまで信用出来たものか)

 

それぞれの反応を見る限りプロ意識はあるだろうが……。

 

(……ヒマリから連絡。ヴィアかリコに……繋がらない。珍しい事もあるものだ)

 

忘れがちになるが、あの二人は元々ディープログの管理人である。

それぞれにきちんと仕事があっていつもエックスを見ているわけではない。

 

「……もしもし?」

 

なので、今回はスマホをスピーカーモードにして連絡した。

 

『もしもし、エックスさん?』

「ああ。何か分かったか?」

『詳細は情報保全の観点からメッセージで送ります。スピーカーで話していては誰が聞いているのか分かりませんので』

「……それもそうだな」

『結論から言います。おそらく依頼人も黒です』

「……なんだって?」

 

慌ててあたりを見渡す。

エックス以外、誰も周囲には居なかった。

 

『気を付けてください。この仕事……危険かもしれません』

「忠告ありがとうヒマリ……次帰るときは何かお土産を買っていくよ」

『あの、無事に戻ってきてくださいよ……?』

「分かってるさ。それじゃあ」

 

通話終了。

モモトークにメッセージが送られてきた。

 

【慈愛の怪盗のターゲットは、美術品……そして、その美術品はほぼ盗品です】

「……そういう事か」

 

ラウンズが美術品の窃盗を行った疑惑がある。

それなら確かに……真っ当な警備会社は呼べない。

何なら()()()()()()()()()()()カイザーPMCに話が来るのも頷ける。

 

ただし……今ここに居るカイザーからの出向員であるエックスは……あまりにも評判の良い真っ当なイレギュラーハンターである。

 

「さて……どうしたものかな」

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

某所、地下。

 

「何だデカグラマトン。またSNSに勝手に接続しおって……」

【………………】

「この世界の生徒と言う存在……あの神秘、解明できればオメガをより本物に……いや、ダークエルフを凌駕しオリジナルを超えるかも知れぬ……」

【………………】

「だが、この世界……人間が強過ぎる。レプリロイドを単身で撃破出来る物がそこら中に居る……いっそオメガを出すか……」

【………………】

「……何?生徒がひとりだけ……それも丸腰の可能性が高いと?詳しく聞かせろ」

【………………】

「ふむ……予告状?なんともまぁ時代錯誤な。だが、もしそれが本当ならば間違いなく現場は混乱するじゃろう……なるほど、なるほどのう……?」

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

日が落ちた。

エックスはパトロールを切り上げてひとまず当初の通り之配置に付いた。

 

ラウンズが窃盗を働いた証拠……当の美術品の場所を探っていたが、中々に厳重に保管されており現物は見ることは出来なかった。

 

……何故現物は、と前置きしたかは……マックスアーマーのアイテムトレーサーで位置の特定はしたからである。

 

「ようエックス。日が落ちるまでずっと見回りか?精が出るな」

「君は……マックか」

 

テンガロンハットが特徴的な賞金稼ぎ、マックが気さくに声を掛けてきた。

 

「今、怪盗を捕まえたときの報酬の分け前の話をしてたんだ。お前もどうだ?」

「オイオイ、そいつも誘うのかよ?」

「分け前減るぜ?」

「バカ、お前ら……こいつも新米ハンターの身でこんな仕事引き受けちまったんだぜ?少しはオイシイ思いさせてやろうって先輩の気遣いは無いのかよ」

「「ハハハ!」」

 

(新米ハンター、か……懐かしい響きだな)

 

エックスは、自身がまだイレギュラーハンター精鋭第17部隊に配属されたばかりの頃を思い出した。

 

(あのときは、右も左も分からなくて……ゼロに声をかけてもらうまで、道に迷ってたんだっけ)

「で、どうなんだエックス?」

「ありがとう、でも俺は大丈夫だ……ちょっと気になる事があって」

「欲がねぇな。気になる事ってのは?」

「護衛対象の美術品……かな」

「なんでぇ、目当てはそっちか」

「……お前もそれが気になるか」

 

赤い顎ヒゲの様なフェイスガードが印象的な男がこちらの話を聞いていたのか、会話に参加してきた。

 

「君は……ええと」

「カルレルだ。主にアビドスで活動している」

「よろしく、カルレル」

「会えて光栄だ。『黒鉄の巨岩』」

「……身に覚えのないあだ名だな」

 

また知らぬ間に新しいあだ名が増えている。

しかも賞金稼ぎから。

 

「アビドス砂漠であの大蛇との戦闘の一部始終を見ていたよ」

「あの時の……」

「お前には計り知れない力があるらしい。今回は俺もそれを当てにさせてもらおう。ではな」

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

続々と、招待された客……仕立ての良いスーツを纏った者達が建物に入っていく。

 

やはりと言うか……皆、頭はロボットだったり犬だったりと……エックスの中のイメージである人間の頭の者は誰もいなかった。

 

(あれは……)

 

どよ、と会場にざわめきが起こる。

……一人、ただ一人だけ……頭にヘイローが浮かぶ招待客が居たからだ。

 

彼女は、緑を基調としたドレスを纏い会場に現れた。

 

(……ノノミに、危害は絶対に及ばないようにしないと)

 

視線を外し、エックスは屋根の上へ跳躍した。

 

「……?」

「どうされましたか?」

「あ、いえ……今……誰かがそこに居たような……」

 

 




……はい、やらかしました。

本編プロローグまでコイツは捕まってましたがなんとこの時点で自由の身です。
どうすんだよコイツ出して……制御し切れるか凄まじく心配ですがやりたかったのでやりました。
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