結局投稿済の話を一から全部まとめ直して追加エピソード挟んだりしたら満足してしまって全く更新していませんでした。
(……何が正しいのだろうか)
エックスとしては……イブキの様な子供を戦いに巻き込みたくはない。
だが……ここ、キヴォトスに住まう少女たちは、皆戦う力を持っている。
そして、日常的にその力を行使して生活している。
エックスの考えは……この世界では、
「……もしもし?ヒマリか?」
エックスのスマホが着信を告げるアラームを鳴らす。
画面に表示されていたのは……『キヴォトスに咲く一輪の白百合』。
そして画面は何故かヒマリが自信満々にピースしている写真が表示されていた。
『はい。お疲れ様です、エックスさん。ゲヘナはどうですか?』
「……凄まじいところだよ」
エックスは、ゲヘナに入ってからの出来事を掻い摘んでヒマリに告げた。
『……体質を通り越してもうトラブルデステニーとでも言うべきレベルですね、貴方は』
「言っても仕方のないことだよ……」
『しかし、スカーレットアラートですか……』
「ああ……厄介な状況だ。向こうに目を付けられている上に……Dr.バイルの支配下にある。放置は出来ない」
『そうですね……』
「それと……排除が正解だと思えないんだ」
『……ええ。私も同じことを思っていました』
このままスカーレットアラートを壊滅させた所で意味は無い。
それどころかゲヘナの治安維持を担ってきた彼らを潰してしまうのは……明らかな政治的干渉だろう。
最悪風紀委員会とやらに目を付けられてしまう。
『風紀委員会……特に会長とは絶対に敵対しないようにしてください。彼女は……エックスでも恐らく勝てないでしょう』
「……そんなに強いのか?」
『ゲヘナがこの有様で生徒会が機能しているのは、彼女の存在があるからとも言われています』
泣く子も黙るゲヘナの人間達も恐れる存在が治安維持の一角を担っている。
それは確かに政治機能は保てるだろう。
「スカーレットアラートとは……何とか和解の道を探したい」
『その為には……』
「ああ……リコ」
『はい!例のヒートゲンブレムがDr.バイルとのパイプ役としてスカーレットアラートに派遣されていると思われます!』
「よし……第一目標はヒートゲンブレムの排除」
『第二目標は……』
「スカーレットアラートの首領、スカーレットとの……対話だ」
『応じるでしょうか……』
「席に座ってもらうしかない……彼らが豹変した理由と……戻す手立てを見付けなければ」
道のりは、険しい。
『所で……現地で手を貸してくれそうな方は見つけられましたか?』
「……それは」
『……エックスさん?』
つい先程の、パンデモニウムソサエティーのイブキとの一件を話した。
『エックスさん?』
「な、なんだい……?」
『……つまり、エックスさんは独断で万魔殿の協力要請を蹴った……そう言うことですね?』
「うぐ……」
……そうなのだ。
イブキの申し出を蹴った。
それが紛れもない事実なのだ。
「彼女は……まだ幼い子供だ。そんな子に……」
『私も、貴方から見れば子供ですよ?』
「ヒマリ……君は、」
『確かに、私はミレニアムの誇る全知の称号を持つ超天才ハッカーですが……年齢ばかりは、どうしようもありません。ですがエックスさん』
「………………」
エックスは押し黙ってしまった。
ヒマリは気にせず続ける。
『私達は戦えるのです。貴方と同じように』
「……ああ」
『貴方の世界では、人間は守られる存在だったのでしょう。ですが……ここ、キヴォトスは違います。私達は戦って……生きているのです。貴方は……ここでは、一人で戦わなくても良いんですよ』
ヒマリの声が、優しくなる。
エックスは……思わずスマホのカメラを切った。
『エックスさん?』
「すまないヒマリ……今、俺はみっともない顔をしている」
『あら、そうなんですか……?気にはなりますが……』
「すぐ戻す。5秒待ってくれ」
エックスはスマホをポーチにしまい、両手で頬を叩いた。
「すまない、待たせた」
『うふふ……先程よりいい顔をしてらっしゃいますね』
「これから万魔殿に向かう」
『あら、それはまたどうしてですか?』
「イブキに謝って……力を貸してもらう」
『……ええ、分かりました』
ヒマリは、穏やかに笑っていた。
「リコ、案内してくれ」
『ハッ!?やっと出番ですね!分かりました!』
エックスは駆け出す。
今度こそ、正しい道が歩めると信じて。
「俺一人で戦うんじゃない……皆で戦って、皆で悩んで、歩いて行く……そんな明日が欲しかったんだ……!」
レプリロイドだけでも、人間だけの世界でもない。
両者が共に歩いていける世界を。
「ゼロ……アクセル……俺は、見つけるよ……俺の理想を……!」
『ハッ!エックス……随分といい顔してるじゃねぇか!』
『あれ、ヴィアさん……?今まで何をしていたんですか?』
『何、ちょっと預かり物を送る方法を探してたんだ』
『また何か企んでるんですか……?始末書は増やさないで欲しいんですけど!?』
『大丈夫だって……今回は先に話を通したからよ!』
「許可はもらってるのか?」
『………………』
「おい!」
『大丈夫だって!……多分』
『ヴィアさん!』
『ハッ!受け取れエックス!』
エックスの目の前に突然穴が開いた。
穴としか形容できないが……何かの、通り道だろうか。
エックスは慌てて立ち止まり、穴の下で待つ。
すると……何か、棒状の物が降ってきた。
エックスはそれを受け止める。
「これは……!」
エックスは棒を握る。
そして、スイッチを入れた。
ブン……と鈍い音が鳴り、光の刃が発生する。
『届いたな!』
「ヴィア、何故これを……?!」
『頼まれたのさ!』
「ゼロが……?」
『ああ』
『……分かった。ありがとう』
エックスは、手にしたビームソード……ゼットセイバーを振る。
かつて、友に託され……返却した武器だ。
また、この手に収まるときが来るとは思っていたなかった。
「ゼロ……また俺と共に、戦ってくれ!」
エックスは、走りながらアーマーを装着する。
ファースト、セカンド、マックス、ファルコンのアーマーの流れを汲み……そして、ゼットセイバーとの扱いに長けたアーマー。
頭部は剣士を彷彿させる形状へ。
フットパーツには新たなスリットが。
白、青、緑の彩りが身体に加わる。
「装着!ブレードアーマー!」
剣を携えた形態へ姿を変える。
そして、フットパーツの機能を解放する。
「マッハダッシュ!」
エックスの身体は、一瞬空中で停滞した後……前方に向かって飛ぶ様に真っ直ぐ跳躍した。
(イブキ……!)
彼女に、謝らなければ。
エックスは基本的に毎度毎度メンタルが追い詰められているので、ケアをしてやれば迷わず戦えると思っています。
それはそれとして、エックスの仲間を増やしたほうが良いかどうか検討中です。