【完結】デカグラマトンハンターX   作:塊ロック

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対決!ヒートゲンブレム!

 

程なくして、スカーレットアラートはゲヘナ風紀委員会の強制捜査に足止めを食らうことになった。

 

その光景を、エックスとイロハ、イブキは遠くから眺めていた。

……虎丸の上から。

 

彼らがスタンバイしているのは、現れるであろう大亀型レプリロイドを引き剥がすためだ。

 

「……トリニティの生徒が、何故ゲヘナに?」

「分かりません。何かイベントがあるのかと探してはみましたが……よく分からない生き物のグッズ販売程度しかヒットしませんでした」

「そうか……」

「……まだ?」

「もう少し待ちましょう、イブキ」

 

待機を始めてからそれなりに時間は経った。

ヴィア達にはレーダー監視を頼み、ヒマリには各地の監視カメラをジャックしてもらいそちらの確認を頼んでいる。

 

「しかし……なんてタイミングだ」

「……通報は匿名、現場を差し押さえた写真に僅かながらの音声情報。ずっと貼り付いていたとみて間違いないでしょう」

 

イロハの補足にエックスは先ほど便利屋と名乗った少女を思い浮かべた。

彼女が通報したのだろうか。

 

何にせよ、好機だ。

後は奴が現れてくれれば好都合なのだが……。

 

「スカーレットだ」

 

ヒナの部下がスカーレットと話している。

言い逃れの出来ない現行犯状態でどうするつもりなのか。

 

「……来ませんね、あの大亀」

「まさか……」

 

スカーレットはこの場を切り抜けられる……罠だと気付かれている可能性が浮上してくる。

 

「動かす人員も最低限、風紀委員長も出さない……本気で潰す気がないと思われているかも知れません」

「何故そう思う?」

「風紀委員会は……ほぼ委員長の能力で保っていると言っても良い程彼女の影響力、そして個人の実力があります」

「ヒナを動かさなかった事が悪手になった……と?」

「ええ……」

 

気が付くとイブキはエックスの手を握ったまま眠っていた。

声のトーンを下げて会話を続ける。

 

「拙いな……このまま上手く出し抜かれればもうチャンスは巡って来ない……」

「お願いします……」

 

祈るように呟く。

……そして、チャンスは巡って来た。

 

『エックスさん!イレギュラー反応です!数は1!』

 

リコから通信が入る。

奴が来た。

 

「まどろっこしでありますな」

「……ゲンブレム。ここは俺に任せてほしいと言ったはずだが」

 

地響きを立てて、大亀がその姿を現した。

 

「「来た……!」」

 

エックスとイロハは同時に声を上げる。

 

「子供のお遊びに付き合う必要は無いであります。さっさと蹴散らして被験体を確保するであります」

「やめろ……!お前が考えてる程こいつらは容易い相手じゃ……!」

「え……ちょっとアコちゃん!?何この状況!?」

 

対応していた生徒が慌て始める。

イロハが、照準を定めた。

 

「行きますよ」

「ああ……!」

 

エックスがイブキの手をそっと置く。

 

「……?おにーさん……?」

「先に行く。頼んだよ」

「うん!」

 

大きく跳躍し、特殊武器をセットする。

そして、マッハダッシュを用いてゲンブレムの前に躍り出た。

 

「なっ……エックス……!?」

「ライトニングウェブ!」

「ぬ、あーっ!?」

 

事前に対策をした通り、ゲンブレムに雷属性の特殊武器を用いる。

ライトニングウェブでその場に縫い付け……。

 

「発射ーっ!!」

 

イブキの号令で、虎丸が火を吹いた。

 

「ぐわっ……!?」

 

ゲンブレムに直撃し、大きく後退させる。

 

「クロスチャージショット!」

 

エックスが両腕のバスターから交互にチャージショットを放つ。

速度の違う2種類のチャージショットは飛翔する最中に合体し、更に大きなエネルギーの塊へ変化する。

 

「のわっ……!?」

 

怒涛の連続攻撃にゲンブレムは更に後退する。

 

『エックスさん。計算通り大きく距離が開きました。今がチャンスです!特殊武器で通路を封鎖してください』

 

ヒマリから連絡が入る。

……これで、スカーレットアラートとゲンブレムの間に距離が開いた。

 

「ゲンブレム!」

「スカーレット!お前の相手は後だ!」

「何……!?エックス、貴様!」

「グランドダッシュ!」

 

エックスは特殊武器を切り替え、道幅いっぱいに落石を積もらせて封鎖する。

 

「くっ……!」

 

これで、道路を物理的に封鎖しヒートゲンブレムを孤立させる事に成功する。

周辺住人には多大な迷惑を振りまいてしまっているが……一応避難勧告はしていた筈だ。

 

「性懲りもなくやられに来たでありますか!」

「俺はあのときとは違う!」

「なら、来るであります!」

 

エックスが改めてバスターを構える。

ゲンブレムがエックスと正対する。

 

「状況開始!」

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

『エックスさんがターゲットとの戦闘を開始しました』

 

ヒマリの声が今回の作戦に参加しているメンバーに入る。

万魔殿と、風紀委員会の生徒たちに。

 

イロハはイブキに頷くと、虎丸から降りてスカーレット達の元へ歩く。

 

「こんにちは。パンデモニウムソサエティーです。そちらの……お客様の様子、見せてもらってもよろしいでしょうか?」

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

「エレクトリックスパーク!」

 

バスターから雷撃が連続で発射される。

 

「ぐ、ぬぅ……!貴様、先程から……!」

「ああ、よく効くだろう!」

 

ヒートゲンブレムの弱点は雷属性の攻撃。

エックスにとって属性攻撃の手段を用意するのは容易である。

 

「まだまだ!サンダーダンサー!」

 

直線的な雷撃から打って変わって、今度は踊るように跳ね回る雷撃が発射される。

 

「回避ィ!」

「読めている!」

「ぐぅっ……!?」

 

ゲンブレムが背を見せ攻撃を防ごうとした瞬間、先に放っていたエレクトリックスパークが破裂しゲンブレムの足元から新たな稲妻が立ち上る。

 

エレクトリックスパークは対象に当たると更に上下へ分裂する特性を持つ。

 

「放射!」

「!」

 

たまらずゲンブレムは頭を甲羅の中へ引っ込め……その中から火炎放射を放ってきた。

 

「トライアードサンダー!」

 

エックスの周囲に子機が3機現れ、雷のバリアを展開する。

それが、火炎放射を押し留めた。

 

「マッハダッシュ!」

 

エックスは勢いを付けてトライアードサンダーごとぶつかる。

 

「ぐあぁぁ!?貴様!この短時間で何をした!?」

「仲間さ……!」

「何……?!」

「俺を助けてくれる仲間が居る!だから、前だけを見て戦えるんだ!」

 

『エックス!トドメを刺せ!』

「覚悟しろ!」

「ここで倒れる訳には行かないであります!」

 

ゲンブレムがまた首を引っ込める……火炎放射か!

 

『高エネルギー反応……!?エックスさん!?避けて!粒子砲ですぅ!?』

「何だと!?」

 

ちらりと後ろを見やる。

瓦礫の山で塞がれてはいるが……未だ、イブキ達が向こうに居るはず。

 

「迎え撃つ!」

『エックスさん!?』

『馬鹿野郎!死ぬ気か!?』

「ゼロ……!力を貸してくれ……!」

「発射ぁーっ!!」

 

ゲンブレムの頭から、眩い閃光が放たれる。

エックスは、バスターからゼットセイバーを発振させる。

 

 

 

「ギガ……アタァァァァァック!!」

 

エックスに蓄積される、ダメージや回復をエネルギーに変換し、蓄積されたエネルギーを放つ。

ガイアアーマーで既に使用した技だが、ブレードアーマーにも備わっている。

その攻撃は単純明快。

 

ゼットセイバーを大きく振る。

 

それだけ。

ただし、膨大なエネルギーを詰め込まれたその一振りは……2枚の光の刃を発生させる。

 

光の刃がゲンブレムの粒子砲と激突し……眩い光と衝撃が襲う。

 

「くっ……うおおおおお!」

 

エックスは躊躇わずマッハダッシュでゲンブレムに飛翔する。

 

「なっ……うおおおおお!!」

「終わりだぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ゲンブレムの突き出す拳より早く、エックスはゼットセイバーを振り抜いた。

 

 

小気味の良い音と共に、ヒートゲンブレムは縦一閃に両断されていた。

 

「くっ、あっ……た、隊長ォ――――っ!!!」

 

断末魔と共に、ゲンブレムは爆発した。

 

「ふっ……はぁ……やったか……」

 

エックスは一息つき、ゼットセイバーをしまう。

 

「また助けられたな……ゼロ」

 

ここには居ない友に語りかける。

 

しかし、状況はエックスに休む暇を与えない。

 

『ゔぇっ!?え、エックスさん!すぐに退避してください!!』

「リコ?どうした?」

『げっ……!?やべぇぞエックス!()()()の反応だ!』

「なっ……!?」

 

エックスの真上に影が差す。

咄嗟に飛び退く。

 

そこへ、空から何か巨大な塊が落下してくる。

 

「な、なんだこいつは……!?」

 

舞い上がった砂埃が晴れ、エックスの眼の前には白い四脚の戦車の様なものが立ちはだかっていた。

 

『ヤツからオメガの反応を検出!この前の遊園地と同じパターンだ!』

「くっ……!やるしかないか……!」

 

エックスは再びバスターを闖入者へ向けた。

 

 

 




最もきらびやかに輝く至高の王冠。

今回の預言者は彼になりました。
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