【完結】デカグラマトンハンターX   作:塊ロック

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ようやくプロローグに追い付きました。


漂着、ミレニアム

 

「非効率的」

 

そんな呟きが聞こえて、薄っすらと目を開いた。

……どれくらい気を失っていたのだろうか。

 

まず視界に入ってきたのは……ピンクの髪をした少女だった。

この子も、ショットガンで武装している。

 

端末からシャッター音がした。

おそらく写真を撮ったのだろう。

そのまま端末を耳元にあててから誰かと話し始めた。

通信機も兼ねている様だ。

 

ひとしきり話し終えた時……ふと、少女と目が合ってしまった。

 

「起きて……!」

「ま、待ってくれ!」

 

慌ててエックスは飛び起きて両手を上げた。

 

「撃たないでくれ……敵意はない……」

「………………」

 

少女は訝しみながら銃口をおろした。

 

それにホット胸を撫で下ろす。

 

「何、貴方は」

 

何、ときたか。

誰ですらないとはなんとも。

 

「俺はエックス。イレギュラーハンターだ」

「イレギュラーハンター……?知らない」

 

エックスはがっくりと項垂れた。

風景が変わっているからまた別の地域に出ただけだろう。

 

「そうか……質問してもいいかな」

「手短に」

「ありがとう……ここは、アビドスのどの辺りかな」

「アビドス……?ここは、ミレニアムの管轄地だよ」

「ミレニアム……?アビドスじゃないのかい?」

「アビドスはもっと向こう。貴方どこから来たの……?」

 

ミレニアム?

どう言うことだ……?

あの時流砂に巻き込まれて……。

 

「実は、アビドスで戦闘していてね……その時に流砂に飲まれて気を失ったんだ」

「……よく無事でいられたね。普通ならぺちゃんこになるのに」

「少し、ボディが頑丈だったみたいだ」

 

……しかし、改めて自分の姿を見下ろすと傷だらけだった。

どこかで修理しないと今後の活動に支障をきたすだろう。

 

「そう。さっき連絡しちゃったんだけど、貴方を連れて行かないといけない」

「……どこへ?」

「ミレニアムサイエンススクール。自分で歩けるなら着いてきて」

 

そう言うと、少女は踵を返した。

説明は終わりらしい……。

 

「………………」

 

この少女を信じても良いものか。

エックスは考える。

今この状況、非常に拙い。

エックスには土地勘が無い。

ここで置いていかれれば残り少ないエネルギーを遣り繰りした所で事態は恐らく解決しない。

 

この廃墟群……恐らく生活圏は近くない。

 

もし敵性個体に遭遇した場合生存率はかなり下がるだろう。

 

「……待ってくれ!」

 

迷ったが、エックスは目の前の少女に着いていく以外に選択肢は無かった。

 

「あまり時間を取らせないで。長居すると面倒なんだから」

「すまない……」

「着いてきて」

 

 

結局、2時間くらい徒歩で移動することになった。

……道中はとても静かだった。

 

眼の前を行く薄着の少女(エックスの観点から言えばまだ薄着の範疇だった)はあまり会話を好まないのか無言でどんどん歩いていた。

 

エックスも特に話すこともないので無言で後を追う。

 

「……なんか、妙」

 

歩きだしてから1時間ほど。

ようやくエイミが口を開いた。

 

「妙、とは?」

「あれ、見える?」

 

エイミが指差したのは、ドローンの残骸だった。

 

「……これは?」

「行きに私が倒した」

「そうか」

「でも、今は……何も襲ってこない」

 

エックスははっとする。

エイミはここまで無人機の襲撃を受けながらやってきたとするなら……確かに静か過ぎる。

 

エックスは周囲を見渡す。

よく見ると、物陰からこちらを伺う反応がいくつか見える。

 

……まるで、何かを警戒している様に。

 

「……怯えてる?」

「それは……一体何に?」

「私か……貴方」

「……どうだろうか」

 

本来、機械に感情はない。

レプリロイドの技術が発展し、エックス達が生まれるまで……それよりも更に前から、ロボットに感情生まれるまで……それは共通認識だった。

 

怯えと言う感情は、生命の危機をロボットが感じ取り引き起こしてしまったエラーなのかもしれない。

 

「でも好都合。帰りは楽できそう」

 

エイミは変わらぬ表情でそう言い、歩き始めた。

休憩は終わりのようだ。

エックスは周囲への警戒を続けながらエイミの後に続いた。

 

……どのくらい歩いただろうか。

いつの間にか廃墟ばかりの風景も段々人の気配がしてした。

 

「わぁ……」

 

思わずエックスは声を漏らした。

それほどまでに久しぶりに見た、活気溢れる街。

 

「ここが、ミレニアムサイエンススクール」

「……これが」

 

見渡す限りのビル群。

その隙間を縫うように敷かれるモノレール。

 

エックスの居た世界にも少し似ている気すらしてくる。

 

「こっち」

 

呆けるエックスを尻目に、エイミはどんどん前に進んでいった。

 

「……ねぇ、見てあれ」

「あれは……和泉元さん?」

「よく分かったわね……遠かったのに」

「あんな格好してるの、キヴォトスでも和泉元さんだけよ」

「隣を歩いてるのは……大人?」

「変な格好……」

「どっちが?」

「どっちも……」

 

色んな所からヒソヒソと声が聞こえる。

エックスの集音装置には全て入ってきてしまっている。

 

周りにいるのはおそらく……全てミレニアムの生徒なのだろう。

好奇の視線がエックスを射抜いていた。

 

「目的地までは……あとどのくらいなんだ?」

「20分くらい」

 

……あと20分も視線の針の筵なのか……。

 

エックスは肩を落とした。

 

「そう言えば……君、名前は?」

「私?和泉元エイミ」

 

 




エイミの格好に言及しないのはエックスにそういった価値観が無いからだと言うことにしました。

レプリロイドに露出の概念ってあるんだろうか。
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