小型のレプリロイドだけあって、プープラ·コカペトリは素早く動き回っていた。
エックスとミモリ、2人に撃たれても難なく躱す身のこなし。
こちらにダメージは少なかったが、時間だけがジリジリと消費されている状況に焦りだけが募っていった。
「ケケーッ!どうしたどうした!」
「くっ……!」
またチャージバスターを躱される。
「エックスさん!大丈夫ですか!?」
「大丈夫だ……!」
「調子が悪そうに見えますけど……」
「そんな事は……そこっ!」
コカペトリの着地地点にプラズマチャージショットを放つ。
だが、予め撃たれる場所が分かっていたのか躱されてしまった。
(何だ……!?この感じ……)
エックスは少しずつ違和感を募らせていた。
(ここまで攻撃の手を読まれるか……?!決してワンパターンに攻め立てているわけじゃないのに)
様々な特殊武器を用いて、ミモリと合わせて多様な攻撃を仕掛けてきた。
しかし、そのどれもがことごとく決定打にならないのだ。
「く、くそ……!」
「ケケーッ!良いぜ良いぜその顔はよォ!俺様はどんだけかかっても良いんだぜ!」
『エックス、落ち着いて。何か、何かがおかしい』
セレナードがエックスを宥める。
ここまでの戦闘記録を洗って違和感を突き止めようとする。
(エックス……そして私の記録に何もおかしな箇所はない……ん?)
「エックスさん!やっぱり何かおかしいです!貴方は
「なんだって……!?」
エックスに戦闘中立ち止まった覚えはない。
「……ん?」
ふと、バスターに傷が入っていることに気が付く。
しかも裂傷やヒビと言うわけではない。
溶けているのだ。
(こんな攻撃を受けた覚えはない……?)
コカペトリは体当たりや卵を産み自身の子機を起動させたりするのが主な攻撃手段であった。
エックスの装甲が溶かされるような攻撃は無かった。
(何かがおかしい……!)
「ギャーッ!動くなッ!」
「っ!?」
コカペトリが飛び上がり翼を広げる。
羽根状のパーツが辺りに飛び散る。
「う、ぐっ!?」
「エックスさん!?」
そのうちの1枚に接触した瞬間、エックスの全身に電流が走る。
これも攻撃手段か。
「くっ……大丈夫だ!」
「このっ!」
ミモリが撃ち返して羽根を落としていった。
「この女!邪魔だ!」
「貴方こそ……!」
コカペトリが羽根を飛ばしながらミモリに飛び掛かる。
ミモリは羽根を躱し、逆にコカペトリの首にハイキックを叩き込んだ。
「ギャーッ!?」
「硬い……!」
「ミモリ!無理するな!」
『……?ミモリの攻撃は当たっている……?』
セレナードはもう一度戦闘記録を洗い出す。
そして、気付いた。
『私の時計機能と現実の時間が、ズレている……?』
ネットナビであるセレナードは、リアルタイムで時刻を更新することが出来る。
だが、現在はコカペトリの妨害によりネットから切り離されている。
多少ズレるが時刻はそれなりに正確になるはずだった。
それが、大幅にズレている。
(エックスのカメラの時刻も飛んでいる……これは……?いえ、確かミモリが……エックスの動きが止まっていると……まさか!)
『エックス!分かりました!あのレプリロイドは、
「何だって……!?」
『詳しく説明している時間はありませんが、恐らくその通りです』
「くっ……なら、どうすれば……」
『エックス。一瞬コカペトリの動きを止めて隠れましょう。彼女と相談する時間が必要です』
「……分かった!アイスバースト!」
エックスは上下左右様々な氷塊を乱射した。
「ケッ!?」
コカペトリの周囲を氷塊が埋め尽くしていく。
「この野郎!」
「ダブルサイクロン!」
そして2つの竜巻を発射。
氷塊を巻き上げて物理的に視界をふさいだ。
「今だ!ミモリ、こっちへ!」
「えっ……!?」
エックスはミモリを抱えると、全速力で戦場を離脱した。
「ケケーッ!どこ行きやがった!」