「ケケーッ!居やがったな!」
「「!」」
遂にコカペトリに察知された。
エックスとミモリは直ぐ様その場から飛び退く。
元いた場所に、いつの間に増やしたのかコカペトリの子機が殺到する。
「チャージショット!」
エックスが子機を一掃した瞬間、
「固まれ!」
「ぐっ……!?」
がちり、と全身の関節がロックされ意識が飛ぶ。
「ギャーッ!?」
エックスの耳に入ってきたのは、コカペトリの悲鳴。
「させません……!」
一瞬置いて機能が回復し、五感が戻ってくる。
「すまない、助かった!」
「いえ!次、来ます!」
「こ、この……ッ!!」
エックスが動けない間、ミモリがカバーしなるべく隙を減らす。
弱点が無い以上、攻撃を重ねるしかない。
今は、これが最善か……。
しかし、ミモリの攻撃力ははっきり言って低い。
キヴォトスの生徒特有の超人的な耐久、肉体はあれど使用する武器は拳銃である。
どうしても攻め手に欠けるのだ。
「このままじゃ……ジリ貧に……!」
「やるしかない……!」
エックスはエネルギーをアーマーに回す。
「させるかっての!」
「ぐっ……!?」
その隙を目敏く妨害してくる。
「させません……!」
「邪魔だガキが!!」
「なっ……きゃっ!?」
飛んできた酸に触れ、スカートの端が溶ける。
流石に酸は耐えられないのか。
「ぐずぐずに溶かしてやるぜ……グエッ!?」
翼を大きく開いたコカペトリが、何者かにぶつかられ吹っ飛んだ。
「はっ……!?何が!?」
機能不全から回復し、現状を見たエックスの第一声はそれだった。
「こんにちは」
聞こえてきたのは、場違いなほど呑気な声。
「え?」
ガン、と少女の持つライオットシールドが地面を叩く。
「百鬼夜行連合学院、修行部部長の春日ツバキ」
「え、ああ……俺はエックス。ミレニアムの……」
「ケケーッ!やってくれたなガキども!!」
「ふぁ……自己紹介も出来ないね。眠いけど頑張らないと」
「ツバキちゃん……!?来てくれたんですね!」
「あれ」
「あれは……カエデちゃんの信号弾」
「反撃開始だよ」
「……はい!」
新たに現れた少女、ツバキ。
味方と見て良いだろう。
「数が増えた所で……!」
「それは、どうかな」
コカペトリの突進を、ツバキが盾で押し留めた。
なんという怪力。
「ケッ……!?」
「ふっ……!」
「喰らえっ!!」
明確な隙。
そこへミモリとエックスの同時射撃が浴びせられる。
「くっ……固まれ……!」
「させないよ」
エックスをまた停止させようとした……が、両者の間にツバキが割り込んだ。
「……止まってない!」
『恐らく視線が通る事がトリガーなようです』
「今だよ」
「よし……!全エネルギー解放!」
エックスは再びアーマーにエネルギーを供給する。
そして、エックスは光に包まれる。
「装着!シャドーアーマー!」
漆黒のアーマーに身を包み、エックスは新たなバスターを構えた。
「おお……忍術研究部みたい」
「姿が変わった所で……!」
「シャドーバスター!」
エックスのバスターから、手裏剣の様な形のエネルギー弾が辺り一面に連射される。
「ケーッ!?真っ直ぐ飛ばせよ!」
「うるさいよ」
「そう何度も喰らうか!」
ツバキが素早く肉薄しシールドバッシュを仕掛けるが、2度目は呆気なく躱される。
が、
「このっ……!」
ミモリがツバキの背後から現れる。
「効かねぇ……ギッ!?」
ミモリが持っていたのは、手榴弾。
それをコカペトリに向けて投擲。
「当たるかよ……!?」
コカペトリの足元に落下し……煙が吹き出す。
「煙幕……!?」
「エックスさん!」
「行くぞ……!」
ゼットセイバーを抜き放つ。
「しまっ……!」
「円月輪!!」
ゼットセイバーの軌跡が三日月を描くように振り抜かれる。
進路上にあるコカペトリの身体は、何の抵抗もなく両断された。
「ギャ、ギャーッ!!こんな、ガキどもに……!」
そう言い残して、爆散した。
「はぁ……はぁ……やったか……」