「そんな事になっていたのね」
ミレニアム学園、特異現象捜査部(仮)部室にて。
『はい。以上が百鬼夜行連合学院で起こった事件です。』
セレナードがヒマリとリオに状況説明を行なっていた。
「Dr.バイルの技術力……キヴォトスにとって脅威ね」
「そうですね……雑兵とは言え数を揃えられ、隊長クラスの強力なレプリロイドがまだ現存している」
「活動が始まれば反応を追うことが出来る……後手後手ね。合理的ではないわ」
『更に、何処に潜伏しているかも分からないと来ています。投降しますか?』
「AIにしては、冗談のセンスが低いわね」
ホログラムのセレナードに冷ややかな視線を向けるリオ。
そんなリオの脇腹をヒマリ小突く。
「そういえば……今回はなんというか毛色が違いますね」
「……そうね。今までのパターンから随分外れているわ」
『確かに気になりました』
今回、オメガの反応を出していた敵。
今までと違い……小型で、かつ人形をしていた。
『今までの異形……兵器然とした見た目から、エックスに近い容姿になっていました』
「何か法則性があるのでしょうか……」
「今までの兵器然とした姿の方が、戦闘においては合理的な気もするわ。人型なんて非効率この上ない……」
「ですけど、エックスさんは人型、小型で人間と遜色ない可動を実現しています。凄まじい技術力だと思いませんか?」
「……彼に関しては、ロボットのクセに『悩む』なんて認めたくない機能が付けられているのが……正直気に入らないわ」
「珍しい……貴女がそこまで言うなんて」
「……失言だったわ。忘れてちょうだい。どう思おうが協力者だもの……彼は必要」
「……まだ、受け入れられませんか?」
「……ええ」
会話が途切れる。
セレナードは考えていた。
果たして、このままバイルを打倒していき事態は変わるのか。
『……何故、Dr.バイルは戦力を小出しにしているのでしょうか』
「……どういうこと?」
『エックスが相対していたアインヘルヤル八闘士……フェンリー・ルナエッジ、ヒート・ゲンブレム、そして今回のプープラ・コカペトリ……』
「残り、五体が存在する……と?」
『8体居なければそんな大層な名前も付けないでしょう』
「確かに……」
「……時間稼ぎ、とか」
「「!」」
会話の外で上着を脱いで涼んでいたエイミが口を開く。
「……なるほど。その可能性もあるわね」
「ふむ……では、時間稼ぎが完了した場合……一体何が現れるのでしょうね」
『……オメガ、でしょうか』
「オメガ……あの、白の巨人ね」
「あの時エックスさんに倒されたかと思っては居ましたが……よくよく考えればあのオメガと同じ反応が検出されているのも妙な話でしょう」
「あのおじいさん、何を狙ってるんだろう」
「狙い……ね」
結局、これ以上は情報が少ないので会議はお開きとなった。
「そう言えばセレナード。エックスさんは百鬼夜行連合学院で誰と一緒に居たんですか?」
ヒマリが机の上のセレナードに顔を近付けて尋ねる。
『修行部と呼ばれる部活所属のミモリと言う生徒でした』
「……ほうほう?その辺り詳しく……」
「ヒマリ。出歯亀もその辺にしておきなさい」