アビドスは凄まじい土地になっていた。
(暑い……!)
気温が凄まじく上がっている。
前回訪れた時は特に何も感じなかった。
それに、幾人か人もいたはずだ。
だが、今は誰一人として出歩いていない。
『エックスさん。いま熱限界値は30%程です。100%に到達する前に日陰に入り直射日光から逃れてください』
「分かった」
現在、リコにエックスは自身のモニターを丸投げしている。
ヒマリにやらせても磁場の影響で通信が途切れるため、この世界からの通信でないリコとヴィアなら絶えずモニタリングできるのが理由だ。
『誰もいねぇな……』
「ああ……」
アビドスに向かう際、乗ってきたバイクは早々に熱暴走を起こし爆散してしまった。
エックスはこの広大な砂漠を徒歩で移動することを余儀なくされたのだ。
「立地的にはカイザーPMCの支部に向かう方がアビドス分校に行くよりも近い。まずはそこで情報収集を行う」
『そうだな……あの基地はお前に友好的だしどんな要求もほぼ受け入れられそうだしな』
「懸念としては……既に全滅していた場合どうするかだが……」
『その時はそのままアビドス分校に向かった方が良さそうですね』
「だな」
アビドスに向かう前、エンジニア部へ対磁場、対高温装備の依頼をしたところ……。
『うーん……エックスさんには必要無さそうだね』
『えっ?』
『凄いね……エックスさん、君の身体は凄まじいまでの環境耐性の高さだね。深海だろうが宇宙だろうが余裕で活動出来そうだ』
……と、ウタハにお墨付きを頂いてしまった。
『ハッ!ぶっちゃけ要らないとは俺も思ってたぜ』
「はいはい……っと、見えてきたな」
カイザーPMCのアビドス基地が見えてきた。
無事だと良いんだが……。
『エックスさん!イレギュラー反応です!』
「何だと……!?」
『カイザーPMCが交戦中です!』
「了解、援護に向かう!」
足裏のスラスターを点火。
ダッシュ機能で駆け出す。
カイザーPMCの基地からは火の手が上がっていた。
営門前に殺到するバリアントの群れ。
カイザーの兵士たちはバリケードを組み必死の抵抗をしていた。
「一掃する!」
エックスはマックスアーマーを選択。
加速したまま一気に跳躍する。
「クロスチャージショット!」
2発のチャージショットが交わり、大小さまざまなバスターショットが雨のように降り注いだ。
「な、何だ!?」
「見ろ!」
「タイチョウ!?」
「サスガダァ!!」
「エックスだ!」
「司令室に連絡しろ!『英雄の凱旋』!」
「「エックス!エックス!」」
エックスが到着したのが分かった瞬間、カイザーPMC兵士たちの士気が限界突破した。
「すまない、待たせた!これより援護する!」
「「「うおおおおおおおおおおおッ!!!」」」
『ハッ!大した人気だなこりゃ……』