「現在の状況を説明します」
参謀役のロボットが机いっぱいに広げられたアビドスの地図を指揮棒で指差した。
「現在、アビドス自治区一帯に強力な磁場が発生しています。お陰で他の地域への連絡……特に救援要請が不可能となっております孤立しています」
バリアントを掃討し、一時的に平穏を取り戻したアビドス基地にて……エックスは状況を確認していた。
「あの人工太陽が空に上げられてから2週間……その間、アビドスのあちこちに所属不明のロボット兵が多数出現しました」
「Dr.バイルの手先……バリアントだ」
「ふむ……エックス殿は交戦経験がおありで?」
「行く先々でな……奴らはそれほど手強くないが、どういうわけか数が揃っている」
「ええ、それは我々も嫌と言うほど痛感しております。この2週間……アビドスを制圧するかの勢いで武力を持つ組織を片っ端から潰しております」
「……それで?アビドス分校は?」
「あそこはエキスパート揃いの精鋭校ですよ?全て返り討ちにしています」
「それでも、物資の枯渇だけは避けられない……無事だと良いんだが」
エックスの様に太陽光でエネルギーを補給し、実弾ではないバスターショットを撃てるのなら話は別だが……。
この世界の常識は火薬によって実体の弾を撃ち出す。
ならば弾は有限だ。
「……お言葉ですが、エックス殿。アビドスと我々カイザーは対立関係にあります。過度な干渉は控えて頂けると……いくら貴方でも……」
「……わかってるさ。でも、アビドスに残っている人々を救う為には彼女達の助力が必要だ」
「我々の救援だけでなくな、アビドス全域を救うと?」
「ああ」
断言する。
Dr.バイルが関わっているのなら、エックスがやらなければならない。
たとえそれが、どれだけ規模が大きいとしても。
「……貴方はやはり、英雄の器だ。これほどのことを即答、断言するとは……」
「よしてくれ。俺は一度も自分が英雄だと思ったこともないし呼ばれたことも無い。いつだって……力が足りないと嘆いてばかりさ」
「貴方ほどの男で力不足とは……かなりの修羅場をくぐってきたのですね」
なんだか勘違いされている気もするが指摘している場合ではない。
「この基地の防衛網を可能な限り建て直し、反攻作戦の目処が立つまで持ち堪えてくれ」
「中々無理難題をおっしゃいますな……ですが」
参謀が目を光らせる。
「終わりのない防衛戦、貴方が終結させるのなら……我々は戦いますとも」
「必ず」
「頼みましたぞ、イレギュラーハンター」
――――――――――
『とりあえずアビドスの基地は無事だったが……どうやってアビドス分校まで行くよ』
「走るしか無いだろう」
『でも……どのルートを通っても温度が100%を超えてしまいます……』
「……拙いな」
地上を歩いていては、灼熱の人工太陽に焼かれて野垂れ死んでしまう。
「隊長ぉー!」
「俺は隊長じゃないと……」
すっかり隊長呼びが板に付いたカイザーPMCの兵士が駆け寄ってくる。
「隊長、これを!アビドスの地下鉄の見取り図です!」
「地下鉄……そうか、地下なら……!」
『なるほど!これなら日光の問題はクリアですね!』
「助かる、恩に着るよ」
「早く戻ってきてくださいよ!連中に一泡吹かせたくて皆うずうずしてるんですから!」
「ああ、分かった。行ってくる」
カイザーモブ兵たちとのコミュニケーション、書きやすいんですよね……。
基本的にエックスを肯定的に捉えてくれて言うこと聞いてくれるんで楽なんだ……。
ちゃんと生徒たち書かないとなぁ……。