「……ソル·ティターニャンめ。足止めされておるな」
バイルは、気まぐれで実験していた人工太陽の数値を見て毒づいた。
元々、今回の砂漠化計画は預言者の一体、ビナーの行動範囲を広げるための物に過ぎない。
「捨て駒どもの状況は気にはならんが……押されていると言うのも捨て置くには腹立たしい」
バイルはキーボードを叩いて、デカグラマトンに告げる。
「ここらで、子供たちに力の差を見せつけてやろうではないか……のぅ?ビナー」
――――――――――
地面が震える。
「何……地震……?」
「違う……何かが、地面の下に……」
「向こう……あっ!カイザーたちの方へ向かってる……!」
「……嫌な予感がするね」
エイミが、ちらりとスマホを確認する。
ハッキング達成率、現在30%………………。
――――――――――
「うわっ、な……なんだ……!?」
地面が揺れる。
砂漠のど真ん中、突如発生した地震。
カイザーの兵士たちは混乱する。
「キャハハハハ!地べた這いずり回ってる奴らは、大変だよね!」
「う、うわっ……!?」
「退避―ッ!退避―ッ!」
「逃さないっての!」
「な、地雷……!?グワーッ!?」
兵士たちが走り出そうとした瞬間、あちこちで火柱が上がる。
ソル·ティターニャンが設置していた地雷が炸裂しているのだ。
「この振動……ビナーね。面白くなってきた!」
次の瞬間、白い、大蛇が砂漠を割り外界へ飛び出してきた。
「なっ……!?デカグラマトンだ!こんな時に!!」
兵士の一人が叫ぶ。
巨大な闖入者が現れたことにより、戦場が一気に混乱する。
「キャハハハハ!!やっちゃえ!!」
「高エネルギー反応!!」
ビナーの口から、レーザーが放たれた。
「うわぁぁぁぁぁぁっ!?」
――――――――――
「このタイミングで合流ですって……!」
ヒマリが、状況を映すモニターの前で毒づく。
非常に拙い。
個々ならば対処できた可能性が、たった今潰えた。
「エイミ、聞こえますか」
『何、部長』
「ビナーが現れました……ティターニャンのいる戦場に」
『……拙いね』
「態勢を立て直す必要があります」
『待ってください!今ここで引けば……っ!』
セレナードが、ファイアウォールの突破の為に攻撃を行っていた。
『間違いなく、対策されます!』
「ですが……」
『ごめん、部長。増援』
「エイミ!」
通信が切れる。
カイザーへ回線を繋げても、返事がなかった。
「くっ……」
ヒマリは、思わず歯噛みした。
「何が全知でしょうか……こうも上手くいかないとは……」
――――――――――
「ちょ、ちょっとアレ!」
セリカが、何かに気が付いた様に遠方を指差す。
「どうし……あれは……!?」
「ビナー。こっちに来るね」
「どうすんのよ!?」
「……この装置、向こうにとっても重要なら巻き込むように攻撃は加えないはず」
シロコの予想に、ホシノが頷く。
「皆、装置の周りに集まって。今から撤退しても間に合わない……ここが踏ん張りどころだよ」
視点がコロコロ変わると文章が短くなってしまう……。