「き、みは……」
エックスの意識が戻る。
体の傷、内部その損傷は全て治っていた。
暗い部屋、傍らに立つレプリロイドの少女に問いかけた。
「はるか未来で、貴方に会うレプリロイドの一人です。今は、そうとしか答えられません」
ゼロのような金髪のユニットが取り付けられた……トリニティの救護騎士団の様な衣装の少女型レプリロイドの様に見える。
「……リコと、ヴィアが送り込んで……俺を直したのか……」
「はい。今、前線はこの様な状況に」
少女の持つタブレットの画面を見せられる。
「……ビナー!」
エックスは診療台の上から跳ね起きる。
「行ってくる!治療、ありがとう!」
「お気を付けて」
――――――――――
アビドス駐屯地が静かになっている。
人が前線に移動しているからだろうか。
「……あれは」
遠くに見える巨大なシルエット。
間違いない。
「ビナー……!」
『あっ!エックスさん!良かったですぅ……!』
「リコか!状況を教えてくれ」
『現在カイザーPMCがソルティターニャンの足止めを、対策委員会が人工太陽のコントロールの奪取をそれぞれ行っています』
「カイザーと、対策委員会が共闘を……?」
『はい、ですが……ティターニャンとビナーが合流してしまって……』
「なんだと……!?」
『このままではカイザー側が全滅してしまいます……』
「急がなくては……」
『エックス!オマエの身体は完全に修復された……今なら、アレが使えるはずだぜ!』
「ヴィアか……アレ……そうか!」
エックスは駆け出す。
アーマーを選択、装着のプロセスを始める。
「全エネルギー解放!」
走るエックスの隣に、飛行ユニットが並走する。
「とぅ!」
跳躍。
飛行ユニットに飛び乗り、空を駆ける。
「……っ」
足元の風景は、混沌としている。
ビナーの登場により、カイザー側の被害は拡大。
足止めは既に意味を成さず、ビナーが悠々と進んでいた。
進行方向には……。
『対策委員会の方々ですぅ!?』
「なんだと……あっ!?」
バリアントの群れに囲まれた対策委員会が視認できた。
何か、装置のような物の周囲に展開しつつ持久戦を行っているようだが……。
『今、人工太陽の制御権をセレナードさんに奪取させています!もしアレが破壊されてしまえば……セレナードさんがデリートされてしまいます!』
「だが、人工太陽の制御装置なのだろう?向こうが壊すとは思えない」
『人工太陽は制御装置とソルティターニャンの2台体制で稼働しています。ティターニャンのみでも運用は可能なんです!』
「なるほど……!なら、ビナーの動きを止める!」
――――――――――
「……何でアイツ、顔の半分が無くなってるの……?」
セリカがポツリと言葉を漏らす。
「前に、私とエックスさんが戦った時……破壊したからです」
「えっ……アイツどんだけ強いのよ……」
「エックスさんは……本気を出せばホシノ先輩と同じくらい強いですよ」
「無駄話はここまで。来るよ」
ビナーが、辿り着いてしまった。
対策委員会との交戦距離へ。
カイザーはほとんどが撤退。
ここに居るメンバーで、ビナーとソルティターニャンを相手にしなくてはならない。
「なーんかコソコソやってたみたいだけど……ざーんねん!ここで終わりだかんね!」
「っ……!」
ソルティターニャンが炎の翼を分離させ、スライサーを展開する。
ビナーも、何かしらの攻撃を行いそうな雰囲気
「皆、私の後ろに」
ホシノがシールドを構えて背後に促す。
「吹っ飛んじゃえ!」
「っ……!」
衝撃に備える。
「吹っ飛ぶのは、お前の方だ!」
「えっ……!?」
閃光。
エックスの乗る飛行ユニットが分離、パーツが次々とエックスに装着される。
「アーマー装着!」
紫色のスーツ。
増設された肩、胸部、脚部の装甲。
施された金色の装飾。
エックスの、持ち得る最高の切り札。
「アルティメットアーマー!」
黄金の光を纏い、突貫する。
「ノヴァストライク!!」
一撃が、ビナーの頬を打ち据え巨大を揺らした。
アルティメットアーマー、再登場!