ここまで来たら負ける気は一切無い!
エックスの一撃が、ビナーの巨体を揺らす。
ビナーが、大きく後退した。
「プラズマチャージショット!!」
「きゃあぁぁぁぁっ!?!この……何なの!」
呆けるティターニャンにチャージショットを浴びせる。
「落ちろ!」
エアダッシュで接近、ティターニャンの頭部に踵落としを放ち砂漠に叩き落とす。
対策委員会の近くに着地し、アルティメットアーマーを解除した。
「エック」
「エックスさん!!!」
「おっと……」
エイミが声を掛ける前に、ノノミがエックスの胸に飛び込んだ。
2、3歩後ずさるほどの衝撃を何とか受け止めた。
「すまない……遅くなった」
「もう……遅いですよ……」
「ノノミ、顔に傷が付くぞ。俺のボディにそんな顔が擦り付けたら……」
「……朴念仁め」
ホシノから一言言われるが、エックスは首を傾げた。
「セレナード!ハッキングの状況は!」
『……ふふ。誰に、聞いてるんですか?』
セレナードの声がエックスの聴覚機に響く。
『私はウラインターネットの王と呼ばれたネットナビ……この程度、造作もありません』
「え……ぐ、な、ぁっ……!?」
セレナードがそう言うと、ティターニャンが苦しみの声を上げる。
「操作、権だけじゃ……なく……私の身体に……干渉……!?」
『ティターニャンにウイルスを打ち込みました。これで……』
空が、暗くなる。
「見て……!夜よ……!」
セリカが声を上げる。
アビドスに、二週間ぶりの夜が訪れた。
「人工太陽が止まった……!」
「っ……!ビナーが!」
倒れた巨体が、起き上がる。
だが、そこへ大量のミサイルが飛来した。
「この攻撃は……!」
「「ウオオオオオオオオオ!!!!」」
夜の砂漠に響き渡る大絶叫。
数多の人間が有らん限りの力を振り絞り上げる声。
遠くから、凄まじい量の集団が殺到する。
「全軍突撃ィ!!エックスに続けぇぇぇぇぇぇ!!」
「カイザーの部隊……まだ戦えるのか……!」
『お帰りなさい隊長!』
『待ってたぜ隊長!』
『遅いんだよ英雄!』
『タイチョウ!』
『タイチョウ!』
エックスの耳に、カイザーの兵士達の声が届く。
「……ははは。皆、こんなにも俺を待っていたのか」
「はい……もちろん、私も」
ノノミが、エックスの手を取る。
「もう、無茶しないでください」
「確約は出来ない。俺は、俺の出来ることをしなきゃいけないから」
「もう……」
ノノミが、少し頬を膨らませる。
だが、それも一瞬で微笑に変わる。
「……なら、私も一緒に戦います。隣でブレーキかけてあげないと……エックスさんはひとりで何処までも行っちゃいますから」
『隊長!理事長からのお届け物です!』
輸送部隊から通信が響き、ノノミが慌ててエックスの手を離す。
凄まじい速度でヘリが頭上へやってきて……吊るされていた物を落とす。
「ちょっと、ここに落とすの!?」
セリカの悲鳴も虚しく、対策委員会の目の前に大質量の物体が投下された。
「げほっ、ごほ……!ひどいなぁ……」
恨み言を漏らすホシノ。
目の前に投下されたのは……。
「これは……ライドアーマー?」
白い、搭乗型のパワースーツだろうか。
『これは……ゴリアテです!』
「アヤネちゃん……えっ、これあのゴリアテ?なんかおじさん知ってるのよりなんというか……ヒロイックだね」
「理事長に、助かると伝えておいてくれ」
『ご武運を!』
カイザーPMCがビナーとティターニャンを全力で釘付けにしていた。
仕掛けるなら、今がチャンスだ。
「……え?」
唐突に……エックスの身体から、光が溢れる。
「今度は何!?」
「これは……メタルヒーローズが、反応している……?」
エックスに与えられた、ブルーアーカイブでの権限。
ヴィア達によって名付けられたプログラム、メタルヒーローズ。
それが、反応している。
『メタルヒーローズが、絆に反応して発現します!これはもうソウルユニゾンです!!』
リコが興奮したように叫ぶ。
「ソウルユニゾン……?」
『心を通わせた相手から力を借り受ける……この前のブレードアーマーみたいなもんさ』
「……よし!」
エックスは、ゴリアテに触れる。
その瞬間、ゴリアテは粒子となりエックスの中に吸収された。
そして、ノノミがエックスの手を繋いだ。
「の、ノノミ……?」
「さっきから……何が起きているのか分かりませんが、確かに……私とエックスさんの繋がりを感じます」
「……ああ」
「私の想い……受け取ってください」
「ああ!」
ノノミと繋いでいた左手が変形する。
現れたのはバスターではなく……ミニガン。
「それ、ノノミ先輩の……!」
『プログラム更新完了!いけます、エックスさん!』
リコの言葉に頷き、エックスは己の中に発現した力を解放する。
「全エネルギー解放……!」
白い、純白のアーマーが装着される。
背中には巨大なレドームが取り付けられ……肩、胴体、脚と様々なハードポイントにミサイル発射装置が追加される。
右腕は巨大なキャノン砲に、左腕はノノミのミニガンに。
ヘルメットの形も変わり、ヘッドマウントディスプレイが降りる。
「アルティメットアーマー!!」
同じ名前だが、先ほどまで纏っていた姿とはかなり変わっていた。
『コマンドミッションのアルティメットアーマーか……!』
『言うならば……アルティメットアーマー、セイント・ネフティスアドベント……とかどうでしょう』
エックスの耳だけに、アロナの声が届く。
『貴方に与えられる未来の力。それを十六夜ノノミとの絆が引き寄せた……《貴方だけの奇跡》です。良いケースを見せてもらいました……存分にご活躍を』
「行こう、皆!」
エックスは、飛翔した。
カスタム、じゃなくてアドベントにしたのは語感が好きだから使いたかったんです(
ノノミの銃を使って戦おうと思ったんですが、お誂え向きの重装形態があるので未来の世界から拝借しました。
これラスボス戦に使うアーマーの予定でしたがノリで今回出しちゃいました。