いやー……年が明けてからもう2週間経ってますね……。
書くのが遅くて申し訳ない。
なんとか頑張って完結まで失踪しないようにしたいです。
「……これは、どういう事だ……」
エックスは、バイクを停め……再び百鬼夜行連合学院の敷地へと足を踏み入れた。
ミモリの話では、百鬼夜行連合学院は以前のコピーエックスの襲撃から逞しく復旧しているはずだった。
『エックス、これを見てください』
「これは……」
セレナードが監視カメラから引き出した、百鬼夜行連合学院の各地の映像。
「……どこの木も、葉すら付けていない……」
『今のシーズンは各地で桜が咲いている筈です。燃え残った樹木は少なからずある筈ですが……どれも葉や花がありません』
「ミモリを探そう」
「エックスさーん!」
遠くから、手を振るシルエットが見える。
「ミモリ、久しぶり」
「はい、お久しぶりです!」
久しぶりに会うミモリは、少し疲労を感じさせる微笑みを浮かべた。
無理もない。
あの騒ぎから少ししか経っていない。
未だ、百鬼夜行の人々は復旧作業に追われているのだろう。
「それで……俺を呼んだ理由を聞いても良いかな」
「はい……エックスさんは、ここまで桜の木を見てきましたよね」
「サクラ……ああ。どれも咲いていないどころか……枝に芽さえついていなかった」
「そうなんです……」
「けど、俺は樹医じゃないし……何故……」
「これを見てください」
ミモリが写真を取り出す。
「これは?」
「……この辺り一帯で発見された……ナノマシンです」
「なんだって!?」
エックスは手早くアイカメラで情報を取り込み、ヒマリとアイコに情報を送る。
「ナノマシン、か……自然現象じゃないな」
「ミレニアムに既に問い合わせましたが……」
「キヴォトスの技術ではない、そういうことか」
「はい」
ならば確かに、エックスを頼るのも道理か。
「ヒマリ。話は聞いていたな」
『はい。確かに1週間程前にこのナノマシンの資料……写真だけですが提出があったようですね』
『私も目を通したわ』
「……リオか」
通信に珍しい声が加わる。
エックスは少し、渋い顔になる。
(少し、苦手なんだよな……彼女)
『これほどのナノマシンを散布した目的は……自然破壊と言ったところが妥当かしら』
「……自然破壊」
『こんな物を量産し、散布するというのはあまりに不合理ね。やることとコストが釣り合っていないわ』
『ですが、実際に起きてしまい被害が出ています』
回線が切り替わり、ディープログから連絡が入る。
『エックス、写真だけじゃ情報が足りない。何とか手に入らないか』
ヴィアからそう言われるも……肉眼では見えないサイズなのだ。
……エックスの目は機械ではあるが。
「難しいな……」
『エックスさん。こちらヒマリです。セレナードをナノマシンに潜入させて中のデータを奪ってみてください』
「なるほど。出来るか?セレナード」
『プラグイン出来れば問題はありません。ですが……どうやって侵入を?』
「……ナノマシンに直接ってのは無理な話か」
「そう言えば……変な花が咲いているんですよね」
「変な花?」
「はい。ラフレシア……でしたっけ。凄い見た目の花が咲いている場所があるんですけど……」
『ラフレシアって……そんなの匂いとか凄いだろうな』
「それが、全然匂いも無いんです」
「……その花、今はどうなってる?」
「陰陽部が辺りを封鎖しています」
「……分かった。見に行ってみよう」
――――――――――
陰陽部の警備員に途中停められたが……ミモリが事情を話すとすんなり通された。
「……アッサリ通されたな」
「皆、あの騒動の功労者の事を忘れていませんので」
「……アレは、皆で掴んだ勝利だ」
「いいえ。あの時、確かに最前線で戦っていた青い英雄が居ました。皆さんそう思っています」
「……英雄、か」
エックスは、むず痒さを覚える。
ずっと、必死に戦ってきただけ。
誰からも理解されない悩みを抱えて、ずっと悩んだ。
悩んで、戦って、失って。
だが、キヴォトスの人々は違った。
エックスの事を、様々な人が評価している。
カイザーの理事長もああは言っているが評価は高い。
「……でもやっぱり、その称号は遠慮したいかな」
「そう、ですか?」
「俺は……同族をたくさん処分した。だから……英雄じゃなくて、ハンターなんだ」
「ハンター……ですか?」
「ああ。人間を守る……イレギュラーハンター」
今でも、ずっと変わらない。
エックスにとって不変のもの。
「……これかい?」
歩くこと、数分。
エックスとミモリの前に……巨大な花が咲いていた。
「はい……どうですか?」
「どうと言われても……」
エックスは、巨大な花を観察する。
おおよそ、百鬼夜行のロケーションにはあまりにも似合わない異質な花。
「……ん?」
エックスのセンサーが、異常探知する。
「……この花、機械だ」
「えっ……?」
電気の流れと、何かしらの電波を拾っている。
「情報を抜き取る。セレナード」
『はい』
エックスがスマホを構えて花に近付く。
見れば見るほど精巧だが……触手が地面のあちこちに刺さっている。
まるで、この大地に何かを流し込んでいるかのよう。
「……う、わっ!?」
突然、触手が地面から飛び出しエックスを貫こうとする。
「エックスさん!?」
「来るな、ミモリ!」
エックスは特殊武器をセットする。
「ブーメランカッター!」
ブーメランの形状をした刃を辺りに放つ。
そして、そのままゼットセイバーを抜く。
現れる触手を次々と切り裂いていく。
『エックス!本体の花を破壊するなよ!』
「分かってる!戦闘能力を奪う!」
攻撃が激しいが、触手も有限だ。
しばらく攻防を続けると、花も大人しくなった。
「……ふぅ」
一息ついて、花に近付きポートを探す。
「よし。プラグイン!セレナードEXE.トランスミッション!」
『ああ……やっとプラグインしてもらえた……』
何か言っていたようだが、何はともあれセレナードをプラグインする。
『それでは、適当なデータを引っこ抜きますので少々お待ちを……ひっ!?こっちにも触手みたいな防御機構が……!』
「大丈夫か!?」
『流石にこの数をさばくのは大変ですね……お手伝いいただいても?』
「手伝いって言っても……」
電脳空間での戦闘にエックスが関与できる言葉ない。
サイバースペースへ転送する訳にも……。
『エックスさんをサイバースペースへ転送する要領でこの花の電脳に転送するとか……』
「……同じ事を考えていたか、リコ」
『はい、ただ……管理者がなんというか』
『いいよー』
『あ、OK出ました!転送しますね!』
「それでいいのか……アロナ……」
なんとも雑なやり取りに苦笑しながら、エックスの身体がデータのなかに溶けていった。
「えっ……エックスさん!?」
――――――――――
「エックス!?」
目を開くと、セレナードが迫りくる触手を背中に浮かぶヴェールの様なユニットを使って切り裂いていた。
「セレナード!援護する!」
「ふふっ……まさか、オペレーターとこうして肩を並べて戦う日が来るとは……」
「行くぞ!」
『こちらもバトルチップで援護します!』
『よし!じゃあいっちょやるか!お前ら!』
エックスがゼットセイバーを構え、セレナードの隣に立つ。
『『バトルオペレーション、セット!』』
「「イン!!」」