『ワァァァァァ!?』
あの煙野郎に吸い込まれて俺は今落ちている。
しかも隣には轟くん?と葉隠さんがいる。
葉隠さんは透明であんまり見えないけど少しの空間の歪みでわかった。
さて状況確認だ。
俺らは今煙野郎にワープさせられて落ちている。しかも下にはゴロツキ共がいっぱい。
遠くの広場では相澤先生が戦っており、入口付近では13号先生が戦っている。
他の皆は⋯⋯多分各々のゾーンに居るな。水難ゾーンに緑谷と蛙水さんが見えた。
『さて、この状況どうしたもんか』
まず下にいるゴロツキ共だな⋯⋯これは轟がやってくれるだろ。強そうだし
高台とかねぇかな。あったらいい狙撃ポイントになる
そんな事を考えていると轟が地面を凍らせ地面とキスしなくて済むようにしてくれた。
氷がクッション代わり(すごく硬い)になってくれて難なく着地できた
『はぇ〜さっすが推薦合格者。エゲツねー』
ゴロツキ共は完全に凍らされて動けない。
「お前も推薦合格だろ?」
『俺はちと事情があってね〜。推薦合格者じゃないんよ』
『と、いけねぇ、話してる場合じゃなかった。
轟、お前は広場に行って皆と合流してくれ。後 後ろの岩に隠れてる葉隠さんも』
「え、火伊斗くん気づいてたの!?」
「(居たのか⋯危ねぇ、さっき凍らすとこだった)」
『俺は相澤先生を援護する。だから先に行っててくれ』
「え、火伊斗くんも一緒に来てよ!危ない!」
『だいじょーぶ!俺こういうの慣れてっから!』
そう言って高台に登る。そこからは広場全体がハッキリと見える
『おーマジでいいスポットだわ。さーてと⋯』
右肘からライフルを展開させ位置に着く
『姿を見られちゃマジぃな。透明にしとこ』
フードを被りスイッチを押す。するとコスチュームが風景と同化し透明になった。
『ターゲットのヴィランは何処かな〜?』
スコープで捉えた。顔に手をつけてるヤツと明らかに人間じゃねぇヤツ
『二発あれば十分か?』
髪をエポキシパテの様にネジり二発作る、そうして弾を装填する。
『まず一番ヤバそうな巨体からやるか。』
先程見えたが相澤先生が巨体に頭を鷲掴みにされていた。
プロヒーローがアソコまでされているから相当な手練だろう。先に殺る
『手首と足首狙って__ 』
集中を高めるため息を止めて⋯
パァン
そして間髪入れず二発目
パァン
『⋯
二発とも命中し手首は撃ち抜かれ、足首も撃ち抜かれた。
鷲掴みにされていた相澤先生は手首を撃ち抜くと同時に解放されて床に転がる
すると目を離した隙に主犯格のヤツが蛙水さんに近づき何かしようとしている。
『チッ、』
舌打ちをし三発目を装填する。
『その手、使いもんになるといいな』
そういい打つ
パァン
ソイツの手を貫き間一髪で蛙水さんに触るのをガードした。
主犯格の手つけてるヤツは明らかに動揺していた。
『おうおうもっーと動揺しろ〜?諦めて帰れ〜?』
『⋯皆の方は無事かな。阿修羅の人に聞いてみよう』
ヘッドホンをONにし、話しかける
〈あー、あーマイクテス、マイクテス。聞こえるー?阿修羅の人ー〉
〈筒美か。聞こえるぞ。〉
〈おー良かったぁ。どう?皆ちゃんと来てる?〉
〈まだ来てないやつが数人いる〉
〈マジかぁ⋯何処にいるのとかは把握済み?〉
〈把握済みだ。〉
〈OK了解。皆の合流が確認出来たらトランシーバー使って呼んでね〜〉
〈あぁ、分かった〉
通信を切りもう一度スコープを見る。
まだ来てない数人⋯多分あそこにまだいる蛙水さんと緑谷、峰田だろう。なんで逃げてないんだ。
それと葉隠さんは居るのに轟がいない。切島も。多分アイツらヴィランを倒しに行ったんだ。
『はぁ〜⋯それにしても、応援まだかなァ⋯』
緑谷side
水難ゾーンから抜け出してセントラル広場に来ていた。
そこで見たものは
「ぐぁぁぁっ!!」
先生が痛めつけられている状況だけだった。
両腕は折れ、血液の量も凄まじく瀕死の状態だった。
相澤は“個性“を発動しているが、脳無の力はまるで弱まる気配がなかった。
つまり、オールマイト並みの怪力は素の力だという事だ。
脳無は、相澤の頭を掴んでそのまま地面に叩きつける。
水難ゾーンに飛ばされてヴィランを倒した蛙吹、緑谷、峰田の3人は水中に身を潜めてそれを見ている事しか出来なかった。
「緑谷ダメだ…流石に考え改めただろ…?」
「ケロ…」
峰田が涙目になりながら両手で口を塞ぎ息を殺してガタガタ震え、蛙吹が不安そうに相澤の方を見る。
緑谷も、絶望の表情を浮かべて相澤を見ていた。
その時だった。2つの弾丸が脳無の手首と足首を貫いた。
足首を貫かれた脳無は体制を崩し、跪く。
そして手首を貫かれた事で力が入れられなくなり相澤先生が開放された。
「⋯はぁ?何処から飛んできやがった⋯?」
主犯格のヴィランは不機嫌になる
するとそこへ、黒い霧状のヴィランが現れる。
「死柄木弔」
「黒霧、13号はやったのか」
黒霧というヴィランが現れ手で顔を覆った死柄木というヴィランに声をかけると、死柄木は黒霧に尋ねる。
「行動不能にはできたものの、散らし損ねた生徒がおりまして……一名逃げられました」
黒霧が答えると、死柄木は不機嫌そうに首を掻き毟る。
「…………は? は━━…はあ━━━、黒霧、お前…お前がワープゲートじゃなかったら粉々にしたよ…流石に何十人ものプロ相手じゃ敵わない。ゲームオーバーだ。あーあ…今回はゲームオーバーだ。帰ろっか」
そう言って死柄木は、首を掻き毟るのをやめて黒霧の方へ歩いていく。
その様子を峰田はキョトンとした様子で見ていた。
「……? 帰る…? 帰るっつったのか今??」
「そう聞こえたわ」
「やっ、やったあ! 助かるんだオイラ達!」
「ええ、でも…」
峰田の問いかけに対して蛙吹が答えると、峰田は涙を流してどさくさに紛れて蛙吹の胸を触りながら大喜びする。
すると蛙吹は峰田を水に沈めながら緑谷に話しかける。
「気味が悪いわ緑谷ちゃん」
「うん…これだけの事をしといて…あっさり引き下がるなんて…」
緑谷が死柄木達の方を見て何がしたいのか分からず気味悪がっていると、何を思ったのか死柄木が緑谷達の方を振り向く。
「けどもその前に、平和の象徴としての矜持を少しでもへし折って帰ろう!」
そう言って死柄木が蛙吹の方へ手を伸ばそうとした、その時だった。
また紫と緑の色が混ざりあった弾丸がヴィランの手を撃ち抜いた。
ヴィランは痛みで手を引っ込めて明らかに動揺した。
「(今の個性は⋯⋯)」
【__俺の個性は⋯こんな風にスナイパーライフルを肘から展開させて打つ個性なんだよね。弾とかは髪をネジって弾に出来るんだ】
間違いない。彼の個性だ。特徴的な紫と緑の髪、それにスナイパーライフルを彷彿とさせる狙撃⋯完全に彼である。
「(聞いていた時から凄いとは思っていたけど⋯想像の十倍は凄いなんて⋯)」
すると脳無は先程の怪我を回復し、もう一度立ち上がった。
しかし脳無が向いている方向は僕らじゃなく弾丸が来た方角だった
「もしかして⋯!」
火伊斗side
ん?なんだアイツ、こっちの方向 向いて⋯まさか気づかれた?いやいやでも広場からここまで結構な距離がある。
ここに来るまでのスピードは無いだろ。来る前に俺が逃げてる。
『そんな事より弾痕が無い⋯回復してんのか』
『まぁいい主犯格を潰せ⋯ば⋯』
バチン
大きな音と共に俺は入口の方に吹き飛ばされた
『(嘘だろ、弾よりも早いスピードで来やがった。しかももう広場の方まで戻ってきている。舐めすぎたな⋯あのヴィラン。)』
結構なピンチなのに酷く冷静で自分でも恐ろしく感じる。
地面に激突するまであと1〜2m⋯こりゃあ軽傷では済まないなぁ