コードアーカイブ-蒼染のルルーシュ-CODE:ARCHIVE-Lelouch of Coloring the Blue in between the Imperial Load and Revive- 作:ちびーず
「そのギアス.....確かに受け取った...。」
これは俺の大事な親友から今までに発せられた言葉の内、俺が一番最期に聞き取った言葉だった。
親友が被っている、正確には俺がこの状況を作るために彼に被せた『ゼロ』の仮面の下で、
この親友がどんな表情を作っているのかを測る事は出来なかった。
だが、スザク。
これはお前への祝福であり、手向けであり、俺からの願いだ。頼んだぞ、ナナリーを...。
そして、先の一言を皮切りに親友は俺の身体の真ん中を貫いた剣を引き抜いた。
俺の身体が前方に倒れ御料車の傾斜を転げ落ちた先には、俺の命令によって拘束された妹の姿があった。
我が愛おしい妹ナナリーは、
ナナリーの手が俺の"血のついた"手を、触れた瞬間に何かを察したかの様な表情を浮かべつつ取ると、自らの頬に押しあて、
「お兄様!....愛しています!」と震えた声で俺に語りかけるのだった。
あぁ...、俺は...世界を壊し...、世界を...平和を....創る...。
「....お兄様ッ!!...嫌っ!!目を開けてください!!お兄様ぁぁ!!」
その言葉を聞いた時、一瞬だけ、この世界に留まっていたいと、俺は思ってしまうのだった。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄我は望む、7つの嘆きを
シャルル・ジ・ブリタニアが刻む、ジェリコの古則を/
Yes, Your Majesty._________________
熱く強い光は0.00何秒か、本来人間の目であれば認識出来ないくらいの短い時間だけ、俺の目を激しく焼いた。
焼き付いた残像がゆっくりと目から抜けていくと、俺は電車に揺られていて、
自分を除いては反対側に座る少女だけしかいない状況に気づく。
「(―――ナ、ナ...リー.....なのか......?)」眼の前に居る少女が一瞬、妹のナナリーと重なるが、
直ぐにナナリーの面影が消え、水色の長髪の少女の姿が映り、その少女が語りだすのだった。
「私のミスでした......。」
「(何のことだ?...?...!?)」
俺は少女の第一声に困惑し、そのように言おうとするが、己の声が出せない事に驚いた。
「私の選択、そしてそれによって招かれたこの全ての状況...。」
そして、流れ出す全く知らない情景。
「結局、この結果にたどり着いて初めて、貴方の方が正しかったと悟るだなんて......。」
「(いや、間違っている、間違っているぞ、君は...。)」
俺は声が出ていたら少女にこう言っているであろう言葉を頭に浮かばせる。
この少女の発言から察するに、俺はこの娘と出会って、とある場面でこの娘に助言をしていて、
この娘が助言を聞き流してしまって、ろくな結果にならなかったという事のようだが、
俺はこの少女に助言をした事は疎か、この少女と会った覚えすらもなかった。
「今更図々しいですが、お願いします。」
「ルルーシュ先生」
「(なっ!?......なぜ、俺の名を知っている!?なぜ俺を先生と呼んだ!?)」声が出ていたなら、こう少女を問い詰めていただろう。
俺の思考は、困惑している最中にさらなる劇薬を注ぎ込まれ、大きく混乱するのだった。
「きっと私の話は忘れてしまうでしょうが、それでも構いません。」
少女は言葉を続けた
「何も思い出せなくても、おそらくあなたは同じ状況で、同じ選択をされるでしょうから......。」
それは、俺に頼むように、縋るように......、そして、少女の
「ですから......大事なのは経験ではなく、選択。」
選択...それは、より多くの情報を手にし、経験と智慧を記憶や思い出から引き出し思慮を巡らせてからするものだ。
ある哲学者の言葉を借りるのなら、
『樹木にとって最も大切なものは何かと問うたら、それは果実だと誰もが答えるだろう。 しかし実際には種なのだ』が例えとしてはお誂え向きだろう。
この言葉は、本来の解釈では結果以上に重要な”もの”があると示唆する言葉と見なされているが、俺の解釈としては違った。
彼の者は、何かを判断する時、つまり、選択を迫られた時の、判断思考の要素たる経験や智慧や情報を、植物の細胞の根源たる種と比喩し、結果を果実と比喩し、選択を枝の分岐等を含めた樹木そのものと比喩したのだと言うのが、俺の解釈だ。
あくまで選択も選択の結果も、ある価値観で評釈すれば意味を持たないものであり、
選択の前提に存在する『種』こそが大事なのだ。
選択が大事と、少女は言うが、俺にとっては違うのだ。
「あなたにしかできない選択の数々。」
そしてまた、今度は見知らぬ少女たちの姿が浮かんだ。
最大の違和感はその娘ら全員の頭上に独特の文様の輪っかの様な何かが浮いている事だった。
「責任を負う者について、話したことがありましたね。」
「あの時、貴方は『撃ってい良いのは、打たれる覚悟のある奴だけだ。』と私に言いましたね。」
「(違う...、そんな事を君に対して言った覚えはない...。)」
「あの時の私には分かりませんでしたが...。今なら理解できます。」
「大人としての、責任と義務。そして、その延長線上もあった、あなたの選択。」
「それが意味する心延えも。」
何だ?...何なのだ?...これは....。
俺は、一体..何を見させられているんだ?
これはCの世界なのか?
そして、語り続ける眼前の少女は、苦しそうに一度息を整え、続けた。
「ですから、先生。」
「私が信じられる大人である、あなたになら、」
「この捻じれて歪んだ先の終着点とは、また別の結果を......。」
「そこへ繋がる選択肢は......きっと見つかるはずです。」
「だから先生、どうか......。」
俺はただただ困惑する事しか出来なかった。
すると俺は意識が急速に遠くなり、
「ルルーシュ先生!!」と、
またもや、知らぬ者の鋭い声が聞こえていた。
俺は意識と死んだはずの己の身体を起こした。
そして、先程の光景に見た少女らと同じく頭上に輪っかが浮いている少女と目が合った。
「少々待っていて下さいと申したのに、お疲れだったみたいですね。」
「なかなか起きないほどに熟睡されるとは。」とこの少女に話しかけられ、
俺の寝ぼけた頭を無理やりフル回転させ、自分の現在の状況を把握しようと試みるが、
「 ??????? 」一言も発する事が出来ず、
「(???????)」やはり、事態を把握しようにも不確定な要素が多すぎて、
思考回路がクラッシュを起こし、機能停止を起こしてしまうのだった。
「......夢でも見られていたようですね。ちゃんと目を覚まして、集中してください」
彼女には俺が寝ぼけている様に見えたのだろうか。
「もう一度、改めて今の状況をお伝えします。」
「...て」
「?」
「待てと言っている。」
「もう一度も何も...。」
「まず、ここは何処だ。」
「第一、君は何だ?」
と半ば混乱している俺は初対面の相手に質問攻めをして、捲し立て、
「はあ......?」となっているこの少女を困惑させるのだった。
すると突然「落ち着けよ。」と聞き覚えのある、もとい..ありまくりな声と、真後ろの気配に俺は驚き、「C.C.!?」と声を出した。
「リンちゃん、この者と私は共犯関係にある。ここからは、私に任せてもらおう。」
「......」
「........誰がリンちゃんですか...全く....。」
「......わかりました...。ここはあなたに任せます。」
「よしならば、先にスザクを連れて行け。」
「スザク?...待てC.C.!それはどういう事...、...!?」と急に親友の名前が出て動揺した俺は、
振り返ると本当にスザクが居て驚くのだった。
するとスザクは「C.C.、ルルーシュを頼んだよ。」と言い、リンと呼ばれた少女とこの部屋を出るのだった。
C.C.と二人きりになり、俺は落ち着きなく質問を切り出した。
そして、「C.C.どういう事だ..これは!」と力んだ声でC.C.に詰め寄りこの状況を説明するよう求めた。
「まぁ..そう焦るな。」C.C.はそう言っておどけるが、今の俺としてはそういった態度を取られると非常に困るのだ。
「焦らずにいられるか!!」とすかさず俺が強く反論すると
「だから、まずお前が落ち着かなければ、話のしようがないだろう。」とC.C.が言った。
だがその声は、俺の耳には入らずに
「まず、此処は何処だ!?なぜスザクとお前までこっちに来ている!俺は確実に死んだ筈だ!よもや、お前とスザクも死んだとは言うまいな!!ナナリーはどうした!!」と俺は凄んだ。
「......はぁ、そんなに落ち着かんのならそうやって焦っていろ。何も問題はないぞ、私にとっても君が焦る姿は見ていて面白いからな。」すると今度は、C.C.は呆れつつ俺を煽り、弄ってくるのだった。
「...ッ!C.C.!!」カッとなった俺は語気を少々強めて言った。
「だからッ、一度冷静になれと言っただろう!!何度も言わせるな!!」
そして、C.C.が俺に一喝し、その場が収まるのだった。
十数分後
「......、はぁ......つまりは、俺が死んだ後から暫くして、お前とスザクは気がつくとここに居て...
先程のリンと言う『生徒』から話を聞き、姿を見せない連邦生徒会長とやらに連邦捜査部『シャーレ』を請け負う『先生』に任命されていた事を知ったと...。」
「...そしてルルーシュ、君も同じく『先生』だ、私達より数分後輩だがな。」
「いや待て、それだとおかしい。なぜ先に君等が居る?」
「...説明を付け足すとな......、"こっち"の私とスザクは君の知っているC.C.と枢木スザクではない。」
「?......どういう事だ、それは...。」
「君と今の私やスザクはそれぞれ別の並行世界から来たんだよ。」
その後、C.C.の説明は続いた。
問答の一部始終については、話すと長くなるので、話の内容を要約すると、
まず彼女とスザクは、二人側の並行世界で俺が死んだ後、暫くして、もう一度Cの世界に行ったそうだ。
そして、この俺が居る並行世界やその他の...例えば、何故か俺が最初から行方不明でナナリーがギアスに目覚めた上にナイトメアに乗って無双しているという世界線やナイトメアではない二足歩行兵器達とブリタニアが無い地球で共闘している世界線であったりと、可笑しな並行世界がある事も確認したらしい。
すると、気がつけばここに居たらしい。
そして、Cの世界で俺の居た並行世界を覗いた時、俺の世界線の時間の進みが彼女らの世界線より数日遅れていたらしく、丁度俺がゼロに扮したスザクに刺される数分前の、俺が御料車に乗って踏ん反り返っていたタイミングだったらしい。
「まぁ、兎にも角にも、この状況を受け入れるしかないであろう。原因もわからないしな。」
「ふむ、そうだな。」
そうして俺等は話を終わりにし、スザクの元に向かおうとした。
その時、C.C.が気がつくと持っていて使い方も何故か理解ったと言う「スマートフォン」と言う携帯通信端末が鳴った。
「.......、スザクからだ。」
『..........、.......................。』
「あぁ、終わったよ。」
『......、.......................。』
「わかった。今ルルーシュとそっちに行く。」
『...........、.....、........................................、...............。』
「了解した。」
相手の声は良く聞き取れなかったが、電話に出たC.C.の受け答えから、大体の内容は察せた。
「......ではルルーシュ。行くぞ。」
「あぁ。」なんという事だ...また訳のわからない事態に巻き込まれてしまった...俺は......。
我が母マリアンヌ・ヴィ・ブリタニアの暗殺に始まったの諸々の事件に於いては、今回の状況と同様に、俺は巻き込まれた立場だったが、
それらの事件の
しかし、今回に限っては、俺の意思は1ミリたりとも介在しない形で巻きこまれてしまった事になる、今だけはな......。
「(C.C.の話は、間の悪い嘘と言う訳ではないな。)」
「(とにかく、俺は必ず地獄に行くつもりだぞ。
あれだけの罪を重ねておいて、こんな所でのうのうと生きているなどまっぴら御免だからな......。俺には地獄がお似合いだ。)」俺がそんな言葉を内心で呟くと、
C.C.はまるで、俺の思考は全てお見通しだと言わんばかりに、
「......、死に急ぐなよルルーシュ...もうお前が死ぬことは許さんからな。」といきなり俺を指差して、
「世界線が違えども、お前と私は共犯者なのだからな。」と言うのだった。