更新待ってるって言ってくれた人、ごめんなさい。後、感想を下さってありがとうございます!!!いやまあ、二件も来ててとてもうれしかったです。はい。
それに、お気に入り登録も一件、UAも428になっていました。やったね、うれしいね。......ありがとうございます。
こんな茶番はともかく、本編なんですが。まあ、相変わらずの出来ですね。強いて言うなら前回より文字数が多くなりました。そんくらいです。
目が覚めた。木製の天井が見える。動くと少しだが体が痛む。恐らくこの痛みで目が覚めたのだろう。
俺はベットに寝転んでいたらしい。体中に包帯やガーゼが巻かれ、張られている。特に酷いのは右腕だ。ギブスの変わりなのか添え木の上から包帯が巻かれ、ベットの横にあった棒に吊られている。骨折したのか......清潔感溢れる白い包帯が逆に痛々しい。
骨折にしてはだいぶ痛まないが、時間が経ったのか、痛み止めか、両方か。包帯を巻かれた右肩と左腕、更には腹にも巻かれているがあまり痛まない。......これだけではどちらなのか分からないな。
服も着替えさせられたのか着ていた長袖長ズボンのスポーツ用ジャージから、白い着物の様な物に変わっていた。素人の俺から見れば着物だか和服だのよく分からない。まあ、服装よりもここが何処かだな。
周りを見渡すと、俺の寝ていたベットの両隣に一つずつ合わせて二つ、反対側にも三つ同じ物が。どうやら俺以外の怪我人はこの部屋には居ないらしい。
部屋は長方形にっており、六つのベットはそれぞれ長い方の壁際に並べられている。部屋の出口と思われる引き戸は短い壁の方の左側に大きな物がある。怪我人を入れる為か。 右側の壁際には大きめの机と椅子が二脚ある。机の上には何も無いが、あれに座って話でもするのだろうか。
全体的に木製の物が多いこの場所は病院と言うよりも診療所と言う方がしっくりくる。やはり、かなりの田舎まで連れてこられたのか?いや、こんな場所があるのだからそこまで田舎では無いのかもしれない。こんな内装にしているだけかもしれない。
何処だか分からない。......取り敢えず少し動こう。足は問題なく動く。あれだけの高さから落ちても右腕の骨折と腹の傷だけで済んだ俺は運がいい。
掛かっていたシーツを押しのけ足をベットの下の床に下す。少し体が痛むが、動けない事は無い。問題は無いな。吊られた右腕の布を外し、布を首に掛けなおす。
立ち上がり、引き戸の方へ向かう。歩く分にも問題は無い。
引き戸に手を掛けを掛けようとしたが、逆に引き戸が開かれる。
そこに居たのは、初老の男だった。色の抜けて白くなった頭髪。顔に刻まれた多くの皺。細い体には白い着物のような物を着ている。その年老いた顔に似合わない高身長だ。ここの医者だろうか?
「あ、起きたのかい。怪我の調子はどう?かなり酷い怪我だったけど。」
穏やかな声だ。もう少し、しわがれた声だと思ったが意外に若い声だ。見た目が老けているだけかもしれない。本当に医者なのかもしれない。医者は苦労するだろうし。
流石に被害妄想だと思うが。こいつも俺が戦ったあの金髪とグルで、まだ俺をはめようとしているのかもしれない。.....いや、これ以上何をしようというんだ。現に俺をあんな森の奥に置き去った時点で十分だろう。
それ以前に奴に仲間が居るのか?まともな思考だとは思えなかった。....いや。俺は奴の事を何も知らない。勝手な憶測だ。奴が仲間の前ではまともな振りをしているのかも知れない。
そもそも、どうやって俺をここまで誘き出す?俺は森の中を適当に進んだ筈だ。特に何かを参考にした訳では無い。その他にもあの野犬のような物はどうする?警察犬のように躾けたのか?...あれがただの犬ならここだけは可能だ。
まあいい。俺には予想出来ないような何かを考えているかもしれない。とにかく警戒しよう。
「あ!大丈夫ですよ。体も痛くないですし。問題無く動きます。」
なるべく相手に警戒心を抱かせないように、顔に笑みを浮かべる。声も明るすぎず、暗すぎず。少し嬉しそうに。動かすのに何の問題の無い左手と両足には力を込める。体中を怪我した状態ではどこまで強いパンチや蹴りを繰り出せるかは分からないが、いざとなれば戦うしか無い。
「それは良かった!あぁ。でも動けるからと言ってあまり動くのは駄目だよ。まだ右腕の骨も繋がってないし、肩と左腕と腹の傷は完全に塞がってないし。それ以外にも体中に小さい傷があるし。」
やはり医者なのか、この男。それとも医者の振りで怪我を現実以上にでっちあげ、なんらかの理由でここに引き留めたいのか。
だが、怪我の処置は正確だ。添え木はそこまできつく縛らず、腕に沿っているし。恐らくはガーゼを張った上で包帯を巻いている。詳しい事はまだよく分からないが取り敢えずは問題ない。
「それにしても、君は災難だったね。狼か何かに噛まれたの?背中と左腕。消毒するのと破片とか土を取り除くのは大変だったよ。」
狼?ニホンオオカミもエゾオオカミもとっくの昔に絶滅した筈だろ?確かに今思えば、あの野犬はニホンオオカミに似た体格だった。いや、似た体格の野犬を勝手に狼と呼んでいるだけかもしれない。俺も暗くてよくあの野犬の姿は見えなった。もし、本物ならとんでも無い。大ニュ―スだ。.....どうでもいいな。そんな事をすれば確実に目立つ。そんな事はごめんだね。
そんなことよりも、狼がまだいると口から出るあたり、ここは相当田舎のようだ。狼が絶滅した事が知られていない程の田舎なんてあるのか?いや、時に田舎は俺なんぞの予想を軽く超える事がある。
単純にこいつ等があの野犬の事をニホンオオカミと信じているだけか?いや、ならばそんな事は確実に都会に漏らすだろう。何しろ金になる話題だ。絶滅した生物が生き残っている。下らないゴシップが好物なクズ共はたまらず食らいつくだろうし、テレビ局や新聞社に巣食う忌々しいマスゴミ共も間違いなく食らいつく。この手の話題は奴らの好物だ。
もしくは、絶滅した事を知らないから都会に漏らさないのか?それも有るかもしれない。
しかし、消毒と異物抜きをしたのか、こいつ。.....これは嘘だろうか。消毒自体は何度か続ける必要がある。ここがどこだか分からない以上、これは俺を引き留める理由になる。異物を取り除くのは一度あれば十分だ。これは引き留める理由にならない。....一つは理由になり、嘘をついても問題無いが、一つは理由にならないから、嘘をつく必要が無い。
....これだけでは判断に困る。もう少しこいつの話を聞こう。
「後、骨折とお腹の傷だ。さっき言ったけどまだ腕は完全に繋がって無いから、痛み止めは必要だよ。お腹だって鎌が刺ささってた、君が落ちた納屋にあった物が。納屋の天井の一部も刺さってたし。....縫合はしたけど、後何度かは消毒しないと。」
これも完全に引き留める理由にならない。痛み止めは飲み薬もあるし。
やはりここが何処かが問題だな。訳の分からない田舎に無一文で宿無しじゃ、困る以前の問題だ。ここがミソだな。これをこの男が知っているかどうかが、一番だ。俺がここの人間じゃないと思っているなら嘘の可能性は少しは出てくるが、ここの人間だと思っているなら嘘でない可能性が高い。
適当な事を言ってどう思っているのか聞き出すのもいいが、住人でないことがバレているなら相手にはいくらでも言いようがある。田舎なら簡単に住人かどうかなんて分かってしまうだろうし。こちらには判断材料が無い。まだ、話を聞かないと。
「すいません。家族に電話したいので電話を貸してくれませんか?」
電話は一番分かりやすく、簡単な外との連絡方法だ。同時に俺が、ここの人間では無い事も表す事になる。ここが田舎ならほぼ確実に俺がここの人間では無い事が、この男には分かっている。無いとは思うが、こいつがなんらかの理由で俺をここに留めたいなら何かしらアクションを起こす。....どちらにせよ電話は必要だ。早く帰らないと。
「あー。電話ね....電話は.....」
男は何かを悟ったような顔をしつつ答えた。
歯切れが悪い。何故だろうか......引き留めるなら普通に無いとでも使えないとでも言えばいい。単純に嘘を言うのとは違う........もっとも、これも演技かもしれないが。演技なら、何故必要なんだ。わざわざ電話は使えないと言わない理由は?.......まだ言って無いだけか。だが、この態度は気になる。
「これから話す事は突拍子も無いと思うし、まだ信じてもらえないとも思うけど、全部事実なんだ。」
男の声はさっきまでの穏やかな声から急に真剣な声になった。
........何やら雲行きが怪しくなってきたな。一体何が出て来るのか。
急に声色を変えたのは信憑性を上げる為か。
「今、君がいるこの場所は君が居た所とは違う。」
「はぁ...」
.............思った以上にぶっ飛んだ物が出て来た。不味いな、田舎どころか何処かの新興宗教のアジトに来てしまったのかもしれない。次は新世界だのなんだの言うのか。
........単純にこの爺さんが痴呆で妄想を垂れ流しにしているだけかもしれないが、こんなまともな施設の管理と俺の治療を出来るとは思えない。もっとも、赤の他人がやっている所にこの爺さんが勝手に来ただけかもしれない。
しかし、ここが新興宗教のアジトだというなら、あの金髪が俺をここに放置したのも分かる。森に食べれる植物が大量に自生していたのは、こいつらが育成していたのか。.........少し筋が通ってきたぞ。
「混乱するのも分かるし、信じられないのも分かる。けど、真実なんだ。証拠も後で見せる。」
証拠というのは何かの手品だろうか。奇跡だのなんだの言う感じの。または、この手の怪しい団体の常套手段の人の弱みに漬け込んで上手い具合に現実から目を逸らさせるとか。
「ここは外の世界と結界で区切られた、幻想の世界。幻想郷.......まあ、正確には外と陸続きなんだけどね。」
......本当に新世界のような言葉が出てきた。本気で不味くなってきやがったな。今の状態じゃ目の前のこの男を倒すことは出来ても大の大人が三人でも来れば、確実に負ける。どの位の規模の相手か分からない以上、ここはしばらく無難に流されておこう。いきなり拘束される訳でも無いだろうし。大人しくしておこう。
だが、話合わせの為に話は聞いておかねば。
「ここにはね、外の世界で数の少なくなった物や無いと否定された物が入ってくるんだ。たとえば、ほら着物とか。外の世界じゃもうみんな普段着ている訳じゃないでしょ?そのかわりここではとても多いよ。みんな着ている訳じゃないけどね。」
それを言うために着物を用意したのだろうか?宗教家共の考える事はよく分からない。いや、だからこそさっき狼が居ると言ったんだな。成程、中々面白い設定じゃないか。物語にしたら売れるんじゃないのか。
「ああ、後これが一番大事なんだけど。存在を否定された物というのはね、所謂妖怪や神様といった物も含まれるんだ。だから、この幻想郷にはね、妖怪や神といった人外の存在が居るんだ。」
変な設定の次は妖怪に神様と来たもんだ。ますます新興宗教臭くなってきたぜ。あれか、妖怪は人を襲い、人は神に助けを求める。そんな感じの宗教か。妖怪というのも自作自演か。どんな物を出してくるのか?........まさか、あの金髪もこいつの言う妖怪で、あの林で俺を襲わせてここまで誘拐し、本当に妖怪は居てそれから守れるのは我らの神だけだ。....こんなストーリーかもしれない。そう考えれば、あの金髪の頭のおかしな吸血鬼の真似事も説明がつく。
可能性の一つだが、中々悪く無い。頭に置いておこう。
「妖怪は基本的に人を襲う。そして、人間は妖怪を恐れて退治する。そして妖怪は人間に恐れられないと存在出来ない。」
いよいよ、きな臭くなってきたな。妖怪を倒す人間は教祖と幹部か?これじゃ宗教よりも民間信仰のようだ。きな臭い事は変わり無いが、雲行きが変わって来た。
しかし、これでは妖怪にはメリットがあっても人間にはメリットが無い。ここの人間は何故ここに居る?いくら教祖が凄くても、自分を襲う奴と近くには居たくはあるまい。.....まあ、どうせ今が楽しければその先の事なんて考えて無いクズ共の集まりなんだろう。問題はあっても楽しい事があれば忘れているに違いない。
またはジジイの妄想。こちらの方が現実味がある。
「妖怪は基本的には人間に恐れられないと存在出来ないから、ここではある程度人間と妖怪のバランスが取られている。例えば、一部の場所では人間は襲ってはいけない事になっているんだ。で、その規則には外から来た人間は関係無い。だから、妖怪にとっては格好の標的なんだ。もちろん、この辺りなら外の人間でも安全だけど。」
なるほど、教団員以外は皆殺されると。中々良く出来た設定だ。じゃあ、この辺りはこいつらのアジトになるわけだな。逃げ出すのは苦労しそうだ。やはり武器が必要か?それとも可能ならこいつの言う所の人外の正体をバラして、その混乱に紛れて逃げるとか。
「ここ、幻想郷は二つの結界で外と隔離されている。一つは外で存在を否定された物を幻想郷に引き寄せる為の結界。これで弱くなった妖怪や神様、忘れられた物が集まる。ただ、これにも例外があって、たまに条件に当てはまらない物が入って来る。この結界は幻と実体の境界と言われているんだ。」
少なくとも俺は、存在を忘れられた覚えは無いな。こいつの話に合わせるなら、俺は例外でここに来た事になるのか。
物語にしたら本当に売れる様な気がしてきた。こいつらの資金源は信者のお布施と小説や漫画の印税なのか?
「例外でここに入って来た人を、ここでは外来人って呼んでいるんだ。さっき言ったように、大抵の外来人は安全な場所に来る前に妖怪に殺される。君の傷も、もしかしたら妖怪にやられたのかもしれない。見た目がそこら辺にいる動物とそう変わらないのもいるし。」
あれが妖怪なら俺は動物園で妖怪を見る事が出来る。確かに正体は分からないが、妖怪と納得するよりマシだ。
「二つ目は外の常識をこちらの非常識にし、こちらの常識を外の非常識にする結界。これは博麗大結界と呼ばれている。これはさっき言った妖怪と人間のバランスが崩れて弱っていた妖怪を助ける為に張られた結界なんだ。だけど、この結界によって幻想郷は外の世界と完全に離別したんだ。」
なぜ妖怪を助けるんだ?襲われているんだろ?だんだん、こいつの話が理解出来なくなってきた。騙すならもっとマシな嘘をついてくれ。これはこのジジイの痴呆の妄想である可能性が大きくなってきたな。この病院もどきの持ち主が居るなら、さっさと帰って来てくれ。そして、この老害になるかもしれない奴を施設なり病院なりにブチ込んでくれ。
「これら二つの結界を管理しているのが歴代の博麗の巫女と神主。それと結界の管理者の妖怪。外へ帰るにはどちらかに頼まなければいけないんだけど........」
そいつらがここで重要な役割を持っているのか。幹部か何かか?まぁ、ピンチになったらそいつらを人質にでもとって逃げよう。
しかし、何故黙る........
「妖怪の方はどこに居るか分からないし、巫女の方は今修行に行っていて、六ヶ月ほど帰らないんだ。ちょっとやそっとじゃ呼び戻せない。」
やはり俺をここに引き止めたいのか?しかし、それならここからは出れないとでも言えばいい。何故時間制限を作る。信憑性を増す為か?または、単純にボケ老人の妄想だからか?この爺さんも騙されているだけ?........分からない。
想像で補完する事はいくらでも出来るが、証拠が少なすぎて断定は出来ん。想像はあくまで想像の域を出ない。
「だから悪いけど、六ヶ月は外の世界に帰れないんだ。かなり長いけど、外来人が来た程度じゃ呼び戻せないんだ。ごめんね。」
「あ、頭を下げないで下さいよ!あなたが悪い訳じゃないでしょう?」
目の前の男は頭を下げる。不味いな。やはり不味い。六ヶ月か...こんなに行方が分からなければ確実に俺は目立つ。それに大学も控えているんだ、入学は四月だが今が十二月中なら間に合わない。クソッ!!!
.....だが、こいつらの正体が正確には分からない。全くもってだ。予想は出来ても証拠は無い。行動に移るにはまだ早い。自分の平凡と命なら自分の命だ。
まずは動くために必要な情報と逃げるための情報を探さなければ。相手の規模。目的。地形。逃走経路。食料。宿泊場所。やることが山積みだ。しかも、しばらくはここから動けない。警戒しか出来ないな。
.......しかし、妖怪を倒すための奴が居なくていいのか?不安にならないのだろうか?.....いや、その他にも妖怪を倒す奴が居るのだろう。
「うん、ありがとう。少なくとも、ここに居る限りはかなり安全だから、仕方が無いんだ。差し迫った危険があるわけじゃ無いし。」
「そうなんですか!........ところで、何か紙と書くものはありませんか?」
「あるけど、何に使うの?」
「僕、日記を書いていて、趣味みたいな物なんです。無いと落ち着かなくて。」
「それなら丁度いいのがあるよ。少し待ってて。」
男はそう言うと、引き戸を開けて出て行った。ふう、少し安心出来る。日記は頭の中の物を整理するのに役立つだろう。同時に見られてしまえば弱点にもなり兼ねないが、必要な物だ。仕方が無い。
しかし、半年間か.....長いな。出来る限り早く帰らなければ。
「あったあった。この間診察した人に日記帳を貰ってね、使わないしあげるよ。」
「ありがとうございます‼︎」
貰い物を貰う。というのは少し気分が悪い。が、そんな事気にしている場合じゃ無い。
日記帳と鉛筆を受け取り、早速書き込み始める。
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2016年 某月 某日
何故某月某日と書いたのかと言うと、自分の寝ていた時間が分からない上に正確な日時も分からない為である。
ついさっきまで、俺の怪我の治療をしたと思われる男と喋っていた。ボケているのか、何かの宗教なのか。意味の分からない話をしていた。結界がどうの、妖怪がどうのとか。意味が分からないというか、まだ隠された所があるのか........ただ、確実なのはまともでは無い。という所か。早く逃げなければ。
警戒の為、暫くはまた眠れない。まぁ、森を彷徨っていた時と違って柔らかいベッドがある。眠らなくても、多少は疲れも取れるだろう。
2016年 4月 24日
目が覚めた翌日に日時を聞いたが、4月24日と返ってきた。
俺は確実に12月5日にいたはずだ。ジジイは俺が寝ていたのも一日程だと言うし。こいつが嘘をついていないとしたら、何ヶ月も寝たきりでいた事になる。その割には体は全く衰えていない。何の為に時間を偽っている?........デロリアンも無いのに、俺はタイムスリップをしたのか?悪い冗談だ。
2016年 4月 25日
正確な日時が分からない為、取り敢えずここでの時間で記録する。
今日は武器の調達に成功した。出て来た食事の食器だ。箸だが、目にでも突き刺せば立派な武器だ。
食事の食器を隠し、元々無かった事にし、爺さんに同じ物を持って来させる。爺さんは自分が出し忘れたと思ったらしく、上手くいった。
同じ手でナイフとフォークも手に入れたが、これ以上同じ手を使うとバレる可能性が大きいので一旦終了する。
2016年 4月 26日
今日は包帯の取り替えをした。骨折は既に治りかけているのか、痛みはだいぶ引いている。左腕と肩と腹の傷はまだ塞がっていないが、そう時間はかからないだろう。
何かとんでも無い治療をされるかと思ったが、とてもまともだった。どうやら、このジジイがボケている訳ではないらしい。
やはり何かの新興宗教か何かか。早く怪我を治さなければ。
それにいい加減に疲労もストレスも限界に近い。訳の分からない状況に、慣れない環境。疲れない方がおかしい。イライラしてきている。いつ切れてもおかしく無いかもしれない。
いつまで猫を被っていられるか.....
2016年 4月 27日
今日は爺さんにここの話を更に聞いた。聞けば聞く程、訳が分からない。
この土地で行ってはいけない場所の事を聞いたが、正直無縁塚だの魔法の森だの言われても意味が分からない。取り敢えず、ここから出なければ良いようだ。
しかし、そこに何か秘密があるのかもしれない。調査が必要だ。
.....だが、今だに何か動きがある様子は無い。新興宗教なら何かしらの接触があってもいいと思うが。こいつらの正直も調査が必要だ。
今日もイライラする。疲労は休める分、問題は少ないが。ストレスの方はもう限界かもしれない。
2016年 4月 29日
今日は怪我人がここに来た。ここで会った人はあの爺さん以外で始めてだ。こいつも和服を着ていた。太っていてかなり体格のよい男だった。どうやら足を怪我したらしい。
話は良く聞こえなかったが、普通に怪我の手当てをしていたようだ。やはり、あのジジイは医者だったのか。
ここが、新興宗教のアジトであるのなら、俺が始めにこの医者に会わされたのも分かる。
世間にはこびる間抜け共は大抵は医者というだけで無条件で信じる物だ。奴らとてクズの一員に過ぎないというのに........何故信用出来るのか、意味が分からない。
後、治療代の事について聞いたら。外来人だからという理由で今回だけは無料でいいらしい。金が掛からないのはいいが、余計に怪しい。善意でやっているのか、それともまだ何かあるのか.....
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「怪我の調子はどう?腕はもう繋がったみたいだけど、早いね。」
「怪我の治りは昔から速いんですよ、体質みたいな物です。」
腕の包帯と添え木を外しながら医者は俺に言う。
腕の骨折は一週間程で治った。普通この位置の骨折は三週間程かかるはずだが、かなり早かった。大量にあった小さな切り傷も、もう治った。肩と腹と左腕の傷はまだだが、傷も塞がりかけている。多少の運動は全く問題無い。今なら多少大人が来ても返り討ちに出来る。逃げる事も可能だ。後は多少の準備が必要だな。
「それにしてもクマが酷いよ。ちゃんと眠れてないの?」
「すいません。慣れない環境で緊張してて、あまり眠れないんですよ。」
「そう。まあ、怪我自体は治っているけど。疲労はね、寝ないと取れないし。」
畜生め。誰も入れない所なら、死ぬほど寝るっての!!お前らが居るからまともに眠れねえんだよッ!!!!
「ああそうだ。怪我は大丈夫そうだし、君が大丈夫なら前に言っていた妖怪が居る証拠を見に行く?」
そうだ、それだ。この一週間、俺はこの医療施設と思わしき場所に缶詰だった。逃げる準備をするにもこの施設の地図を覚える事ぐらいしか無かった。後はこの爺さんの話を聞く事と武器集め。
ここがどんな所かまだ分からないし、どんな奴が居るかも分からないが、早く状況を確認せねば。
「ええ!!大丈夫ですよ。僕も妖怪が居るって証拠を早く見てみたいですし!」
着ている着物の袖口には以前の食事の際に、隠しておいたフォークとナイフに箸が隠してある。いざとなれば顔にでも刺してやろう。だが、その前に敵情視察だな。
「なら、見に行こう。.....ああ、でも外へ行く前に風呂に入る?体を拭いてたとは言え、一週間風呂に入って無いんだから。」
そうだな。風呂で少しリフレッシュするのもいいな。何しろ一週間入って無い。その前には森も彷徨っていたんだ。自分じゃ分かりにくいが、臭い筈だ。それに頭も体も痒い。喜んで風呂に入ろう。
........もっとも、風呂に入った所で安心は出来ないな。何が起こるかは、分からない。盗った武器は風呂に持って行こう。取り戻されてもかなわん。
「じゃあ、遠慮無く。」
風呂に入ってもう少し考えよう。体も綺麗になれば思考もクリアになるだろう。
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まるで、映画の撮影セットを見ている気分だ。
道行く人間はほとんどが和服だ。それに建物も圧倒的に木製の物が多い。一般的な日本家屋の通りに面した部分に洋風の皮をつけた建物。あれなんかは確か大正~明治あたりに流行った看板建築の一つでは無いだろうか。
看板も文章が右から左の右横書きだ。ありゃあ、もう五十年以上前の書き方だ。それ以外にも形が職業をそのまま表している看板がある。あれは江戸時代の物じゃないのか。
そういう書き方で雰囲気を出しているのか?
しかし、それにはあまりにもおざなりな所もいくつかある。所々にガラス窓や瓶を持った人間はいるし。時折、洋服を着た人間も見かける。後、時々髪がおかしい人間が居る事か。染めているのか?緑だったり青だったり。頭がおかしいのかもしれない。二重の意味で。
人数もそれなりに多い。とてもじゃないが田舎だとは思えない。だが、新興宗教のアジトとも思えない。まるで、昔の日本だ。江戸から明治にかけての。.....とは言っても実物を白黒写真や絵でしか見た事しか無いので何とも言えないが。所々に現代の物もあるし。
今は小さな道に居るが、さっきまでは凄かった。
「ここらで一番賑わっていて大きいのはここなんだ。一般的に人里と言えばここの事を指す。無論人里はここだけじゃないけどね。」
医者と一緒に診療所から出て歩き続けて来たが、少し状況は見えてきた。しかし、まだまだだ。もう少し様子を見る必要がある。こいつと一緒なら、こいつ等が一芝居うっているのかもしれない。
別行動を取る必要がある。しかし、馬鹿正直に一人で行動させてくれ。と言っても相手の警戒心を無駄に煽るだけだろう。こちらも一芝居うたねば。
初めて来た土地ということで迷子になった。って設定で良いだろう。分かりやすいし、やり易い。人が沢山来たらそこに紛れて抜け出そう。
少し先に、左に逸れる道がある。ここから、さっき居た大通りに出る。確認した。
「へーそうなんですか。じゃあ、日用品なんかもここで揃うんですか?」
「当たり前だよ。そうじゃ無ければ、こんなに賑わないし。」
食料はここで調達出来るようだ。ただし、売り物は駄目か。まだ分からないが、ここがおかしな新興宗教なら、おかしな薬でも混ぜ込まれているかもしれない。
この医者の所では他に食べる物が無かったから仕方なく食べたが、未だに何も変化は無い。これも俺の警戒心を削ぐためか、それともこの医者が善意でやったのか............
治療費の事もあるし、こいつは偽善者なのかもしれない。
「外の世界の物も出回っている所もあるから、何か必要なら探すといいよ。」
「食べ物とかは欲しいですね。」
しかし、宿泊はどうしようか。怪我が治るまではこの医者の家に居候だろうが、その先はどうするか......
ここが新興宗教なら、問題なさそうだが。それ以外なら考えなければ。宿屋だったりしたとしても金が無い。また野宿になるか?
そういう意味ではここが新興宗教のアジトであることを願おう。.....いや、ほぼ確実か。俺を引き止める為にあの訳の分からない話と半年間は出れない事を言ったのだろう。住居に関しては問題は無いだろう。
「ここには妖怪の退治屋も沢山いる。というか、ここは元々妖怪が沢山居た所に退治屋が移住して来て出来た里なんだ。」
「へー。」
頭が眠く、返事がおざなりになって来た。ただでさえ、ストレスが溜まってイライラする。疲れで余計にイライラする。
こんな訳の分からない所に急に来て、急に訳分からない説明を受け、不安と警戒で全く眠れず、その上常時頭を働かせないといけない。........ストレスが溜まらない方がおかしい。
今の拮抗状態が続くなら、まだ耐えれるが、これ以上何か来ればブチ切れそうだ。
このままこの医者の診療所に戻って寝たい気分だ。
「人が沢山来たから気をつけてね。」
「あ。はい。」
来たか。紛れ込まないと。
相手は三十人程のグループだ。格好や持っている物から見て、大工の様に見える。........本当になんなのだろうか、ここは。全く全貌が掴めない。
全体的に昔の日本を表しているんだろうが、所々に現代というか洋風の様な文化が紛れ込んでいる。
単純に詰めが甘い。というわけでは無い。なんとも言えない違和感を感じる。
アンバランス差が故意的に感じる。誰かが意図的に紛れ込ませたようだ。
大工と思われる集団は今自分達が歩いている細い道を遮るような形で歩いている。
このままなら、この大工達の中を通る形になる。上手くいきそうだ。
大工の一人がこちらに気がついたらしく、周りの男達に注意を促す。だが、下らない話に頭を使っているのかあまり、気にしてない。よし、いいな。
男達と近づく。後、数メートル程だ。相変わらずの馬鹿面で下らない話をしている。馬鹿で下品な内容だ。どこの女がいいだの、あそこの酒が美味いだの、あの家系は呪われているから何してもいいだの。その話を措定したり、批判したり。
........どこへ行こうとクズは変わらないらしい。さっさと死んでくれ。
後、1メートルも無い。後、十歩。後、五歩。後、三歩。もう目の前だ。
自然な形で、クズ共の中に入って行く。こんな奴らと一緒なのは癪だが、仕方が無い。
ジジイのそばから、男達の方へ入る。ジジイは気が付いていない。男達は全体的に背が高い。背の低い俺が混ざっても分かりづらいらしい。
そのまま、中に混ざりながらも歩き続ける。前に右に曲がる道が見えて来た。こちらは大通りに繋がる道だ!どうやら曲がるようだ。まだ、ジジイは気が付いていない。俺はツイてるぞ。
大通りに出ればそのままここの老人を撒ける。診療所への道も覚えている。問題無い。
右の道に入って行き、大通りが見えてきた。......走るか。
男達を押しのけ、走りだす。驚いた顔が見えた、一瞬だが。
一気に大通りに出る。両側に人だかりが出来ている。左側の方の人だかりの方が遠い。奴は俺が故意的に逃げたとは思わないだろう。なら遠い方が見つかりにくい。あの医者の目から隠れる為に紛れるか。
更に走り、人混みを開けて中に紛れる。人間の吐く息と体温の熱さが非常に不愉快だ。話声も非常にうるさい。何に集まっているんだ、こいつ等。俺には背が低いのでよく見えないが、まあいい。今は、あの医者だ。
体は周りに揉まれて、その上熱い。最高の不快感だ。周りの喧騒も相まって、更にイライラしてきた。早くここから出たい。たまに足を踏まれたりしてもっとイライラする。クソめ、忌々しい。
「ちょっと!何処にいるんだい!!!」
ああ、やっと来やがった。あの医者。さっさっと向こうへ行ってくれ。さあ、早く!!!
暫く周りを探していたが、こちらの方と反対側を見比べ、反対側の方に歩いて行った。よし、うまくいったな。早く動かなければ。
人混みをかき分け抜け、抜ける。ああ、忌々しかったぜ。ただでさえイライラしてキレそうだが、我慢だ、我慢。余計な事で目立たないようにしなければ。
.......歩きながら少し考えよう。
少し問題があったが、今の所は何かこれと言ってこの状況を理解出来る。またはこの状況を打破出来る情報も無い。あの医者が言っていた妖怪や神の情報もだ。....今考えたら、あの医者に正直に付いて行けば問題無かったな。少し焦り過ぎたな。いくら疲れていたとはいえ、不味かったな、反省だ。
しかし.....
周りを見渡した所で、特に変わった様子も無い。子供を生贄にささげる事も無ければ、いきなり奇声を上げる人間もいない、おかしな説法が始まったりもしない。普通の生活が進んでいるだけだ。
少なくとも、ここがまともな場所では無い事は分かる。建物とか服装は特にそうだ。しかし、今の時点では人がおかしな行動をとっている事や建物と服装意外におかしな所は特にない。そこらへんは普通だ。
やはり、まだまだ観察する必要があるな。全くと言っていいほど分からない。情報がなければ、想像は想像の域を決してでない。まだ少し歩き、観察してから診療所に戻らなければ。言い訳を考えなければならないな......
「イテッ!」
声と共に右肩に衝撃が走る。考え事をし過ぎて前が見えていなかった、誰かに当たってしまったようだ。
右を見ると柄の悪そうな男が二人。汚い着物に、何日洗っていないのか想像したくない程の頭と顔。時折見せるは煙草でも吸っているのか、かなり汚い。衛生概念というものがなっていないのだろう。
背はデカい。だが、見た目の派手さに押されているが体格はそこまで良くはない。
歳は顔が汚くてよく分からないが、少なくとも俺と同年代なのはありえないな。
......しかし、これはやっかい事になりそうだ。穏便に済ませねば。だが、顔は覚えておこう。何、こんな汚い顔は忘れたくても忘れられない。
「おいッ!!そこのガキ!なにぶつかってんだよッ!」
「ああっ!すいません。考え事をしていて前を見て無くて。」
男の口からは悪臭と唾が飛び出す。不快なクズ共め、お前らが避けやがれ。大体お前らも前を見てなかっただろうが!!心にそんな事が出てくるが声に出してはいけない。
畜生め、不快な上にイライラするぜ。.....だが、我慢だ、我慢。こんなところで問題を起こして騒ぎになりたくない。我慢だ。
「謝ったら全部済むと思ってんのか?えぇ!?」
「なんかあんだろ!!他にする事がよ!」
「どうしろって言うんですか。」
相変わらずの酷い口臭は俺の不快感を更に増長させる。クソ共め!!我慢だ、我慢!!!問題事起こして目立ちたくない!!命が大事だろ!!!俺は!
「何か言えや、アホ!!」
肩を軽く押される。クソクソクソめッ!人が黙ってるのをいい事に.....だが、俺の平凡と命が掛かっているんだ!!我慢せねば。
俺は自分をコントロール出来る人間だ。こんな程度で問題を起こしていては......
「おい、もしかしてビビッてんじゃねえの?」
「へへっ!確かにそうだな。」
酷い口臭と何日も洗って無い人間の嫌な匂いが近づく。ああああああああああああああああああああああッ!!!!!ゴミ共めッ!!!
我慢我慢我慢だッ!!問題を起こさずに、平和な日常だ。平和な生活だ。命もかかっているかもしれないんだ。我慢しろ。我慢だよッ!!!
「何か言えやッ!!」
顔に衝撃と痛みが走る。どうやら左頬を殴られたらしい。ああ、クソ......
体に力をそこまで入れて無かったので倒れこむ。
「もう、いい。もう、我慢の限界だ.......」
顔はそこまで痛く無い、せいぜい子供のお遊戯レベルだ。全然痛くは無い。
.....相手は右利きか。
「訳の分からん所に連れてこられて、訳の分からない話を聞かされて。」
クズ共は黙って話を聞いている。何をしているのか........まぁ、聞いた所で連中には理解出来まい。
「不安と緊張で夜も眠れない上に、まともな事はありゃしない。」
その上、頭の悪いクズ共に執拗に絡まれる。ああ、もう、本当に我慢の限界だ。血祭りにあげてやる‼︎
「うるせぇええええええんだよッ!!!クズ共め!!人が下手に出ていりゃ調子に乗りやがってッ!!!!」
クズの一人の股間を蹴る。うめき声を上げて蹲るクズの頭を両手で掴み、顔面に膝蹴りを食らわせる。
「こ、こいつめッ!!」
仲間をやられた事でキレたのか、もう一人も向かってきた。だが、遅い。
相手の着物の袖と胸元を掴み、相手の足を自分の掛け、背を相手の腹に回るように向ける。そして、そのまま背と腹を合わせて、持ち上げ、俺の体を乗り越えさせるように相手を地面に叩き付ける。背負い投げは上手くいった。相手は受け身もまともに取れなかったらしく、頭を押さえて呻いている。ざまあみやがれッ!
始めに顔面に食らわした方が起き上がり向かって来た。黙って殴られてろッ!!!!
右手で殴りかかって来たが伏せ、更に体を上げ顎にアッパーを食らわせる。流石に吹き飛びはしないが、ふらついた。そのまま、腹に連打だ。相手の体を押さえつける。
一発、呻き声が漏れる。二発、顔色が悪くなる。三発、吐きそうな呻き声が漏れる、と同時にもう一人が立ち上がるのが目の端に映る。まだ殴りかかるつもりのようだ。
殴りかかって来た拳を、弱ったクズの相方を反対側に回し、防御する。そのまま相手に押し付ける。クズを横に押しのけ、よろけた相手の下駄を履いた足を踏みつける。クズの顔が怯む。
怯んでいるうちに顔面に一撃、タックルを食らわせ、姿勢を崩して倒す。迫って来ていたもう一人に振り向き様、腹にもう一撃。相手は口元を抑える、こいつ吐くつもりかよッ!!
慌てて、更に蹴りを腹にいれる。力を抜いていたのか簡単に倒れる。....吐きながら。クソめがッ!!!ただでさえ臭いってのによおッ!!!!!
畜生めッ!!!クソイライラするッ!!!そうだ、まだ殴れば多少はマシになるか!?倒れたゲロじゃない方の相手に馬乗りになり、顔に追撃を加える。
「クソめがッ!!!調子に乗りやがって!!!」
パンチが鼻に当たり、鼻血が漏れる。そのまま歯もへし折ってやるぜッ!!!!
「豚野郎が!!!自分の薄汚い穴倉にこもってりゃ良いものをよおッ!!!!」
ゲロを吐いた方が立ち上がり、俺を羽交い絞めにして離そうとしたようだが、力が弱すぎて話にならない。だいぶ弱っているのか。
無理やり体を離し、蹴りを食らわせ、倒す。
「二人仲良くホモ同志で互いにブチこんどけやッ!!!!」
倒れた相手の顔面を踏む。こいつの鼻も折れたらしい。だが、知ったことじゃねえっての!!!!!
「おいッ!!!やり過ぎだぞッ!!!」
女の怒声が響き渡る。......あ?怒声?
頭が一気に冷め、冷静になる。気付けば周りは人が集まり、軽く人だかりになっている。ヤバい。ヤバいぞ.....
怒声を上げた女はこいつ等を助ける為か周りよりかなり前に出ている。まず目に付くのはその長い髪の色だ。全体的に青い。この時点で既におかしいが、所々に白髪が混ざっている。所謂メッシュという奴か。それに帽子だ。四角形の上に四角錘を乗せ、更にその上にリボンの様な物が付いている。いつか友人と一緒に行った能で、あんなものを見たような気がする。マジでコスプレでもしているのか......
服装はいたって普通の着物だ。白を基調としているが、所々に花柄があしらわれている。たぶん普通の筈だ。
顔つきは完全に日本人だ。......目が青い事を除けばだが。その顔はかなり綺麗な顔をしているが、その顔は怒りで歪んでいる。
歳は俺と同年代程だろうか。さしずめ、偽善者が自分の名誉の為か何かでしゃしゃって来たのか?.....いや、そんな事考えている場合じゃねぇ!!!!
周りを見渡す。かなりの人数が今の状況を見てしまった。...いや、見られた。どうするんだッ!!!!!
どうするどうするどうする!どうするんだッ!!!考えろ。考えるんだッ!!!!騙すにしても決定的な所を見られたんだ、目立つ。正当防衛にしてもやり過ぎた、駄目だ。罪に問われないとしても確実に目立つ。
....クソめがッ!!!叩きのめしても面倒掛けさせやがってッ!!!どうしてこう、クズ共は人に迷惑ばかり掛けさせやがるんだッ!!!
だが、ここ居る人間だけなら数は少ない。逃げる事が出来ればそこまでは目立たないかもしれない。......いや、ここの規模が分からない以上はどこまで噂が回るかも分からない。そもそも全体に回るかもしれないんだ。不味いぞ、実に不味い。
「そこの二人とも!!早く行くんだ!!!」
クズ共がよろつきながらも逃げ出す。奴らはもうどうでもいい。問題は考えることだ。早く考えろ。考えろッ!!!女が近づいてきているぞ。直ぐ近くだ!!!
「君もいくら正当防衛だったとしても、やり過ぎだぞ!!!」
.......いや、ここは動かない方がいいかもしれない。そうだ、そうしよう。確かに目立つが中途半端に逃げたり、嘘百発を抜かしてばれるよりはマシな筈だ。
しかし、目の前のこの女の対応はどうするべきか。普通に取り繕うべきか、隠すべきか。いや、さっきまでの行動と言葉を聞かれていたのなら、わざわざ隠す必要は無いだろう。そもそも、急に態度を変えれば余計に怪しい。
「聞いているのかッ!!」
女は直ぐそばで大声を出している。思ったより背は高く、俺よりも少しだけ高い。
聞いてるってのッ!!!偽善者め。何が目的だ。
「あ!!!君、こんなに居たのかい!なんか、人だかりが出来ているみたいだけど、大丈夫なの?.......って、アレ?か、上白沢さん!?何でここに!?」
女に返事を返そうと思ったら、後ろから今一番聞きたく無いあの医者の声が聞こえた。ああ、クソ。
YATTA!!!人里のエロ(体が)教師、上白沢慧音の登場だぜ!!!主役だぜ!!!いえい!!
後、オリキャラ口が悪いなあ。まだ名前も出てないし。まぁその程度の価値しか無いんだよ。ってパチュリーが言ってた。
その他にもなんか色々と原作と違う所がありますね。スペルカードの説明が無いとか、慧音先生がいつもの服じゃ無い事とか。これには一応理由があるんですよ、実はこのオリキャラは過去の幻想郷に幻想入りしているんだ。なので、スペルカードルールの原因になった吸血鬼異変すら起きてないです。阿求もまだ生まれてねぇ!!!
なので、おかしい所があっても全然気にしないでください。全部過去だから。という理由なのです。
それと、このオリキャラはどうして過去へいったの?っていうのは、特には理由が無いんです。本編にも一切関係無いです。実はオリキャラは咲夜さんや輝夜の関係者だ!!!っていう展開もありません。
まあ、メリーも過去の幻想郷にタイムスリップしているんだし、問題ないよね!!