慧音と一緒!   作:緑人間

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 「はぁ...」

 「ため息なんてついてどうしたんだね?」

 「あ、司令官。実は少し悩みがあって。」

 「なんだね?」

 「実は小説を書くスピードが全然出無くて、投稿がとても遅いんですよ。」

 「なんだそんな事か。なら、私にいい考えがある。」

 「何ですって!!!それは何ですか!?」

 「ああ、まずは君の小説と似た作風の小説を探すんだ。」

 「それを参考にするんですね!!」

 「いや、違う。その小説の本文をコピーして細かい所を変えるんだ!!!」

 「え?でもそれって盗作なんじゃ...」

 「いや、大丈夫だ。」

 「で、でも....」

 「大丈夫だと言っているだろうがッ!!!!」







 



 こんな茶番が頭の中を流れながら書いた作品です。時間かかったのに前回二回よりも酷いですね。文字数も少ない。....まあ、いつものクオリティですね。
とりあえず、サイバトロン戦士!!!トランスフォーム!!出撃!!!





面食らったのも無理は無い

 

 

 

 窓からの光が薄く部屋の中を照らし、部屋が真っ暗になるのを防いでいる。ここもガラス窓だ。いや、この和風な雰囲気に合わせるならば、漢字で硝子だろう。自分の下は畳にになっており、慣れない俺にとっては非常に違和感がある。壁際にはテーブルと思わしき物がたたんで壁に立てかけられている。また、入ってきた入口とは違う入口もある。どうやら台所に続く所のようだ。

 目の前にはさっき俺を止めた女。........名前を上白沢 慧音と言うらしい。が、座っている。偽名かもしれないが、ありそうな名前でもある。漢字も聞いた。

 その横には医者の爺さんが立っている。結局爺さんの本名は分からない。俺も聞いていないし、上白沢も医者としか呼んでいない。

 この二人は居る場所も違えば、表情も違う。医者の方はオロオロとした表情だが、上白沢の方は真剣その物と言った所だ。この二人は一体何がしたいのか、俺を暴力の現場からここ........おそらくは、上白沢の家に引き込んだ。おかげで間抜け共に絡まれずに済んだが、逃げ場が無くなった。不味いな、何かあれば硝子を破って外に出るか。

 

 「君の名前は後藤 明...で良いんだな?」

 

 「ああ、そうだよ。」

 

 後藤 明。そうだ、俺の名前だ。たいして目立つような名前では無く、普通の名前だ。全国に百人はいるかもしれない。目立たなくていい名前だ。

 しかし、今更猫を被る必要は無いだろう。既に追い詰められているんだ、もうヤケクソだ。

 

 「で?なんなんだ、俺に何か用なのか。」

 

 「少し、さっきの事で話をしたいと思ってな。」

 

 「話?俺はしたくは無いな。早く帰りたい。」

 

 「話が終わるまで返さんぞ。」

 

 「やなこった。」

 

 ごめんだね、ごめんだ。いきなりおかしなコスプレ女に連れ込まれた上に、話だって?説教でもするつもりなのか。クソめ、ほっといてくれ。

 もしかしたら、ここから本格的な洗脳儀式が始まるのかもしれない。薄暗い部屋もそういう雰囲気を出す為か。他の部屋は明るかったし。だが、それだけだ。薄暗い意外には、特にこれといった物は無い。髑髏とか変な蝋燭も無い。.....変わりに裸電球はあるが。電気は通っているのか?医者の所にもあったが、相変わらずよく分からない所だ。古いのか、古くないのか。

 

 

 「反省の態度が無いな。....お前、自分が何をしたのか分かっているのか?相手は戦意を失ってたぞ。」

 

 「悪党をぶちのめして、平和に貢献したんだぜ?お前ら偽善者の好きそうな話じゃないか。喜んだらどうなんだ?」

 

 「........君は私の事を舐めてるのか?」

 

 「舐めてるんじゃない。嫌いなだけだ。」

 

 舐めているかどうかと、言われてれれば舐めてもいるな。見た目がどう見ても同年代の女に説教された所で学校で同級生に小言を言われているのと、そう変わりはしない。説教をするなら隣でオロオロしているだけの爺さんの方がマシな気がする。.....出来るかどうかは別にして。

 それに説教された所で、俺がやり過ぎな事も分かるし、俺が悪いのも分かるし、この女が正しい事を言っているのも分かる。.......ああ、クソ。思い出しただけで駄目だ。あんな子供みたいな理由でキレてしまうなんて。もっと大人にならなければ。

 まあ、悪いからといっても反省するつもりなど無いが。強いて言うならば、今回の件を教訓にして、もう少し心を抑えなければ。俺は自分をコントロール出来る人間なんだ。

 

 「........何で私の事が嫌いなんだ?」

 

 「偽善者っぽいからだ。............まぁ、そうで無くても嫌いだがな。つまり特に理由は無い。」

 

 「特に理由が無くても嫌いなのか?」

 

 「ああ、大嫌いだね。」

 

  目の前の女。上白沢は、表情を更に鋭くする。ああ、クソ。俺は本当に生贄にされるかもしれない。

 窓を破って外に出るなら、この女を避けて行かなければ。相手はとてもじゃ無いが強そうには見えない。女としては良いのだろうが、戦えるとは思えない。問題は無い。

 食料も森の中に幾つかあるのは確認してある。問題無い。

 怪我の方も完全とは言えないが、治っている。問題無い。

 逃げるのに問題なのは地理か。ここの地形を理解していない以上、まともには逃げれない。地の利は向こうにある。情報がまだ足りないな。

やはり、ここは捕まって相手を探ろう。もし、拘束されるようならこいつらを蹴散らせばいい。後、数人来た程度では負けない。

 しかし、何故こいつらだけなんだ?洗脳なり何なりするならもう少し人数が必要だろう。........新興宗教では無いのかもしれない。ならば、田舎に残る風習とかか?

 ............いや、田舎というのも怪しいな。田舎にしてはかなり色々な物がありすぎる。都会から持って来ていると言えばいいかもしれないが、都会に行くような田舎の連中が妖怪や神といった物を本当にいると言うだろうか?ノンだ。まず無いだろう。

 ........いや、権力に溺れた豚共がいるのでは?そいつらが風習を利用して、私腹を肥やしているのか。そいつらの下っ端が都会にまで行って物を揃えている。........あり得るな。都会の物は神のご加護。みたいな感じかもしれん。

 それなら、外とそう変わらない。幻想なんてどこにも無い、皮肉な名前だ。

 

 「あの〜。すいません。」

 

 「どうしたんですか?」

 

 横でオロオロしていた医者が上白沢に声を掛けた。お前らが何をしようとしているかは知らないが、やれるもんならやってみやがれてっんだ。クズ共め、俺は負けんぞ。

 

 「あ~僕、彼に妖怪の事を教えようと思ってて....それで彼に話す前にその事を信じてもらった方が良いんじゃないかって。....ほら。君もずっと疑ったままじゃしんどいでしょ?」

 

 俺に振らないでほしい。......だが、これはチャンスだ。この状況を打破出来る鍵になる。確実だ。

 こいつらが一体どんな手を使って来るかは知らない。何かしらを見つければ俺は有利になる。どちらにせよ、俺には情報が少なすぎる。もっと情報を集めないと。

 

 「....確かにそうですね。....それで、お前はどうなんだ?」

 

 「そうだな。あるなら、その証拠とやらを見せて欲しいものだ。」

 

 「........分かった。妖怪は今は無理だが、空飛ぶ人間なら今すぐ見せる事が出来る。」

 

 立ち上がる上白沢。その背は始めて遭遇した時よりも低くなっている。せいぜい俺より少し低いくらいだ。家に入った時に見たが、この女は底の高い靴を履いていた。シークレットブーツのような物だろう。

 立ち上がった上白沢の後ろについて部屋を出る。部屋の外は玄関から続く廊下だ。この家はこの廊下を中心に建てられいるようで、部屋の出入り口は、全てここに繋がっている。無論、家はかなり大きい。

 木製の廊下を三人で歩き、床の軋む音が響く。玄関までは直ぐだ。

しかし、空飛ぶ人間というのは一体どういう物なのか。今の現代の科学では人間単体で空を飛ぶのはまず不可能だ。それこそ漫画やアニメのようには行かない。なら、ピアノ線のような細い糸とかで吊るす?または、何かの手品かもな。........とにかく観察だ。

 廊下の端にある玄関に当たる部分につく。靴置き場には三人分の靴がある、玄関は広い、三人で入っても問題無い。上白沢と医者の隣で自分の靴を履き始める。

散歩の時からずっと履いていた靴........シークレットブーツだ。俺も人の事をとやかくは言えない。

 既に履き終えた上白沢と医者が引き戸を開けて外に出ている。早く出ないと。

 ブーツの紐を巻き終えると立ち上がり、外に出る。外に出ると、改めて上白沢の家が大きな事が伺える。ちょっとした集会ぐらいなら開ける。こんな所に一人で住んでいるのか。親はいないのだろうか?ますます怪しい。

 思考を切り替え、辺りを見渡す。周りには民家と少し遠くには何かの店、空を浮けるような物は見えない。家より高い建物や物は無いし、ピアノ線の線は薄いな。

 他にもおかしな所は無い。一体どうするのか?

 

 「とりあえず、空を飛ぶぞ。いいな?」

 

 あのおかしな帽子が無いと、コスプレをしている感覚は多少薄れるが青と白の頭が強烈過ぎる。しかも、何と無く地毛っぽいのだ。染めた、という感じでも無い。青い髪なんて聞いた事が無いが。

 

 「ああ、いいから早く見せてくれ。」

 

 「じゃあ、しっかり見ておくんだぞ。」

 

 ........なんてこった。本当に上白沢が浮き上がりやがった。

 何かきっかけがあった訳では無い、突然だった。おかしな呪文を唱える訳でも、魔法陣を書く訳でも無かった。本当になんのきっかけも無かった。飛ぶとは言ったが、ここまで唐突とは。

上白沢はどんどん浮いて行き、ついには周りの家屋を越えた。建物を使っている訳では無いのだろう。

 なら、下から何か力を加えている?......いや、これも無い。それにしては着物に動きは無い。

 .....不自然すぎる。本当に何の動きも無く、宙に浮いている。

 空を飛ぶものには飛行機やヘリコプターがあるが、あれだけの大きさでやっと人を乗せて空を飛べる。空を飛ぶのならそれなりの大きさの機材が必要だ。人一人飛ばすのにも人と同じ大きさのエンジンやプロペラ、機材が必要だ。

 自然界にも空を飛ぶ生き物はいるが、あれは体重が軽かったり凄まじい運動能力、特殊な体の構造が有るから出来ることだ。 

 それらに比べるとこの女、上白沢にはそんな物は無い。翼をはばたかせたり、機材を持って来ている所か、何の動きも無い。普通に考えればワイヤーでも使っているのだろうが、この近くにこの女の居る位置よりも高い建物や機材も無い。何かの機械を動かすような音もしなかった。.....頭がおかしくなりそうだ。俺の知る限りの科学知識では全く説明出来ない。

 .....いや、まだ信じるのは早い。今、考えられる事はワイヤーか何かで吊っているのが、一番だ。というか、それ以外には思いつかない。一番無いと思うが。

 確かに周りには何もないが、仮に俺の考え付かない様なやりかたで隠していると考えよう。取り敢えず何かで吊っているのかを確かめよう。

 

 「おいッ!!俺も飛ばせるのか?」

 

 空に浮かんでいる上白沢に声を掛ける。着物だから問題無いが、スカートあたりでこんなに高く飛んだら下着が見えるんじゃないだろうか?.....不愉快だな。見たくも無い。

 

 「ああ。大丈夫だぞ。」

 

 俺の言葉を聞いた上白沢が下りてきた。どうやら、大丈夫のようだ。しかし、相変わらずの無音。

 本物なのか?本当にオカルトは実在していたのか?......いや、自分で確かめない限り信用出来ない。

 

 

 「少し苦しいかもしれないが、我慢してくれ。」

 

 近くによって来た上白沢は俺の両脇に手を入れ、持ち上げる。......なんてこった。俺はそれなりに鍛えているつもりだ。こんな細い腕の女に軽く持ち上げられるような体重では無い筈。ありえねえだろ。力を入れているような様子でも無い。

 クソめが。やはりおかしい、常識が通じない。....そういえば、あの金髪も細いくせして俺を軽く持ち上げていた。考えてみるとおかしな事ばかりだ。常識や科学知識が通用しない.......

 

 「少し重いが...まあ、大丈夫だ。動くなよ?」

 

 上白沢は俺を抱え、空に浮かび上がる。冷えた空気を感じ、地面に足のついていない不安感を感じる。......近くによっても何も見えない。なんてこった、マジでどうなっていやがるんだ.......

 

 「前にも進めるのか?」

 

 「ああ。お前を抱えているから危ないが、それでもいいなら。」

 

 「やってくれ。」

 

 上白沢の体が前向きに傾き、彼女と平行になっている俺の体も後ろ向きに傾く。...確かに危ないな。鳥にさらわれた様な気分だ。そして、そのまま進み始めた。

 高所恐怖症のつもりは無いが、かなり不安な気持ちになる。

 ああ、しかし、なんてこった、マジかよ。もう、否定の要素が見つからない。本当にオカルトは存在していたらしい。.....いや、オカルトでは無く、現実になったのだ。

 ......そう、本当の意味での”幻想郷”なのだろう。空を飛ぶ人間も居れば、妖怪も居るんだろう。......あまり信じたくは無いが。紛れも無いリアルだ。目の前にこうして押し付けられてしまえば信じたくなくても、信じなければならない。

 空を飛ぶ人間が居たからと言って、妖怪や何やらも信じてしまうのは早計過ぎるかもしれないが、こんなとんでも無い物を見せられた以上信じざるおえない。.....神がいるなら閻魔様もいるのだろうか?少し話を聞いてみたいものだ。

 

 「これで信じてもらえたか?」

 

 「......取り敢えずは。」

 

 「なら良かった。」

 

 もう、かなりの高さになっていたが、ゆっくり降ろされた。俺を抱えていたからだろう。

 地面に足がつくと何とも言えない安心感に包まれる。やはり人間は地上を歩くべきだ。....

空も飛んでみたいが。

 下に降りると医者がよってきた。少し離れてしまったようだ。

 

 「信じたのはいいんだが、ここでは人間みんなが空を飛べるのか?」

 

 「皆が皆、という訳では無い。一部の人間が空を飛べるだけだ。そういう能力があったり、努力をすれば飛べる。」

 

 なるほど。努力をすれば飛べるのか。それはそれは......いいんじゃないか?

 しかし、またおかしな単語が出てきた。”能力”か。まあ、これはまだ現実的だな。世の中にも特殊能力としか言えない様な特技を持った人間もいるんだ。それらを能力と言っても過言ではない。

 

 「俺はどうなんだ?努力すれば飛べるのか?」

 

 「言っては悪いと思うんだが......」

 

 言い渋る上白沢。なんだ、無理なのか。

 

 「空を飛ぶのにも、ある程度才能が必要なんだ。......多分君には無理だ、努力で補えそうにない。」

 

 「やってみなければ分からない。」

 

 「いや、普通の人間....まあ、私も含めてだが。が、空を飛ぶのには霊力....まあ、分からないなら飛ぶために必要な力だと思ってくれ。で、それが必要なんだ。君にはそれが感じられない。全く。」

 

 なんだ、やはり無理なのか。オカルト現象だから、才能なんて現実的なものなんて必要無く映画やアニメみたいにポンポン使えるもんだと思っていたが、違うらしい。 

 やはりオカルトも現実的な物らしい。いや、現実にあるから現実的なのか。

 

 「それに、外の世界に帰れば空は飛べなくなる。結界の話は聞いているだろう?」

 

 「....ああ。」

 

 そうか。それで、あの結界か。外にいけば否定されているから。オカルト的な物はここでしか使えない。なるほどな、ここに居る人間は妖怪やなんやらを見たい物好きな奴らの巣窟という訳か。一つ謎が解けたぞ。

 案外、分からないだけで外にも妖怪はいたのかもしれない。どんな姿をしているかは知らないが。

 

 「.....ところで、さっきの話の続きなんだが。」 

 

 唐突に上白沢がさっきの話を話始めた。話の事を完全に忘れていた。さて、どう抜け出そうか。

 

 「医者殿、彼は後半年間どこに泊まるんですか?」

 

 「え?ああ、一応僕の診療所に泊めよう思ってるんですけど....それが何か?」

 

 医者は自分に振られるとは思っていなかったのか、慌てて答えている。しかし、こいつは俺を泊めるつもりだったのか。.....クソッタレめ。泊める事には感謝するが、こいつの言っていた事が全て真実だった以上、何が目的だか分からない。

 上白沢もだ。俺の泊まる場所を聞いてどうするつもりなんだ。

 そうだ、信じがたい事を信じてもこいつらは信じられない。まだ警戒せねば。

 

 「彼を預かりたいんです。」

 

 ......想像以上だな。なんなんだ、俺を預かってどうするつもりなんだ。洗脳等はもう無いと思うが、何がある。

 もし、こいつが淫乱の売女ならば説明がつかないことは無い。奴らは自分の欲望さえ満たせれば相手が不細工だろうがぱっとしてなかろうが関係ない。クズ共めが....性病に罹ってくたばれ。

 または、単純に偽善者というだけか。良い事をするだけなら問題所か賞賛に当たる行為なんだろうが、あのクズ共は自分を必ず正当化させる。人を殴って、人を殺して、物を盗んで、悪人なら何をやってもいいと思ってやがる。クズ共がいくらくたばっても問題は無いが、英雄面しているのは気に食わねえッ!!!お前らも同種だ、クズ共めがッ!!!...................思考がズレてしまった。悪い癖だな、早く直さないと。

 

 「え、ああ、良いですけど.....ほら、男女が一つ屋根の下って言うのもそうだし。彼自身もちょっと.....」

 

 この状況では医者に賛成したいな。多少は知っている医者の家の方が逃走経路もきちんとある。この医者はたぶん偽善者だが、この女の所に行くより、多少はマシだ。少なくとも偽善者なら人の居る前では何かしないだろう。

 

 「......確かにそうですが、彼との話は長くなりそうですし。」

 

 こちらを見ながら言ってきた。失せろクソアマ‼︎

 しかし、話か。この医者がまともな感性どうりに止めれる援護せねば。

 

 「それに、彼は放っておけば何をしでかすか分かりません。私が見ていた方がいいでしょう?」

 

 「........分かりました。僕が預かるより、上白沢さんの方がいいですね。何かあっても。」

 

 この老害めが.......あっさり納得するんじゃ無い。そのポンコツ頭に油を差さないと駄目なのか。

 

 「おい。常識的に考えろ。年頃の男女が一つ屋根の下というのも問題しか無い、なにしろ俺は嫌だ。意地でも医者の方へ行くぞ。........泊めてくれるなら。」

 

 そうだ、医者が泊めてくれないと俺は必然的にこの女の家に行く事になる。それは嫌だ。

 

 「泊めてくれるなら。って言うなら泊め無いかなぁ。」

 

 「........頭が沸いているのか?」

 

 「お前....さっきから思っていたんだが年上に対して敬語ぐらい使ったらどうなんだ。」

 

 険しい顔をした上白沢がこちらに話しかけてくる。

 

 「嫌だ。ただ年上だからって敬語を使うのはごめんだ。猫を被っている訳じゃ無いのに。」

 

 「........お前の捻くれた性根を叩き直してやる。....必ずな。」

 

 「やってみろ。無理だがな。」

 

 「嫌な奴だ。」

 

 ........しかし、どうするか。女の家なのは癪だが、野宿になるのはもっと癪だ。ただでさえ眠らないで動き続けている。さっきの二の舞になるのはごめんだな。

 ........やはり、ここは従っておこう。この医者が言っていた事を信じれば、半年はここを離れられない。

 

 「.....それで?どうするんだ。私の家に来るのか、そのまま野宿か。」

 

 「........まあいい、分かった。かなり癪だが、泊めて貰えないなら仕方が無い。」

 

 「よし、決まりだな。」

 

 上白沢は厳しい口調のままで言った。ふざけやがって、何様だ。

 ああ、でもジャージは返してもらわないとな。後、貰ったんだし日記帳も。今は、どちらも俺の財産だ。

 

 

 

 

 

 

 

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 外は既に日が落ちかけ、夕焼けになっている。今、手元には時計が無いから正確な時間は分からないが、時期を四月と仮定するなら六時程だろう。

直ぐそばでは料理をする音が聞こえる。上白沢だ。上白沢が料理を作っている。

大量の野菜が入った味噌汁は小さめの鍋に入れられ、かまどに乗せられている。煙突がついて所を見ると割と近代の物を使っているようだ。味噌汁の鍋の隣には、炊いている米を見守る上白沢がいる。

 塩焼きになった山女は旨そうな香りを上げながら皿に乗せられ、大きな机の上に他の空の食器と共に食卓に並ぶのを待っている。焼いているから寄生虫は大丈夫だろう。

 

 「お前はさっきから、なんでここに居るんだ?向こうで待っておけばいいじゃないか。」

 

 「お前が食事に毒を入れないか見張っている。」

 

 「......ああ、そう。」

 

 今の所何も入れて無いが、食材その物に何か盛られているかもしれない。味噌汁はさっき味見をしていたからいいとして、問題は山女と米だな。....どうするか。

 

 「暇しているなら、魚を向こうに運んでほしいのだが...」

 

 「言ったろ。何か盛らないか見張っているって。」

 

 「そんなに信用ならないか?」

 

 「ああ、信用してない。...そんな事より米の様子はどうだ?」

 

 「ん?ああ、大丈夫。心配しなくても、もう炊けてる。」

 

 米の入った鍋?釜?を開け、中を確認する上白沢。なら、運び始めか。

 味噌汁を二人分の汁椀に盛り、米も茶椀によそる上白沢。俺の分と思われるお椀は恐らく来客用の物だろう。他にも何個かあったし。

 二人分の米と味噌汁に箸を運搬用の大きなお盆に乗せる上白沢。

 

 「お前も持ってくれ。」

 

 お盆を受け取り、何かしようとしていないか上白沢の焼き魚の皿を持った手元を見張りながら、居間に向かう。

 油断は全く出来ない。相手が全く理解不明の空飛ぶ人間ならばなおさらだ。オカルトなのだ、それこそ本当に人肉を食べているのかもしれないし、おかしな薬を人間の味付けとして使っているかもしれない。......流石に妄想が過ぎるな。相手の脅威を大きくし過ぎるのは危険だ。

 台所から居間までは直接繋がっているので直ぐだ。先に上白沢がテーブルに焼き魚を乗せ、俺もお盆を乗せる。置かれた焼き魚の自分から上白沢から見てそれぞれ左側にに米、右側に味噌汁を置き、箸も置く。お盆はテーブルの下の畳に置いた。

 非常に健康的で良い食事だ。タンパク質に、炭水化物。ビタミン、ミネラル、脂質もきちんとバランスが整っている。

 硝子窓からは夕焼けの光が室内に入りこんでいる。ここにも裸電球はあるが、使う必要性は無いだろう。

 上白沢は既に座っている。飯の時間の筈だが、両親や家族が出てこない所を見ると、こいつは本当にこの広い家に一人暮らししているのか?それとも見た目以上に年よりなのかもしれない。空だって飛ぶんだ、若いままの人間が居てもおかしくは無い。

 上白沢と顔を合わせる形で座る。女と顔を合わせて食事をするのは嫌な気分だが、野宿をするよりはマシだろう。

 上白沢が手のひらを合わせる。

 

 「いただきます。」

 

 「....ちょっと待った。」

 

 「どうした?食べれない物でもあったか?」

 

 「毒味しろ。」

 

 「.....お前も私が料理を作っている所を見ていただろう?毒なんか入れて無い。」

 

 「元の食材に入れていたかもしれない。」

 

 「...偏屈な奴め。」

 

 何を今更。というやつだな。でも、これで魚の安全は保障出来る。味噌汁は元から大丈夫そうだからいいが、米も一応毒味させるか。

 しかし、毒を盛っているなら、殺すような毒は無いだろう。殺す意味が無い。ありえそうなのは薬物だろう。その手の物には、自意識を消失させるような物がある。危険だ。

 殺すような毒。例えば、生物系の毒ならある程度の耐性をつけられるそうだが、その手の薬物に耐性なんて無い。

 

 「じゃあ、魚を毒味すればいいのか?」

 

 「米もだ。」

 

 「...分かった。」

 

 呆れた様な、というよりも呆れた顔をした上白沢は皿と茶碗をそばに寄せ、箸で魚をほぐし、何の躊躇も無く口に入れる。次に米も箸で一掴み程の量を取り、口に含む。

 上白沢はしっかりと咀嚼し、飲み込んだ。

 この女が何の躊躇も無く食べた所を見ると、米には特に毒は盛られていないか?他に考えられるのはカプセルか何かに入れて混ぜ込んでいるかだな。魚に。

 .....暫くたったが、この女の様子は変わらない。本当に米には毒が入って無い。

 「....これで十分か?」

 

「ああ。」

 

 茶碗と皿を自分の方に寄せ、手を合わせていただきますの挨拶をする。

 箸で魚をほぐし、何か無いか注意して食べる。塩味が山女本来の味に良く合ってとても美味しいが、非常に食べづらい。.....よし、ここには何も無い。次も注意しよう。

次は米だ。わずかに煙を上げているのは、まだ熱い証拠。きっと塩味と良く合うぞ。箸を使い、一掴み分を口の中へ......塩味と米が良く合うな。

 

 「なあ。」

 

 上白沢は呆れた声色で声を掛けて来た。飯には最大限の注意を払わなければならないんだ。静かにしてくれ。.....いや、これも作戦なのかもしれない。注意をそらす為の。

 

 「これをずっと続けるつもりなのか?」

 

 「....自分の身の安全がかかっているんだ。妥協出来ない。」

 

 「....そうか。」

 

 深刻そうな顔をしつつも、一言答えると上白沢も食事に手をつけ始めた。

 汁椀の中を覗き込む。人参とジャガイモが主に入っている。肉は入っていないが、魚がある分、栄養のバランスは良さそうだ。

 箸で汁椀の中のジャガイモを取り出し、口に含む。何で出汁を取っているかは分からないが、旨い。

 暫く無言が続く。こちらの方がよっぽど良い。

 

 

 「ところでお前は、特に理由も無く私の事を嫌いだと言ったが、理由無く嫌いな訳無いだろう?私の何が嫌なんだ?」

 

 何の脈略も無く、話を掘り出しやがって。

 せっかく静かになった所を邪魔するんじゃ無い......三十分位は待てないのか。

 

 「嫌だ、教える訳が無い。」

 

 何でお前に俺の事を教えなきゃならないんだよ。偽善者めが、人の話を聞いて同情ポイントアップかよ。

 

 「.....お前と話をするには、まずはお前と仲良くならないとな。お前の事を知らなければ、話も何も無い。」

 

 「ああそう。でも、俺はお前と仲良くなる気なんてさらさら無い。」

 

 「.....お前との話は長くなりそうだな。」

 

 「お前の下らない話なんぞどうでもいいから、もう少し静かに飯を食べさせてくれ。」

 

 「いいや、私は止めないぞ。だいたい、お前は人として年上に対する敬意もきちんと払わずに、口を開けば悪態ばかり。相手に対してやたら暴力的に当たって、暴言を吐く。そんな事やっていると周りの信頼を失う事になるぞ。」

 

 周りの信頼なんざ、ちょっとヘラヘラ愛想笑いを浮かべて適切に演技をすれば、連中は直ぐに信じこむ。そもそも、お前に対して本性がバレたからヤケクソでこんなに悪態をついているんだ。周りに対していつもやっている訳無いだろ。そんな事したら目立つというのに。

 .....と、思ったが口には出さない。出したら余計にうるさくなる。確実だ。

 真面目に聞いてるふりして、聞き流そう。聞くだけ時間の無駄だと思うが。

 

 「確かにお前は最初は自分から謝っていたし、穏便に済まそうと思っていたのも分かる。正しい理由では無かったのだろうけど、それはとても偉い事だと思う。自分の非を認めて素直に謝罪する。良い事だ。だが、問題はその後だ。相手に対する執拗な暴力、暴言。私が止めなければ、一体どこまでやるつもりだったんだ。まったく........」

 

 クドクド、長いな。このままだと、まだ長くなりそうだ。クソめが。お前が何を言おうが俺が改心する気もないし、態度を変えるつもりつもりなんて無い。

 偽善者め。いずれはその化けの皮を剥いで笑ってやる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 「ここの部屋で寝てくれ。」

 

 体を鍛え、五右衛門風呂モドキに入った後に、自分の穴あきジャージに着替えると、最後の方にはただの愚痴になった説教を終え、読書をしていた上白沢に居間の反対側にある部屋に案内された。

 窓は無く、薄暗い。しかし、この部屋にも裸電球がある所を見ると真っ暗になる心配は無さそうだ。

 畳の上には、勉強でも出来そうな机と椅子に大きなタンスがある。逆に言えばそれ位しか無い。

 部屋はそれなりの広さがある。だが、タンスと机で狭く感じはする。まあ、寝る分には問題無いだろう。

 部屋の右側には障子扉がある。押し入れだろうか?

 

 「なにぶん家が広くてな。毎日全て掃除出来る訳じゃ無いんだ。今はここくらいしか貸せない。すまないな。」

 

成る程、物置か。この部屋の扉は引き戸だ、塞ぐのに使える物があるだろう。しかも、窓が無い。寝ている間に外から侵入される事も無いな。

だが、この部屋に案内された。という事は俺をここに泊まらせたい、何らかの理由がある筈だ。この女は『綺麗じゃ無いから。』と言ったが、本当はこの部屋に抜け道でもあるのか?それとも俺を安心させ、油断させる為か.........

どちらにせよ、寝る前には調べねば。

 

 「布団は押し入れの中にあるから眠くなったら勝手に出して寝てくれ。」

 

 布団には何か仕掛けがあるのだろうか?........思いつかないな。

 まあいい。布団は無しで寝よう。

 

 「何かあったら私は自分の部屋にいるから来てくれ。........って聞いてるのか?」

 

「ああ、聞いてる。」

 

「ならいい。おやすみ。」

 

引き戸を開けて出て行く上白沢。よし、これでやっと一人になれる。安心出来る。

だが、安心する前にまだする事がある。部屋を調べないと。

畳を上げて、下を調べよう。畳はかなりの枚数がある。骨が折れるな。

次に周りの壁だな。見た所は何も無いが、仕掛けがあるかもしれない。まずは空洞探しだな。

その次は天井だ。何か棒でも探して突つくしか無い。外れる様な所があれば今夜は眠れない。

最後は押し入れだ。中の様子をまだ確認して無いが、ここが一番危険だ。どんな仕掛けが有るかは分からない。更に押し入れは隣の部屋に隣接している。何か仕掛けがあっても一番おかしくは無い。

ああ、後、武器と日記帳を隠せる所を探さないと。見つかったら不味い。

ん?日記帳?............そうだ、重要な事を忘れていた。日記だ。日記を書かなければ。

今、自分の右手には医者から貰った日記帳がある。鉛筆も。早く書こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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 2016年 4月 30日

 

俺はついに狂ってしまったのかもしれない。そのくらい、とんでも無い状況に遭遇した。

なんと、人が空を飛んだのだ。なんの器具もなんの補助も無しでだ。完全に人一人で。

そいつの名前は上白沢 慧音。コスプレをしている様な格好をしているが、確かに空を飛んだ。彼女の話によると、誰でも飛べる様では無く。霊力という物が必要らしい。俺にはそれが無く、飛べ無いらしい。また、努力をしても無理があるようだ。まあ、問題は無い。

問題は妖怪や神といったオカルトの存在だ。まだ見た訳では無いが、居る可能性が非常に高い。しかも、妖怪は人を襲うらしい。どんな相手か分からない以上危険だ。警戒せねば。

それに人もだ。警戒せねばならない。

今、最も警戒すべきなのは上白沢だ。恐らく偽善者だが、偽善者だからこそ警戒せねば。何が目的なのか。周りの点数稼ぎか、何か他にあるのか。

それとも、始めの考えとうりの淫乱の売女か......被害妄想で済んでくれれば良いが。

どうなるにせよ、こんな訳の分からない事に中途半端に首をつっこまなければ良かった。早く平和な日常に帰りたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 こんな所か。後は部屋のチェックだけだ。ああ、クソ、酷く眠い。頭が回りそうに無い。早く調べて、早く寝たい。

 クソめ、寝る前ににまだ一仕事だ。とりあえず、タンスで扉が開かないようにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 今回も問題しか無い作品だなぁ。これ。削除されるのも時間の問題かもしれない。なんてこったい。
 ああ、あと、オリキャラの名前が出ましたね。超モブネームだけど。ざまみやがれ!!!
後なんかこの人病気ですね。精神的に。やばいかもしれん。
 後はエイヤッショーで早くEX出したいですね。モコタンもいいが、ハクタクモードの慧音に会いたい。あのいい笑顔を早く見たいなあ。
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