TS転生聖園ミカが先生と付き合いつつ先生にハーレムを作らせようとする話   作:tarako

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閑話:草を刈り奪る形をしてるだろ?(ナギちゃんも居るよ)

こんにちは、聖園ミカです。

突然ですが大鎌を使うキャラって格好いいですよね。私は大好きです。

神秘溢れるキヴォトスで色々な漫画やゲームの技を再現して遊んでいる私は、

当然大鎌にも目をつけました。

が、少し考えればわかるのですが取り扱いがまぁ難しい、難しい。

結局思うように扱えなくて、隕石から作った自家製大鎌はお蔵入りになりました。

ですが草むしりの奉仕活動をしている時にふと思ったのです。

ひょっとして大鎌で草を刈れば効率がいいのでは…?と。

武器以外で大鎌の使い道を見つけてしまうなんて、私は天才かもしれません。

そんな知性溢れる私の奉仕活動を是非見ていってくださいね。ジーニアスミカでした。

 

 

 

 

今日はトリニティ学園に奉仕活動に来ています。

シャーレで生活するようになってからはすっかり来ることも無くなってしまった場所ですが、

ここに来ると卒業した学校にまた訪れるような、何ともいえないむず痒い気持ちになります。

まだ所属は一応トリニティなのにね。

 

 

奉仕活動の諸々は正義実現委員会が一括で管理してるので一旦、そこに顔を出してから今日受けることが出来る奉仕活動の内容をチェックします。

トリニティには問題児の数も相応に多いので、

奉仕活動周りのシステムがやたらと洗練されてるんですよね……。

草刈りは…あったあった。書類に私の名前と受ける奉仕活動の種類と時間を書いて、

正実の人に提出するとようやく活動の始まりだ。

待ってろよ草、狩り尽くしてやるじゃんね。

 

 

 

隕石召喚能力を詳しく【知る】事で使えるようになった能力が有る。

要は隕石なら大体なんでも呼び寄せられるのだ。

それが隕石で作った武器であってもだ。

 

 

「おいで"ハーヴェスト"」

 

 

私の言葉と共に虚空から現れた大鎌の柄を掴むとゆっくりと引き抜き、

その大鎌の全容が明らかになっていく。

漆黒で染められた、人ひとり分の大きさが有ろうかというその鎌は、

まさに死神の鎌というのに相応しい出で立ちだった。

 

 

「さぁ刈り取るよ!」

 

 

ブン。ブン。ザク。ザク。

立ったまま雑に鎌を振るだけで、あっという間に草の命が終わっていく。

しゃがんでちまちま草を刈っていた時とは大違いだ。

 

 

「おおー!!凄いよこれ!!」

 

 

飛ぶ斬撃を見たことがあるか?鎌を思いっきり振ると斬撃が放射状や扇状に飛んでいくじゃんね。

雑草がばっさりと範囲攻撃で倒れる快感は筆舌に尽くしがたいものだった。

 

 

「うおおおおお!!」

 

 

ブン。ブン。ブン。ブオン。ブオン。ブオン。

まるで大排気量のエンジンを積んだ車がすぐ傍で空ぶかししているかのような音が、大鎌の風圧で発生する。

より効率的に、攻撃的に、全てを刈り奪る死神とは私の事…

死神ミカでごめんねと夢中になっていると、

今日1日かけて終わらす予定の場所が僅か5分程で全ての草を刈り終えていた。

やば…大鎌大好きかも。

 

 

「ミカさん…………」

 

 

ドン引きしてますという声で誰かが私の後ろから話しかけてきた。

この長年聞いてきた可愛らしい声は!

 

 

「な、ナギちゃん。……今の、力に溺れた私を見ないで欲しいな」

 

 

私はイタズラしてるのがバレた子どものように慌てながら大鎌-ハーヴェスト-を虚空に仕舞う。

ノリノリで鎌振ってるの見られたかな…はずかしっ。

 

 

「えっ。何ですかそれ!?何処に消えたんですか!?」

 

 

「ふふ☆」

 

 

隕石召喚能力のちょっとした応用だよ。

 

 

………

……

 

 

 

どうやらナギちゃんは私をお茶会に誘いに来てくれたらしい。

そして久しぶりに会う友人が、大鎌を使ってビュンビュン斬撃を飛ばしながら草刈りをしていて、ドン引きしたとか何とか。

 

 

ナギちゃんが淹れてくれた紅茶とロールケーキを味わいながら私達は会話に花を咲かせる。

エデン条約の一件で私はナギちゃんに物凄い迷惑をかけたから、

昔のように話すことは出来ないかも知れないと思っていた。

けれどそんな懸念は一瞬で、いざ話し始めると最近会えていなかった分の空白を埋めるかのように話題は尽きなかった。

 

 

「本当に可愛いよね、ナギちゃんってば」

 

 

「久しぶりに聞きましたね。それ」

 

 

毎日のように可愛いと言われて育ったナギちゃんは可愛いの声では動揺しなくなる。

でもちょっと照れてる、可愛い。

 

 

「そういえばミカさん。今学園で流れている貴方の噂のことをご存知ですか?」

 

 

「噂?私が恥知らずで暴力的な魔女ってやつかな?」

 

 

「いえ、そういうのではなく……。貴方と先生のデートの仔細が噂として流れているのです」

 

 

「ふーん?かくかくしかじかみたいな内容かな?」

 

 

「そう!まさにその内容が噂として広まっているのです!あれは本当のことなのですか!?」

 

 

身を乗り出して、興奮気味にナギちゃんは話す。

ど、どんな感情なのナギちゃん…?流石にこれ以上ナギちゃんの脳破壊をする気は無いよ…?

ということで急遽【知る力】のお世話になることにする。

 

 

教えて教えて【知る力】ナギちゃんは先生と私の噂にどんな感情を持っているの?

ふんふん。なるほどなるほど。な~るほど。

これなら大丈夫そうかな。

 

 

「事実だよ、ナギちゃん。先生と手を繋いでらぶらぶデートしちゃったよ!」

 

 

「おぉ…!て、手を繋いだ感想はどうですか!凄いですか!」

 

 

ナギちゃんは先生は頼りになる大人だと思っているが、特別な感情は無く、

ただ噂のコイバナが本当にあったのか、どんな感じなのか気になって仕方が無かっただけみたいなのだ。

キヴォトスで恋愛関係の話をする機会なんて滅多に無いしね。

恋の話が大好物の女学生にとって私と先生の噂は注目の的らしい。

 

 

「くすっ……そっちに行って手を握ってあげる」

 

 

「えっ」

 

 

「私と先生がどんな強さで手を握ったか、確かめてね?」

 

 

ナギちゃんを立たせると、あの日のデートの再現を私が先生役でしていく。

密着するような距離で手を握られて、相手が私であるにもかかわらずナギちゃんは顔が真っ赤になるぐらい照れていた。

ぎゅっ、ぎゅっと手を握ると、気持ちをさらに高めるためにナギちゃんに囁く。

 

 

「ナギちゃん、想像してみて。この手が先生の、大人の男の人の手だって。

大きくてごつごつして、温かい手」

 

 

「アッ…アッ…」

 

 

「いつも生徒の皆の為に頑張ってる先生を今だけは貴方が独り占めしてるんだよ」

 

 

「センセイ…」

 

 

「……愛してるよ、ナギサ」

 

 

「……キュー」

 

 

気絶してしまったナギちゃんを倒れないように支えて椅子に座らせる。

可愛くてやりすぎちゃった……ごめん。

 

 

 

「……はっ!ここは桃源郷ですか!?」

 

 

「残念ながらトリニティだよ。ナギちゃん」

 

 

「ミ、ミカさん……」

 

 

まだ先程の余韻が抜けないのか、私の顔はあまり直視出来ないようだ。

チラチラと私の顔を盗み見る、小動物みたいなナギちゃんになってしまった。

そんな彼女を私はニコニコと眺める。こんな可愛い子が私の幼馴染なんです。

 

 

「手を握ってみて、どうだった?」

 

 

「凄く…凄かったです……」

 

 

語彙力が完全に消滅した感想を言うと冷めてしまった紅茶を飲むナギちゃんでした。

 

 

「私は今シャーレに居るから、先生と会いたいならちょっと融通効かせることもできるよ」

 

 

気絶する位先生の良さが伝わった私は嬉しくて、そんな提案をする。

大分動揺から立て直したのか、優雅に紅茶を飲みながらナギちゃんは、

私が思っているのとは違う回答をした。

 

 

「シャーレでミカさんと会うことは出来ますか?こうしてまたお茶をしたいです」

 

 

「え?うん。もちろん。私は基本暇だし、大歓迎だけど……」

 

 

「なら、良かったです」

 

 

にっこりと笑うナギちゃんの顔は今まで見たことないぐらいの素晴らしい笑顔なのに、なぜか同時に寒気も感じるものでした。

 

 

 

今度はセイアちゃんともお話したいね、なんて話しながらお茶会はお開きになってシャーレに帰る。

大鎌の有用性と久しぶりの幼馴染同士の他愛ない会話で私は浮かれて気が散漫になっていた。

だから、じっとりと私の背中を見つめるナギちゃんの視線には気付かなかった。

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