TS転生聖園ミカが先生と付き合いつつ先生にハーレムを作らせようとする話 作:tarako
こんにちは、聖園ミカです。
最近トリニティに行くと物凄く注目されている気がします。
なんか熱っぽい視線で見つめている子達が居たので笑顔で手を振ってみると、キャーキャーと喜んでいました。アイドルミカでごめんね。
なんか嬉しくなって、また私を見つめている子達が居たので超笑顔で手を振ってみるとギャーと叫んで逃げていきました。……私が、魔女……だからですか?
今日はセイアちゃんのお茶会にご招待されちゃいました。
モモトークでちょこちょこと会話はしていますが、直接会うのは久しぶりです。
元気にしてるかな~横乳見えるかな~とルンルンでセイアちゃんに会いに行くと、
すでに椅子に座っていて、やや疲れ気味でこちらに視線を投げるアンニュイセクシーフォックスがいました。
「やぁ、よく来てくれたねミカ」
「やっほ~☆セイアちゃん、おひさ!」
ところで、これから説教されたり怒られたりする時ってなんか雰囲気でわかりますよね。
ミカ知ってます!これ長くなるやつです!
「ミカ…君が学園からシャーレに移ってからしばらくぶりだね」
「君が居ない間にトリニティ学園は君の話で持ち切りだ。寝ても覚めてもミカミカミカ、君はセミか何かにでもなったのかい?」
「今、トリニティでミカの話をする者は大きく2つの派閥にわけられる」
「まず1つ目が、『先生×ミカ純愛派』だ。……いや、何を言ってるのかと思うかも知れないが、
そんな事は私が一番思っている」
「そして2つ目が、『ミカ寝取り派』だ。……どうも様々な恋愛劇を君が寝取ることで滅茶苦茶にするのが流行っているらしい。世も末だな」
「さて、この2つの『純愛派』と『寝取り派』だが、当然相容れるものではなく現在銃撃戦も含めた激しい対立の様相を呈している」
「この馬鹿げた争いを止める第3の派閥が居ないか期待をしてみても、トリニティの政治や権力構造と完全に上手く嵌ってしまって、争いを止めようとしたら『純愛派』と『寝取り派』の双方から攻撃されるような状態になってしまっている」
「あぁ、そうそう。最近私はサンクトゥス分派の代表として復帰したんだ。……察してると思うがお祝いの言葉が欲しいわけではなくて、今のトリニティの惨状を話したいだけなんだ」
「私がサンクトゥス分派の代表として復帰した初めての仕事が『自分は純愛派に所属しているけど派閥のパワーバランスで寝取り派に行かなくてはならなくなりそう。このままじゃ私……寝取り派になっちゃう……!』という同じ分派の仲間の相談の解決だった時の私の気持ちがわかるかい?」
「ナギサ率いるフィリウス分派は早々に『先生×ミカ純愛派』の立場を表明した。
君が居なくなったパテル分派は『ミカ寝取り派』を表明して既に2冊の恋愛小説を出版している。
私のサンクトゥス分派は今のところ立場を明確にしていないが……こんなふざけた派閥争いに参加しなくてはいけないのか……?ほ、本当に……?ふ、ふざ……」
「元はと言えばミカ!君が先生とのデートを吹聴したのが原因じゃないか!!」
「君は本当に……君は、本当に……」
一旦言葉を区切り、言葉をためにためたセイアちゃんはカッと目を見開き言った。
「…………何ということをしてくれたんだ!!」
「怒らないで~☆」
トリニティがかなり愉快な事になってるみたいです。
なんで……?
ハァハァハァと肩で息をしているセイアちゃんが落ち着くのを待っている間に、【知る力】を使ってどうしてこうなってしまったのかを探る。ふんふん。なるほどなるほど。…………えぇ。
私と先生とのデートの話だけだったら事態はここまで愉快な事にはならなかったみたいだが、『寝取り派』という闇の派閥が台頭したことにより、事態は泥沼化していったようだ。
そしてその『寝取り派』誕生のきっかけはI.Nという謎の人物(イチカさん…)が書いた『私ちゃんが先生を聖園ミカに寝取られる』怪文書だった。その怪文書に出てくる聖園ミカが寝取り役としての出来が良くて、フリー素材のようになってしまったらしい。…………えぇ。
ろくに恋愛の話題が無い女子校に先生と私の噂が流れる、その噂できゃっきゃっしてたらなぜか寝取られで脳破壊された人たちが大量発生する、なんやかんやあって闘うしかねぇよなぁ…!?という、キヴォトスの気質が全て悪い方向に作用したらこうなるというなんとも頭の痛い話だった。
なんなのこれぇ……と思っているとふと気づく。
「あ、もしかしてセイアちゃんが私を呼んだのって…」
「はぁ…はぁ……あぁ、私の【直感】が君を呼べばこの事態が解決すると教えてくれた」
エデン条約編が終わり、セイアちゃんも普通に起きて生活し始めると、
セイアちゃんの未来予知は姿を変えて直感という感が鋭くなるような能力へと変わっていた。
未来予知と違ってセイアちゃんへの身体への負担も少ない能力なのだが、私には一つ不満な所があった。
「そっかぁ……もうエッチな予知夢を見て悶えてるセイアちゃんは見れないんだねぇ……」
セイアちゃんの怒りと長い間話していた息切れから赤くなっていた顔は、今度は羞恥に染まっていった。
あわ、あわと動揺しながら、セイアちゃんは私をまるでエロの権化を見るかのように睨みつける。
「あ、あれは!忘れてくれ!!…というより、あの予知夢にしてもその、え、えっち……な方面は大体君が悪いんじゃないか!!」
「セクシーは時に人を狂わせる……まるで今のトリニティのように……だからこそ私は謝ろう」
少し身体にしなを作って、ウインクして、3、2、1──
「セクシーミカですまない☆」
「あああああ!!!もう!!君は!!君ってやつは!!」
こちらにぽこぽこぽことパンチをしてくるセイアちゃん(可愛い)。
ごめんて……。
………
……
…
「改めて、来てくれてありがとうミカ」
先程のあれこれはなんか無かったことになった。
「こちらこそ会えて嬉しいよセイアちゃん」
なんか狂ってるトリニティといえど、セイアちゃんが生きている。
とにかく誰も死なないように頑張ってきた身としては、こんなに嬉しいことは無かった。
「そして今のこの状況を打破するためにどうか力を貸してほしい。確かにトリニティは色々問題がある学校ではあったが、ここまで狂って良い謂れは無い筈だ」
「ほんとにねぇ、どうしてこんな事になっちゃったやら」
セイアちゃんがぐっとツッコミを入れるのを我慢して話を続ける。
「私一人だけではどうにも手詰まりなんだ。ナギサは…正直今回の件においては、よくわからないんだ。『純愛派』でいることを楽しんでいる節がある。かといってあの顔は…完全な『純愛派』というわけでもなさそうだが……。とにかく完全に政治として対応すると決めたナギサには表面上の相談しか出来ない」
ほぼ一人でティーパーティーの政治を仕切ることができる政治力の怪物ナギちゃん。
紛うことなき友人関係とはいえ、まぁ話しにくいよね、私もよく政治関係で怒られたし。
「続いて、先生へ相談するかどうかだが……こんなトリニティの恥を相談できる訳が無い」
先生も困るよねこんな話持ってこられても……。いや、真剣に頼んだら解決しようとしてくれるだろうけど。『純愛派』と『寝取り派』の間を歩き回って問題解決しようとする先生を思い浮かべて少し笑ってしまった。
「消去法で君というわけだ、ミカ」
「えー!助けを求める相手に消去法って言っちゃう!?」
ひっどーい☆と適当におどけてみせる。【直感】と【知る力】で私達はもう物語の酷い結末が朧気に分かっていた。だからこれはほんのじゃれあい。友人同士の他愛ない軽口。
まぁ、でも一応解決策からこの問題の顛末までをきちんと【知って】おきますか。
教えて教えて【知る力】──
「どうかこのふざけた戦いを終わらせてくれ、ミカ。私の【直感】が言っている。今、この瞬間君は解決策を閃いたはずだ!……………………なんだその顔は」
「………………その解決策を閃いた顔だよ、そしてセイアちゃんもこうなるよ」
私は、これから先セイアちゃんと合同でやる事を説明する。
話を聞いていくにつれ、セイアちゃんは呆れ果てて天を仰ぎ魂が抜けたような顔をしていた。
私がさっきしていた顔と同じだね、でもしっかりしてもらわないと困るよ。
セイアちゃん、貴方は今日から第3の派閥、『寝取らせ派』として事態を収束しないといけないのだから。
………
……
…
───BD再生開始───
「やぁ、この映像を見てる諸君、百合園セイアだ」
「長々と挨拶をしている時間はないので、さっそく本題に入ろう。今トリニティでは『純愛派』と『寝取り派』の対立が激化してるのは皆知っての通りだと思う」
「この不毛な戦いを終わらせるために私は、一つの分派を立ち上げることにした」
「『寝取らせ派』だ」
「…………すぅー。今まで第3の派閥が出来ても続かなかったのはトリニティの構造が大きく影響している。政治と権力と派閥が何重にも絡み合っている現状、望んでそれぞれの派閥に所属しているというわけではない者もいるだろう。だが、あまりにも大きくなった2つの派閥は中立でいることを難しくさせ、その2つ以外の派閥を排斥しようとする」
「ここでトリニティの重要な理念、三位一体を思い出してほしい。受け皿が必要なのだ。2大派閥とは違う、もう1つの受け皿が。この騒動から距離を置きたい者を中心に我々『寝取らせ派』は運営されていくだろう。まぁ…ね、寝取らせが好きというので来てもいいんだが……」
「そしてこの派閥の正当性を担保する重要な人物も我々の味方に居る。紹介しよう、聖園ミカだ」
───画面が切り替わる───
「やっほ~☆ミカだよ!大体の人は久しぶりに見たって感じかな」
「久しぶりに学園に来たらなんか凄いことになってて驚いちゃった。慌ててセイアちゃんと話し合って今回の『寝取らせ派』の立ち上げに至ったの」
「それでね、『寝取らせ派』の理念とかはセイアちゃんが説明してくれるからいいんだけど、私はみんなに言いたいことがあるの」
「『純愛』も『寝取り』も『寝取らせ』も…………」
「私は総てを愛している」
「大丈夫だよ。総ては等しく愛で繋がっているから、この争いはすぐ終わるよ。
……それじゃあ、またセイアちゃんに戻すね」
───画面が切り替わる───
「……ありがとう、ミカ。という訳で私達の派閥に入りたい者はサンクトゥス分派に声をかけてくれ。『純愛派』と『寝取り派』の対立が終わる時が来た!我々『寝取らせ派』の立ち上げによってトリニティは再び平穏を取り戻すだろう!」
───BD再生終了───
ティーパーティーの権限によって配られたこのBDの効果は絶大だった。
派閥争いに嫌気をさしていた者から流れ込むように『寝取らせ派』に避難していき、『純愛派』や『寝取り派』も『寝取らせ派』に自分たちが持つ属性を見出し、排斥は出来なかった。
あっという間に巨大派閥となった『寝取らせ派』は無事、性の三位一体の一角兼バランサーとして収まった。ここにトリニティの平和が成ったのだ。
なにこれぇ…………。
私とナギちゃんとセイアちゃんは久しぶりに3人で集まってお茶会をしている。
本来なら喜ばしい出来事のはずなのだけど、私とセイアちゃんは心労でやや疲れ気味だった。
うぅ…優雅に紅茶を飲んでるナギちゃんが憎い……!
「結局は、一体感を感じられるものであればなんでも良かったのです」
ナギちゃんがそう切り出す。
「エデン条約で疲弊したトリニティ学園、ミカさん離脱で混乱しているパテル分派。
これを機に暗躍しようとする様々な派閥、正直な所『純愛派』と『寝取り派』の2大派閥の対立になる前は、とても陰湿で陰惨。トリニティの闇を凝縮したような状態でした。であれば、闇を照らす火の種があれば大きくするのが、古代からの慣わしでしょう?それが色事であるならより情熱的に燃えもするというものです」
そう言って華美にロールケーキを切り分け、私達に配るナギちゃん。
私とセイアちゃんは見つめ合うと深いため息をついた。ある意味今回の騒動の黒幕発言でもあったのだが、私達はただ納得しか無かったのだ。
「さすが『純愛派』の実質トップでいらっしゃる。含蓄に富んだ言葉だ」
「あら、新規に『寝取らせ派』を立ち上げる気概を持つリーダーには敵いませんわ」
おほほ…ふふふ…とじゃれあう2人。ってあれ?
「え、え、もしかして私、自動的に『寝取り派』になってる!?」
「いいえ、ミカさんはむしろ『寝取らせ派』のような存在でしょう」
「あ、あーそうだよね。なんかトリニティ的に『寝取り派』として2人に嫌味言わないといけないかと考えてたよ」
「こちらが嫌味を言いたい立場なのを覚えておいて欲しいね」
「きーこーえーなーいー☆」
はぁ、とセイアちゃんがため息をつく。そんなにため息つくと幸せが逃げちゃうよ。
「嫌味ではないですが、まだミカさんから聞いてない言葉がありますね」
「なんだろ…?なんかあったっけ?」
「…………本日の可愛いを頂いていません」
「……!か、可愛いがすぎるよナギちゃん!!可愛い……!!」
ちょっと照れて可愛いを強請るナギちゃんの可愛さは可愛くて可愛いのだった。
私の可愛いを聞くと満足して紅茶を飲むナギちゃん、ふと横を見るとセイアちゃんも何か言って欲しそうな顔をしていた。ふふふ。
「もちろんセイアちゃんも可愛いからね☆」
「うぐ、う、うるさい…」
照れて、笑って、絆を確認して。
狂ったトリニティでも私達はきっと楽しく生きていける。
3人で話し合うなか、私は何となく思いついた『寝取らセイアちゃん』という言葉で大笑いしないように腹筋と顔の表情を引き締める事に力を入れていた。