ブルアカ×ポケモン   作:クロの騎士

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レポート10

=エデン条約に関する報告書=

 

 エデン条約……それは歴史的に対立状態にあるトリニティ総合学園とゲヘナ学園に対する平和条約。

 発案者である連邦生徒会長の失踪により空中分解の危機にあったが、トリニティのトップである桐藤ナギサによりどうにか調印式が行われることになった。

 

 しかし、マダムことベアトリーチェの支配下にあったアリウスが調印式当日にテロを計画していた。

 

 アリウスはかつて諸派の統合に反対し、その結果連合を果たしたトリニティに自治区を追い出された過去を持つ。

 ゲヘナとは元々対立関係にあった。

 

 ベアトリーチェにより憎悪を増幅させたアリウスはエデン条約を期に事実上の宣戦布告……するはずだった。

 

 異世界から来たシャーレの先生と彼のポケモンによりベアトリーチェが倒された。

 そして、テロ行為を画策していたアリウス生徒は全員シャーレ預かりとなった。

 

 後日、シャーレの先生は連邦生徒会に報告。

 ベアトリーチェおよびアリウス生徒の処遇については自身の判断で行ったことも伝えた。

 

 連邦生徒会は先生の独断専行を厳しく追及。

 テロに加担した当事者たちの引き渡しを要求する者もいた。

 それに対して先生は要求を拒否する。

 

「そもそも君たち連邦生徒会は彼女たちを処罰する権限はあっても権利はないよ? だって、アリウスの問題をずっと放置してきたんでしょ?」

 

 何も言えなかった。

 事実アリウスについてはその情報を一部の人間は掴んでいたが何もしなかったのである。

 先生は続けてこう続けた。

 

「今回の件でアリウス生徒を裁くのであれば私は君たちを敵と見なしてシャーレを去るよ。その場合は新しい組織を立ち上げて生徒たちの悩みを解決していくつもりさ」

 

 何故そこまでアリウス生徒を守るのか?

 その疑問に対して先生は答えた。

 

「先生だから」

 

 と……

 

=報告(トリニティ編)=

 

 私は今トリニティ総合学園を訪れていた。

 

「今日はお時間をいただきありがとうございます」

 

 桐藤 ナギサ、聖園 ミカ、百合園 セイアの三人に頭を下げる。

 彼女たちがティーパーティー……学園のトップという話だそうだ。

 

「いえ……エデン条約についての大事な話となれば時間を空けるのは当然のことです」

 

 とナギサが答えた。

 

「それでどのような内容でしょうか?」

 

「話が早くて助かります。この後ゲヘナ学園の方にも訪れなければないので……」

 

「へぇ……ゲヘナにも行くんだ」

 

 ゲヘナという言葉にミカが明らかに嫌な顔をする。

 ナギサとセイアの二人はそこまでではないようだが、ミカはゲヘナ嫌いのようだ。

 そんな彼女に向かって私はこう告げた。

 

「簡潔に言うよ。まずはテロを計画していたアリウスの生徒は全員シャーレ預かりになった。トリニティにいるアリウスのスパイおよび協力者については君たちに任せようと思う」

 

 ミカはビクッと体を震わせた。

 次に私はセイアの方を見る。

 

「予知夢のようなことは起こらないから安心してくれ」

 

 セイアは驚きのあまり目を丸くする。

 最後にナギサを見た。

 

「疑心暗鬼になるのは解るけど、彼女たちを全員処罰の対象にするのはどうかと思うよ……そんなことをしたら大切な友人を失うことにもなるからさ」

 

 ナギサは顔を下に向けた。

 私は出された紅茶を飲み干して立ち上がる。

 

「最後に一つ。エデン条約を結ぶのはいいけど、まずは自分たちの生徒をよく見ることだね。数名の生徒について色々と悪いことをしているみたいだよ?」

 

 トリニティの生徒がゲヘナを含む他校の生徒やポケモンたちに対するいじめの数々が乗っている写真をテーブルにばら撒いた。

 

「彼女たちの処遇についても君たちに任せるよ。きちんと調べて厳正に対処してくれることを望むよ……じゃあ、私はもう行くね」

 

 私は彼女たちの答えを聞かずにその場を後にした。

 

 

=報告(ゲヘナ編)=

 

「……と言うことだよ」

 

 ゲヘナ学園にて万魔殿の羽沼 マコトと面会中。

 彼女が一応この学園のトップである。

 

「キキキッ……わざわざ先生自ら報告するとはご苦労なことだな」

 

「まあ、君たちは当事者であり私はある意味で責任者だからね」

 

 今回の訪問は表向きは事後の報告だ。

 裏の目的は各トップへの挨拶訪問みたいなものである。

 まあ、トリニティについては軽く釘を刺しておくのも理由の一つだったが……

 

「ところでマコト議長、君はエデン条約についてどう考えていますか?」

 

「どうでもいい」

 

 心の底からどうでもいいと考えているのが表情から見てわかる。

 

「エデン条約を結んだところで我々ゲヘナは変わらないからな」

 

「変わらない……変える気がないの間違いでは?」

 

「先生は誰かに言われたからはいそうですかと学園全体が変わると思っているのか?」

 

「いいえ、無理だと思っていますよ。一度根付いてしまった思考や風潮を変えるには年単位の時間が必要です」

 

「その通り……実に面倒だ。そういう面倒ごとは風紀委員会の連中に任せるに限る」

 

 これまでも面倒ごとはヒナたちに押し付けてきたのだろうな。

 彼女たち風紀委員会が忙しい原因の一つは目の前の彼女なのだろう。

 

「利口と言うかずる賢いと言うか……」

 

「キキキッ……それは誉め言葉として受け取っておこう」

 

=報告(リンちゃん編)=

 

「トリニティとゲヘナの両学園に対する報告は以上だよ」

 

「そうですか……ご苦労様です」

 

 シャーレのオフィスに戻ってリンちゃんに報告した。

 それにしても何だか疲れていると言う顔をしている。

 理由はもちろん私なのだろう。

 

「それで私はシャーレをクビかい?」

 

「いえ……確かに先生をクビにしろと言う声もありましたが、私やアオイの方で黙らせて起きました」

 

「……ごめんよ」

 

「謝らないで下さい……今先生に抜けられてしまうと連邦生徒会が終わってしまいますので」

 

 連邦生徒会長の失踪、また連邦生徒会内で企業と結託しての汚職および連邦生徒会を乗っ取ろうとした者の発覚……連邦生徒会はボロボロである。

 どうやらそのことを理解している者たちが私を擁護してくれたらしい。

 

「それに先生のご判断は正しかった……少なくとも私はそう思っています」

 

「ありがとうリンちゃん……あぁ、そうだ」

 

 私はあることをリンちゃんにお願いした。

 

「この子のお世話をお願い出来るかな?」

 

 モンスターボールからポケモンを出す。

 はなつみポケモンのキュワワーである。

 

「キュワワーと言うポケモンでね、一週間だけでいいからお願いね」

 

「……解りました」

 

 それから一週間後……顔色の良くなったリンちゃんからキュワワーを以降も育てると申し出があった。

 

 




キュワワーのリラックス効果はこうかはばつぐんだ!!
では次回もよろしくお願いいたします。
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