=彼女はまた勘違いされる=
「クレセリアは三日月の化身と呼ばれており、クレセリアの羽を持って眠ると楽しい夢が見られると言われています」
シスターフッドの歌住 サクラコに説明する。
彼女の座る席の隣には【みかづきポケモン】のクレセリアが宙を浮いていた。
話によると三日月の日の夜にクレセリアがサクラコの前に現れたのだそうだ。
「成る程……では害は無く寧ろ良好なポケモンなのですね?」
「そうですね。悪意ある者にはそれ相応の対応はしますが基本的に大人しい部類ですね」
クレセリアは少しこちらを警戒しているようだ。
私の影にいるダークライを警戒しているのか……それとも私だろうか?
「それでクレセリアはシスターフッドで保護を?」
「えぇ。私が責任を持って保護します」
サクラコならばクレセリアを任せてもいいだろう。
クレセリアも彼女と共にいることを望んでいるようだ。
「解りました。それでは、何か困ったことがあれば私を頼って下さいね」
「はい。その時が来たら是非」
翌日、シスターフッド内で「サクラコ様が三日月の化身を仲間にして月の支配をしようとしている」や「先生と秘かに密約を交わした」など噂が出回ることになった。
=優しい雪男=
レッドウィンター事務局の保安委員長である池倉 マリナは、クーデターを起こした生徒を追跡中に迷子となっていた。
「ここは……どこだ?」
雪の積もった森を進む。
日が落ち始めており、もう少しで辺りが暗くなるだろう。
「早く学園に戻らなければ……」
と言った瞬間、茂みからガサガサと音が聞こえてきた。
「ひっ! ま、まさか熊か!?」
相手はまだこちらに気付いていない。
ならばやられる前に先手を打つ……
「突撃いいい!」
茂みに向かって行くが、抜けた先で木に衝突。
マリナは気を失ってしまう。
しばらくしてドシドシと彼女に近づく一匹のポケモンがいた。
「……ノオー?」
そのポケモンとは【じゅひょうポケモン】のユキノオーである。
ユキノオーはマリナを見つけるとそのまま抱えてドシドシと歩き始めた。
そして……
「お帰りなさい、ユキノオー。あれ? その人は確か……」
辿り着いた場所は227号特別クラスが使用している旧校舎。
そこでユキノオーはパートナーである天見 ノドカにマリナを渡した。
その後、マリナを助けたことのお礼として大量の缶詰が227号特別クラスに支給された。
ノドカは停学取消を要求したがそれは叶わなかった。
ちなみにだが、ツボツボでお酒を造ろうとしていたシグレについては既に解放されている。
=にんじゃ・・・ごっこ?=
「先生殿の世界に忍者はいるの~?」
ゲコガシラを連れてシャーレに遊ぶに来てくれた千鳥 ミチルにそう問われた。
彼女は忍者が大好きであり、忍者の良さをキヴォトスに広めようと色々と頑張っている。
「いるよ。ポケモンたちの力を借りて忍者をしている者に何度かあったことがあるよ」
「おぉ~!」
目を輝かせて私の話を聞いているミチル。
言わずとも「もっと話して」と訴えているのが解る。
「小さい子供でも遊びとして忍者ごっこをする者もいてね、木や崖の壁紙で隠れたり砂や雪の中に隠れたりする子供が多かったね」
「おぉ……お? それはごっこ遊びではなく普通の忍者では?」
「……確かにそうだね」
元の世界で忍者を名乗る資格とかあるのだろうか?
今度とある地方の四天王をしている元ジムリーダーの人に聞いてみようと思う。
=これから海に行きます!=
「あ、またニャースが何かを拾ってきてる」
ニャースがセリカに自身が持っていた物を渡す。
「……それは王冠?」
「確かに王冠のようですね」
シロコとアヤネがセリカが手にしている物を見てそれぞれ言う。
「セリカちゃん、それどうするんですか?」
「うーん……この子が持ってくる物って全部先生の世界の物だから先生に後で聞いてみるわ」
ノノミの問にセリカがニャースを見て答える。
そして、セリカはそれを鞄にしまった。
「皆~、準備は出来た?」
「「「「はーい」」」」
ホシノの言葉に四人が返す。
本日アビドス廃校対策委員会はこれから海へと向かうのである。
「それじゃあ……海に出発!」
「「「「おー!」」」」
アビドス生徒たちは教室を出て行く。
セリカの鞄に【おうじゃのしるし】が入ったまま海へと向かうのであった。
=キングの誕生=
海へと到着したアビドス生徒は水着に着替えてそれぞれ遊び始めた。
彼女のたちのポケモンもまた各々海を満喫している。
そんな中、ニャースはセリカの鞄から【おうじゃのしるし】を出してホシノのヤドンの頭に乗せた。
「こらニャース、勝手に私の鞄を開けちゃダメ」
ニャースに気付いたセリカが注意をする。
その声を聞いたホシノがヤドンを見る。
「おや? ヤドン、その冠似合うね~」
「やあ~」
ホシノの言葉にのほほーんと緩んだ顔で応えるヤドン。
すると、今まで潮干狩りをしていたシロコがアヤネとノノミを連れて戻って来た。
「ホシノ先輩、大きな貝を拾った。今日の晩ご飯に一緒に食べよう」
「シロコちゃん、それ多分ポケモンだとおじさん思うな~」
そう、シロコの持っている貝は【にまいがいポケモン】のシェルダーである。
シェルダーはヤドンがいることに気付くと、シロコの手から飛び出してヤドンの頭を殻で挟んだ。
「やあ?」
ヤドンの体が光輝きその姿を変えていく。
そして、光が終息するとヤドンは【おうじゃポケモン】のヤドキングへと進化した。
「……うへぇ~、ヤドンが進化しちゃった」
あまりにも唐突なことだった為、しばらく全員唖然とするのであった。
=少女はまだユメの中=
【と言うことでヤドンがヤドキングに進化したよ~】
そうホシノから報告を貰った。
続けてモモトークにアビドスの皆とポケモンたちの集合写真が送られて来る。
全員とてもいい笑顔だ。
「君もあちらに合流するべきだ……だから早く目覚めるといい」
私は病室で眠っているとある少女にそう告げた。
=レポート20のポケモンとトレーナー=
サクラコ:クレセリア
ノドカ:ユキノオー
ミチル:ゲコガシラ
ホシノ:ヤドキング
サクラコ様はみかづきのいのりを使用できるクレセリアにしました。
ノドカとユキノオーは何となくイメージしたからです。
ミチルのゲコガシラは後々ゲッコウガに進化予定。
そしてホシノのヤドンはヤドキングに進化させました。
では、次回もよろしくお願いします。