ブルアカ×ポケモン   作:クロの騎士

4 / 27
レポート4の時系列はゲーム開発部との出会い~エンジニア部の登場後です。


レポート4

=カイザーの後始末=

 

 カイザーコーポレーションの不正摘発から一週間が経った。

 

「ポケモンの密売……予想通り、やる奴は出て来るよね」

 

 厳密に言えば未遂だが、カイザーコーポレーションはポケモンを捕獲して闇オークションに売りさばこうとしていた。

 現在、リンちゃんと共に彼らから保護したポケモンたちの一覧を整理している最中である。

 

「彼らが何処でどのポケモンを捕まえたかはワルキューレって場所で確認中でいいんだよね?」

 

「ヴァルキューレです」

 

 ヴァルキューレ警察学校……このキヴォトスの警察機関らしい。

 

「本来であれば我々連邦生徒会のみで調査を進めようとしたのですが……その……」

 

「連邦生徒会に裏切り者がいたから仕方ないのね」

 

 私が言うとリンちゃんは申し訳なさそうに顔を下を向く。

 カイザーと裏で繋がっていたのはリンちゃんの知り合いだったらしい。

 アヤネたちアビドスが連邦生徒会に送っていたSOSのメッセージをすべてもみ消していたらしい。

 流石に私宛のメールは握りつぶせなかったようだ。

 

「ポケモンの法律とかないから密売については罪に問えなさそうだな……そう言えば、カイザーの連中がアビドスで掘りだそうとしていたモノの在処はどう?」

 

「はい、位置の特定は完了しております」

 

「ならその地域に監視役数名の配置をお願い」

 

「……掘り起こして回収しなくていいのですか?」

 

「いいよ……どうせ碌なモノじゃないだろうしね」

 

 ちなみに、それが既に使い物にならないことはこの時の私たちは知らないのであった。

 

=モンスターボール=

 

 ミレニアムサイエンススクールのエンジニア部にある物の開発をお願いしていた。

 

「やあ、先生。これが頼まれていた物だよ」

 

 白石 ウタハから受け取ったのはモンスターボールだ。

 私の持っていた物をサンプルに作製して貰ったのである。

 

「他のボールはまだ作成中さ。完成したら報告させて貰うよ」

 

「あぁ、ありがとう」

 

「礼は不要だよ。こちらも異世界の技術を目の前に出来たからね……いや、モノを縮めてボールの中に収納するとは中々面白かったよ」

 

 ウタハを筆頭にエンジニア部の技術力は素晴らしい。

 モンスターボールの開発には一年は掛かると思ったが、まさか一ヶ月で完成させるなんて思いもしなかった。

 

「先生、このボールはこの子たちを捕まえる為の物なんですよね?」

 

 ラルトスを抱えたユウカが問う。

 

「あぁ、そうだよ」

 

「閉じ込めるのは可哀想ではないでしょうか?」

 

 可哀想か……

 ユウカのその言葉は解らなくもないことだ。

 

「確かに閉じ込めるのは可哀想かもしれない……けど、野生のポケモンの中には人に危害を加える危険な存在もいる。このモンスターボールはそういったポケモンから君たち生徒を守る意味もあり、そのポケモンを守る意味もある……もしもユウカの友人がポケモンに襲われたら、君は君の持つその銃をポケモンに向けるだろう?」

 

「……否定は出来ません」

 

「その行為が正しいかそうでないかは置いておこう……ポケモンと生徒の間で戦いが起こらぬようにこれは必要だと考えている」

 

 私はモンスターボールを見る。

 ユウカの言葉である二人の人物のことを思い出した。

 一人はポケモンと心を通わせ人々からすべてのポケモンを解放しようとした少年……

 もう一人は未知なる存在に対して歪んだ愛情を抱いた私の友人……

 少年の方は行方不明だ。

 友人の方は現在カントー地方で療養中と聞く。

 

「まあ、これを使うか否かは君たち生徒自身に任せるよ」

 

 考え方は人それぞれだ。

 どれが正解なのか私には解らないし、もしかすると答えはないのかもしれない。

 

「……ところで先生。そのボールに自爆装置とかはどうかな?」

 

「盗難用にと言うことかい? ……中にいるポケモンが危険だから却下で」

 

「うむ……そうか」

 

 ウタハは少し残念そうにしていた。

 

=機械仕掛けのお姫様=

 

 エンジニア部から今度はゲーム開発部の部室を訪れる。

 

「やあ、みんな元気かね?」

 

「先生いらっしゃい」

 

「こんにちは先生」

 

「あ、野生の先生が現れました!」

 

 モモイ、ミドリ、アリスの順で口を開く。

 

「ユズはロッカーの中かい?」

 

「……は、はい。先生……こんにちは」

 

 ロッカーの中にいるユズが挨拶をする。

 どうやら昔のトラウマで一日の大半をロッカーで過ごしているらしい。

 彼女をこのままにしてはおけないが、流石に熱血先生よろしく部屋の外へ強制的に出すわけにはいかないだろう。

 幸いなことにモモイやミドリと言った良き友人がいるので、少しずつ外に慣れさせて行けばいいと考えている。

 

「姫の様子はどうかな?」

 

「姫ならあちらにいますよ」

 

 アリスが指差す方向にマギアナと言うポケモンがいる。

 モモイとミドリの二人と一緒に訪れたミレニアム自治区郊外の廃墟にて、アリスと共にソウルハートのエネルギーが無い状態で発見した。

 以来、ゲーム開発部にこの子のお世話を頼んでいる。

 

「先生、この子が目覚める方法は見つかった?」

 

 とモモイが問う。

 

「いや、まだだよ。引き続き調べてみるからこの子のことをよろしくね」

 

 マギアナは大昔に天才科学者が作ったとされるじんぞうポケモンである。

 ソウルハートのエネルギーはポケモンの生命エネルギーとされているが、どうやってその生命エネルギーを集めたかの記載は無い。

 もしかすると、多くのポケモンの命を奪うことになるかもしれない……その可能性があるので、モモイたち……特にアリスにはこの件は黙っておこう。

 

(この子たちならマギアナを目覚めさせる奇跡が起こる……そんな気がする)

 

 だから、私は彼女たちにマギアナを任せることにした。

 

=レポート4トレーナーおよびポケモン=

 

ユウカ:ラルトス

アリス:マギアナ

 




この物語の先生が初めてお姫様呼びしたのはマギアナです。
ヴァルキューレをワルキューレと打ち間違えて訂正しようとしましたが、この方がいいと判断しました。
では、次回もよろしくお願いいたします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。