異世界迷宮と斉奏を   作:或香

105 / 187
105 諮問

 満足の行く食事を終え、水甕の中身を入れ替えた後、自分は浴室へと向かう。

 遠志が十分に補充ができたので今日も入浴だ。

 というかもはや毎日入る選択肢しかない。

 

 受けに少々熱めのお湯を作って、シャオクを呼んで洗い物用に桶1杯分を運んでもらった。

 洗剤を使うにしても、水よりはお湯のほうが汚れを落としやすいだろう。

 

 MP回復速度を最大にし、強壮丸の入ったアイテムボックスを埋め、ひたすらに魔法を唱えていく。

 たまにパーティライゼーションを挟みつつ、湯船の水位を上げる作業だ。

 

 7割に届くかというところで、もう入浴しながら魔法を発動すればいいのではないかと思い始める。

 どうせ念じるだけで、髪や体を洗う手は止める必要がないし。

 

 アコルトにタオルと着替えを持ってくるようにお願いして、その間にすのこを並べながらウォーターウォールを発動する。

 湯船に流れ込むお湯の量を見ながらファイヤーウォールを念じ、上着を脱ぎながらもう一度ウォーターウォールだ。

 

 数枚脱いでは次の魔法、パーティライゼーションで強壮丸を使用しながら次の魔法、としているうちにアコルトが戻ってきた。

 シャオクたちはまだ洗い物か……と考えたが、そういえば2人ずつ入ることにしたのだった。

 

 アコルトと2人なのは宿暮らしの時以来か。

 湯桶で手拭いを絞り拭いてもらっていたのが、今では肩までお湯に浸かれるようになり、ベッドも柔らかい布団に枕に快眠だ。

 

 数回流してからアコルトの細い指で髪を洗ってもらいつつ、自分はスポンジで体を擦る。

 丁寧に付け根から毛先まで揉み込まれた後、泡も落としてもらって、今度は背中をお願いする。

 

 その間にもちまちまと魔法を念じて給湯だ。

 作業自体は仕方のないものとしてもういいのだが、クールタイムの時間が面倒すぎる。

 遊び人を得られれば、単純に作業時間が半減するというのが希望の光だ。

 

 

 こちらを洗ってもらったので、次はアコルトの番だ。

 くるっと背中を向けてくれたが、2人だけだからか、なんだかまじまじと見てしまう。

 出会った頃より少しだけ髪も伸びているな。

 

 チョーカーも外しているので、うなじと尻尾の周囲以外は白い柔肌だ。

 自分の淡褐色と見比べたら尚更である。

 

 髪を泡立てている間に、アコルトも自身の身体を洗っている。

 耳のあたりは慎重に、指の腹で撫でるように泡を馴染ませていく。

 流石に中まではしない方がいいだろう。

 自分だって洗髪中に突然、耳の穴に泡ごと指を突っ込まれたら叫ぶかもしれない。

 

 そんな感じで頭を洗い終え、スポンジで背中を擦る。

 腰、細いなぁ。

 まあどこも細いんだけど……あの量を食べた直後なのに、一体どこへ消えているんだろう。

 

 

 流し終えて、湯船へと入る。

 水位もちょうど良さそうなので、後は水受けの方にお湯を溜めておこう。

 

 初めは対面で湯に浸かっていたが、アコルトがそわそわした様子だったので隣に呼んだ。

 招いたこちらの右手を両手で取って、肩を寄せてくる。

 

 

「お嬢様、これからもよろしくお願いします」

 

 

 一番奴隷だとはいいつつも、飛び抜けて優遇していたわけでもなかったし、……食事の量は間違いなくしているけど。

 ミーラスカが増えたことで不安になったのだろうか。

 たしかにあの姉オーラは侮りがたい。

 

 

「うん、ずっと、よろしくね」

 

 

 この時くらいはと抱き寄せて、頭を撫でてあげた。

 

 

 

 

 お風呂を上がった後は、シャオクたちに交代を伝える。

 ハーブティーを淹れて、炭の始末もしてくれていたようだ。

 

 浴室の方は、お湯も足してきたので大丈夫だろう。

 

 翌朝用の桶の水を補充しつつ、飲み物を持って階段をのぼる。

 明日の着替えや荷物の準備をしてくれているアコルトをボーっと見ながら、ベッドに寝転んで明日の予定を決めようか。

 

 ルテドーナかシームの商人ギルドでカルムに会って帰宅を知らせつつ、ダブルスキルのスタッフの相場や実際に売れるかを聞いてみよう。

 売却の目処が立てばそれに合わせて素材を確保して作るし、モノがモノだけに捌き辛いとなれば素直に単一のスキル武器としての依頼になるかな。

 

 ミーラスカに合わせる装備も、それにつけるスキル用のモンスターカードも、結局資金が必要だ。

 彼女が迷宮探索への同行が難しいとなれば、代わりに戦闘できる者がもう1人はいないと、群れの魔物が増える16階層以降は厳しいだろう。

 

 安定した稼ぎ、というかドロップ品売却以外での収入がほしい。

 結晶化促進に最大のポイントを振るのは最優先でレベルを上げたい現状にはそぐわない。

 どうしたものか……。

 

 遊び人まで取得できたら、目指してみるか?

 決闘代理人。

 

 そんな冗談も考えながらゴロゴロしていると、お風呂を終えて2人も戻ってきた。

 川の字というか亖の字というか、ムダに広いベッドに並んで寝る。

 夏の中月はそろそろタオルケットのようなものにしてもいいかもしれない。

 

 うつらうつらと考えているうちに、いつの間にか瞼を閉じ、そのまま寝入ってしまった。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 起きてからは昨日と同じだ。

 のそのそと起き上がるとアコルトに着替えさせてもらい、階段を降りた頃にはミーラスカが戻ってきて、料理中のシャオクに合流する。

 怠けた主人ですまない……、いや主人だからこれでいいのか?

 

 洗濯と洗い物用にお湯を作っておいて、朝食を頂く。

 今日は果物多めでサッパリな感じだ。

 

 そういえば原作でもクレープやら蒸しパンやらは作っていた。

 酪とコボルトスクロースの迷宮素材なら安全そうなクリームも作れそうだが、やはりスイーツは冷えていてほしいし、氷魔法の使える魔道士への道はまだまだ長い。

 生地と果物を一緒に食べるくらいなら材料が揃えばできそうだから、今度やってみようかな。

 

 

 片付けを手伝った後、アコルトに髪をセットしてもらう。

 今日はリボンでタイトに仕上げてヘアカフで留めたローポニーだ。

 

 迷宮ではなく商人ギルドに行く予定なので、あまり早すぎてもと思い、外に出てみる。

 そういえば畑はどうなっているんだろう。

 

 玄関から脇にそれてハーブを植えたところまで来ると、思っていたより成長していた。

 植えたのは……5日前か?

 多少芽が出る程度かと考えていたが、すでに5cm程度には伸びているものもある。

 

 やはりこの世界では成長が早いのだろうか。

 教会でハーブを育てることもあったというミーラスカによれば、早い種類のものはもう7,8日くらいで料理に使えそうとのことだ。

 結構お手軽なんだな。

 まぁ同じ種類の香草は料理用にすでに買ってあるのだが……。

 

 

 そんなこんなで、そろそろ商人ギルドへ向かっても良さそうな時間になる。

 昼食を外食にするにしたってワープで迎えに来ればいいだけだし、全員で行く必要はないか。

 

 昨日と同じで洗濯物を2人に頼み、アコルトを連れてルテドーナの冒険者ギルドへと移動した。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 冒険者ギルドから商人ギルドへと進み、そのまま受付へと向かう。

 たしか呼び出していなければ言伝をしろって話だったか。

 

 

「すみません。

 シームのスズシロ・ミツキと申します。

 こちらに所属されている、仲買人のカルム殿……カルム・クラストン殿はいらっしゃいますか?」

「少々お待ち下さい、確認いたします」

 

「……ミツキ殿!」

 

 

 回答を貰う前に後ろから呼ぶ声が掛かったので振り返ると、カルムがこちらを見つけて近づいてきたようだった。

 受付もその様子に頷き、サッと商談室の鍵のついた利用プレートをカルムに手渡していた。

 大きな街の受付だけあってしごできお姉さんだ。

 

 

「お戻りになられたようで安心致しました。

 フェルス様もご依頼の件でお待ちでしたので……、ではこちらの商談室で」

 

 

 扉を開けてエスコートしてくれたので、アコルトとともに入室した。

 アコルトが飲み物の用意に移ると、それを見たカルムが軽く会釈をして向かい側のソファの前に立った。

 改めてこちら2人に挨拶し、こちらはシャオクは自宅で待たせていると伝える。

 

 先に座らせてもらったところに、アコルトがカップを運んできてハーブティーを注ぐ。

 

 

「しばらくはまたご在宅になられるということでしょうか?」

「はい、日中は不在なこともあるかと思いますが、夕方には戻るのでお手紙を頂けば当日中にお読みすることができると思います」

 

「なるほど、助かります。

 私からは2点ほどご連絡がございます。

 1つは、以前ご依頼頂いたジョブの情報の件ですね。

 進展があったそうですので、フェルス様がご報告も兼ねてお食事にご招待をされたいとのことです」

 

 

 そんなことだろうと思った。

 森林保護官の上のジョブの名前程度なら、すぐに資料に行き着いたのだろう。

 あとは一般人である自分に内容をどこまで公開するかの話で、その報告よりも食事会というか交流がメインなんだろうな。

 

 

「今回は、ミツキ殿お一人でお願いしたいそうです。

 フェルス様と私、それに護衛の騎士ということで前回のような会合ですが、より少人数でとなりました」

 

 

 え、1人……?

 秘匿的な内容に触れるのだろうか。

 2回目が、それも少人数での面会が許されているのだから、悪い意味ではないのだろうが結構心細いぞ。

 

 だからといって、お願いした側のこちらがその返答の招きを断ることはできない。

 フェルスだってアコルトたちは好印象だったはずだ。

 人数を指定するのは話す内容か、領主家の意向かだろう。

 

 

「今のところは予定もないので、フェルス様のご都合で日程をお決めいただければと思います」

「ありがとうございます。

 これより日程の検討を致しますので、……早くても数日後か、それ以降となるでしょう。

 ご自宅の方に招待状をお送りいたします」

 

 

 さすがに帰宅報告をして今日明日とはならなくてよかった。

 アコルトは顔には出していないが、耳が忙しなく動いている。

 ちょっと不満そうだな。

 

 

「2点目はご依頼頂いていたオークションの件です。

 依頼分の蟻のモンスターカードが1枚、潅木が3枚、コボルトのカードが6枚、全て入手致しました」

「ありがとうございます!」

 

 

 5日空けていたら、3種類はすべて揃えてくれているとは。

 麻痺耐性を3人分につけられるのはありがたい。

 毒耐性も所持分と合わせて2人につけられる。

 

 これなら、ロートルトロールやビッチバタフライの階層でも戦っていけるかもしれない。

 まぁ、ミーラスカが盾持ちになれれば、であるが。

 

 

「それと……大盾の出品が告知されました」

 

 

 このタイミングでか!

 ミーラスカの代金を支払ったので、確実に足りない。

 

 

「以前に鋼鉄の大盾の取引価格を申し上げましたが、今回はダマスカス鋼製だとのことです。

 過去の取引例を確認致しましたところ、40万ナールは超えてくるようでした」

 

 

 ううーん、高い。

 それより上がオリハルコン?だとするならば、ダマスカス鋼ならほぼ最終装備みたいなものになるだろうしな。

 

 

「ちなみにいつ頃でしょうか?」

「夏の上月30日、9日後の大オークションですね。

 少々告知期間が短いようでしたが、もともと出品も少ない装備ですので、落札を狙う者はミツキ殿のように出品情報を集めさせているでしょう」

 

 

 ミーラスカが戦闘にでなくても、シャオクが大盾を持てるので無駄にはならないだろう。

 手に入れておくならここしかない気もする。

 資金が足りれば、だが。

 

 

「その、カルム殿に確認したいことがありまして……」

「なんでしょうか?」

 

「スキルが2つ付いた装備ってオークションに出ることはありますか?」

「……あるかないかと問われましたら、一応はございます。

 事故といいますか、複数品のモンスターカード融合の際に鍛冶師が素材を取り違えて、すでにスキルが付与された装備に再度融合してしまった際に出来ることがあります。

 武器や防具の鑑定で分かる名称は1つ目のスキルのものと変わりませんが、ギルド神殿の鑑定結果で付与されたスキルの名称はそれぞれ表示されると聞きます」

 

 

 天然モノもあるっちゃあるのか。

 自分はスキルスロットの数を確認できるから失敗はないんだけど。

 

 

「やっぱり、相当な高額になってしまうんですよね?」

「そうですね。

 カード融合自体の成功が少ないものですので、すでに成功した装備を元にその先を狙って作成することは、損失のリスクを許容できる場合に限ります。

 そこまでして作成したものを出品ということはまずありませんので、先程申し上げたように偶然出来てしまったものが極稀に競売にかけられる、ということになります。

 通常のスキル装備がそもそも高額になりますから、スキルが2つとなると桁が変わって白金貨の取引例を見たことがあります」

 

 

 直接見たことはないと言いながらも、貴族であって武器商人だからかそのあたりは詳しく知っているようだ。

 スキル装備に同じスキルを融合した成功例はないらしいとか、疑問であったが試せないことも聞けた。

 

 また、そういった装備の所在はなかなか出てこないのだという。

 装備自体もギルド神殿の鑑定を通さないと2つ目のスキルの存在は確認できないし、保有している者もわざわざ吹聴しないだろう。

 自慢したがるような危機管理能力の低いパーティーでは入手の機会もなく、手に入れたとしても後ろ盾がないなら目をつけられて奪われるだけだ。

 

 有力貴族なら持ってはいるだろうが、パーティーメンバーに入るような信頼できる家臣くらいにしか伝えないのではないだろうか。

 オークションで手に入れれば信用に足る仲買人が間に入るので、推測はされるだろうが明確にどの貴族の持ち物になったかまでは判断できまい。

 公になるとすれば資金繰りに苦労するような際に売り出される時だろうか。

 

 

「例えばその……神籬のミスリルスタッフに、MP吸収のスキルも付いているとどのくらいの相場になりそうですか……?」

「知力2倍にMP吸収……、どちらも強化されたスキルですし、白銀製のスタッフとなると……。

 棒術を扱う魔道士垂涎の代物ですので……白金貨9枚、いえ10枚は超えてくると思われます。

 しかし、やけに具体的ですがまさか」

 

「いや、仮にです!

 仮にそれを出品する場合はどのような流れになるんでしょうか?」

 

 

 慌てて誤魔化す。

 誤魔化せてもいない気がするが。

 

 単純に素材の10倍掛けのさらに10倍で白金貨20枚というわけにはいかないか。

 魔法の火力自体は変わっていないのだし、持ち込むMP回復薬が減るといっても後衛が物理攻撃をしなくてはならないのだし。

 そう考えるとデュランダルの、前衛向けに最適化されたまでのスキル構成の優秀さが際立つ。

 

 

「…………失礼致しました、仮に、ですね。

 それほどの商品ですと、先程申し上げた9日後のオークションでは告知期間が足りません。

 帝国各地から落札希望者を集めるためには、早くともその次の中月30日のオークションにした方が確実に価格は上がります。

 多くの者たちに資金を捻出させるには秋季、可能ならば冬季以降が望ましいでしょう」

 

 

 あー、当たり前か。

 簡単に白金貨を10枚動かせるような者はほんの一握りだろう。

 その層にだって、告知が届いて実際に来てくれるまではラグがある。

 

 なにせ有力貴族の家宝クラスのスキル武器だ。

 資金を捻出し、子孫の繁栄を願って狙いに来る人々もいるかもしれない。

 半年後ならなんとか、なんて参加者が増えれば、価格が吊り上がるのは早くなる。

 

 しかし半年か……。

 告知をするにあたって商品は先にないとダメだろうし、減った資金では仲間も装備もすぐに増やせず、そんなに悠長に植物をちまちま狩ってるのはさすがになぁ。

 それにレベルキャップ説が本当にあるのなら、30階層くらいまで上がらないとLv50にはなれないと思うんだよな。

 

 

「半年、ですか」

「ええ、それだけの装備ですので、確実に希望額に乗せるにはそのくらいは見ておきませんと。

 オークション出品でしたら、売却額の2割が引かれてしまうのもお忘れなきようにお願いします」

 

 

 そうだった。

 1000万ナールで売却できても、200万ナールはカルムの手元へと入る。

 自身で手続きできるわけじゃないからそれでも十分っちゃ十分だが、白金貨2枚と考えると確かにいい気はしない。

 最初の説明の取り決め通りなのでそこは覆らない。

 

 それでも800万ナールか。

 800万もあったら、ヤトロクさんに賃料を払いきって、シャオクを鍛冶師ギルドに所属変更させて、皆の装備を更新して、あと2人は仲間を増やして、その装備や家具も揃えて……。

 あれ、それで200万ナールくらいすぐ消えないか?

 白金貨を得たら将来安泰とかいう問題でもない気がしてきた。

 

 

「なんとも難しいものなのですね……」

「いえ、通常でしたら十分に利のある話だとは思いますが……。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 なんか含みのある言い方だな。

 いいのかよ、領主の娘の未来の夫が怪しいことをしてて。

 

 

「……通常でない取引もあるのですか?」

「通常でないといいますか、もう一つの方法ですね。

 ミツキ殿が以前に惰眠の鋼鉄槍をお預けになったように、私の仲介で直接取引をするやり方です」

 

 

 そういうことか。

 でも、ダブルスキルのミスリルスタッフなんてほぼ存在しない物を募集してる相手なんていたのか?

 

 怪訝そうな顔から悟られたのか、カルムが大きく頷いて言葉を続ける。

 

 

「この場合は()()()()()()()、というのが正しいでしょう。

 装備としては紛れもなく最高峰ですし、資産価値としても非常に高いです。

 私に預けて頂けるようでしたら、手数料は1割で構いません」

「……100万ナール以上に減るのにですか?」

 

「それだけの装備を私がご紹介した実績になりますし、ミツキ殿のご協力も必要になってきますので……」

 

 

 どういうことなのか聞いてみると、目星をつけている売り先はシームラウ家だそうだ。

 フェルスの姉が魔法使いらしくその装備としても使え、不要になったとしても『伯爵家の』希少装備として箔がついて価値も上がるのであちらは損はないだろうとのことだ。

 家臣のパーティーメンバーに貸し出せたりもするだろうしな。

 あるいは皇帝に献上したりでもするのだろうか。

 

 

「ご協力というのは……?」

「そちらは今後シームラウ家にといいますか、シーム領のために定期的に迷宮に入って頂く等のことですね。

 そのお取引の件がなくとも、フェルス様との会合の方で詳しく説明をしてお願いをすることになっておりましたので」

 

 

 迷宮に入って魔物を倒せば、地上に溢れてくることが減るんだったっけか。

 原作でも領内の迷宮に入るように依頼されていた場面があったな。

 一応自分も入っているしな、ラム肉を取りに2階層のボス部屋だけだけど。

 

 フリーの魔法使いが領内にきたから囲い込み……とまではいかないが、協力を取り付けるくらいの話なのだろうか。

 フェルスはむしろ利害関係なく世話を焼きたがりそうなタイプに見えたので、これも家の意向な気もする。

 

 資金面がなんとかなれば、ダマスカス鋼や白銀、聖銀装備に手が出せるし、上の階層にも進める。

 

 

「ちなみに代金ってすぐに頂けたり……、分割でも構わないんですけど……」

「ミツキ殿」

 

「は、はい」

「お持ち、なのですね?」

 

 

 カルムの笑っていない笑顔とアコルトのジト目が痛かった。

 




スズシロ・ミツキ エルフ ♀ 18歳 魔法使いLv29
魔法使いLv29/英雄Lv25/探索者Lv30/僧侶Lv28/森林保護官Lv24/巫女Lv7
(村人5 農夫1 戦士20 剣士9 商人30 錬金術師1 細工師1 薬草採取士30 武器商人1 防具商人1 奴隷商人1 料理人1 盗賊1)


アコルト   兎人族 ♀ 16歳 狩人Lv23

シャオク  ドワーフ ♀ 19歳 鍛冶師Lv20

ミーラスカ  牛人族 ♀ 24歳 探索者Lv10



---
次回は4/24更新の予定です。

25/04/21
本文を一部修正いたしました。
原作では『武器/防具商人の鑑定では、装備の名称しか分からない(スキル判別不可)』となっておりましたので、拙作の独自設定となっております。

本作設定
 武器/防具商人の武器/防具鑑定 → 装備名称(1つ目のスキル由来) + 1つ目のスキル
 ギルド神殿の鑑定       → 装備名称(1つ目のスキル由来) + 各付与スキル
 ボーナススキルの鑑定     → 装備名称(1つ目のスキル由来) + 各付与スキル + 未融合のスキルスロット
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。