異世界迷宮と斉奏を   作:或香

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106 幻

 さすがにボロを出しておいて、そんな希少武器を持っていませんと言うのでは、後々に実は所持していて取引がしたいだなんて虫のいいことはできないだろう。

 半信半疑ながらも捌けそうな手筈を考えてくれているカルムに乗ることにして、偶然作成ができたと認めることにした。

 これから作るんですけどね。

 

 シャオクのアイテムボックスに収納して今は持ってきていないということで、明日シームの商人ギルドで確認することとなった。

 自分もアコルトもアイテムボックス持ちのジョブではないということになっているし、スタッフのような長物を持ち込んでいないことは明らかなので、日を改めるための方便であることはむこうも承知のはずだ。

 話を進めるにも、まずはモノを確認できないことには始まらない。

 

 その上でのことではあるものの、咄嗟に出た代金も分割でいいという言葉も、交渉を進める上で好条件になり得るらしい。

 まず出回ることがないものなので、本物ならば金額が争点だろうとのことだ。

 

 9日後のオークションで大盾を狙いたいので、そこまでには成立させたい。

 こちらとしては元手が20万ナールの素材で白金貨までになるのなら、それが9枚でも10枚でも構わないが一部だけでもなるべく早く確実にほしい。

 作るだけ作って交渉が決裂して、半年寝かせる羽目になるのが一番困る。

 

 

 依頼分モンスターカードの代金を支払おうとして固まった。

 

 これ、今支払ったらミスリルスタッフが買えない。

 完全にタイミングを間違えている。

 自転車操業でやっていい取引じゃなかった。

 

 代理購入だと、すでに取引された商品と代金の引き換えになるためか割引が利かないのが辛い。

 まぁ割引されても足りてないんですけど……。

 

 

「申し訳ありません、カルム様。

 持ち合わせが少々心許ないので、カードの受け渡しは後日にさせて頂けませんか」

「ええ、構いませんよ。

 一度に10枚ものモンスターカードを取引することは、なかなかございませんからね」

 

 

 小分けにしていた巾着袋を確認したアコルトが、そう述べてくれたので事なきを得る。

 危ない危ない。

 

 自分のアイテムボックスでほとんどの金貨、銀貨を管理しているので、アコルトは資金全体を把握してはいないはずだ。

 それでも自分の様子がおかしいと察して助け舟を出してくれたのだろう。

 ここから出た後で撫でてあげよう。

 

 明日の待ち合わせの確認をして、商人ギルドを後にした。 

 

 

 

 ルテドーナの商店街へ向かいながら、隣を歩くアコルトの髪を撫でる。

 

 

「アコ~、助かったよ~。

 買い物があるのにギリギリだったからどうしようかと思っちゃった」

「お役に立てたようで何よりです。

 カルム様でなければ危ないところでした。

 ちゃんと把握しておいてくださいね」

 

 

 頭に乗せた自分の手を掴み、脇に下ろして手を握り直してくる。

 年下に窘められている、もはや妹と認めざるを得ない自分。

 情けない。

 

 でも耳も尻尾も揺れているから嬉しそうなので、セーフにして頂けませんか。

 

 

 武器屋に着き、例の値下げされたミスリルスタッフはというと───

 

 

ミスリルスタッフ(○ ○)

 

 

 ある。

 ちゃんとスロットも2つ空いている。

 

 抱き合わせにするのは……比較的安価な銅の槍でいいか。

 騎士のジョブ条件もクリアしておきたいし。

 こちらは、勿体ないが試したら即売却なので適当に選ぶ。

 

 3割引をつけ、無事購入して物陰でアイテムボックスへと収納した。

 

 これで残り資金が金貨1枚と銀貨がジャラジャラ、あとはアイテムボックスへ入れられない銅貨がたくさん。

 全部足しても2万ナールはないだろう。

 計画性が終わっている。

 

 午後は結晶化促進でどれくらい稼げるか確認するかなぁ。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 ルテドーナの商店街からシームの自宅へと帰ってきた。

 

 洗濯も終えて、布団を干していた2人に迎えられる。

 

 

「ただいま~。

 ちょっと大口の取引ができそうだから、シャオ、またカード融合をお願いできる?」

「おかえりなさい!

 はい、今回はなんでしょうか?」

 

「えっと、山羊とコボルトのセットと……、挟式とコボルトのセット。

 融合元は…………はい、このミスリルスタッフでお願い!」

 

 

 アイテムボックスから順々に机に並べていき、最後に武器を手渡す。

 

 

「ミ、ミスリル製ですか。

 そこにスキルを2つって、かなり高額になりそうですが……」

「うん。

 でもスロットもちゃんと空いてるし、使うスキルは一緒だから、あんまり気負わずにやってもらえたら助かるよ」

 

 

 一呼吸置いて、確かに……と納得してくれた様子でシャオクがモンスターカード融合を発動する。

 強く発光した後、カードが1セット消えて静まった。

 続けてもう1度眩しく光ると、シャオクの握った杖を残すのみとなった。

 

 取り出しておいた強壮丸を渡しつつ、鑑定を念じる。

 

 

神籬のミスリルスタッフ(知力2倍 MP吸収)

 

 

 今回も無事、スキル付与が成功した。

 スキル自体に成功率とかがない仕様は本当にいいな。

 

 

「お疲れ様、ありがとう!」

「いえ、こんなに鍛冶師のスキルを使えることもなかなかないと思います」

 

「取引が無事に終われば、しばらくはお金に困ることはなさそうだし、シャオのおかげだよ」

「そんなにすごい取引なんですか?」

 

「まだ話を通してもらってる段階だけど、白金貨が」

「白金貨!?」

 

「な、何枚か……らしいけど」

「何枚もですか!?」

 

 

 泡を食ったように動揺し始めるシャオク。

 10枚近くとかは言わないほうがよさそうだ。

 

 

「ほ、ほら!

 上手くいけばシャオがシームの鍛冶師ギルドに所属できるし、みんなのもっと生活も楽になるから、ね!」

「そ、そうですね!」

 

 

 布団を干し終えたミーラスカが入ってきたが、シャオクの様子に首をひねっていた。

 慌てる様子も見てみたいが、取引を終えてちゃんと資金になってから落ち着いて説明しよう……。

 

 

 

 早めの昼食を済ませ、迷宮へと向かうことにする。

 ミーラスカはまたお留守番だ。

 流石にもう掃除するところがなくなってきただろうから、のんびりと休んでいてほしい。

 

 ボーナスポイントの割振りは、結晶化促進へと偏重した。

 

 

スズシロ・ミツキ エルフ ♀ 18歳 魔法使いLv29

魔法使いLv29/英雄Lv25/探索者Lv30/僧侶Lv28/森林保護官Lv24/巫女Lv7

 キャラクター再設定   1 鑑定           1

 ワープ         1 詠唱省略         3

 6thジョブ      31 獲得経験値3倍      7

 結晶化促進64倍   63 MP回復速度5倍    15

 パーティー項目解放   1 パーティライゼーション  1

 知力          3

                       (残0/127pt)

 

 

 3倍のみでは経験値も微々たるものだろうし、戦士ではなくMPと知力補正のある巫女のジョブを採用した。

 これで昼からの半日の成果を確認してみよう。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 今日も今日とてカルメリガの13階層だ。

 今回はミノは避けきって、火属性弱点のサラセニアとフライトラップを可能な限り倒す。

 

 リュックに入れっぱなしだった魔結晶は、まだ青色のままだ。

 ボーナスポイントが余っているときに2倍やら4倍をつけてはいたが、なかなか1万匹分には届かなかったのだろう。

 

 いや、それでも遅くないか?

 検証をしていたときにでも、他の青魔結晶と入れ替わってしまっているのかもしれない。

 

 

 3つ目の群れを、狩り始めて9体目になる魔物をファイヤーストームで煙に変えた時、魔結晶が緑色へと変化した。

 なんだ、あと少しだったのか。

 これで1万ナール、割増をつけて1万3000ナール。

 この調子でどんどん増やしていきたい。

 

 

 魔結晶を入れ替えて、狩りを再開する。

 

 この階層では魔物1体2魔力だと検証した覚えがある。

 80体ほど狩れば黒魔結晶から緑魔結晶になるなんて計算も、前にした気がするな。

 休憩も挟みつつ無理をしすぎない範囲で、附子と遠志をアイテムボックスへと回収していく。

 

 巫女のジョブを設定したことでMPが上昇しているからか、ルーティンと同じ回数を放っても気力の落ち込みの感覚が少しだけ緩やかな気がする。

 プラシーボ効果なのかもしれないが。

 

 狩り始めてからのドロップ品が合わせて3列を埋める頃、入れ替えた魔結晶が緑色へと変化した。

 これで2つ目。

 ドロップ品と共に割増で売却すれば、資金と合わせてモンスターカードの代金はギリギリ確保出来たくらいだろうか。

 それでも生活に不安があるようじゃだめなんだが……。

 

 大人しく夕食まで狩り続けることにしよう。 

 

 

 

 その後は2人に時間を告げられるまで植物たちを焼いて回ったが、さすがに3つ目の魔結晶の色は変わらなかった。

 もう1時間でも追加で回れば緑魔結晶まで持っていけそうな気はするが……、今回はあくまで通常の半日でという検証だ。

 

 買い取りについては、混んでいる今よりは明日の朝でいいだろう。

 どうせ商人ギルドへと向かわなくてはならないので、その時に冒険者ギルドで売却すればいい。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 家に戻ってくると、「おかえりなさいませ」と声が響いてきた。

 ミーラスカは台所の方でスープとハーブティーだけ先に作ってくれていたようだ。

 

 

「ただいま~。

 留守番ありがとね」

「はい、おかえりなさいませ、皆様」

 

 

 特に何事もなかったらしく、掃除なんかもだいたいやりきって休んでいたらしい。

 来たばかりの頃よりも顔色もいいが、手持ち無沙汰だろうか。

 

 考えることはあるにしても、こんな街のはずれの家では暇すぎる気がする。

 自分たちはワープで戻ってこられるのだから、依頼した買い物だけでなく、個人の用事で外出してもらってもいいのだ。

 お願いした料理用のワインは買ってきてくれたが、案の定それ以外のものは購入していない。

 教会勤めや奴隷身分で自由がなかっただろうから、そういう考え自体が浮かばない可能性もあるが。

 

 

 夕食はどうしようか。

 偶にはあっさりしたものが食べたい気もする。

 

 ラム肉を薄切りにし、鍋に水を入れて火にかける。

 お湯が沸いたら、洗った野菜を湯がいてから水を張ったボウルに取り、水分を絞ってから別のまな板で細切りにした。

 (かさ)が減ったので追加で野菜を足す。

 

 野菜が終わったら肉だ。

 面倒なので同じお湯でいいか。

 沸いた鍋の中にラムを投入し、編み棒……菜箸でくっつかないように湯の中を踊らせる。

 

 さすがに迷宮産といえど生肉は怖いのでしっかりと色が変わってくるまでしっかりと茹で、パスタのときのように編み籠へとあけて、これまたボウルで水にさらした。

 茹でラムだ。

 

 そちらの作業をミーラスカたちに任せている間に、小さい鍋に魚醤と砂糖、少量のワインを入れて火にかける。

 砂糖が溶け、アルコールも飛んだくらいで火から外して粗熱を取り、オリーブオイルと酢を足してよく混ぜる。

 それっぽいドレッシングも出来た。

 酸味が強くなりすぎないようにした甘めの味にしてある。

 

 スープを温めつつ、また溶き卵をいれてタマゴスープにして、パンとともにテーブルへと運んだ。

 肉料理の方も小分けにしてドレッシングをかけ、食卓に並べる。

 使われている肉の量がいつもと同じなので、かなり肉の割合が多いが、まあいいか。

 スープとハーブティーも配って、皆席についたので食べ始めた。

 

 脂も落ちて、さっぱりしていて食べやすい。

 若干パサついた感じがあるが、火の通りばかりを気にして茹ですぎてしまったか。

 先に茹でてからカットしたほうがよかったか。

 迷宮産食材を使っているからまだいい方……なのか?

 

 どちらかというとドレッシングの方が好評で、パンにつけてまで食べていたりする。

 サラダにはこれを使って、肉は焼いたり炒めたりした方がいいか。

 飽きるかなと思って調理法を変えてみたが、似たような料理が続いても気にはならないそうだ。

 

 パンではなく、うどんなんかと一緒につゆに入っていればよかったか。

 それか水分が問題ということなら、面倒臭がらずに蒸したらよかったのかもしれない。

 蒸籠(せいろ)みたいなものを探すか。

 

 

 食事を終えれば、入浴である。

 が、そのためには自分は給湯器にならなくてはいけない。

 

 今後は調理を任せて、その間に少しでも湯を溜めていた方がいい気がする。

 食べたい料理や食材があったときに手本として見せ、あとは主人らしく仕事を任せていた方がよさそうだ。

 その裏でボイラーをすることになるわけだが。

 

 汗だくになりながらお湯を作り、半量を超えたくらいで中座してアコルトに声を掛けに浴室の出口へ向かう。

 室内用のサンダルを履き直して扉を開こうとしたところで、すでに着替えとタオルを持ってきていたアコルトと鉢合わせた。

 相変わらず仕事が早い。

 

 そのまま引き返して入浴しながら給湯することにして、服を脱ぎつつ洗い場へと向かった。

 

 ほぼ毎回石鹸で洗っているが、髪は傷んでいるような気配はなさそうだ。

 酪のおかげなのか、オイルもシェルパウダーも迷宮素材ばかりだから品質底上げなのか知らないが、相変わらず不思議パワーに溢れている。

 食器洗いにも洗濯にも使っているが、ミーラスカも手肌が荒れにくいように感じると言っていた。

 ちょこちょこ皆にはこっそり手当てをかけているからかもしれないが、体に害がなさそうならいいに越したことはない。

 

 髪も体も洗い終えて、湯に浸かろうとして考える。

 

 何も、完全に入浴が終わるまで2人を待たせている必要はないんじゃなかろうか。

 狭いとはいえど一応全員で湯船に入ることは出来たんだし、時間差で入り始めればいいのでは?

 結局寝室の蝋燭を消すのは全員が揃ってからだし、冬場になれば竈の炭も片付けてしまって寒いのに、長時間待たせるのはかわいそうだ。

 

 体を洗い終えた頃に入ってきてもらえば、ちょうど場所も空くしお湯に浸かる時間もずらせるし、それがよさそうな気がする。

 お湯の温度調整もしやすいので、自分が寝室に行った後にぬるくなるのもそこまで考えなくてもいいだろう。

 

 というわけですのこの上を歩いて入口まで向かい、扉から顔だけ出してシャオクたちを呼んだ。

 

 

「───ってことで、明日は台所の片付けが終わったらタオルと着替えを持って入りに来ていいからね」

「わかりました!」

 

「承知致しました」

 

 

 魔法での給湯を続けつつ湯船へと足を踏み入れて、腰を落としてそのまま肩まで浸かる。

 アコルトがススッと寄ってきて、隣に座った。

 2人が湯船からお湯を掬うには邪魔になりそうな位置だったからな。

 

 序列、というほどのものは設けていないが、シャオクの髪をミーラスカが洗っている。

 後ろから見るとなんだか親子……のように見えるが、5歳しか離れていないし、この中では年長組なのだ。

 自分の場合はインテリジェンスカード記載の年齢で言ったら、という話ではあるが。

 

 交代して順番に洗っていく様子を見ているが、それにしても体格の対比がすごい。

 あのボリュームだと戦闘の際に大変なのではと思ったが、鎧を着て盾を持って不動であれば大丈夫だろうか。

 竜騎士のジョブにはダメージ軽減があったはずだが、ミーラスカはそれを補って装備にスキルをつけてやらなければならないな。

 

 えーっと、スライムのモンスターカードだったっけ。

 そのあたりは取引がうまくいった後に考えるか。

 あの価格も確約な訳ではないしな。

 

 ボーっと考え事をしているうちに、体を流した2人とも近づいてきていた。

 シャオクが湯船に入り、次いでミーラスカが申し訳無さそうにしていたので招き入れる。

 お湯がたくさん溢れたが、補充分は十分に溜めてあるので大丈夫だ。

 

 体積の暴力の余波で沈みかけたシャオクを踏み台に座らせ、皆で湯に溶けるように温まった。

 しなだれてきたアコルトの顔もだいぶ火照ってきたので、お先にあがることにする。

 

 タオルで体を拭いて肌着を身に着け、後をよろしくと伝えて2階へと向かう。

 テーブルにはミーラスカが作ってくれておいたハーブティーがあったので、それぞれのコップを持って寝室へと上がった。

 

 窓からの風が心地良い。

 アコルトの顔色も落ち着いたようで、以前のようにのぼせた感じではなさそうだ。

 

 

「明日さぁ、商人ギルドに行くのにシャオクも来てもらった方がいいよね」

「はい、希少な装備ということになりますから、アイテムボックスのある探索者として同行した方がよろしいでしょう。

 ミラさんもこの際、カルム様にご挨拶だけさせた方がよろしいかもしれません」

 

 

 あー、そうかも。

 どこかのタイミングで伝言や使いが来た時に、背の高い女性がいたとだけあちらに伝われば、それは誰だったのだという話になるだろう。

 そう考えると、ヤトロクたちにも顔見せだけしておくべきだろうか。

 

 ならば朝から商店街の店で食事を済ませつつ、宿と隣の不動産に顔を出してから冒険者ギルドへと向かうか。

 その後に商人ギルドへと向かえば、カルムとの待ち合わせの時間にもちょうどよくなりそうだ。

 

 髪を乾かしてアコルトが櫛で梳いてくれている間に、飲み物を持ったシャオクたちも上がってきた。

 先程の予定を伝え、朝のパンや調理の用意はしなくていいと指示をする。

 ちょっとのんびり目に寝ていて大丈夫だとも伝えたが、自分はいつもそうさせてもらっているのでちょっと申し訳ない気分にもなった。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 こういう日に限って早く目覚める。

 まだ薄暗いからか、近くに皆の体温を感じられるようなので、誰も起き出してはいないようだ。

 

 近くに感じるというか右腕に絡みついているのは……アコルトか。

 痺れてはいないからまあいいか、と思いながら一応自分に手当てを念じた。

 

 すると反対側は……と首を捩ろうとして後頭部に柔らかい感触を受ける。

 

 慌てて首を戻し、そっと頭の先を見るとミーラスカの顔があった。

 というか触れた時に吐息が漏れていた。

 端に見えるベッドボードから、自分がかなりミーラスカ側に突っ込んだ位置にきていることが分かる。

 

 ということはつまり先程のは……。

 うん、まあいいだろう、自分だって女の子だし。

 同じようなものがついているし。

 

 触れてみたいというのも形状への純粋な興味からであってこの身にはそういった邪な感情は湧いてくる感じではなく元の男性的な思考に引っ張られているだけというかただその

 

 

「ふぁ……ぉはようございまひゅ……」

 

 

 アコルトが目を瞑ったままこちらを向いて挨拶した。

 もぞもぞしたから起き出したのか!?

 

 

「………………お、おはよう」

「……ふふ。

 おじょうひゃま……」

 

 

 それだけ言うと腕を掴む力を強めて、抱きしめるようにしてまた寝息を立て始める。

 

 えー!

 寝ぼけているだけですか!?

 

 頭はミーラスカを刺激しそうで動けないし、腕はアコルトに締め付けられて動かせないし。

 シャオク、助けて!

 

 

 声もあげられぬまままひたすら耐えていると、いつしか自分も再び寝入ってしまっていた。

 気がつくと皆起き出していてベッドにはおらず、なぜか自分は夜に寝始めた時と同じように、ベッドの中央にまっすぐの体勢で目を覚ましていた。

 

 こっ、怖い。

 もしかして、……夢?

 




スズシロ・ミツキ エルフ ♀ 18歳 魔法使いLv29
魔法使いLv29/英雄Lv25/探索者Lv30/僧侶Lv28/森林保護官Lv24/巫女Lv8
(村人5 農夫1 戦士20 剣士9 商人30 錬金術師1 細工師1 薬草採取士30 武器商人1 防具商人1 奴隷商人1 料理人1 盗賊1)


アコルト   兎人族 ♀ 16歳 狩人Lv23

シャオク  ドワーフ ♀ 19歳 鍛冶師Lv20

ミーラスカ  牛人族 ♀ 24歳 探索者Lv10



所持モンスターカード
・蟻         1
・山羊      1→0
・挟式食中植物  1→0
・コボルト    2→0

製造物
・神籬のミスリルスタッフ(知力2倍 MP吸収)



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次回は4/28更新の予定です。

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