向かいの武器屋へと向かい、槍とダガーを見繕う。
ダマスカススピア(○ ○ ○ ○)
スチールダガー(○ ○ ○)
選んだのは立てればミーラスカより少し高いくらいの長さのスピアと、一回り大きい果物ナイフくらいのダガーだ。
どちらも在庫の中からスキルスロットの多いものを選んだ。
槍といっても形状によって種類があるらしく、ドワーフでも両手持ちになるようなもっと長さと太さのあるランス等もあった。
それでもシャオクがギリギリ片手でも扱えそうなものにしたのは、盾の運用も考えたからだ。
将来的に中衛に下がれば盾は不要となるが、その場合は戦闘中でも空いた手でアイテムボックスを使って戦況管理に役立てられる。
そのあたりも相談しつつ決めたので、あとは実戦でお試しだな。
スピアの方に必須なのが『詠唱中断』で、後は状態異常でスロットを埋めるくらいだろう。
可能であれば『付与強化』のスキルも付けて、前後で発動率を確かめたくはある。
「───ってことなんだけど、手合わせはできそうかな?」
商館に向かいがてら、シャオクに戦闘奴隷の短期契約の話をしてみる。
「ボクでは人の実力を見るのは難しいと思いますが……」
「そうかなぁ」
シャオク自身は迷宮15階層の経験があるといっても、それは
鑑定で確認できるレベルこそ鍛冶師Lv25まで上がっているが、ステータスの話ではなく技量の面だろう。
ちゃんと見合った武器を持たせれば、そこまで悲観するほどでもないと思うんだけどな。
人型の魔物との交戦はあっても対人戦闘をしたわけではないため、手合わせで相手の能力を測ることは難しいということだ。
相手は魔法などなしに迷宮に潜った者が大半になるだろうし。
「そうなると、迷宮での確認が無難になるかな」
「結局普段は魔物相手に戦うことになりますし、対人だけ強いっていう人もいるかもしれないので、やっぱり戦闘を見るなら迷宮でしょうね」
そっちはそっちで移動やら火力やらが大変だが、所在地と階層を選べば誤魔化せる範囲ではある。
アコルトに冒険者のふりをしてもらって、シャオクに探索者のふりをしてもらえばなんとかなる。
その時だけミーラスカに探索者として居てもらってもいい。
なんにしても、入念に準備を整えてからになるので今日は無理だろう。
商館の世話になるのはまた今度にしようか。
その後は雑貨を買ったり、畑用のハーブの種も買い足した。
料理用のものを買ってくるほうが早いが、リカヴィオラが庭が寂しいと言ったので少しばかり畑を拡張しようかと思う。
といっても畝を数本増やすだけだが。
空きスペースで焚き火でもできるようにしようか。
そういった場合の石材なんかはニカドー親方の方に相談かな。
一通り買い物を終えて帰宅する。
皆で作業をしていると、裏口のドアの隙間にメモが挟まっているのをアコルトが見つけた。
どうやらカルムが例のスチールワンドを捌けたらしいので、可能ならばその売上を受け取りに来られたしということらしい。
依頼中のカードもあと数日あれば揃えられそうだということなので、何日か後にルテドーナの商人ギルドに向かおうか。
明日はカルメリガで一日潰れそうだしな。
列の追加されたハーブ畑が完成し、泥落としも兼ねて先にお風呂へと入ることにした。
お湯づくりの所要時間が短縮されたのは本当にありがたい。
ドレスも依頼するつもりなのでナルザさんのチェックが入ると予想し、リカヴィオラを念入りに洗ったほうがいいと考える。
アコルト先生、出番です。
先にあがって夕食の支度をしていると、皆に続いてしおしおの表情になったリカヴィオラがやってきた。
髪の艶も出てきているようだし、食べている最中に元気も戻ったのでよしとしておこう。
明日はもっと気疲れするだろうから、早めに床につくようにした。
***
いつものように目覚めてから朝食を摂り、ゆっくりと身支度を整える。
工房は朝から動いているだろうが、あんまり早くから向かっても迷惑になりそうだしな。
皆に洗濯を任せ、自分は水の補充とハーブへの水やりを終えて戻ってくる頃には、ちょうど良さそうな時間になった。
一同を集めて別グループになるだろうアコルトたちに昼食代も兼ねたお小遣いを配り、家の鍵をかけてから出発した。
カルメリガの冒険者ギルドへとワープし、まずはガゴレ工房へと向かう。
歩きがてら、ボーナスポイントを力仕事用に振り直すことも忘れない。
以前より増えた分のポイントは体力へと回したので、疲労も軽減される……かもしれない。
ジョブとしては腕力と器用に補正のある賞金稼ぎが増えたが、Lv1なのでそこまで影響はなさそうか。
「おはようございま~す!」
呼びかけに応じるようにドタドタと物音が聞こえ、やはりタルデクが応対に出てきた。
今回はまともな作業期間だったので前回のような反応はされなかったが、後ろに並ぶリカヴィオラに気づいたのかあからさまに顔が青ざめた。
「usedufureonuustufahokonok、ubuojiad」
「iah、ah……」
シャオクがスラク語でなにやら説明したらしい。
自分を引き倒したエルフとそっくりの人物が増えていたので、恐ろしかったのだろうか。
次の依頼品を身につける予定の子だとも伝えたおかげか、幾分か顔色も戻ってきた。
そのまま奥の部屋へと通されて、親方であるガゴレにお目見えだ。
「おぉう、ミツキちゃんか。
依頼品は出来上がっとるぞ、ん?
双子……いや、瞳が違うな、靴で合わせとるが背も少々違うようじゃな」
流石の観察眼だ。
ちゃんと分かる人にこれだけ近づけば、すぐに分かってしまうのだろうか。
もしかしたらガゴレの場合は、細工業の職業病みたいなものかもしれないけど。
「ありがとうございます!
こちらはリカヴィオラと言いまして、特に血縁ではないですがうちに来てもらっています」
「リカヴィオラと申します!」
「ほぉ、じゃあ次はその娘の分を作るのか?
……待て待て、まずは仕上げじゃ。
バングルを出してくれるかの」
左手に装備していたフィンガーバングルを外して預ける。
受け取ってすぐに、ガゴレは机に置かれていた小箱から美しく磨かれた花型のモチーフ取り出すと、器具を使ってリング部分にカチリと取り付けた。
前回は台座部分のみだったが、今回はその上にモチーフが乗った形だ。
フィンガーバングルの指輪部分にはキラリと輝く
返してもらって装備しつつまじまじと見てみると、アコルトたちの装飾品と同じ色だが、花芯に留まった石は少し大きめな気がする。
指輪としても綺麗で、ジュエリーに興味がなかった自分にも、身につけていての嬉しさが込み上げてくるような気がしてきた。
「装備の伸縮が起きても、ミツキちゃんのサイズ程度なら外れんように調整してある。
滅多なことはないが、緩んだり落ちたときには持ち込んでくれ。
あとはこれじゃな」
同じ小箱から取り出したのは、ミーラスカ用のネックレスだ。
一歩前に出たミーラスカが丁重に受け取って、首の後ろで留め具を調整した。
小さな花弁がデコルテに映え、皆と同じ青色の輝きが静かに揺れる。
こちらの宝石のサイズはアコルトたちと同じに見えるので、やはり主人である自分の石のサイズだけ大きめにしてくれたんだろうか。
いかがでしょうかと少し照れた様子のミーラスカに似合っていると告げつつも、こういうときに鏡があればよかったなと思ってしまう。
帝都かどこかで先に買うべきだったな。
こちらの満足な様子にしたり顔のガゴレが、タイミングを見て口を開いた。
「して、その娘の分はどうするんじゃ」
「腕輪を所望致します!」
「このバングル部分に似た感じで、そこにモチーフを付けていただきたいです」
左腕を掲げて、輪の部分を指差して見せた。
「装備品でなくていいのか?」
「はい、装飾品でお願いします」
自分に似せるという意味では同じ装備を与えるという手もあるが、前に相談した通りの普段の作業に支障が出るのはリカヴィオラも困るだろう。
なにより戦闘に出ない、魔法も使わないメンバーに白銀装備はやりすぎである。
アクセサリ枠を使う事も考えたが、身代わりのミサンガとの装着順が逆になってしまったタイミングで、万が一があるとマズい。
そういうことも踏まえると装備外の装飾品で似たような腕輪というのが無難であるし、彼女自身も欲しいと思ったちょうどいいラインだった。
ガゴレの指示で、タルデクがフィンガーバングルと似た色合いと光り方をするブレスレットをいくつか持ってきた。
「これじゃな」
実際にリカヴィオラの腕を通してみて、バングルと見比べたガゴレが1つのブレスレットを手に取る。
金属が違うからか、白銀と比べて結構くすんでいるように見えるが……。
「こいつは磨けばもう少し明るくなるんじゃ。
ミツキちゃんと、この娘の肌の色合いも含めるといい塩梅じゃろ」
自分と比べると、リカヴィオラの肌の方が若干浅黒い。
物自体も並べればこのブレスレットの方が暗く感じるが、自分がフィンガーバングルを、リカヴィオラがブレスレットをそれぞれ身につけた状態で見れば、対比の印象としてはほぼ一緒に見えてきた。
こういう細かい色彩の感覚も鋭いのが本職の工房主たる所以か。
任せておけば大丈夫という安心感が心強い。
「しかしこちらは些か幅があるようでございますが……」
「磨く時に揃えればええじゃろ。
フィンガーバングルはもう一つあるし見本には困らんしの」
その作業は自分じゃないからと楽観しているガゴレと、またしても仕事が増えた何も知らないタルデク。
「じゃあミツキちゃんは花型の切り出しにいくかの!
前と同じでナルザちゃんの所とに分かれるんじゃろ?」
「あ、はい。
アコ、またナルザさんの方をお願いできる?」
「かしこまりました」
アコルトが前回の分の受取と今回の依頼のために、ミーラスカとリカヴィオラを連れて移動する。
こちらも同じようにシャオクに残ってもらって、ガゴレを追って作業部屋へと向かった。
***
1人分だったのもあって切り出し加工の作業はスムーズに終わった。
上達していると褒められたが、多分レベルアップによって腕力や器用の補正が上がったからだと思う。
手応え自体はそんなに変わらない。
磨く作業が時間がかかるかもしれないとのことなので、今回も5日後を目処にということでお願いした。
どうせドレスにも同じだけ時間がかかるだろうしな。
ドワーフの言葉は分からなかったが、これを同じ幅になるまで磨けというニュアンスで指示を受けていた様子は、タルデクの反応から大体察した。
たぶんその作業分もあって1万2000ナールだったのだろう。
聞き取れていたであろうシャオクもそっと流したので、礼をして工房を後にした。
「今回も買っていったほうがいい……よね?」
何のことかといえば、露店の串焼きのことだ。
この前は買いすぎてしまった分を差し入れとしてナルザたち従業員に配ったわけだが、今回は工房での作業時間も短かったので昼過ぎ程度の時間帯だ。
先程シャオクとも飲食店で遅めの昼食をとった後だし、自分たちの分には食指が動かない。
従業員たちも同じだった場合はどうしよう。
「でもアコさんなら残さず食べてくれそうな気がします」
…………そうだね。
じゃあ買っていくか。
人数を思い出しつつ、露店で1人1本と少し余るように包んでもらう。
ブティックの裏手を目指して進む。
裏口が見える所まで来たが……、今日は誰も外に出ていないな。
ドアをノックしてみると、少ししてから内側から開いた。
「はい~?
あ、来られましたね」
前にも対応してくれた従業員の一人だ。
アコルトから自分たちが後から来るのだと伝えられていたらしい。
「どうぞ中に……っとと、今回もお持ちくださったんですね!
呼んできますのでお待ち下さい」
差し入れの匂いで気づいたのか、後ろのシャオクが抱える包みを確認してすぐに引っ込んでしまった。
「悪いわね~、ミツキさん。
来る度にもらっちゃって」
ナルザを始めゾロゾロと現れた人を数えてみれば前回とほぼ一緒で、結局皆食べに出てきたようである。
用意してきた本数は行き渡って、ついでにアコルトたち3人も食べている。
消失マジックのように瞬時に串だけにした黒うさぎ様に聞いてみるが、こちらのブティックに来てから昼前に一時離脱して食事にはちゃんと行ったらしい。
従業員たちも交代で昼食は取り終わっているそうだ。
それでも1,2時間空けばつまみたくなる魅力の肉串なんだろう。
人が食べている姿を見ていると、自分もシャオクも食べたくなってきている気もしてくる。
帰りがけに寄ろうかと声を掛けると、アコルトの短く立った耳が同意するように上下した。
手洗いやゴミの処理をして、作業部屋へと入れてもらう。
奥のトルソーには赤色の生地が掛けられていた。
「アコルトちゃんから既にあるミツキさんの青のドレスと対になるようにってご指定だったから、全体のデザインは似た感じにするつもりよ」
そんなご注文してたの。
リカヴィオラは試着用の簡素なドレスでも着られることに大喜びだったそうで、他はお任せしたらしい。
従業員にミーラスカが連れて行かれたが、完成したドレスの着用だろうか。
一緒に注文させられ……注文することになった自分の方は、じっくり作ってもらっているようなので受取は今日ではない。
最終的に管理してもらうのもアコルトになるだろうし、もうそちらはナルザさんとアコルトにお任せだ。
着る機会なんてほぼないだろうし、いくらフェルスだってそれを着そうなフォーマルな場には自分を呼ぶことはないだろう。
気に入られてはいるが、所詮住人の1人なだけであるし。
「主様……」
声に振り返ると、淡い藤色のドレスを着たミーラスカが立っていた。
ショールを羽織って、開けた肩口を覆ってはいるものの、その下に
ネックレスのモチーフがワンポイントになっているが、視線を誘導しきれないということだ。
ドレス自体のデザインはシンプルだが、メリハリのある体のラインを綺麗に見せている。
どうだと言わんばかりの表情をしたナルザに感謝を述べつつ、ふと考える。
これ、自分の方はもっと際どいデザインじゃないだろうな……?
こちらは皆のドレスに合わせて予算も抑えめで、生地の種類や装飾が少ない分デザインの技術で作られている。
高級な方ならばそのあたりは自由にできる部分も多いわけで、後はナルザとアコルトの良心にかかっているのだ。
貞淑で、落ち着いたものでお願いします、どうか、どうか。
本来の目的というかリカヴィオラの赤いドレスは、また5日ほど日数をもらうという話だ。
自分の新ドレスの方はいくらでも先延ばしにしてくれて構わない。
なんなら完成しなくていい。
また5日以上経ってから工房とこちらにそれぞれ取りにくるということにして、代金を納めておいた。
ナルザと従業員たちによくお願いをして、ブティックの作業部屋から退室した。
***
とりあえず自宅へと戻ってきたが、まだ夕方には早い。
かといって遠出するほどの時間はない。
カルムから杖の代金を回収してこようかなぁ。
困っているわけではないが、手元の資金は多いほうがいい。
ついでに持て余している防毒の鋼鉄篭手も預けてしまおうかとも考えたが、人員が増えた際の蟻のカードはまだ確保していないのでやめておこう。
今揃っている分のカードの取引と、ウサギのモンスターカード等の新規募集もお願いしてくるかな。
あとはリカヴィオラの紹介……はダメだな。
フェルスの動向が怖い。
初年度奴隷なので10万ナールをシームラウ家に追加で納めてもらうことになる。
インテリジェンスカードの提示も含めていつかは紹介をしなくてはならないが、穏便に終わる予感がしない。
発覚は遅れたほうがいいよな。
シームラウ家に貢献できる迷宮パーティーならいざ知らず、家事奴隷までわざわざ伯爵令嬢様とその婿殿に紹介する必要はないと思う。
ミーラスカは紹介したけど今は迷宮パーティーだし、リカヴィオラの方は紹介の機会がなかったってことでいいですよね。
そんなわけで取引にアイテムボックスの使っているところを見せられるシャオクと、念の為アコルトだけつれて行ってくるか。
昨日届いたメモを片手に、ルテドーナの商人ギルドまでやってきた。
この時間帯は仕事のまとめをしているのか、人が多い気がする。
誰も彼もが忙しなくしているが、一番忙しそうな対応をしている受付の1つに向かった。
名乗ってカルムの呼び出しをお願いすると、もう完全に覚えられてしまったのか商談室の鍵を渡されてしまった。
中で待つように指示を受け、言われるままに移動する。
茶葉の位置も覚えたアコルトに飲み物を任せつつソファに座っていると、ノックと共にカルムの声が聞こえた。
「お待たせいたしました。
伝令をご覧になられてお越しくださったのでしょうか?」
挨拶をして問いかけに同意したところで、アコルトがハーブティーを淹れる。
自分もカルムも一息ついたところで、報告が始まった。
「まずはお預かりいたしました神籬のスチールワンドの件ですね。
こちらは無事取引を終えましたので、お約束の代金である25万ナールをお渡しいたします」
どれだけの額で捌いたのかが気になったが、高くても安くてもこちらには関係ないので聞かないことにした。
一応、持ち主である自分が不当に吊り上げたような話にはなっていないということなので、それでいいだろう。
シャオクのアイテムボックスに金貨を仕舞ってもらって、テーブルの上がきれいになる。
「続いてご依頼を受けたモンスターカードの落札ですね。
もう数日あれば揃えられたかと思いますが、本日までの分で精算されていきますか?」
「はい。
また追加でお願いしたい分もあるので、今の分でお願いします」
「かしこまりました」
スライムと鯉が1枚ずつに、コボルトのカードが4枚並べられる。
「こちらが入手分で、それぞれ8100ナールと1万3300ナール。
コボルトはセットと単品で揃えまして、4枚で合計……2万と400ナールでした」
鯉のカードが少し高めだが、まぁ許容範囲だ。
逆にコボルトは安いところを狙ったのか控えめでありがたい。
「残りの依頼分はスライムのカードがもう1枚と、鯉のカードがもう2枚となります。
追加依頼もお聞きして、まとめてのお支払いで構いませんか?」
「それでお願いします。
えっと……」
シャオクの槍につける『詠唱中断』用のウサギのモンスターカード。
今は予備が1枚あるが、武器の付与も考えると必要な麻痺の潅木のカード。
スロット的にもう1種の状態異常をつけるなら石化の珊瑚のカード。
今後必須になってきそうな『回復強化』の薬草のカードもか。
そして効果を検証したい魚のモンスターカード。
あとはそれらの強化に使うコボルトのカードだ。
潅木はラブシュラブ系統なのでシームの15階層でドロップする可能性もあるが、今までで通算数枚しかドロップしていないのに、希望のカードが都合良く落ちることはないだろう。
頼んでおく方が無難だ。
「まとめますと、ウサギと潅木、珊瑚に薬草が魚が1枚ずつ。
それに伴ってコボルトが5枚ということでしょうか?」
「やっぱり、魚は2枚でお願いします!」
「コボルトもさらにもう1枚必要でしょうか?」
「はい、それで全部です」
「12枚の依頼と落札代金を合わせまして、4万7800ナールとなります。
しかしまた魚のカードなどとは特異なものをお求めに……」
「いつもカード融合をお願いしている鍛冶師の方が、色々試してみたいことがあると仰っていたので……」
嘘である。
シャオクが目を見開いてこっちを見ているが、君はカード融合などしていないんだ、いいね?
移動だけ手伝って姿を見せない冒険者もそうだが、謎の鍛冶師の存在も匂わせておく。
カルムが確認できているのは取引に関わったスキル装備だけなので、成功率など分かるはずもない。
同じモンスターカードを異様な枚数で募集しているので、熱心にカード融合を試していることは窺い知れても、それがすべて成功してるとは考えられないだろう。
彼が仲買人であるからこそ、モンスターカード融合の成功率の低さを理解しているからだ。
シャオクが鍛冶師になれたと公表した後の扱いが面倒だが、どこか別の街でも取引先を探したほうがいいかなぁ。
オークション会場がフウルバリと帝都にもあるようだが、そっちで仲買人を探すという手もありか。
カルメリガは論外だ。
できればザノフの情報網の外で探したいが、どこまで遠ざかればいいか分からないしな。
ま、今考えてもしょうがないので、じっくり検討する機会を設けよう。
ある程度枚数が確保できたら伝令をもらえるようにお願いし、商談室の鍵をカルムに預けて商人ギルドを後にした。
スズシロ・ミツキ エルフ ♀ 18歳 魔法使いLv36
魔法使いLv36/英雄Lv32/探索者Lv37/森林保護官Lv32/巫女Lv30/遊び人Lv1
(村人5 農夫1 戦士30 剣士9 僧侶30 商人30 錬金術師1 細工師1 薬草採取士30 賞金稼ぎ1 騎士1 暗殺者1 武器商人1 防具商人1 奴隷商人1 料理人1 盗賊24)
アコルト 兎人族 ♀ 16歳 狩人Lv27
シャオク ドワーフ ♀ 19歳 鍛冶師Lv25
カトラス(○) → ダマスカススピア(○ ○ ○ ○)
ミーラスカ 牛人族 ♀ 24歳 巫女Lv20
リカヴィオラ エルフ ♀ 15歳 探索者Lv17
武器未装備 → スチールダガー(○ ○ ○)
所持モンスターカード
・潅木 1
・壷式食虫植物 1
・牛 1
・竜 1
・大木 1
・鳥 1
・コボルト 2→6
・スライム 0→1
・鯉 0→1
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次回は7/31更新の予定です。
(訳)
「usedufureonuustufahokonok、ubuojiad」
(大丈夫、この子は普通のエルフです)
「iah、ah……」
(は、はい……)