異世界迷宮と斉奏を   作:或香

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181 破魔

 翌日、朝食を取りながらシームの迷宮25階層へ向かうことを提案すると、皆二つ返事で了承してくれた。

 

 通えば通うだけ、牛肉が振る舞われる回数が増えるのだ。

 赤身に白身と、食卓へ上る回数増えてきた魚が嫌いな訳ではないが、やはり肉の方が好きなんだろう。

 

 待機部屋への到達、可能であれば25階層の突破を目標に、本日も頑張っていこう。

 

 

 

 モロクタウルスのみの群れは、昨日の通りの戦術でほとんど何もさせないままに麻痺や石化で身動きを取らせず処理できる。

 振るった腕や頭の角が、思わぬ強さで叩きつけられることがあっても、その場合はどうするかを予め取り決めておけば、大事に至ることはない。

 

 どちらかというと、出現率の3割程を占めるシザーリザードが問題だ。

 遊び人のスキルには水魔法を設定してモロクタウルスを優先して相手にしているので、同じ群れの中で残るのはどうしたって弱点属性の違うリザードの方だ。

 突進で近寄ってきて、状態異常が掛かりやすいタウルスたちと比べると、自由にさせてしまう時間も多くなる。

 

 水属性に耐性のあるタルタートルはさらに与ダメージが軽減されてしまって最後まで残るのだが、移動は遅いし、麻痺や石化以外で行動を封じられるので脅威度は小さい。

 

 

 モロクタウルス4体、シザーリザード1体なんて群れだと、いくらアコルトだろうと肉弾戦を潜り抜けて鞭を当てに行くことが難しい場面もしばしば出てきた。

 詠唱を中断できない場合は、当然奴らの使った火魔法を被弾する。

 

 防具に付与した『魔法耐性』のおかげで何割かカットされているとはいえ、全体魔法の回避できない熱源を近づけられたような不快感に曝されるのは困りものだ。

 しっかりダメージが通っているという意味でもあるのだし。

 

 皆もおもわず声を漏らす程度には反応があるくらいで、それだけで致命に至るほどのダメージには及ばない感じではある。

 すぐに全体手当てのスキルで回復しているが、攻撃中や防御中に被弾して、それが一手を誤らせて窮地になることだけは避けたい。

 『火耐性』も各々の装備に付与すれば、さらにダメージがカットされるだろうが、モンスターカードが足りないしな。

 

 

 どうにか対策を考えたところで、ひとつ思い当たったことがある。

 

 ───破魔鏡。

 錬金術師のメッキと対になりそうな、細工師のアクティブスキル。

 

 シザーリザードの全体火魔法は十分に耐えられるだけの威力だし、試してみるべきはこのタイミングかもしれない。

 もっと低階層の魔物で検証すべきかもしれないが、そもそも低階層では全体魔法は使ってこないし、威力も低い。

 ()()()()()と自覚できるダメージ量でなければ、効果のほどを確認できないのだ。

 

 何部屋目かの魔物の出ない小部屋へと通路が繋がり、昼前の探索はここまでで切り上げようという話になる。

 待機部屋が見つかればよかったが、そうキリよく事が進むなんてことはない。

 

 

 帰宅前に検証すると声を掛けて、遊び人の設定スキルを初級土魔法に切り替えた。

 

 効果を確認したいスキルがあると伝えて、皆に説明する。

 破魔鏡というスキルを使って、魔法ダメージが軽減できるかを試したいのだ、と。

 

 先ほど二股に分かれた通路でスルーした、シザーリザード2体の群れを利用する。

 残り1ターン分まで土魔法で削り、破魔鏡を全員にかけて全体火魔法を受けてみるという形だ。

 これなら被弾してすぐに連続サンドストームで倒せるし、敵の魔法陣を見てからミーラスカに全体手当てを詠唱させておくこともできる。

 

 できれば1体がいいのだが、リザードの攻撃を凌いでいる間に石化したり、HP吸収で倒してしまっては困るので、保険のために2体に挑む。

 

 わざと被弾することに不満も出そうだったが、すでに何度か受けているので、あの程度ならと了承頂けた。

 本当は渋々かもしれないけども。

 

 

 

シザーリザード Lv25

シザーリザード Lv25

 

 

 博徒を細工師に入れ替えて、万が一の確殺に漏れがあるとマズイと、MP回復速度を切って知力に振っておく。

 全員に破魔鏡を使ってから接敵し、5ターン目までは通常通り2連の全体土魔法で攻撃していった。

 シャオクとセナクロワがシザーリザードの下方を武器で突いて怯ませた後、全員後ろに引いて距離を取った。

 

 こちらとの距離が空いたことで、リザードたちの足元に順に赤い魔法陣が浮かび上がる。

 

 ───くる!

 そのタイミングで重要なことに気付いた。

 

 あれ、もしかして錬金術師のメッキと同じ仕様なら、1回分で軽減が切れるんじゃ……。

 

 そう思った束の間、じんわりとした温かみが瞬間的に身を包んだ。

 あっ、ホントに追加で軽減されてる!?

 

 直後に破魔鏡の適用されていない熱が襲ってきた。

 

 熱ッ!

 本来は防具の『魔法耐性』スキルで軽減されているので十分耐えられる熱さなのだが、1回目との比較の影響で不意打ちのようにすごく熱く感じて、とっさに目を瞑ってしまった。

 

 それでもすぐに熱が引く感覚があったのは、ミーラスカが全体手当ての詠唱を完成させたからのようだ。

 

 こちらも役目を果たさなくては。

 サンドストーム、サンドストーム!

 

 薄めを開けて、目についたシザーリザードに向けて、仕留めるべく魔法を連続で念じた。

 砂のエフェクトがリザードの体を包み始めたところで、もう1体を見失っていることに気づく。

 全体攻撃なので避けられることはないが、居たはずの魔物が突然消えるのは疑わしい。

 

 すぐにエフェクトの砂が散って、標的にしたシザーリザードが煙へと変わったのを見て、隣りにいたアコルトに問いかける。

 

 

「今倒した以外のもう1体のシザーリザードって、倒せた……よね?」

「1度目の火魔法の熱をこちらが受けるのと同時に、倒れて煙に変わりました」

 

 

 え?

 

 セナクロワが駆け足でドロップアイテムを拾って戻ってくる。

 手渡してきたハサミと革は、確かにシザーリザード2体分だと物語っていた。

 

 

「お嬢様がなされていた検証の効果ではないのですか?」

「……あ、そういうことか!」

 

 

 以前に破魔鏡は名前に鏡がついているから魔法を返すんじゃないかと妄想で適当に……、いや真剣に、効果を考えていたが、本当にそういう効果だったのか?

 軽減効果だけでも十分有用だったが……っと、考え込むのは迷宮を出てからにしよう。

 

 ダメージを受けてまで付き合ってくれた皆に礼を述べ、昼食休憩のために自宅へとワープした。

 

 

 

 

 サッパリしたもの食べたい。

 

 夏季はあと1ヶ月を切っているのに、そうめんを食べていない。

 技術的にあんな細麺は簡単には無理なんだけどさ、せめて細いうどんくらいならできないか。

 

 そうすると生地作りからで時間がかかりそうなので、今日のところは諦めよう。

 つゆのための出汁も、……そういえば魚介の乾物はブノーを見にいくとか考えていたのに訪問してないな。

 

 日本刀とか侍の前に、和食が食べられる場所のあてが欲しい。

 

 

 食事の方は、薄切りにした豚バラとハサミを茹でて、解してサラダに混ぜ込んだところに、魚醤と柑橘っぽい実を絞った果汁をかけて食べてみた。

 豚しゃぶカニ(ハサミ)サラダは結構美味しかった。

 汁気を絞ればパンにも挟めそうだが、同じ小麦粉でもやっぱり麺がいいよなぁ。

 

 もそもそと食べながら先程の戦闘について考える。

 

 破魔鏡は1人を対象として選択して発動する、細工師ジョブのスキルだ。

 効果としてまず挙げられるのは、魔法ダメージの軽減である。

 

 細工師Lv30なので、レベル依存だとしたら30%カットという感じだろうか。

 数値として見えず、あくまで感覚でしかないし……、それでも明らかに減ったと感じたし……、もしかしたらその5割増で45%とかかもしれない。

 比率は不明だが、1回使用につき1回までのダメージ軽減、ということだ。

 

 これについては一番戦闘経験が多そうなセナクロワに対して2回使用していたが、適用されたのは初回被弾分だけだったと確認が取れた。

 メッキの対と考えれば、重ねがけで効果が高まることもないだろう。

 

 

 次に、第2の効果として反射ダメージが発生しているらしいことについてである。

 自分は目を瞑って敵を見失うという失態を犯しているので伝聞に過ぎないが、アコルトだけでなく他の皆に聞いても、軽減された全体火魔法のダメージを受けたとほぼ同時に、シザーリザードの1体が煙に変わったそうだ。

 

 つまり、こちらの土魔法5ターン分の攻撃と、反射ダメージ(?)で倒れたことになる。

 最後の土魔法で確殺できるように知力を上げていたことで、全体攻撃の反射ダメージ5人分で削りきれるほどしかHPが残っていなかった、ということだろうか。

 

 でもこちらは火魔法を『魔法耐性』で軽減し、破魔鏡でさらに軽減し、シザーリザードは火属性に対する耐性があったはずだ。

 それなら5人分といっても微々たるダメージのような気もするが……。

 

 もしかしてダメージ反射はそのへんの作用を適用しないとか、固定ダメージとか、計算式が違ったりするのか?

 数値として確認できないのが本当にもどかしい。

 

 破魔鏡を使用していることによって、シザーリザードの魔法火力を基準としたダメージの割合反射が、こちらへのダメージ計算前に別の式で組まれるなんてことだったら、かなりの強スキルだ。

 まぁこれも全部妄想でしかないので、あくまで反射はおまけで、魔法ダメージ軽減を主とした効果と考えておくのが無難かな。

 必中攻撃に対する防御策が増えただけで十分過ぎるし。

 

 

 仮に。

 仮に魔法使い相手の対人戦があったとして、耐性装備をガチガチに組んだ上で破魔鏡使えば、ほとんどダメージを受けずに完封に近い勝利ができるんじゃないか?

 

 そんな戦いをする予定はないけど。

 

 

 

 昼食と休憩を終えて、迷宮25階層での狩りを再開する。

 

 シザーリザードへの対策は、結局モロクタウルスを先に無力化してから叩く、ということになった。

 戦況の安定には博徒を抜けないし、まとめて回復できる巫女も外せない。

 火力も下げるわけにはいかないから他のジョブも外せないし、探索者がなければドロップ品の回収もできない。

 

 リカヴィオラをリーダーにパーティー編成をしてもらうという手段も、大量の戦利品を持ち帰るには自分のアイテムボックス数に頼るしかないのだ。

 

 群れにシザーリザードがいた場合は、多少の被ダメージは織り込むことにして、順に殲滅していくほうが結果的に見ても一番早い。

 極稀に出現するタルタートルも、2人で攻撃しないと甲羅に潜らないし、タウルスたちが煙に変わっても、水耐性のせいでHPをあまり削れていない状態で居座り続けるので、避けられる群れは避けることにしている。

 

 

 

 狩りの再開から2時間くらい経っただろうか。

 

 自分たちは今、ボスの待機部屋へと辿り着いた。

 奥の扉が閉まっているので別のパーティーが戦闘中のようだが、待機組はいない。

 

 ちょうどいいのでボスの特徴を確認する。

 

 

「モロクタウルスのボスは、ボスタウルスであります。

 身体は茶色の毛に覆われていますので、モロクタウルスより動きが見難いでありますな」

 

 

 それは白黒模様のモロクタウルスが見易すぎるだけでもある。

 

 

「基本的な動作はモロクタウルスと同じでありますが、より力が強く、一つ一つの攻撃が重いのであります。

 ですがシャオク殿もミーラスカ殿も、止める手に力が足りないということはないでしょう。

 不意に強くなる一撃にだけ貰わないように、攻撃に対して盾を真正面で受けるのではなく、力を流すように角度をつけることに気をつければ問題はなさそうでありますよ」

 

 

 力の逸らしは、シャオクが得意なやつだな。

 ミーラスカは両名からレクチャーを受けて臨めば大丈夫そうだ。

 セナクロワが剣士のジョブに就いたことで、全員の腕力に補正が働いているし。

 

 アコルトはというと、通常の攻撃なら装備の防御力で問題なさそうだが、クリティカルだか『防御緩和』だかの一撃はもらうとマズいかもしれない。

 ダメージという点では危険水域ではないだろうが、ふらついたところを掴まれたり、配下とともに囲まれたりするのは危ないだろう。

 

 自分?

 自分が捕まったらもうボッコボコだろう。

 逃げる動作すら誰よりも鈍そうだし。

 基本はミーラスカの大盾の後ろにいるが、危なくなったらオーバーホエルミング様に頼ろう。

 

 

 話を一通り終えた頃、ボス部屋の扉が音を立てて開いた。

 どうやら前のパーティーが突破できたらしい。

 

 全滅ではないことの確認を取ってから、息を整えて足を進める。

 

 ミーラスカが中央に、左右にセナクロワとシャオク、前も狙える場所にアコルトが位置取った。

 最後尾の自分が部屋に入り切ると、ボス部屋恒例の煙の発生から3つの塊が形作られる。

 

 

ボスタウルス Lv25

モロクタウルス Lv25

タルタートル Lv25

 

 

 牛、牛、亀。

 説明通りの茶褐色の牛頭のボスタウルスは、モロクタウルスよりも厳つい凶暴そうな見た目である。

 

 手前に現れたタルタートルを見据えて、ウォーターストームを続けて念じて戦闘開始だ。

 水耐性のタートルはもしかしたら最後まで残ってしまうかもしれないが、体を引っ込めさせればしばらくは無視できる。

 

 どの魔物が何体いた場合との打ち合わせどおりに、シャオクの槍がタルタートルの頭を突き、アコルトもそれに合わせて鞭で尾を叩いた。

 初撃で防御の誘発攻撃を受けたタートルが怯む一方で、セナクロワはモロクタウルスの足元を斬りつけて、ボスタウルスからの引き剥がしを狙う。

 自分は作戦に忠実に、1体1体に状態異常耐性ダウンをかけていく。

 

 タルタートルが首を引っ込め、モロクタウルスの注意が逸れたタイミングで、ミーラスカが大盾を構えてボスタウルスへと突っ込んだ。

 ボスの突進準備が整う前に、大勢有利を狙ってのシールドチャージだ。

 ダマスカスタワーシールドには『HP吸収』のスキルが付いているので、攻防一体の動作となる。

 

 攻撃が苦手なミーラスカが、皆を守る戦術の為とはいえ自ら敵の懐に飛び込んでくれたというのは、感謝とともに成長を感じる。

 ボスタウルスの体勢が崩れたところで、シャオクも援護に回り、大盾で攻撃を凌ぎつつ槍でチクチクと状態異常付与を狙う形に移行した。

 

 アコルトが甲羅に籠もったタルタートルを竜革の鞭で繰り返し打ちつけた。

 手首のしなりを利用して、一振りで鞭のボディとテールが複数回当たるように工夫している。

 こちらはダメージではなく、回数勝負だ。

 

 その間も腕を振り回すモロクタウルスを巧みにあしらっているのが、セナクロワだ。

 体を這い回るように動く長剣が鬱陶しい様子のモロクタウルスが、体を捻ったところにスラッシュの詠唱を完了させた。

 その一閃に白黒の肌を斬られたことに怒り、角を突き出してきた突進を躱して、さらに斬りつける様子には余裕を感じられる。

 

 自分もそれぞれの魔物の気を引かないように徐々に後退しながら、クールタイムをカウントしながら水魔法を重ねていく。

 

 

 4ターン目のウォーターストームを発動し終えた頃、ほとんど練習用の的のように鞭の攻撃を受け続けていたタルタートルが石化した。

 これであと2体。

 ボスには1回、お供のタウルスには2回の麻痺が発生し、戦況的にもかなり安定している。

 

 こんなときこそ油断をしては……と気を引き締めようと考えたタイミングで、これまでより大きな衝突音が響いた。

 

 立てられた大盾の縁が迷宮の床をズズズッと擦り、ミーラスカがその身を預けるように体で支えている。

 近距離での突進を正面で受けてしまったらしい。

 もしかしてちょうど強打を引いてしまったのか?

 

 すぐさま全体手当てを連打して声を掛けたが、大丈夫ですと返ってきた。

 普段から迷宮では些細なことでも報告してくれるので、無理をしているわけではなさそうだ。

 

 仮にタウルスたちのスキルが『防御緩和』あたりだったとして、『体力2倍』の装備をしているミーラスカの素の防御力は誰よりも高いはずだ。

 そこに大盾を含めたダマスカス一式の装備が加わるわけだから、階層以上のジョブレベルであることを含めて、緩和されたとて大事に至るほどでもないのだろう。

 

 それでも憂いは断っておきたい。

 タウルス共の出現階層では錬金術師をセットするか?

 いや、そもそもセットできるパラレルジョブの数が足りないのだ。

 

 全体水魔法を撃ったクールタイムで魔物の動向を確認しながら、対策を考える。

 

 何かスキルで対応できないか。

 あっ、ボスタウルスが麻痺した。

 

 クリティカル率を下げるとか、防御を上げるとか。

 ウォーターストーム、ウォーターストーム。

 

 騎士のスキルにあるが、ミーラスカから回復手段を取り上げては意味がない。

 聖騎士まで取得できたら、味方の防御力を上げるスキルがあるらしいとセナクロワから聞いたが、そのための騎士のレベルを上げられそうなのは自分くらいだ。

 おっ、モロクタウルスが石化した。

 

 だめだこれ、戦闘中じゃまともな考察は無理だ。

 マルチタスクな思考は自分には処理が追いつかない。

 早く終わってくれ~!

 

 

「石化です!」

「えっ、あっ、うん、ありがとう!?」

 

 

 願いが通じたのか、ボスを含めて全て石化した。

 作中でもボスに石化が通じていたが、やはりタウルス系統は石化しやすいのだろうか。

 全ての魔物が固まったので、タルタートルにもダメージを通すためにサンドストームとウォーターストームを交互に発動していくことにした。

 

 モロクタウルスはすぐに煙へと変わり、次いで倒れたのはタルタートルの方だ。

 耐性があっても、石化による魔法弱化の影響は大きかったようだ。

 

 動かない残り1体だけになったので、攻撃魔法はウォーターウォールの二重設置に切り替えた。

 壁魔法が全弾ヒットするなら、こちらの方が与ダメージは多いしな。

 

 処理は自分が受け持つと伝えてあるので、殲滅する間は皆の休憩時間となる。

 

 

「お疲れ様~。

 ボスタウルスの相手も、なんとかこなせそうかな?」

「ええ、ありがとうございます、主様。

 不意に強くなる攻撃以外でしたら、防ぐことに問題ありません」

 

 

 その強撃だって、大盾を取り落とすほどのものでもないらしい。

 

 くるかもしれない、というタイミングの計れない一撃は、分かっていたって驚くのは無理もない。

 樽に剣を刺していくゲームも、ワニの歯を押していくゲームも、仕組みを知っていたってビックリするもんな。

 ちょっと違うか。

 

 ボスタウルスも煙へと姿を変え、アコルトが残されたアイテムを回収してくれる。

 

 

「こちらと、ボスがこちらと、タルタートルはカードでした」

「カード!?」

 

 

三角バラ

ロース

モンスターカード:亀

 

 

 モロクタウルスのドロップが通算4つ目のレアの方だとか、初の牛ロースだとか、そういうのは頭から吹っ飛んでしまった。

 

 亀のモンスターカードのスキルは……『痛恨軽減』。

 答えがむこうからきたよ。

 

 これを付与すれば、少なくとも1人は突然の一撃に怯えなくて済む。

 済むよね……?

 対象効果が違います、なんて言われても困るんだが。

 効果詳細まで確認させてくださいよ。

 

 スキル付けるとしたら、やはりコボルトとのセットで強化スキルにしたい。

 しかし手持ちのカードにコボルトはない。

 カルムに多めに頼んでいるから、ルテドーナに行くのは急かしてるみたいに思われるか。

 

 壺式との1セット分のカードを競り落とした時点での伝令はお願いしてあるしな。

 

 

 それならばエスラルグの競売会場に行ってみるか?

 下月3日となれば流石に商人ギルドも月末の忙しさから解放されているだろう。

 

 今日はもうオークションも終わる頃だろうが、普段から競売に通うような熱心な仲買人とは出会えるかもしれない。

 

 

 25階層の突破でちょうどいい区切りとしてボス部屋の出口へと向かい、出た先の26階層入口小部屋から自宅へとワープした。

 




スズシロ・ミツキ エルフ ♀ 18歳 魔法使いLv47
魔法使いLv47/英雄Lv43/探索者Lv47/森林保護官Lv46/遊び人Lv44/巫女Lv37/博徒Lv32
(村人5 農夫1 戦士30 剣士30 僧侶30 商人30 錬金術師29 細工師30 薬草採取士30 村長1 賞金稼ぎ19 騎士7 暗殺者7 魔剣士7 武器商人1 防具商人1 奴隷商人1 料理人24 盗賊30)

アコルト   兎人族 ♀ 16歳 狩人Lv35

シャオク  ドワーフ ♀ 19歳 鍛冶師Lv34

ミーラスカ  牛人族 ♀ 24歳 巫女Lv32

リカヴィオラ エルフ ♀ 15歳 探索者Lv30

セナクロワ  猫人族 ♀ 27歳 剣士Lv21



所持モンスターカード
・竜        1
・大木       1
・芋虫       2
・魚        3
・亀      0→1


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次回は4/13更新の暫定予定です。


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