いざ森林保護官の先のジョブについて相談しようと思ったが、そういえばジュサイシなるジョブについては口外を控えてほしいとフェルスに言われていた事を思い出す。
それも他人を呪うようなスキルを持っていたらしいジョブに就いた者が、シームラウ家に所縁のある人物にいた、という部分を公にしたくないという意味合いが強い。
かの者は僧侶か、はたまた神官かの回復職のジョブに就いて文官をしていたが、武芸に熱中するあまり仕事を抜け出して迷宮通いをしていたらしい。
見かねた両親に森林保護官に転職させられたものの、相変わらず通い詰めて晩年にはジュサイシなるジョブに就けたというのが、フェルスお姉様が教えてくれた内容だ。
なるべく、とも言っていたし、リカヴィオラはエルフではあるがどう考えたってそちらのジョブには就くことはないだろうから、説明だけして他所では話さないようにすればいいだろう。
自分の森林保護官のジョブレベルは50になった。
僧侶はLv30に、神官……女性の場合の巫女のレベルは45となっている。
しかし、セット可能なジョブの一覧には新たな職業は現れていない。
両親が子のジョブを無理矢理転向させたというのなら、これ以上のレベルが必要というのは考えにくい。
ベテラン以上にまでなったジョブを世間体で変えさせるというのは、この世界では相当なことに思える。
……よほど度が過ぎた、ということも考えられなくはないが。
それにゲーム的な面でも、種族固有ジョブに高レベルの別ジョブが必要になるのはナンセンスだ。
鍛冶師ジョブの取得に探索者Lv10という条件はあったが、あくまでそれはアイテムボックスの容量の妥当性も兼ねているギリギリのラインで、理解はできなくもない範囲だろう。
仮に僧侶か神官の前提レベルが必要だとしてもLv20とか、高くてもLv25程度が関の山のはずだ。
故に、Lv30まで上げている時点でそっちの問題はクリアしていそうである。
「……僧侶や神官の仕事ってどんなことするのかな?」
曲がりなりにも職務に勤めていたというなら、そっちの線から考えてみることにしようか。
もし、森林保護官の先のジョブの条件に引っかからなくとも、僧侶や神官自体の先のジョブの条件になっている可能性は高い。
「どちらもギルドや教会に属して治療や回診を行います。
孤児院の運営に携わる場合もございますね。
戦闘も可能な場合は、迷宮探索に加わる方も多くおられます」
そう答えたのはミーラスカだ。
それらの実働部隊である診療団から引き抜いたようなものなのだから、詳しくて当然である。
詳細を聞いてみれば、どちらの先のジョブについても状態異常の治療ができるらしい。
毒の治療など、RPG的にはやっとかという感じではあるが、実生活や利権的には統制された価格の治療薬や回復職と薬草採取士の地位など、一部に偏らないように色々なものが調整されていていいのかもしれない。
自分について考えてみよう。
回復スキルに関してはMPの補正にまかせて過剰なまでに使用しているし、これからも使っていくので、使用回数みたいな条件があっても問題なくクリアできると思われる。
問題は、それ以外の条件だ。
と思ったところで、まだ教会にすらまともに立ち寄ったことがないことに気づく。
僧侶ギルドや神官ギルド、それらを兼ねている場合もあるというのが教会らしいが、どれも前に話を聞きに行ってもらったくらいで、自らの足で訪れたことはない。
巫女のジョブを取得できてからは、移動先の集合の目印につかった程度だ。
普通の人は心の拠り所にする他に、そもそもジョブに就くために確実に訪れている場所だ。
信仰的な行為を全くしてこなかった者が、その上位のジョブになれるなどおかしいので、一度は向かう必要はありそうか。
「今の時間帯ならどの教会も比較的空いていると思われますが、向かわれてみますか?」
ホームグラウンドというわけではないだろうが、ミーラスカも乗り気である。
新たなジョブの取得条件という考え方は話してあるので、様々な経験をすることに皆積極的だ。
普段ずっと迷宮に篭もりきりにさせているのも原因かもしれないが。
遊び人の先のジョブのためにも、経験できることは可能な限りしておきたい。
***
装備を外して身軽な衣服に着替え、なんとなくルテドーナの冒険者ギルドへと移動した。
そこから神官ギルド、つまり教会へと足を進める。
自宅からポンポン移動していると、シームだと知り合いに会いそうで面倒に思えたからだ。
気晴らしにとリカヴィオラも連れてきている。
食事の準備はまだなので、遅くなっても食べて帰ればいい。
「……おや、こんな時間に大勢でお越しとは皆様
モンダァノ 人間 男 41歳 神官Lv38
シャオクの案内で教会に到着し、扉を開けると髭を蓄えたふくよかな神父らしき男性に出迎えられる。
他の礼拝者はいないので、本当に空いている時間帯のようだ。
「お祈りをさせていただいても?」
「ええ、是非とも。
神様も歓迎しておいででしょう」
決まり文句なのか、ほとんど抑揚のないトーンで返された。
疲れているのか?
ミーラスカを手本にしつつ、見様見真似の動作でお祈りをする。
厳かな雰囲気に飲まれながらジョブ一覧をこっそり確認したが、ジョブは増えていない。
こんな程度じゃダメか。
こういう心持ちのせいかもしれないが。
神父とミーラスカが話しているときに、アコルトに小さく袖を引かれた。
「(お嬢様。
あの方は以前、神官について詳しく
「(ん?
あ、聞いてもらったのってルテドーナだったっけ)」
アコルトがこのタイミングで伝えてくるということは、お金を出せば何か手がかりになりそうなことを聞き出せるのではないか、ということだろう。
素直な子がこんなことを考えるだなんて、一体誰の影響だ。
しかし、聞くにしても何を……。
ジョブの取得条件を明確に把握しているとは考えづらいしな。
神父と呼ばれているようだが、ジョブは神官だ。
それでもジョブレベルは結構高いので、仕事熱心でもあるのか……?
「神父様、こちらの女性にも一時だけ、神父様のお立場を味わわせていただくことは叶わぬでありましょうか?」
セナクロワがずいっと出てきて、こちらを紹介するように神父に声をかけた。
伸ばした反対の手には、銀貨を何枚か握ってだ。
チラリと一瞬周りを確認した神父は、その手を取って大げさに握手をした。
誰もいないのを改めて確認したらしい。
「おお、なんと
…………して、どのようなお役目を学ばれたいのですかな?」
音を立てずにささっと硬貨を受け取ると、袖の内側に袋でもあるのか、すぐに両手を空にして腕を組む。
手品かよ。
でも手段はどうあれ、せっかくできたチャンスだ。
神官っぽい仕事を体験させてもらうとしよう。
念のため、メインジョブを魔法使いから巫女へと変更しておくのを忘れない。
その後は聖書にあたる書物を一節読み上げたり、聖歌っぽい歌を神父に続いて歌ってみる。
国語や音楽の授業のようで恥ずかしくなってきた。
身内以外いないからまだマシだけど。
もしかしてこの神父のジョブレベルが高いのは、通常の仕事以外にこうやって貴族の気まぐれとかに付き合ってるからなのか?
ある意味では信仰心を高めたり、宗教行為を追加でやっている、とも言えるわけだし。
でもこういう人物が居たほうが世の中上手く回るんだろうな。
だがこの程度ではダメなのか、見当違いの方法なのか、ジョブはまだ増えない。
うーん、あんまり長引いてもな……。
他の礼拝者が入ってこないうちに終わらせたい。
夕方の鐘が鳴り響く。
「告解を受けるというのはどうでしょうか」
「赦しの間をそのような目的で使われるのは流石に……」
シャオクの言葉に、これまで柔和な顔をしていたモンダァノが渋い顔をする。
告解室、つまり懺悔室のことだろう。
そのへんの矜持はまだ残っていたか。
というか指導役のモンダァノまで入ってしまうと、外出している神官が帰ってきた際に言い訳ができないしな。
後日では、というのも無理なようだ。
訪問者が少ない時間帯といえど、今日のようにまったく人が来ないという日はかなり珍しいらしい。
教会なので閉め切ることもできないし、普段は2人以上で職務にあたっているそうなので、別の者を巻き込むのも神父は嫌がった。
「いえ、この機会にわたくしの懺悔をお聞きとどけくださいませ」
ミーラスカが珍しく主張する。
何かを悟った表情で力強くこちらに頷いた様子を見て、こちらも腹をくくる。
「お願いします。
短時間で済ませますので、……こちらを」
自分が差し出したのは金貨だ。
それを見たモンダァノがなんともし難い表情を浮かべて、うーんと唸った後、金貨を掴み上げて口を開く。
「これより私は神官の帰りを外で待つとしましょう。
おそらくすぐに戻ってくると思いますので、くれぐれも……」
「私は兎人族でございます。
まだ、教会へと近付く足音は聞こえておりません」
「……!
で、では、頼みましたよ!」
慌ただしくモンダァノが小走りで出ていく。
アコルトの短い耳が、兎人族のそれだと分かりづらかったんだろう。
自分たちも急ごう。
シャオクとリカヴィオラは前方で祈りのために座り、アコルトは教会入口近くへと位置取る。
背の高いセナクロワは告解室と反対側の通路へと立ち、視線誘導してもらう。
自分とミーラスカはそれぞれの部屋へと入って扉を締めた。
告解室の中は静かだった。
薄暗い部屋で隔ての格子を挟み、向かい合うミーラスカの息遣いが微かに聞こえる。
入る直前に彼女が呟いたのは、「どんな些細な内容であっても、真摯に答えることが務めでございます」という言葉だ。
「……告白いたします。
近頃のわたくしは、食事に対して心を乱すことが増えてしまいました」
う、うーん?
重たい内容がきても困ったが、これはどうすればいいんだ。
「以前は、どのような食事であろうともありがたく頂戴しておりました。
しかし……最近では味付けに欲を出したり、量について不満を抱いたりすることがございます」
「…………」
別によくないか、それ。
家の食事ではみんな好きな量を食べていると思うし、追加の調味料だって自由なので、外食での話かな。
「仕える者として、与えられたものに感謝を忘れるなど、あってはならぬことだと思っております。
もちろん、作ってくださる方への感謝を失ったわけではございません。
ただ、自分の好みや欲を優先してしまう己が、浅ましく感じられるのでございます」
最初の言葉の意味を考える。
仕える主人が変わり、与えられるものが変わり、自分としては彼女自身の欲求が増えることが生活の充実に繋がるものだと考えていた。
だが、この場で求められているのは、主人としての言葉ではない。
「ミーラスカ」
「はい」
「そのように、己を責める必要はありません。
食事を美味しいと感じることも、身体に合うものを望むことも、人として自然なことなのです」
小さく息を整える。
「大切なのは、望みを持たぬことではありません。
望みを持ちながらも、それが誰かの働きや恵みによって与えられていることを忘れぬことなのです」
「……感謝を、忘れぬこと」
「そう、あなたが先程お話されたように、無理に欲を否定するのではなく、いただくものへの感謝を胸に置きなさい。
その上で、自らの心を慎ましく整えていけばよいのです」
「……ありがとうございます。
お言葉を、胸に刻ませていただきます」
「あなたが己の心を顧みることができるのは、消して悪いことではありません。
悔いる心があるならば、人はいつでも正しき道へと向かうことができるのです」
「はい……」
ミーラスカが深く頭を下げ、椅子が床を擦る音が僅かに聞こえた。
「お許しいただき、ありがとうございます。
これからは、より一層感謝を忘れず、お使えいたします」
見えてはいないんだろうが、大きく頷く。
「その心を大切になさい」
ふーっと大きく息を吐く。
茶番だ。
茶番過ぎる。
なんとかやりきり、これで終わりかと椅子から立ち上がったところでアコルトの声が聞こえた。
「時間です!」
急いで告解室を出て扉を閉め、ミーラスカと顔を見合わせる。
あちらもさっきのやり取りが面白かったのか、口の端が笑っているように見えた。
入口の扉が開く。
「モンダァノ様が外でお待ちいただくなど、いったい……」
「なぁに、静かに祈られたいという方がおられましてな。
鐘も鳴りましたし、僅かばかりの時間ならと……おや、もうよろしいのですか?」
「ええ、神父様。
寛大なるご対応とお時間を頂き、ありがとうございました」
横一列に並び、2人の神父に対して頭を下げる。
白々しく、セナクロワがお布施を受け付けているかどうかを、今帰ってきた方の神官に確認していた。
無理に出す必要はないと止められるも、なかなか来れる機会がない自分たちを気遣ってくれた感謝と教会のためと伝えると、受け取ってくれたようだ。
モンダァノに疑いの目が行かないようにだろうか。
……騎士団で後ろ暗いことを学んだのかなぁ。
いつか聞いた、バーナ語のぶっきらぼうな口調のセナクロワを思い出す。
この対応もスマートだし、カッコいいからよしとするか。
今のお布施の方はちゃんと教会の運営費に回るだろう、たぶん。
***
教会を後にして、そのまま近くに設置された絨毯から自宅へとワープする。
こんなに後処理を手早く済ませたのは、皆が自分の表情を感じ取ったからだろうか。
それもそのはずだ。
自分のジョブ一覧には、新たな選択肢が追加されていた。
樹祭司
効果 知力大上昇 精神中上昇 精神小上昇 MP微上昇
スキル 対植物増強 アスピレート インジェクト
なるほど、ある種想定していたが樹の祭司でジュサイシか。
森林保護官と並べれば、確かにその系譜っぽいジョブ名である。
『対植物強化』の上位っぽいパッシブスキルと2重の精神ステータス補正からして、間違いないだろう。
ゲーム的には、ドルイドとかそういう感じかな?
「皆、ありがとう。
察してたみたいだけど、森林保護官の先っぽいジョブを得られたよ。
あの時確信めいた様子ではあったが、言葉にしたことでミーラスカもホッと胸を撫で下ろしたようだ。
途中で急に主張しだした時はびっくりしたが。
「そういえば、ミラはどうして懺悔がポイントかもって思ったの?」
「はい。
お話ではそのジョブになられた方は、役職にも就いておられたともお聞きしました。
それでしたら、
あー、そうか!
上の立場からの指示なんて、これまでもいくらでもしているしな。
どのタイミングで取得したかは分からないが、そこにジョブとして、さらに聖職者的な意味合いとしての上下関係を伴っての行為がキーだったのかもしれない。
樹
ジョブ効果としては、知力大上昇が嬉しい。
これまでは中上昇が最大だったので、ジョブレベルが上がって補正幅が増えれば、火力としても非常に心強い。
スキルは───。
「……お嬢様、お食事にしませんか」
「あ、ごめんごめん。
どうしよう、帰ってきちゃったけど、食べに出る?」
「リカさんがすでに火を起こして下さっています」
教会から離れたかったのと、すぐにジョブを確認したくて自宅に帰ってきてしまったが、飲食店に寄らずに戻った時点で家での食事と判断されたんだろう。
うーん、今日は奮発して、残っている三角バラやザブトンを食べちゃうか!
希少部位のステーキは正義。
とろける脂と濃い肉の味に、皆も満足そうだ。
料理を揃えてからではなく、お腹も空いていたので焼いて即食べる焼肉スタイルだったので、食べ終わりはいつもと同じくらいの時間になった。
後は入浴なのだが、魔道士取得のお陰で給湯時間が短くなったので、ちょっと休憩だ。
この時間でスキルの検証もしてみよう。
声を掛けてから家の外へと歩き出す。
ジョブ設定で確認できた樹祭司のアクティブスキルは、アスピレートとインジェクトという2種類のスキルだ。
フェルスお姉様の調べた資料によれば、植物を元気にしたり、あるいは弱らせるようなスキルで、人にも使えたらしいという話だったか。
名称的にはインジェクトって方が、入れるとか加えるみたいな意味っぽいし、アスピレートはその逆か?
パラレルジョブに樹祭司をセットして詠唱省略を外す。
まずはアスピレートの方を思い浮かべてみる。
擾乱あらば愁苦の根、御霊誘え我が許へ、収奪、アスピレート
なんだか重々しい感じの詠唱呪文が浮かんでくる。
収奪って、絶対こっちが弱らせる方だろ。
次にインジェクトの方を念じた。
安寧足らば慈愛の穂、御霊齎せ其の許へ、灌注、インジェクト
呪文が現れたが、
灌注は、かんちゅうでいいよな、おそらく。
字面としてはこちらのほうが平和そうだ。
近くを歩いて対象にできそうな植物を探す。
木はそこらへんに生えているんだけど、幹を見ても効果がわからなそうだしな。
昼間だと日当たりが良さそうな場所に、黄色い花が咲いているのを見つけた。
タンポポみたいで茎や葉の形も分かりやすいので、様子見にはちょうどよさそうか。
詠唱省略を取得し、インジェクトを思い浮かべる。
対象を選ぶ必要があるようだ。
自分自身は選択できないが、その花の他に、周りの木々や草も単体で対象にできるらしい。
落ちている枯葉や枯れ枝は選べない所を見ると、生きている動植物に発動できるスキルってことなんだろうか。
花を見据えて、効果対象に指定した。
…………効果あった?
パッと見だと何も変わらないんだけど。
じゃあもう1つのスキルの方はどうだろう。
アスピレートを念じると、対象の選択の仕方は一緒のようだった。
じゃあ発動!
すると、茎や葉が若干しなだれたように僅かばかり倒れ込んだ。
おぉ、なんとなく弱らせた感じがする。
触れてみると植物自体は萎れたわけではなく、水分を奪ったりしたわけではない。
栄養はそのままだけど、元気がなくなったような。
……えーっと、これだけ?
なんか苦労して得たジョブの割にしょぼいな。
再びインジェクトを使用すると、タンポポもどきは倒れ込みを持ち直し、最初と同じようにしっかりと茎を伸ばして葉を広げた。
たしかにこれなら、
ジョブレベルが低いからなのか、この程度じゃとても呪いとかには思えないな。
なんかもっとこうさぁ、種族固有の強さとかそういうのを……、いや知力大上昇だけでも十分すぎるか。
森林保護官以上の植物への特効もあるみたいだし。
あ、そういえばそっちは重複して発揮されるのかな?
どっちにしろ、魔物相手に試してみないことには判断はできないか。
あんまり長々と検証しても分からなそうだ。
詠唱呪文の解読用に、一輪だけ花を摘んで持ち帰る。
一応この状態でもスキルの対象として選択できるようなので、あの漢字の読みを当てるための犠牲になってもらう。
ハッキリ効果も分からないのに、メンバーに実験台になってもらうわけもいかないしな。
使っていないコップに水を汲み、持ってきた花の茎を浸けておく。
お風呂を出たら試してみよう。
どうにも気になって早めにあがった後は、寝室の机の上に花を差したコップを置いて、椅子に座って詠唱の読み上げだ。
「
こちらは読みが合っていたらしくすんなりとスキルが発動し、シュンと茎が僅かに反れて花弁がコップの縁へとついた。
相変わらずそれ以外のハッキリとした効果は分からない。
問題は次だ。
「
…………違うか」
他のスキル詠唱の語感的に、『齎せ』は『3音+せ』の命令形っぽい感じがするんだよな。
サイっぽい音読みはありそうだが、訓読みは分からない。
たまわせではなかった。
かえらせでも、まねかせでもない。
むすばせも、やどらせも、わたらせも、しずませも違った。
もし古語的な動詞とかだった場合は完全に知識外になるから厳しい。
うーむ。
そうしているうちに、続々と入浴を終えたメンバーが2階の寝室へと上がってきた。
適当な3音を挙げさせてそれで発声してみても、当然的中するわけもなく。
もういい、ふて寝しよう。
明日になったら思いつくかもしれないし。
一応、付き合ってくれたお礼代わりに、詠唱省略を取得してからインジェクトを発動して、花に元気(?)を与えてから休むことにした。
スズシロ・ミツキ エルフ ♀ 18歳 巫女Lv45
巫女Lv45/英雄Lv46/探索者Lv50/樹祭司Lv1/遊び人Lv49/魔法使いLv51
(村人5 農夫1 戦士30 剣士30 僧侶30 商人30 錬金術師29 細工師30 薬草採取士30 森林保護官50 村長1 賞金稼ぎ19 騎士7 暗殺者7 魔剣士7 武器商人1 防具商人1 奴隷商人1 料理人24 博徒38 冒険者1 魔道士26 盗賊30)
アコルト 兎人族 ♀ 16歳 狩人Lv39
シャオク ドワーフ ♀ 19歳 鍛冶師Lv38
ミーラスカ 牛人族 ♀ 24歳 巫女Lv36
リカヴィオラ エルフ ♀ 15歳 探索者Lv34
セナクロワ 猫人族 ♀ 27歳 剣士Lv32
---
次回は7/20更新の暫定予定です。
読めずとも詠唱短縮や省略でスキルは使えるんですが、見えている以上は判読しないともやもやする、そんな感じです。