特撮日本&世界vs怪獣の歴史 怪獣大戦争編   作:クォーターシェル

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GWが明けてやっと2話が出来ました。


第2話 ゴジラとガメラの確保

地球連合宇宙局本部内ではこれからのS-40遊星人との会談に向けて、ほぼ全ての職員が慌ただしく動いていた。

 

「過去に地球に出現したガイガンのデータ来ました!」

 

「よし、S-40遊星で観測された個体との仮データと照らし合わせよう」

 

「各国の代表の到着は早くて一週間後です!」

 

S-40遊星との会談は2週間後に予定されていた。それまでにS-40遊星人との交渉を纏めなければならない。職員達は皆、その事を念頭に置きながら作業を進めていた。そうして作業が続く中、富士は同じ宇宙局で職員として働く妹のハルノに出くわした。ハルノは

 

「あら兄さん、こんな所でなにしているの?」

 

と富士に声をかける。富士は

 

「ああ、地球連合の上司からS-40遊星人との交渉に関する資料の作成を頼まれてな」

 

と言った。ハルノは

 

「兄さんも大変ね。そういえばだけど、ちゃんと今度の哲男さんと3人での食事には来れるかしら?」

 

と言う。哲男と言うのはハルノの恋人である。しかし、富士は哲男の事をあまり気に入っていなかった。哲男は自称発明家であり、収入が安定しておらず、その上気の弱い性格なのでハルノを任せるには不安だと思っているのだ。しかし、そんな哲男をハルノは好いており、富士も妹の恋人にあまり強く言えない。

 

「ああ、勿論だ。必ず行く」

 

と富士が言うとハルノは

 

「そう、じゃあ楽しみしているわ。兄さんの奢りでね」

 

と言った。そしてハルノはその場を去って行くのだった……

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

所変わって此処は東京の皇居の堀近くの一角。世界教育社という教育玩具の製作販売会社の本社ビルの応接室にて、2人の人物が話し合っていた。1人は先ほど紹介したハルノの恋人哲男で、哲男はこの部屋のもう1人、波川という女性と話をしている。

 

「それで波川さん……。私が開発した護身装置『レディガード』の権利の値段ですけど低すぎませんか?1000万円じゃ開発の割に合いませんよ。これがあればどんな痴漢も恐れることが無くなるっていうのに……」

 

と哲男。波川は

 

「まだ開発段階ですからね、高額で売り出して不良品だったら大変です」

 

と言った。哲男は

 

「しかし……」

 

と言うが波川はそれを遮りこう続ける。

 

「それに1000万円でも大金ですよ?貴方の次の発明費用に充てるのに十分な筈です」

 

哲男は

 

「いやあ、やっぱり少し安いですよ。このレディガードは携帯に小型のパーツを取り付けて専用のアプリをダウンロードすれば、持ち主は簡単に不協和音で暴漢を撃退できる訳ですよ!しかもこれから先の新型携帯への換装機能の構想もあります。話を持ち掛けてくれた所はお礼を言いますが、この値段なら他を当たらせてください……」

 

と波川に言う。すると波川は少し考え、

 

「分かりました。ではレディガードの権利を5000万円で買い取らせてください。直ぐにご用意はできないですが2週間以内になら……」

 

と言った。哲男は

 

「分かりました」

 

と承諾する。そして2人は席を立って部屋を出て行くのだった……

 

仕事を終えた波川は恋人と会っていた。

 

「グレン。仕事お疲れ様。無事に帰って来れて良かったわ」

 

波川の恋人はグレンだった。2人は数ヶ月前に日本で知り合い、付き合いだした。そして今日、初めて2人で夜を過ごしたのだった。

 

「ああ、だが日本はやっぱり良い国だな」

 

とグレンは言う。波川は

 

「そうね……貴方もこの数ヶ月でこの国がもっと好きになったかしら?」

 

と言う。グレンは首を縦に振り、

 

「ああ、最初は『ハラヘッタナア』が挨拶だと教えられて恥をかいたこともあったが、この国は良い所だ。来たかいがあった」

 

「それは何よりだわ」

 

2人は話を続けると波川がグレンにこう言った。

 

「でも貴方、仕事は大丈夫なの?」

 

するとグレンはこう答えた。

 

「ああ、有給休暇を取ってきたから大丈夫だ」

 

「そう、じゃあ今夜はまだ一緒に居られるのね?」

 

「勿論さ」

 

2人は夜通し語り合ったという……。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

その数日後、富士とグレンはハルノと哲男と共に食事をすることになった。富士とグレンが指定された席に出向くと、ハルノと緊張した面持ちの哲男が居た。

 

「哲男君、ハルノから聞いたが君の発明品が売れたそうだね」

 

と言う富士に哲男は

 

「はい……。まだ手元に金は来てませんが……」

 

と返す。そして富士は

 

「僕の目にはね、可愛い妹を任せるには君はあまりにも……、頼りなく感じるんだ。分かるだろう?」

 

と言う。それに対して哲男は俯きながら、

 

「分かります……」

 

と呟き、

 

「ダメよそんな所で相槌を打っちゃ」

 

と隣のハルノにツッコミをいれられる。そしてハルノは

 

「グレンさん。大切な事は互いが深く信頼し合っていることですよね?」

 

と恋人持ちのグレンに言う。グレンは

 

「そうだね。それはとても素晴らしいことだ」

 

と同意し富士は

 

「おいグレン、どっちの味方をしているんだ」

 

と苦言を呈す。それに対しグレンは

 

「ノーノー。あくまでも一般論」

 

と返す。富士は

 

「そうか」

 

と言い、再び哲男に向き合うとこう言った。

 

「兎に角だね、俺は今のままの君ではハルノを任せるのにちょっとと思うんだ」

 

「でも、今回レディガードが売れた事で少なくとも収入面では……」

 

「収入の問題ではない。信頼の問題だ。レディガードの値段が高すぎると言っている訳ではないし、君の発明品が素晴らしい物だとは俺も思っている。だが、君は後性格がだね……」

 

そこまで言った富士にハルノが

 

「もう!兄さんったらまるで封建時代の人間よ!時代が令和になってから何年になると思うのかしら!」

 

と言う。その時、グレンが

 

「おっと、もうこんな時間だ。俺はこれでおさらばするよ」

 

と言って席を立つ。そして去り際に哲男に

 

「本陣の守備は堅いようだが頑張れよ!」

 

と励ましの言葉を掛けるのだった。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

S-40遊星人との会談の日になった。S-40遊星人側は場所を日本の羽田空港に指定しており、既に国連の代表達が羽田で待機していた。空港の周辺では一般市民が野次馬となって、会談の様子をTVカメラに収めていた。

 

「桜井博士、いよいよですが準備はよろしいですか?」

 

と富士は自分の上司である地球連合宇宙局の科学者で、S-40遊星探査計画の責任者でもある桜井博士に確認を取る。彼もS-40遊星人との会談に参加するメンバーだからだ。桜井博士はこう答えた。

 

「ああ、大丈夫だ」

 

そして、富士達が待っていると上空に空飛ぶ円盤、S-40遊星人の宇宙船が数隻現れた。その内の1隻が空港の滑走路に着陸する。

 

「来ましたな。行きましょうか」

 

と桜井博士が言い、富士達は円盤が着陸した場に向かう。円盤内からは統制官を含む数人のS-40遊星人が降りて来た。いよいよ会談が始まる。

 

「ようこそ地球へ、S-40遊星人の皆様。私は地球連合宇宙局代表の桜井です」

 

と桜井博士が代表して挨拶をする。それに続いて富士達地球連合宇宙局の職員達も自己紹介をする。そして会談が始まった……

 

「では早速ですが本題に入りましょう。我々S-40遊星の者はあなた方に『ガイガン』を撃退して欲しいのです」

 

S-40遊星人はこう答えた。

 

「分かりました。それでゴジラとガメラを借りたいと言う事ですが、彼らをどうやって運びますか?」

 

と桜井博士。ゴジラもガメラも身長100mを超す怪獣である。どうやってS-40遊星へと運搬するのだろう。統制官は

 

「我々には高度な科学力があります。どんなに質量の大きなものでも、宇宙圏へ運び出すのは簡単です」

 

と説明する。桜井博士は

 

「そうですか。我々は貴方方との交流を深めるべく、S-40遊星にゴジラ、ガメラと共に使節団を同行させたいと思っているのですが、よろしいでしょうか?」

 

とS-40遊星人達に質問する。統制官は

 

「大いに結構です。国賓として貴方方を招待いたしましょう」

 

と答えた。桜井博士は最後にこう言った。

 

「それでは地球とS-40遊星の友情が長く続くことを願います」

 

それを聞いた統制官はこう返す。

 

「分かっていますとも!私達は地球より優れた技術力を有しますが、だからと言って傲慢になることは決してありません!」

 

S-40遊星人と地球連合宇宙局による会談は終わった……。

 

『ゴジラ、ガメラS-40遊星へ!』

 

『使節団の出発は3日後』

 

『S-40遊星の技術への期待高まる』

 

S-40遊星人の来訪、そして会談のニュースは直ぐ様に世界中に広まった。このニュースに各国政府は喜びを露にした。これで人類の宇宙進出が一気に加速すると考えたからだ。そんな中グレンと波川はオープンカーの車中で会話していた。波川は焦ったような表情で

 

「グレン、行ってはいけないわ。直ぐに私と結婚するのよ!」

 

と言う。グレンは

 

「直ぐに帰ってくるんだぞ?結婚はその後でもいいじゃないか」

 

と疑問を呈す。波川は

 

「貴方は分かっていないのよ!」

 

と言うがグレンは

 

「分からないのは君だよ」

 

と返す。そしてグレンは波川の頬に軽いキスをし

 

「よし、帰ったら直ぐに結婚しよう。それでいいだろ?」

 

とプロポーズをして車からでて立ち去って行った。残された波川は

 

「グレン……。このままでは……」

 

と言って車を出す。その時だ、タクシーに乗った哲男が波川を見つける。

 

「あっ!あの人いつになったら5000万円払ってくれるんだ?運転手さん!あの車を追ってくれ」

 

哲男は権利代の話をつけるべく、波川を追うのだった。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

そして会談から3日後、使節団がS-40遊星に出発する日となった。使節団のメンバーの中には勿論富士も入っていた。出発前の確認を済ませた富士にハルノが言ってくる。

 

「大変よ兄さん!哲男さんとの連絡がつかないのよ!」

 

困っているハルノに対し富士は何かしてやりたかったが、今はやるべき事がある。富士はハルノに

 

「警察には連絡はしたのかい?」

 

と問う。ハルノは

 

「したけど、心配よ!やっと発明品が売れたのに……」

 

と不安な顔をする。富士は

 

「取りあえず哲男君のことは警察に任せよう。僕達は僕達のやるべきことをやろう」

 

とハルノに言い、S-40遊星人の円盤に向かうのだった……。

 

「兄さん……」

 

ハルノはそう呟き、哲男の行方を案じた……。

 

S-40遊星人の宇宙船の前には、富士、グレン、桜井博士に国連の職員数名、更に日本の特生自衛隊『特殊調査室』の権藤と小早川、そして当代のガメラの巫女を務める艦娘大和が立っていた。彼ら十数名ほどの地球人が使節団としてゴジラとガメラと共にS-40遊星に向かうのだ。宇宙船のハッチが開き、

 

「では出発します。搭乗してください」

 

と中からS-40遊星人が言う。使節団の面々は見送りに来た群衆に手を振り、円盤の中に乗り込んで行った。

 

「どうぞ」

 

と、使節団は円盤内の部屋に案内される。その部屋の中心部には地球では見慣れない形式のコンピューターがあった。桜井博士が

 

「ひとつお願いがあるのですが……」

 

と挙手する。統制官は

 

「どうぞ」

 

と言い桜井博士は

 

「是非操縦室に同乗させてもらいたいのですが」

 

と言う。すると統制官は

 

「ここが操縦室です」

 

と答える。小早川が

 

「この部屋がですか?」

 

と言う。統制官は

 

「宇宙船の操縦に関することは全て脳波によって電子計算室に指示されるのです」

 

と言う。グレンは

 

「つまり自分の意思を電子計算機に記憶させ思い通りにコントロールさせる」

 

と自分の意見を述べる。統制官は

 

「その通りです」

 

とグレンに同意する。更に権藤が

 

「質問なんだが、その技術は機械だけじゃなく動物にも応用できるのか?」

 

と質問する。統制官は

 

「……できる。君は人一倍詮索好きのようだ。このことをよく機械に記憶させておこう」

 

と答えた。そして、

 

「それでは、ゴジラとガメラを借りるとしよう」

 

と言う。

 

「先ずはアドノア島に居るゴジラからだ」

 

とS-40遊星人の円盤群はアドノア島に向かう。富士は

 

「大気圏内でも中々のスピードを出せるようですな」

 

と統制官に言う。統制官は

 

「お褒めいただきありがとうございます。アドノア島に到着しました」

 

と言う。すると円盤内が振動し、降下を始めた。やがてアドノア島の王と言うべき存在、ゴジラジュニアを確認する。

 

「では行きましょうか」

 

とS-40遊星人の円盤の1隻がジュニアの頭上に来る。ジュニアは何事かと頭上を見やるが、円盤の下部から力場の様な物が発生しジュニアを捕える。小早川は権藤に小さく

 

「抵抗しませんね?」

 

と言う。権藤は

 

「恐らくさっき言った技術で大人しくさせてるんだろうな」

 

と言う。統制官と使節団の居る円盤に連絡が入る。

 

『ゴジラの輸送準備完了しました』

 

統制官は

 

「よろしい」

 

と言い、

 

「次はガメラだ」

 

と続ける。

 

「すみません」

 

と使節団の代表である桜井博士が挙手する。

 

「ガメラはこの地球上において定住場所を確認できていません。今、ガメラの巫女である大和女史に位置を割り出させますので……」

 

桜井博士がそこまで言った所で統制官は

 

「その必要はありません。我々は既にガメラの居場所を掴んでいます」

 

と言う。国連職員の1人が、

 

「本当ですか?」

 

と言う。統制官は

 

「ガメラは今ハワイに居ます」

 

それを聞いた大和が目を見開き、

 

「驚きましたね……!この人の言っている事は本当です。今、ガメラは……」

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

ハワイ、太平洋上に浮かぶ島々で地球でも5指に入るリゾート地だろう。そして今ハワイ島に怪獣が上陸していた。その怪獣は丸い体に鳥のような嘴、ロボットのような足が特徴で、全体的な印象は蟹のようだった。

 

接敵した防衛軍に『マルコブカラッパ』と名付けられた怪獣は現地の軍の攻撃を耐え抜き、今まさに市街地に侵入しようとしていた。その時である巨大な亀の甲羅が回転しながら飛来し、そのままマルコブカラッパに激突しマルコブカラッパを市街地から押し出した。そして亀の甲羅から首と手足が出てきて戦闘態勢を取る。

 

これが現在の地球の怪獣、その中でも上級怪獣またはタイタンと呼ばれる存在の上位に位置する者、ガメラである。ガメラはマルコブカラッパに対して咆哮を上げる。その咆哮は大気を震わせ、周囲の海をも波立たせる。そしてガメラはマルコブカラッパに突撃し、2体の怪獣の激突が始まった……

 

「ガメラがハワイに上陸しました!」

 

と大和が言う。それを聞いたS-40遊星人達は

 

「よし、我々も行こう」

 

と言い円盤群はハワイ島に向かう。一方ガメラは腕の鋭い突起『エルボークロー』にバーナーの如く火を纏わせ、襲い掛かってきたマルコブカラッパの右腕を切り落とす。マルコブカラッパは自分の腕を焼き切られたことにより、苦痛の悲鳴を上げた。

 

そしてガメラは自らの口をマルコブカラッパの口に接吻するかの如く密着させる。そのままガメラは自らの得意技であるプラズマ火球をマルコブカラッパの体内に発射した。体内に強力なプラズマ火球を喰らったマルコブカラッパの身体は内部から崩壊し四散した。勝利の咆哮を上げるガメラ。

 

その時、ガメラの頭上にS-40遊星人の円盤が飛来し、ジュニアの時と同じようにガメラを力場で捕獲した。統制官は

 

「ゴジラとガメラの確保を完了。これより地球の大気圏を離脱する」

 

と言うのだった。

 




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