ハンドラーの「たまたま居合わせた」発言、流石にそこら辺をウィーヴィルやヘリアンサスが走り回っている訳ではない(あってたまるかよ)と思うのですが、そっちの方が面白いのでこの作品では野生の個体がいる説を採用しています
〔ベイラムの依頼を確認して…出撃したようだな〕
カーラの依頼を熟したわたしへ、ハンドラーからの通信が入った。恐らく勝手に仕事を受けた件についてだろう。オルクスが出撃の許可は取ってくれたからそう怒っているというわけではないだろうが…
〔大陸間輸送用カーゴランチャーを使うというのも、発想としては悪くないが…せめてオルクスにくらいは話を通してやれ…〕
独断での行動に対して賞賛の言葉をかけるなんて随分と寛大だ。だがわたしを咎める言葉については、オルクスに迷惑をかけたのは事実とはいえこの頭に住み着いた謎の隣人のせいなのだから納得がいかない…
ひとまず今は海越えだ。カーラも案内をするための用意が出来たらしい。エアから話を聞くとしよう。
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引き続きグリッド086を進行し
大陸間輸送用カーゴランチャーを目指します
カーラからは
約束どおり案内をするとの連絡が入っています
ドーザーの言うことを
どこまで信用して良いかは分かりませんが…
情報を得る意味でもまずは話に乗ってみましょう
…ところで レイヴン
彼女の二つ名「灰かぶり」ですが…
これはルビコニアンの間で
「アイビスの火」の生き残りを指す言葉になります
…あの災害が起きたのは半世紀も前のこと
ドーザー特有の与太話の類でしょうか
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まぁ、見た目と年齢の不一致なんてよくある話だ。わたしも数年間は型落ち失敗作の在庫として冷凍保存されていた訳だから肉体、精神はともかく実年齢とは一致していない筈だ。身体の状態を維持する施術を受けている可能性もあるだろう。
《あなたと出撃するのは、これで3度目ですね…少し慣れてきました、レイヴン》
オルクスにも話を通して出撃の用意をしていると、エアがそんなことを言い始めた。
ウォッチポイントでコーラルに被曝してから始まったわたしたちの関係。最初はACのシステムに干渉することでわたしの命に手をかけることの出来る存在として警戒していたが、今のところ彼女がわたしに害をもたらしたことはない。それどころか、グリッド086へ侵入するための情報戦や敵機の解析など、献身的にわたしをサポートしようとしていることは流石のわたしでも理解できる。
奇妙な隣人であるルビコニアンのエアと、わたしの先輩である独立傭兵オルクス、そしてわたしに意味を与えたハンドラー・ウォルター…彼らがどうしてここまでしてくれるのかはやはりわからないままだ。
けれど、そんな彼らのことを理解したい。これまでのわたしならば考えようともしなかったようなことについて、今なら真剣に向き合えるような気がする。
だから、今はせめて…
「さぽーとよろしく、えあ」
《…!任せてください、レイヴン》
わたしの方からも一歩、踏み込んでみることにした。
〔始めるよ ビジター!伝えたとおりだが案内は任せな、あんたには恩を売っておくのも悪くない〕
『頼りにさせて貰うぞ、シンダー・カーラ』
グリッド086の深部、スマートクリーナーと戦闘をした空間でメインシステムを起動。来た方とは反対の隔壁を抜けて進み、リフトへアクセスする。
〔リフトで上った先はグリッドの天辺、外殻に当たる区画だが…残念ながら、そこは私らの縄張りじゃない〕
流石に外郭だけが他のドーザーに占領されているという訳ではないだろう。つまりここを縄張りとしているのは…
〔分かるかい?封鎖機構が衛星軌道から睨んでやがるのさ〕
やはり惑星封鎖機構か。また武装ヘリやバルテウスのような封鎖機構の大型兵器との戦闘になる可能性もあるのかもしれない。
〔ドーザーってのは総じて頭のネジが緩い…度胸試しに向かう奴もいたが…結果はお察しさ〕
『うーん…蛮勇だねぇ』
《はぁ…》
カーラもオルクスもエアも呆れたような声色だ。向精神薬としてのコーラルは人々から恐怖心を奪ってしまうらしい。一部感情の欠落や異常な昂りという点では旧世代型強化人間と同じようなものか。前者はわたし、後者はアリーナの説明を読むにG5のイグ…?イグ…アナ?が該当するのだろう。
《上層に到達しました、マーカー情報を送信します。カーラの言うとおり…この高度は封鎖衛星の狙撃圏内になっているようです》
そんなことを考えているうちに外郭まで到着し、リフトの隔壁が開いた。隔壁を抜けた先に広がる茜色の空の上から、侵入者を補足するための赤いレーザーが照射されている。
『衛星狙撃地点を突破するぞ、後輩』
そうわたしへ語りかけるオルクスの機体は、これまでに見た2機とはまた違うものとなっている。
V.IVラスティの機体と同じコアと脚部を持つ軽量二脚AC。特に目を引くのが左腕に装備された細身の機体には不釣り合いなほど巨大なチェーンソー。その他の武装はハンドガン?とバーストマシンガン、4連装ミサイルだ。恐らく機体のコンセプトもV.IVラスティに近いコア理論に基づいたものだろう。封鎖衛星からの狙撃を掻い潜る為に高機動の機体を選んだようだ。
[立入禁止区域への侵入者を検出 対象を排除します]
『捕捉されたが、金網の下に潜り込めば衛星砲は無視して進めそうだ』
《封鎖機構の警備システムのようです》
オルクスに先導され、歯車に挟まれないように気をつけながら警備システム機を落として通路を進んで外に出ると橋に繋がっていた。
〔…ここからは隠れる場所はなさそうだね〕
『いや、橋の下は進めそうだ。この程度の距離ならEN容量も足りるだろう』
オルクスは橋の下にいる警備システム機をミサイルのマルチロックで撃ち落として安全を確保。確かにこの下であれば安全に対岸へ辿り着けそうだ。仮にENが足りずとも着陸出来そうな足場もある。
《強行突破はせずに済みそうですね》
アサルトブーストで対岸まで移動し、適当な足場でENを回復してから再度アサルトブーストで狙撃地点を抜ける。
〔やるじゃないか、ビジター〕
[侵入者が衛星狙撃地点を突破 脅威レベルを引き上げます]
カーラの賞賛と封鎖機構のシステム音声を聞き入れ、最奥部まで到着。
《カーゴランチャーまであと少し…》
[封鎖施設に接近する 侵入者を検出]
〔…せっかくだ。ついでに掃除を頼もうか、ビジター。気に入らない上の住人には退去してもらおう〕
警備システム機の数はそれなりに多いがそれだけだ。敵機の散布した機雷に巻き込まれることを避けるため、プラズマミサイルで敵機を仕留めていく。
〔…片付いたみたいだね、カーゴランチャーを起動しようか〕
《あれです、コンテナにアクセスしてください》
ここに辿り着くまで余りにも容易過ぎるのではないか?先程のシステム音声で脅威レベルが引き上げられていたことも気にかかる…一応、保険として補給シェルパを手配しておこう。
〔あとは、あんたらがそいつに乗り込んで…〕
《… 待ってください…敵性反応!》
…!エアの警告で頭上が暗くなったことに気がつき、咄嗟に後方へクイックブースト。
上から巨大な機体が落下し、先程までアクセスしていたコンテナが踏み潰された。これも封鎖機構の武装ヘリやバルテウスの同類だろうか?
『コイツは…!』
〔あんた、まずいのに絡まれたよ。C兵器シースパイダー型…ろくでもない技研の遺産が…こんなところに配備されていたとはね…!〕
『C兵器…どうやら野良の奴とは格が違うらしいな…!』
C兵器…技研の遺産…?どうやら封鎖機構の機体と同類という訳では無いらしい。オルクスの言動からして野生の個体も居るようだが…?
《ジェネレータからコーラル反応…確かに通常の機体ではない…レイヴン、注意を》
〔ビジター、そいつを作った技研はアイビスの火で滅んだが・・・連中は研究に取り憑かれた狂人の集まりだった、油断するんじゃないよ〕
コーラル動力という訳か…どうやらかなり厄介な敵と関わってしまったようだ。シースパイダーと呼ばれた異形の機体は6本の脚で起き上がるとこちらへ砲台を向ける。
マシンガンのように連射された紅いレーザーを躱しながらオルクスと挟撃してACS負荷を蓄積させていき、近接武器を叩き込む隙を作りだす。
…このレーザー、恐らくコーラルなのだろうが何かおかしい。わたしの機体のACS負荷が全く減らないのだ。その上、どうやらこの攻撃は機体の装甲を貫通してAPに直接ダメージを与えているらしい。
『長期戦に持ち込まれたらジリ貧だ、火力を集中させるぞ、後輩!』
オルクスがわたしへ叫びながら打ち込んだ針のような弾丸で敵機がACS負荷限界を迎える。わたしたちはクイックブーストで肉薄し、それぞれの最大火力を構えた。パイルバンカーが装甲を穿ち、チェーンソーが抉り取っていく。
《敵機損耗!効いています、レイヴン!》
脚部から展開されたブレードの振り下ろしを捌きながらショットガンを撃ち込んでいると、敵機が不自然に動きを止めた。何をするつもりか分からないため、一旦距離を取る。
6本の脚で踏ん張るような構えを取ったシースパイダーの下部から紅いブースターを噴射し………飛び上がった。
〔おいおい…飛んだよ、ビジター!〕
『脚は6本だし糸も使わずに飛ぶし…蜘蛛ってなんだっけ…』
《敵機からコーラル反応…危険です!》
エアの言う通り、敵機下部の砲台には紅い光が収束し始めている。連射レーザーであの威力だ、直撃すれば命は無いだろう。幸い敵機の構造ならば下しか狙うことが出来ない筈だ。上をとってレーザーをやり過ごしながらショットガンとキックを繰り返す。
〔…うちの製品開発のヒントにもなりそうだ。久々に工房に籠りたい気分だね〕
《敵機損傷拡大。あと一息です、レイヴン…!》
全ての脚からブレードを展開しての回転攻撃を躱した後の反撃でACS負荷限界。
『あと一押しだな…こいつを倒して、共に海越えといこうじゃないか!』
〔やっちまいな、ビジター!〕
撃鉄を起こし、炸薬の威力も乗せた鉄杭がシースパイダーに突き刺さる。
『抉らせてもらうぞ!C兵器!』
オルクスが押し当てた回転刃はシースパイダーにわたしのパイルバンカーがつけた傷を抉りながら広げていき…攻撃を終えたチェーンソーが振り抜かれた。
《敵機システムダウン…ジェネレータが爆発します!》
コーラル爆発に巻きこまれれば無事では済まない。連鎖的に爆発を起こす敵機から距離を取り…一際大きな爆発と共に炎をあげながら墜落するシースパイダーを見届けた。
《………コーラルを…動力に使うなんて…》
…?エアは何か思う所があるようだ。ルビコニアンにはコーラル神秘主義思想というものがあるそうだが、彼女もそれ関係なのだろうか?それならばコーラルを薬物として浪費するドーザーに当たりが強いのも納得がいく。
『ふぅ…なんとかなったな。お疲れ様、後輩』
〔面白いものを見せてもらったよ、ビジター〕
そんなエアに対してオルクスとカーラの反応はあっさりとしたものだ。
〔さて、本来の目的に戻ろうか。さっさとコンテナに乗り込みな、操作はこっちでやる〕
カーラの指定したコンテナへ2人でアクセスを開始…
〔何やってるんだい?コンテナは2機乗りだよ〕
『あ、そうなのか…』
思ったよりも積載があるようだ。片方が逸れるくらいならそうした方が確実だろう。コンテナ内部に2人で乗り込んだ。
『あいわなごちゃまぜぷりんふぉゆー♪あいわなごちゃまぜぷりん ふぉーゆー♪』
〔………?ところでビジター。あんた、あのウォルターに飼われてるんだって?〕
唐突に珍妙な歌を歌い出すオルクスを無視して、カーラがカーゴランチャーの操作ををしながらわたしへ話しかける。
〔主人を選べる犬はいないが…それにしたってあんたは運が無い。まったく同情するよ〕
…?どういう意味、だろうか?確かにハンドラーの持ってくる仕事はストライダーの破壊や壁越えなどの大きな仕事が多いが…。そういえば、ウォッチポイントの襲撃については少し不審な点もあった。それについて言っているのか?
〔ああ、それからもうひとつ…の前にオルクス、舌を噛みたくなかったらその無駄に上手い妙な歌をやめな!〕
『はぁい…』
〔はぁ…こいつはあくまで物資輸送のための代物だ。有人で打ち出されるのは、あんたが初めてになるだろうね〕
…エア?
〔不運なあんたの、幸運を祈るよ〕
身構える余裕もなく、わたし達は尋常ではない推力で中央氷原に向けて発射された。
《…レイヴン?》
…?強烈なGに耐える中で遠のき始めた意識の中で、何かが見えた。
《ああ…あなたには見えているのですね》
紅く揺らめく声が…わたしを呼んでいる?
《このルビコンを対流する…コーラルたちの声が》
エアは…一体何を知っているの…?
《…ウォルターの見立ては当たっています》
暗いコンテナの中で目が覚める。どうやら到着していたようだ。コンテナが開くと、そこには一面の雪景色が広がっている。
《コーラルは…この捨てられた極地のどこかに》
Chapter2 海越え、歌声、呼声 完
◯621
他人に興味を持ち始めた
エアが勝手に録音していたオルクスの子守歌が安眠の訳に立ってるとか立ってないとか
◯オルクス
エノメナを放置しながら別の女と行く海越えデートは楽しいか?楽しいだろうなぁ!
歌うのが好き
◯エア
ずっと塩対応されてたレイヴンとちゃんと話せるようになって嬉しい
◯エノメナ
霊圧が消えた
1人前のランク圏外傭兵として頑張ってる
621の胸部装甲は…
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巨乳
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もっと!