転生独立傭兵のわくわく3周クッキング   作:おーるどあっくす

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ランクマ始めました
一応重2重ショAB突撃と軽4ミサイラーは組みましたが、勝てなくなるまでは誉を捨てずに頑張りたい


燃料基地襲撃/着いてこれるか

「やあレイヴン。君の良き戦友、ヴェスパー部隊のラスティだ。久しぶりだな、壁越え以来か」

 

 惑星封鎖機構の戦力に圧倒され、ガレージヘリに帰還したわたしの元にアーキバスから通信が入る。てっきりお馴染みのV.VIIIペイターかと思って対応したところ、通信の相手は「壁」で一度協働したラスティだった。

 

 それにしても戦友…オルクスがわたしを後輩と呼ぶようなものだと思うがまだ一度しかあっていないにも関わらず戦友とは…アーキバスの思惑を伝えてきたときといい、彼もまたよく分からない人の1人だ。

 

「…積もる話はあるが本題に入ろう。惑星封鎖機構がとうとう実力行使に出た。連中はルビコン全域に制圧艦隊を展開、うちもすでにいくつかの調査拠点を失った。ベイラムも同様のようだな」

 

「ルビコン解放戦線はこの状況をある意味では好機と捉えているようだが…私から言わせれば、甘く見積もりすぎている」

 

 ラスティは企業勢力と解放戦線の現状について報告してくれているが…解放戦線に対してはやけに辛辣だ。

 

「このままでは企業も解放戦線も、それから独立傭兵も共倒れだろう。君にアーキバス系列からの依頼を回しておく。「壁越えの傭兵」の力、ぜひとも貸してほしい」

 

 これまでも名指しでの依頼はあったが、ハンドラーを介さず直接仕事を企業が持ってくるというのは珍しい…ハンドラーも仕事を持ってきているはずだ。先にそちらを確認しよう。

 

 

 

 

 

 

「V.IVから連絡があったようだな。俺の方にもベイラムグループの仕事が届いている。両社ともコーラル調査どころではなくなったようだ。621、依頼を確認しろ」

 

 ハンドラーはベイラムの依頼を取ってきたようだ。届いた依頼を早速確認…

 

《…レイヴン、私もあなたに相応しい依頼を探してきました》

 

 しようかと思ったが、エアも依頼を取ってきているらしい。

 

《あなたが企業にも重用される有力な傭兵であることは理解しましたが、私は…ルビコンに生きるものについて、あなたにより深く知ってほしいのです》

 

 ルビコン…つまり彼女は自分の故郷について知って欲しいようだ。かつてハンドラーが言っていたように、わたしがやってきた仕事は彼女達にとって侵略と変わらないが…ルビコンについて知るのは彼女について知るということだろう。

 

 

 早速仕事を確認。ラスティが持ち込んで来たのは燃料基地の襲撃、ハンドラーが取ってきたのは坑道の破壊工作、エアが探してきたのはヴェスパー第7隊長の排除…一気に仕事が3つ入り忙しくなりそうだ。

 

 アーキバスとの折り合いを考えると、ヴェスパー7を排除する前にラスティからの依頼を受けるべきか。

 

 

ーーーーーーーーーー

やあ戦友、アーキバス系列

シュナイダーから君に依頼がある

早速だが説明に入ろう

 

惑星封鎖機構のルビコンにおける補給拠点

ヨルゲン燃料基地を叩いてもらいたい

目標は最奥にあるエネルギー精製プラント

これを潰せば…そうだな

連中の制圧艦隊の足止めぐらいにはなるだろう

 

当該基地はつい先日までは

ベイラムのコーラル調査拠点だった

それが封鎖機構の艦隊襲来で…

一夜にしてこのとおりだ

 

今回は基地に点在する燃料貯蔵タンクにも

破壊報酬を設定させてもらった

連中を叩くと金になる

そう宣伝してくれるとありがたい

ーーーーーーーーーー

 

 

 宣伝…「壁越えの傭兵」の力を貸して欲しい、というのは実力だけでなく名前が売れているというのも関係していたらしい。

 

「…宣伝とはな。621、お前はマスコットではない。気を引き締めてかかれ」

 

 封鎖機構の補給を潰すというだけあって、ハンドラーは何かを警戒しているようだ。不測の予測という面でも宣伝塔という面でも役立ちそうなオルクスを雇うことにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『やあ後輩、お誘いありがとう。なかなか美味しい依頼じゃないか』

 

「よろしく、せんぱぃ」

 

『…!後輩、話せるようになったのか!』

 

 燃料基地で合流したオルクスと挨拶を交わすと、早速彼はわたしの声に驚いているようだ。

 

「…こんど、うた、おしえて」

 

『ああ!任せてくれ!』

 

〔ミッションはすでに開始している、そういった話は仕事の後にしておけ。今は封鎖機構の駐屯部隊を排除しつつ、エネルギー精製プラントを目指すぞ〕

 

「りょうかい」

 

『流石に浮かれ過ぎたか…手早く片付けよう、後輩』

 

 …伝えたいことに意識を取られて仕事が疎かになるようではいけない。この遅れは手早く取り戻すとしよう。

 

 

「コード15 所属不明機体と会敵した」

 

「企業の雇用戦力と推定、AC2機」

 

「排除執行する」

 

 

 タンク脚部のわたしは地上からプラズマミサイルで敵機を片付け、逆関節のオルクスは跳び上がってから放ったミサイルでMTを蹴散らし、キックとブレードで急襲していく。

 

《道中の燃料貯蔵タンクにも追加報酬が設定されています。見つけ次第破壊すると良いでしょう》

 

 今回の仕事は宣伝も兼ねているため、しっかり稼げるところは示した方が良いだろう。

 

 

「コード5 所属不明AC、排除執行を開始する」

 

《MTの比ではない性能です、注意を》

 

『LCか、加算報酬が期待出来そうだな』

 

 わたしが前回それなりに苦戦させられた盾持ちのLCは、オルクスのミサイルに包囲された所をパルスブレードであっさりと両断された。

 

「コード78を…送信…」

 

 封鎖機構が本腰を入れてきたのはつい最近にも関わらず戦い慣れている…わたしがウォッチポイントを襲撃したように、彼もどこかの拠点へ攻撃を仕掛けていたのかもしれない。

 

 

 

 

 

《全ての貯蔵タンクを破壊、それなりの金額になりそうです。あとは本命のプラントを》

 

 封鎖機構の部隊を壊滅させる勢いでオルクスと共に撃破報酬を稼ぎ、崖下のタンクも破壊したわたし達は補給を済ませてプラントのある区画へ突入する。

 

 

〔目標のプラントを確認した。621、仕掛けるぞ〕

 

「コード5!敵ACを捕捉した」

 

「システムに増援を要請 コード78」

 

『プラントの破壊は俺が向かったほうが良さそうだな。部隊の相手は頼んだぞ』

 

「まかせて」

 

 オルクスがミサイルを発射しながら一直線にプラントへ向かっていくうちに砲台やMTを片付ける。

 

『こっちは終わったよ、そっちに合流するね』

 

「目標の破壊を確認。621、仕事は終わり…」

 

《…レイヴン、遠方上空に機体反応…高速で接近しています!》

 

 ハンドラーの言葉に被せるようにしてエアがわたしへ警告。彼女が示した方角から2つの機影が迫っている。

 

 

 

 

「コード23 現着」

 

「ウォッチポイントからの報告どおりだな」

 

 降り立ったのは逆関節を持つ異形の機体。これまで戦ってきたLCとはまた違うようだ。

 

「識別名「レイヴン」「オルクス」リスト上位、優先排除対象だ」

 

 

 

〔この識別反応…封鎖機構の特務機体か!撒ける相手ではない、排除しろ 621!〕

 

 

 

「久しいな…独立傭兵オルクス…!」

 

『…?どこかで会ったか?』

 

「またしてもレイヴンと共に我々の拠点を襲撃するとはな…!」

 

『…あっ、傭兵生活2日目の時の特務2級士長か!エクドロモイでついて来れなかった奴!先輩のパイルが直撃したのによく生きてたな…』

 

「馬鹿にして…以前の俺とは違う!」

 

 

 プラズマライフルを装備した敵機が、オルクスへ向かって突撃していく。どうやら因縁があるようだ。

 

『あー…っと、こっちは俺が引き受ける。エネルギーパイルには気をつけてくれ、後輩』

 

 オルクスはエクドロモイを引きつけてミサイルをばら撒きながら離れていく。

 

〔…特務機体「エクドロモイ」特定目標の排除を任務とする高機動機だ パイロットの練度も並みではない。厄介な連携は…既に阻止されたようだが〕

 

 

 

 

 

『ついて来れてるか〜?エクドロモイ〜』

 

「その寄せ集めは以前よりも遅い…!俺の技量だって上がって…!?」

 

必殺(HI-32:)ぶった斬り(BU-TT/A)!なんでブレード持ちへ軽率に近づいて来ちゃうかなぁ…』

 

 ACSが負荷限界に達したプラズマライフル持ちに彼のブーストキックが直撃。キック前に放たれていたミサイルが殺到している。

 

 

 

「「レイヴン」…またしても余計なことを」

 

 あの様子ならオルクスは問題ないだろう。今は目の前の敵に集中する。

 

「今度こそ消しておく必要がある システムはそう判断した」

 

《…レイヴン、封鎖機構とあなたには何か因縁が…?》

 

 わたしが惑星封鎖機構相手にやったことといえばウォッチポイントの襲撃や強襲艦を一隻落としたくらいで*1心当たりはないのだが随分と敵視されている。わたしとオルクスが一緒に封鎖機構へ仕掛けたかのような口振りも気になるが…

 

 

 近づいてきた所をショットガンで迎撃。ブーストキックで追撃を試みるが、敵機に踏みつけられたことで中断させられてしまった。逆関節を採用しているだけあって、脚力も中々のものらしい。

 

 わたしを踏み台にして飛び上がった敵機はエネルギーパイルを展開し、一直線にこちらへ突撃。クイックブーストで躱してすれ違いざまにショットガンを撃ち込むと、今度は武装を振りかぶって横薙ぎに振るう。

 

 

「やはり…ただの独立傭兵…では…」

 

 飛び込んできた所に2連グレネードが命中しACS負荷限界、ショットガンとブーストキックを繰り返して撃破した。

 

 

「何故追いつけない…!?オルクス…!」

 

『確かに強くなっていた…それなりに時間はかかったな』

 

 

《特務機体、2機とも撃破しました》

 

 オルクスも片付いたらしい。今度こそ仕事は終わりだ。

 

 

 

 

 

〔アーキバスめ、この展開も折り込み済みか…連中にとっては体のいい宣材だ〕

 

《追加報酬も十分入りそうです。他の傭兵たちも、あなたに続いてアーキバスの依頼を受けはじめるでしょう》

 

 

 これで広告塔としての役割は果たせた筈だ。これで依頼人であるV.IVラスティの顔に泥を塗らずに済む。

 

 このライセンスの持ち主とオルクスの関係についても気になるところだが…長時間のミッションで負担がかかっている。今は帰投して休むべきか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 燃料基地への襲撃を終えた俺はガレージヘリへ帰還。ACがたっぷり3機載せられる大型モデルだ。突然621と海越えをすることになったため、慌ててオールマインドに中央氷原まで手配してもらっていたがこの仕事までに間に合って良かった。

 

 

 

 それにしても「歌を教えて」か…

 

 冗談混じりで子守唄を提案した時はいかにもエアが聴きたいらしいから頼みました、って雰囲気でそこまで興味があるように見えなかったんだが…きっと良い傾向なのだろう。それに俺が少しでも役立っているのなら嬉しく思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …オールマインドから通信か。スッラを失って頓挫したからもう呼ぶことは無いという話だったはずだが…?

 

 

 

『いきなりどうしたんだオールマインド、ガレージヘリの件か?』

 

[………]

 

『…………………………』

 

[………]

 

『………そうか…わざわざありがとう…』

 

 

 

 

 

 …通信を切る。

 

 

 

 

 

 そっか…

 

 

 

 

 

 ………

 

 

 

 

 

 エノメナ、死んじゃったのか………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …シャルトルーズもキングも忠告はしてくれてたのにな。

 

 結局俺はこの世界に転生してきた時から…いや、転生する前から変わっていない。何度も同じ過ちを繰り返す癖に学ばない。中途半端に手を出して自己満足。分からないことから目を逸らして、逃げ出して…取り返しがつかないことになるんだ。

 

 

 

 

 

『…ごめん』

 

 

 空に向かって、無意味な謝罪を呟く。

 

 

 

 

 

 「身の丈に合わないものを背負ったままでは飛び立てない」か…

 

 彼女は…いったい何を背負っていたんだろうな…

 

 

 

 

 

*1
普通にやばい




幕間.独立傭兵オルクスの…………な日々
さよならは言えない




◯特務1級士長(元特務2級士長)
エクドロモイ(プラズマライフル装備)のパイロット
ルビコンわくわく傭兵ライフ本編4話でオルクスに散々煽られてから真レイヴンにチャージパイルされた人と同一人物

◯エノメナ
死んじゃった

◯オルクス
この出来事は少なくとも10年以上引き摺る
まぁ10年も生きられないんですけどね(笑)
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