転生独立傭兵のわくわく3周クッキング   作:おーるどあっくす

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◯ローダー4

【挿絵表示】

1周目621の最終形態
ショットガンとヨーヨーで牽制しレーザーランスとニードルランチャーで仕留める

◯アンフォラMR

【挿絵表示】

ミサイルの換装による高い汎用性が強み
多彩な軌道で敵機を振り回してパルスブレードを命中させていく



Chapter -7
地中探査-深度1/誘い込む蜜の壺


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[ RANK 》07/A

 オルクス

 AC//アンフォラMR

 

【挿絵表示】

 

コーラル反応再検出の後に頭角を現した独立傭兵

 

オルクスは性質の異なる機体を使い分けることで

安定した戦果から高い評価を得ている

 

本来強化人間でない彼が全身を組み替えて

即座に適応するのは至難の業である筈だが

事故で致死量を超過するコーラルを浴びた結果

第6世代強化人間相応の恩恵を受けたようだ

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[戦闘技能検証プログラム No.7]

[いよいよAランク帯に入ります]

 

 無人洋上都市ザイレムを模したフィールドにて、戦闘データを元に再現された彼と向き合う。

 

[今回の対象はAC アンフォラMR]

[識別名 オルクス]

 

 変幻自在の独立傭兵…オルクス。パルスミサイル、パルスブレード、特殊ミサイル、双対ミサイルを搭載した中量逆関節の機体であるアンフォラMRは、彼を象徴する機体と言えるだろう。

 

[検証を開始します]

 

 

 

[メインシステム 戦闘モード起動]

 

 

 戦闘開始。このフィールドの戦闘開始地点からオルクスの間まではそれなりに距離があるため、アサルトブーストで彼の元まで接近…

 

 

 …居ない?どうやら彼はこちらに直進してきた訳ではないらしいスキャンで周囲を…建物に隠れて背後に回り込まれていたようだ。

 

 背後を振り向いた瞬間にオルクスのパルスブレードが命中するが、2回目の攻撃は後方にクイックブーストして回避。ブレードを振り抜いたオルクスへプラズマ機雷投射機で反撃したものの、あちらも同様に2発目は回避された。

 

 

 なるほど、再現データにしてはオルクスらしさのある動きをしてくるようだ。距離を取って仕切り直されたが、ミサイルを主体とするアンフォラM2を相手に距離を取られる訳にはいかない。

 

 

 拡散して広範囲を攻撃するパルスハンドミサイル、6発の順次発射で持続的にプレッシャーをかけてくる双対ミサイル、視認の難しい特殊ミサイルを切り抜けながらスタンニードルランチャーを発射。クイックブーストで地上を離れ、逆関節の強みを失った瞬間をレーザーランスで貫く。

 

 内蔵ブースタによる推力を上乗せされたEN刺突がチャージによって更に引き上げられ、2段階にわたる高速の長距離突撃が敵機を壁に叩きつけた。

 

 

 …弱い。所詮は再現データか。彼の癖のある動きこそ再現出来てはいるが、読み合いというものが全くない。ただひたすらミサイルをばら撒いているだけでは当たるものも当たらないだろう。

 

 ショットガンで怯ませてACS負荷限界を延長し、プラズマ機雷投射機を2度叩き付ける。

 

 

ENEMY DESTROYED

 

 

 戦闘終了。あまりにもあっさりとした物足りない戦い。こんなことなら彼に直接模擬戦を申し込んでおくべきだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベイラムとアーキバス

二大企業グループの一時共闘により戦況は覆り

惑星封鎖機構は保有戦力の過半を喪失

星外への撤退を余儀なくされた

 

決定打となったのはベイラム主導による

アイスワーム掃討作戦だったが

アーキバスは封鎖機構の執行部隊との交戦を経て

強襲艦を初め主力兵器の多数鹵獲に成功

これは両社のパワーバランスをアーキバス優勢に傾け

企業陣営の消耗を見込んでいた

ルビコン解放戦線にとっても大きな逆風となった

 

惑星封鎖機構という共通の敵を失い

にわかに再燃した集積コーラル到達競争は

以前にも増して硝煙の匂いを漂わせはじめていた

 

 

 

 

 

[強化人間 C4-621 通常モード移行]

 

 

「621、調子はどうだ?」

 

 …アイスワームの撃破から数日が経った。休暇を使って追加の機能再生手術を受けてついに五感を取り戻し、追加されたアリーナのAランクを通して訓練をしていたわたしへハンドラーが声を掛ける。

 

「もう少し休息を与えたいところだが、企業はすでに動き出している。封鎖機構が片付いた今、あとはコーラル集積地点を目指すだけだ」

 

 とうとう新しい仕事が届いたらしい。

 

「洋上都市ザイレムで行った調査は覚えているか?得られた情報を友人が解析した結果、中央氷原には広大な地下施設があることが分かった。「ウォッチポイント・アルファ」…アイスワームが防衛していたのも、この施設の入口だったようだ。お前には、これに潜ってもらう」

 

 わたし達もついに動き出すということか。早速準備を…

 

 

《……………》

 

「…えあ、どうか、したの?」

 

 エア…コーラルの織りなす潮流の中に生まれた波形、実体を持たないわたしの友人。彼女には何か気がかりなことがあるらしい。

 

《レイヴン、ひとつ伝えておきたいことが。ウォルターの言う「友人」ですが…彼がそのような人物とやりとりを行った記録は存在していません。ウォルターは、本当の思惑を伏せている。そしてあなたを使い…何かを為そうとしている。このルビコンで…》

 

 …ハンドラーの目的を、わたしは知らない。オルクスと違ってこの惑星にまだ残る決断を選んだ以上、コーラルが目的なのは確かだが…コーラルを手に入れて何をするのかまでは聞かされていないのだ。

 

 それでも、わたし以外に猟犬が居ない以上ハンドラーはコーラルを手に入れるまでわたしを頼らざるを得ない筈であり、わたしもコーラルを見つけて人生を買い戻す必要がある。だから…

 

「しんぱい、して、くれて、ありがとう。わたしは、はんどらーを、しんじる、よ」

 

《…分かりました。何かあれば、私がサポートします》

 

 彼女は人間ではなかったけれど、わたしを心配している姿勢から信頼できる友人であることには変わりない。これからも、力を借りていくことになるだろう。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

621、仕事だ

これより巨大地下施設

「ウォッチポイント・アルファ」の探査を開始する

 

アーキバスからは先行調査の依頼を取り付けておいた

連中は変わらず 独立傭兵を露払いに使う方針らしい

ベイラムは先んじて

レッドガン数名とMT部隊を突入させている

動きに焦りが見られるのは

アーキバスの戦力増強に対抗する意図からだろう

 

まずは深度1

この縦穴区画をお前には降下してもらう

惑星封鎖機構が残していった自律防衛兵器が

道中の障害となるだろう

特に注意すべきは 降下した先で待ち構える

複合エネルギー砲台「ネペンテス」

突入したベイラム戦力のおよそ半数は

これに消されたと聞いている

 

ベイラムと同じ轍を踏むことはない

慎重に行け

ーーーーーーーーーー

 

 

《…ウォッチポイント・アルファ。巨大地下施設の先に、同胞たちが…》

 

 コーラル集積地はエアの故郷…ということになるのだろうか?エアは、「集積コーラルに到達するまで交信を続けさせてほしい」とわたしに頼んできたが、その後はどうするつもりなのだろう?もしそこで彼女との交信が終わってしまうのなら、それは少し寂しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔621、準備はいいか?〕

 

 作戦領域の入り口に到着。閉ざされた隔壁のロックが開錠されていく。

 

〔生きて帰る保証もない、深い探査となるだろう〕

 

 開かれた隔壁の中へ突入。

 

〔…だが、やり遂げられるとすればお前だけだ。コーラルに、辿り着いて見せろ〕

 

 …地中探査が幕を開けた。

 

 

 

〔ミッション開始だ。まずはリフトにアクセスして降下しろ〕

 

 ハンドラーに言われるがままにリフトを起動。リフトは火花を散らしながらゆっくりと降下していくが…

 

[脅威度未測定の侵入者を検出

 防衛フェーズ1.0 対象を排除します]

 

《防衛システムが作動したようです。捕捉されています、対処を》

 

 …リフトが止まってしまった。そう簡単には地底まで降りさせてくれないらしい。無人特攻兵器をショットガンとプラズマ機雷投射機で叩き落として対処する。

 

〔…リフトがロックされたか〕

 

《飛び降りるしかありません。行きましょう、レイヴン》

 

「うん」

 

 

 

 リフトから飛び出しブーストを切って自由落下に身を任せていると、下の方で新たな動きがあった。

 

《危険です!下を!〕

 

 クイックブーストで回避すると、先程まで私がいた場所へレーザーが照射される。

 

〔複合エネルギー砲台「ネペンテス」尋常ではない威力が見て取れます》

 

 足場を使って照射レーザーを凌ぎながら降下を続ける。

 

 

 

〔待て、隔壁が作動した〕

 

《周辺から敵性反応!》

 

[侵入者を隔離 対象を排除します]

 

 また次の防衛設備が作動したようだ。降下してきた4体の無人兵器を迎撃。

 

[侵入者の脅威度を計測

 脅威レベル4…6…レベル6 排除困難と判定

 防衛フェーズ1.5 移行準備]

 

 

 

〔片付いたか。隔壁を開く方法を探る、待機しろ621〕

 

《あちらです、マーカー情報を送信しました》

 

 ハンドラーが動くよりも早くエアが情報を見つけてきたようだ。早速アクセスを開始する。

 

《「ネペンテス」…絶滅した植物に由来する名称のようです。興味深い形状…レイヴン、良ければあなたも検索してみてください》

 

 アクセス中の待ち時間で検索…袋状の植物のようだ。筒の中に誘い込んだ獲物を落として溶かす…なるほど、今の状況と一致しているようだ。コーラルという蜜で誘い込み、レーザーで侵入者を溶かしている。

 

「おもしろい、かたち、だね」

 

 

 

〔アクセスポイントを見つけたのか? 大した嗅覚だが…〕

 

 アクセス完了。隔壁が解錠され、開き始めたようだ。

 

[不正アクセスを検出 フェーズ1.5 移行]

 

 

 

《複合砲台の制御パターンが変化しました。プラズマミサイルに警戒を》

 

 降下を再開。エアの言う通り、ネペンテスのレーザーは照射形式から収束形式に変化している。6発のレーザーを足場で凌ぎ、冷却中に降下していく。プラズマミサイルはその数から回避は難しいが、それほど火力は高くない。多少掠る程度なら問題はないだろう。

 

 

 

〔ネペンテスが目視圏内に入った。お前の間合いまであと一歩だ、621〕

 

 狙撃型の封鎖兵器も加わり、ますます激しさを増す攻撃を捌いて効果を継続。

 

 

 

〔…懐に入ったようだな。目標を破壊しろ、621〕

 

《レイヴン、頸部関節を狙えば手早く無力化できそうです》

 

 ここまで降りれば砲台は無意味だ。エアの指示を頼りに、関節へプラズマ機雷を投射し、レーザーランスで貫く。

 

《複合砲台ネペンテス、機能停止》

 

〔目標の破壊を確認した、ミッション完了だ〕

 

《少し休みましょう、レイヴン。先はまだ長そうです》

 

 まだ地中探査は始まったばかり、封鎖機構の防衛戦力は激しさを増していくのだろう。エアの言う通り、今は英気を養わなければ。

 




◯オルクス
星外脱出の荷造り中
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