◯アーキバス、ベイラム斜陽企業説
食ってよしキメてよし、しかも増えるエネルギーであるコーラルの万能さを考えると明確にコーラルを求めているのがアーキバス(シュナイダー)、ベイラム(大豊)だけというのは少ないように感じるんですよね…
他の企業が星を燃やす危険物質を宇宙政府軍である惑星封鎖機構に喧嘩売ってまで手に入れるまでもないと判断する中で、業績の伸び悩むアーキバスとベイラムが起死回生の一手としてコーラルを求めているというのが自分の見解です。
封鎖機構のLC、HCとACのスペック差を考えるともしかしたらACに拘っていること自体が時代遅れな可能性も…
VIの続編が出るならアーキバスとシュナイダーとの力関係が逆転してフラジールみたいなのが出来上がってそう
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お前も見ただろう、あの廃墟を
ルビコン技研都市…
アイビスの火を引き起こした罪人たちの墓標だ
その中心に…コーラルはある
アーキバスからは先行調査打ち切りの通達があった
以降は連中のAC部隊が引き継ぐそうだ
…621、企業に使われるのは終わりだ
アーキバスAC部隊を排除し
コーラル集積地点へと真っ先に到達しろ
この仕事が終わったら
ある友人からの、最後の依頼について話そう
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…ついにここまで来た。コーラルを手に入れて、ハンドラーの真意を知る時が。与えられた意味を果たす時が。
〔…621、ここからは俺に…〕
ここからはアーキバスの通達に背き、ハンドラーの指示で…
〔…いや、お前自身の感覚に従え〕
「………」
わたしの…感覚で…?
《同胞たちの声が近い…ここが…私の故郷…》
輸送ヘリから技研都市に降り立ち、メインシステムを起動。
〔ミッション開始だ〕
《…行きましょう、レイヴン》
建物の上を渡りながらまずはアーキバスAC部隊の排除に向かう。
「スネイル第2隊長閣下、増援をお願いします。任務安定遂行には兵力が足りません」
「技研のガラクタが…鬱陶しいですよ!」
《アーキバスAC部隊を確認、片方はレッドガン隊員のようですが…》
〔無人兵器と交戦しているようだな〕
標的はV.VIメーテルリンクとG3五花海。技研都市に配備された技研の防衛兵器に苦戦しているようだ。自由にさせておくと厄介な武装の五花海に狙いを定め、スタンニードルランチャーを発射して奇襲。
奇襲成功。放電で怯んだ五花海へレーザーランスで突撃し、壁に叩きつける。
「おやおや…!貴方は…独立傭兵レイヴン…!なるほど、アーキバスの通達を無視する気ですか。ガラクタ掃除では物足りなかったところです、この五花海がお相手しましょう!」
「スネイル隊長閣下に報告、例のカラスが現れました。増援をお願いします」
V.VIは無人兵器の対処に手一杯で、G3の救援には来られない。手早く対処してあちらも片付けよう。
ショットガンを撃ち込んでACS負荷限界。姿勢の崩れたところに回転体を2度敵機のコアに叩きつけて追撃する。
「ベイラムはとんだ泥船でした、理気の流れはアーキバスにあります。壁越えにしてアイスワーム殺し…貴方の首級は良い貢物になるでしょう。この出会い…まさに吉兆か!」
随分と余裕そうだが…アリーナでの解説を考えると隙を見せない為の強がりかもしれない。自分すらも欺いて奮い立たせているのだろう。
だが、そんなものに意味は無い。アサルトアーマーをアサルトアーマーで掻き消して再度ACS負荷限界。レーザーランスでコアを貫き、トドメを刺した。
「吉穴が…見えぬ…」
《ベイラムを見限って鞍替えしたのでしょう。結果は同じでしたが》
「スネイル閣下、僚機が落とされました。増援を…!」
わたしの機体はEN攻撃に弱いため、プラズマキャノンに注意を払いつつV.VIと交戦。プラズマキャノン発射の反動で足を止めたところにレーザーランスで突撃してACS負荷限界に追い込む。
「このままでは…!隊長!スネイル隊長…応答を!こちらメーテルリンク、増援をお願いします!」
必死に助けを求めているが、もう増援は間に合わない。スタンニードルランチャーがインフェクションに突き刺さり、その機能を停止させた。
「なぜです…スネ…イル…」
〔不憫なことだ、お前を相手にして助けも貰えないとは〕
周囲のMTや防衛兵器を片付けて、第1目標は達成。
〔アーキバス所属ACの排除を確認。これである程度の時間稼ぎにはなる…先を急ぐぞ〕
だが、本命はここからだ…コーラル集積地の確保に向かう。
〔…バスキュラープラント、まだ残っていたのか…〕
《前方に見える巨大建造物のことでしょうか…?》
あの大きな筒はバスキュラープラントというらしい。この空間を支えているだけの柱ではないようだ。崩れた橋の上を進むが…前方のビル群で爆発が繰り返し発生して…こちらに近づいている?
《敵性反応!自律型の…破砕機…!?》
物凄い勢いでわたしの隣を通り過ぎていった破砕機は、ドリフトしながら火炎放射でこちらに攻撃…なぜ破砕機に火炎放射器が?
再び向かって来る破砕機に放ったショットガンはその装甲にあっさりと弾き飛ばされる。ならば狙うべきは…
ドリフトの瞬間にスタンニードルランチャーを発射。火炎放射器を備える側面は脆弱になっているのか、転倒したところにショットガンを撃ち込むとあっさり機能を停止した。
《半世紀もの間、安定稼働するエネルギー…人がコーラルを求めるのも…あるいは仕方のないことなのかもしれません》
〔企業はすでに俺たちの行動を察知しているだろう。621、先を急ぐぞ〕
ベイラムもアーキバスも業績の伸び悩む斜陽企業だ。そんな現状を打破するためルビコンに来ている。アイビスの火も、技研の人間の都合で引き起こされたものなのかもしれない。
〔コーラル集積反応、近いぞ〕
《同胞たちの声が、一段と強くなっています。私たちを呼んでいるかのような…》
橋を越え、無人兵器からの狙撃を潜り抜けながら先を急ぐ。
〔反応が強まっていく。目指す場所まで…あと一息だ〕
《これは…この湖の全てが…》
〔…辿り着いたか、621。企業の追手が来る…その前に調べるぞ〕
ついに…ここまで来た。補給を済ませて、コーラル集積地に降り立つ。
〔コーラル潮位が上がっている…自己増殖が、ここまで進んでいたとは…〕
《レイヴン、やはりウォルターは何かを…》
何かを呟くハンドラーに不審そうにするエアの言葉が遮られた。
〔待て、あれは…!〕
ハンドラーの声で上を見上げると、何か…紅く発光する飛翔体が浮いている。惑星封鎖機構の特攻兵器とはまた違うようだが…
《不明機体、上です!》
飛翔体が紅い軌跡を残して移動した先で、白い機体が飛んでいる。あの飛翔体はオービットのようだ。
《この反応は…C兵器…!?》
白いC兵器は大きく旋回して、鳥を彷彿とさせる仕草でわたしの目の前に降り立った。
〔「アイビスシリーズ」…やはり稼働していたか…!〕
アイビスシリーズと呼ばれた機体が再び飛翔し、オービットを展開。
〔…備えろ、621…もう一仕事だ…!〕
紅い光を放つオービット達が、わたしを睨む中戦闘開始。オービットから放たれるコーラルレーザーをブースト移動で回避。そこまで射撃精度が高い訳ではないらしい。
《これまでに遭遇したC兵器とは違う…動力がコーラルというだけではありません、おそらく制御導体も…!》
レーザーを放ち終えたアイビスは腕部から刃を形成して斬りかかるが、これも回避して逆にスタンニードルランチャーを撃ち込む。攻撃そのものは単調だが…オービットの数が多い。常に動き続けなければ被弾は避けられないだろう。
〔…よく聞け、621。アイビスシリーズは通常の防衛兵器ではない。コーラルに関わる危機を未然に防ぐための…ルビコンの安全装置とも言える機体だ。そして、その制御を握る主はもういない。やらなければ…お前がやられるぞ!〕
「…りょうかい」
ルビコンの安全装置…コーラルの番人という訳か。進行方向を塞ぐように腕部から放たれた光波をドリフトターンで切り返して回避。再びブレードを形成したアイビスシリーズの斬撃を回避し、レーザーランスで攻撃後の隙を貫く。
《効いています、レイヴン!直撃を狙えるチャンスは多くはありません…ですが、あなたなら…!》
アイビスシリーズは素早く、常にわたしから距離を取ろうとしてくるが、攻撃後には明確な隙があるようだ。レーザーランスでACS負荷限界に陥った敵機に回転体を投射し、2度叩きつける。この手応え…耐久はそれほど高くないようだ。
〔いいぞ…621!確実にダメージが蓄積している…!〕
胸部から放たれた極太のコーラルキャノンを躱してスタンニードルランチャーを発射。放電による追撃を受けてジェネレータが爆発。アイビスシリーズは地に落ちた。
《敵機コーラル反応…停止…》
〔…待て!まだ終わっていない!〕
ハンドラーが叫んだ直後、周囲のコーラルがアイビスシリーズに収束していく。確かに仕留めたと思ったのだが…一体何が…!?
《再起動します!》
〔これが…アイビスシリーズの真価ということか…!?〕
アイビスシリーズは先程までのダメージなどなかったかのように宙を飛び回り、こちらにオービットを向ける。
《周辺コーラルとの共振…環境からエネルギー供給を受けています。ジェネレータを完全に破壊しない限り、この機体は止められない…!》
なるほど、強制放電で内部から破壊するだけでは不足という事らしい。ならば次は、レーザーランスで物理的に破壊する…!
アイビスシリーズの攻撃は激しさを増し、オービットのコーラルレーザーや光波による遠距離攻撃でこちらに反撃の隙を与えない。そんな弾幕を切り抜けながら反撃の隙を伺い続け…再びブレードを展開したのを確認し、レーザーランスで迎え撃つ。
《敵機損傷拡大!…あの機体から、この場に共振する強い反応…「コーラルを守る」という意思を…感じます》
この機体にも、誰かから与えられた意味があるのだろう。何度撃破されようとも、立ち上がって果たさなければならない意味が。
わたしには何もない。何もないからこそ…ハンドラーから与えられた意味だけは裏切る訳にはいかない…!
わたしを包囲するようにオービットから放たれたレーザーの間を潜り抜けてショットガンで反撃。すかさずブーストキックで機体をアイビスシリーズに叩きつけて吹き飛ばす。
〔追い詰めているぞ、621!やはり…この仕事をやり遂げられるのはお前だけだ…!〕
大きく飛び上がったアイビスシリーズは、コーラルを纏って鳥のような姿を形成し、こちらへ突撃。2度の突進を左右にクイックブーストで回避。3度目の突進を上昇して飛び越えた後、クイックターンで反転してレーザーランスを構える。
レーザーランスが、アイビスシリーズの胸部に突き刺さる。エアの助けを借りて狙いを定めたそのブースト突撃は、敵機のジェネレータを抉り取った。
《敵機…ジェネレータ破損…!》
〔爆発するぞ!退避しろ!〕
後方にクイックブーストして、爆発を繰り返す敵機から距離を取り…今度こそアイビスシリーズは機能を停止した。
〔…やったか〕
《コーラルの共振が…弱まっていく…この機体と…作った人々の意思…過去から続く…全ての声たちが》
〔!?〕
わたしの足元に、何かが撃ち込まれる。
〔いかん…! 避けろ、621!〕
撃ち込まれたものがスタンニードルランチャーであると理解したのと、そのニードル弾が放電を開始したのはほとんど同時だった。
連戦の疲労で、反応が追いつかなかった。ACのメインシステムが停止し、機体とわたしの接続が強制的に切断される。
《レイヴン!?機体制御が…!》
強制切断の反動で、意識が遠のく…
〔クソッ…!一手遅っーーーーー〕
ハンドラーの通信が途絶えたと同時に、わたしの視界も暗転した。