「621 アーキバス本社から直々の依頼だ。企業たちが「壁越え」と呼んでいる作戦…その協力要請になる」
レッドガン部隊と協働での【多重ダム襲撃】ともうひとつの仕事である【武装採掘艦破壊】を終えたわたしは、G5の語っていた「壁越え」に参加することになった。
「壁越え」とはもしかしてアーキバスとベイラムが協働で行う作戦なのだろうか?それほど大きな作戦ならばG5が誇らしげに語っていたのも理解出来る。また彼らと協働で「ゆかいなえんそく」に臨むことになるのかもしれない。
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ヴェスパー第2隊長スネイルです
これより作戦内容を伝達します
私が立案した作戦行動に臨めること
光栄に思いなさい
ルビコン解放戦線が拠点化した交易上の要衝
通称「壁」を攻略します
敵は多数の砲台とMT部隊により
防衛ラインを形成している
まずはそれを突破し壁上に到達しなさい
そこに配備された重装機動砲台「ジャガーノート」
の撃破が依頼の達成条件です
本作戦においては
我がヴェスパーの第4隊長も別ルートで侵攻しますが
先走り壁越えを果たそうとしたベイラム部隊は
ものの見事に壊滅しています
せいぜい犬死にしないように気を付けることです
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…随分と偉そうな男だった。感情に疎いわたしでも下に見られていることが分かる。とりあえずベイラムとの協働作戦ではないようだ。
それにしてもブリーフィングの中で出た資料の中に見覚えのある機体があったような気がするが…コーラルの焼きついた脳では思い出すのも一苦労だ。頭の片隅に置いて置けばそのうちふと思い出せるだろう。
「621、ミシガンからお前に届け物がある」
考え事を止め、ハンドラーの言葉に耳を傾ける。届け物?
「G13に機体を供与する、とのことだ。活用していけ」
そう言ってハンドラーがわたしに端末の資料を見せる。
テンダーフット…ベイラム製品であるMELANDERの非売品カスタムパーツで構成された濃紺のACだ。敵対する可能性がある独立傭兵に渡して良い機体ではないと思うが…どういった魂胆だろう?
…考えても分からないものは仕方ない。ハンドラーの言う通り活用させて貰うことにした。ショップの品揃えも増えているため、オルクスに話を聞いてみよう。
オルクスの助けも借りて壁越えに向けた機体が仕上がった。
探査用フレームであるC-2000よりも高性能な分負荷の高いMELANDER C3を補う為にEN出力に長けたVP-20Sに変更。
シミュレータで試してみて好感触だったショットガンを装備しそれに合わせてFCSをABBOT、ブースターをALULAに換装したことで敵機に張り付いての立ち回りに重きを置いた。
背部武装は今回の作戦目標であるジャガーノートに対して有効だとオルクスが情報提供してくれた8連装とプラズマ、2種の垂直ミサイルを採用。
これで大仕事に向けた用意は整ったはずだ。オルクスを雇おうかとも思ったが「壁越え」は自分の力で果たさなければ意味が無いとハンドラーに止められたため、別ルートで侵攻するV.IVとわたしでの作戦となる。
「ルビコン解放戦線の防衛拠点、通称「壁」を落とす。621、お前の価値を示してこい」
〔ミッション開始だ、まずは友軍アーキバス部隊の露払いを行う。街区への侵攻を阻むガトリング砲台とその先のBAWS四脚MTを排除しろ。壁上からの砲撃が激しい、621遮蔽を上手く使え〕
作戦領域に到着。壁には砲台が設置され、その上からは重装機動砲台ジャガーノートがMT部隊を狙撃している。市街地の手前にも壁があり、その上にもガトリング砲台が設置され、キャノンを装備したMTがいるようだ。まずはハンドラーの言うように市街地の壁の前にある溝に隠れて射線を切るべきだろう。
「企業ども…何度来ようともこの「壁」は越えられんぞ…!「コーラルよ ルビコンと共にあれ」!」
アサルトブーストで市街地の端を突っ切り、敵に捕捉される前に壁前の溝へ飛び込む。以前のブースターよりEN消費は激しいが、その分速度は向上している。
溝の中に居るMTをパルスブレードとショットガンで加算報酬を稼ぎつつ、ガトリング砲台の下まで近づき、垂直ミサイルをマルチロックして安全な位置から破壊。
〔ガトリング砲台の破壊を確認、街区の制圧は友軍MT部隊が行う。621、目標四脚MTの排除に移れ〕
このまま直進すると壁に設置された砲台から狙われることになる。街区を通って迂回していく方針で行こう。
「敵襲!街区に侵入されているぞ!」
「単騎だと…? アーキバスめ…舐めた真似を!」
遮蔽を上手く使いながら壁へ近づいていくと、大量の4脚MTが転がっていることに気がつく。この区画では激しい戦闘があったようだ。恐らくベイラムの部隊がやったのだろう。バトルログ持ちのMT3機を片付けると4脚MTとは違う残骸が目に入る。ブリーフィングの時に引っ掛かったタンクAC…
…思い出した。これはG4の機体だ。残骸から情報ログを抜き取ってみる。どうやら死亡する直前にG5へ通信を行っていたようだ。G5はあれほど誇らしげに語っていた壁越えをサボったらしい…何故だろう?G4は悪い奴じゃなそうだったので死んでしまったのは残念だ。
〔…作戦に戻れ、621。お前も同じ末路を辿ることになるぞ〕
ハンドラーの言葉で思考を切り替え、壁上の砲台を破壊。加算報酬が多いようなので全て破壊しておこう。
「「灰かぶりて 我らあり」!死ね!独立傭兵!」
西側と中央の砲台を全て破壊し、4脚MTに垂直ミサイルを斉射して先制攻撃。背中に大量のバズーカを載せているため正面に立つのは得策では無さそうだ。新しいブースターの推力を活かして背面に回り込み、パルスブレードで斬りつける。
「街区防衛部隊に報告!裏手にもACが…!」
「チッ…もう一匹も来たか…!」
もう一匹…V.IVだろうか?ひとまず目の前の4脚MTをショットガンとミサイルで片付けた。
「企業の…狗め…」
わたしは企業じゃなくて「ウォルターの猟犬」なのだが…まぁ良い。仕事に戻ろう。
〔BAWS四脚MTの排除を確認、街区における脅威は大きく減少した。次は隔壁内部にアクセスしろ。「壁」内部に侵入する〕
〔内部への侵入を確認した。閉所での戦闘に備えておけ〕
垂直射出カタパルトを使って壁に登り、砲台を壊してから内部に突入したわたしに通信が入る。
「聞こえるか、こちらV.IVラスティ。速いな…どうやら話に聞くよりできるらしい。こちらもスピードを上げていく」
どこか余裕のある声…オルクスに雰囲気が似ているかもしれない。
〔ヴェスパー部隊の番号付きか。だが、ここはベイラム部隊も退けた「壁」だ。当てにはするな〕
攻め込まれる事を想定していないのか、外部と比べると内部は随分と警備が手薄だ。発射位置に気をつけながら垂直プラズマミサイルで纏めて吹き飛ばしていく。
「敵襲!増援は回せるか!?」
「こちらもやられている!」
〔周辺にリフトがあるはずだ。目標は近い〕
V.IVも順調なようだ。ハンドラーの指示通りリフトに乗って上昇。被弾はほとんどないが、ハンドラーが手配した補給シェルパから弾薬を補充しておく。加算報酬の為にショットガンを撃ち過ぎた。もっとブレードを使っていくべきだったかもしれない。
準備を済ませて隔壁にアクセス。後は作戦目標のジャガーノートだけだ。
…開き始めた隔壁の向こう側にACが降り立つ。獣のような曲線を持つ鳥のように細い脚部が印象的な青い機体だ。
「君がレイヴンか…あのハンドラー・ウォルターの子飼いらしいな」
V.IVはわたしの正体に気付いているらしい。彼がこちらに向けていた視線を前に向けると、その方向から爆発と共にジャガーノートが飛び出してきた。
「これも巡り合わせだ」
敵機とわたしの前に立つV.IVを見据える。
「ともに壁越えといこうじゃないか」
「来るぞ、ひかれるなよ」
戦闘開始と同時にこちらへ突進してくるジャガーノートを跳躍して回避。反撃しようとショットガンを撃ち込むがあっさり跳弾してしまった。
「重装機動砲台ジャガーノート…正面から攻めるのは得策じゃない。スティールヘイズのスピードで攪乱する、君は背後から叩いてくれ」
なるほど、正面は突進や砲撃が脅威というだけでなくそもそも攻撃が通らないという訳だ。それでオルクスは垂直ミサイルを私に勧めたのか。試しに発射したミサイルが降り注ぎ突進後の硬直に突き刺さる。
言葉通りライフルとハンドガン、プラズマミサイルで敵機を錯乱していくするV.IVに向かって突進した後の隙に背後へ回り込み、ショットガンでACS負荷限界に追い込んだ。パルスブレードで追撃し、ミサイルとショットガンで追い討ちをかける。
「見せてくれる、流石はウォルターの猟犬」
左腕の武装から展開された双刃ブレードを回転させて敵機を切り刻みながらV.IVは賞賛の言葉を投げかけてきた。
「こちらV.IV…了解した」
このまま押し切ろうかというときにV.IVへ通信が入る。何か指示を受けているらしい。
「レイヴン、司令部のスネイルから情報が入った。敵の増援が迫ってきている、迎撃しなければ共倒れだ。悪いが…ここは君に任せるぞ!」」
そう言い残すと、彼は凄まじい推力で戦闘から離脱した。よく分からないが、わたしは自分の仕事をするだけだ。
〔僚機が離脱した。ここからはおとり抜きだ、621〕
問題ない、ここまでの戦闘で敵の動きは把握した。ジャガーノートは滞空している相手へのまともな攻撃手段を持ってはいない。垂直ミサイルでダメージを蓄積させて逃げ回る。
「壁」の端で敵機の突進を誘発し、転落しまいと急停止した隙にパルスブレードの1撃目でACS負荷限界。2撃目で追撃し、ショットガンを何度も撃ち込む。負荷限界を脱して動き始めたジャガーノートに冷却の完了したパルスブレードを叩き込んで撃破した。爆発に巻き込まれないように距離を取る。
〔ジャガーノートの撃破を確認、「壁越え」 は成功だ 621…ラスティと言ったか、お前の正体に気付いているようだったが…気にするな。多少のことは織り込んである〕
ハンドラーがそう言うのならば問題はないのだろう。オートパイロットに切り替え、帰投する。
拠点へ帰投し、休眠モードを解除するとメッセージが届いていたことに気がつく。既視感…G5の時を思い出した。
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ともに戦った縁だ、ひとつ伝えておこう
「壁越え」でアーキバスは…
君を捨て駒にするつもりだった
独立傭兵には露払いだけさせ
私たちヴェスパー部隊で制圧する計画だったのさ
だが…「壁」は落ちた
上の連中も 君の名を覚える気になるだろう
この私と同じようにね
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あの時V.IVに通信が入った理由はそういうことか。彼も企業に振り回されているのだろう。だが…こんなものをわざわざ送ってなんの意味がある?
よく分からないが、彼はわたしを評価してくれたらしい。
V.IV…ラスティ。わたしも彼の名前は覚えておこう。
◯621
身体は散弾を求める
◯オルクス
アセン相談?ショットガンを使いたい?導かれてんなぁ…
所で2話連続本筋出番無しとか脳焼く気あんの?
このままだとラスティに盗られるぞ?