多重ダム襲撃/可能性
[登録番号Rb23 識別名レイヴンによる認証を確認]
[安否不明状態を解除、ユーザー権限を復旧します]
[傭兵支援システム「オールマインド」へようこそ]
[レイヴン 貴方の帰還を…]
[…失礼]
[貴方の帰還を歓迎し さらなる活躍を期待します]
…目が覚めると、そこは見慣れたガレージだった。
「認証は通ったようだな。随分と丁重な挨拶だが…まあいいだろう」
聞き慣れた声と、聞き覚えの無い言葉。
「「レイヴン」それがルビコンにおけるお前の身分となる。早速だが仕事を取ってきた。確認しろ、621」
オルクスに指定された座標を目指していたわたしは、どういう訳か惑星ルビコン3に戻っていた。
「…りょうかい」
状況は掴めないが、ひとまずウォルターの言葉に返事…を…?
………声が…出る?
この時点のわたしは昨日回復手術を受けていない以上発声機能は首に取り付けた装置で代替しているはずで、声が出る訳がない。もしかして…以前に受けた手術の状態が…引き継がれている?
それなら、さっきまで見ていたものも夢ではなくて…それとも、今の状態が夢?なんだか混乱してきた…
「…621?バイタルが乱れているぞ」
「…だいじょうぶ」
「何か問題があれば報告しろ、調整する。それとオルクスについてだが…」
ルビコンに密航してきたあの日のように、ウォルターが独立傭兵オルクスの情報を伝えていく。
そうだ…ここにはまだ…ウォルターも、オルクスも生きている。エアだって、きっとウォッチポイント・デルタにいる。
ウォルターの遺志を継ぎ、コーラルを焼くというわたしの選択が間違いだったとは思わない。
けれど…みんなを救える可能性があるのなら、わたしは別の選択も試してみたい。
…その為にも、今は仕事の時間だ。実績が無ければ選ぶ事も出来ない。
わたしのライセンスやACパーツの所持状況は前回からそのままで、ここまでの仕事の内容にも変わりはない。
移設型砲台を破壊し、グリッド135を掃討し、輸送ヘリを破壊し、テスターACを撃破していく。
何か違いがあるとすれば…移設型砲台破壊の際にウォルターがオルクスが雇用しなかったこと、そしてデイブレイクの頭部…SHADE EYEがガレージの倉庫に置かれていなかったことだろう。
それと…機体構成を大幅に変更した。
軽量タンク脚部であるローダー4.2よりも、2脚ACの方が今のわたしには馴染むような気がする。デイブレイクに乗ってきた影響…あるいはわたしの心情の変化だろうか?
〔前線のMTも片付いたようだな〕
〔準備運動は終わりだ、続けるぞ!役立たずども!〕
前回までと変化のない仕事を熟して実績を重ねていく中のひとつ、レッドガン部隊と合同での多重ダム襲撃にて転機は唐突に訪れた。
〔待て、621。暗号通信が入った〕
…暗号通信?いったい誰から…なんのために?ひとまず聞いてみよう。
〔独立傭兵レイヴン、我々はルビコン解放戦線だ〕
解放戦線…聞き慣れない声だ。少なくともアーシルではない。
〔単刀直入に言おう。こちらに付きレッドガン2名を排除してもらいたい。報酬はベイラム提示の2倍、色好い返事を期待している〕
これまでにはない展開…気になる所ではあるけれど、ここで裏切るとベイラムとの関係が…
ウォルターに迷惑はかけられない。まずは彼の指示を仰ごう。
〔…なるほど。ここはお前が決めろ、621〕
「なら、おうじる」
…やっぱり、ウォルターはわたしに決断を委ねさせてくれる。ここはありがたく、解放戦線の取引に乗らせてもらうことにしよう。
〔独立傭兵レイヴン、協力に感謝しよう〕
〔621、解放戦線から友軍識別タグが交付された。連中の戦力を上手く使え〕
「りょうかい」
…ベイラムと敵対するリスクを背負ったからには、この選択がこの先の可能性を広げてくれるといいな。
「野良犬がついてくるんじゃ…!?てめえ、何しやがる!」
G5の背中をチャージによって出力を上げたレーザーダガーで一閃。驚愕して動きの鈍った所にブーストキックし、ショットガンを撃ち込んだ。
「抱き込まれやがったか!?」
重タンク脚部かつ単発武装の多い機体であるキャノンヘッドではMTの掃討と移動に時間がかかる。ならばまずは合流される前に装甲の薄いG4を仕留めるべきだ。
〔そう来るか、ハンドラー・ウォルター…G4、G5! 応戦しろ!G13は貴様らと遊びたくなったようだ〕
…決して野良犬や木端扱いに腹がたった訳ではない。わたしは機能以外の死んだ強化人間なのだから感情などないのだ。決して野良犬じゃなくてウォルターの猟犬だ、などと反発している訳ではない。あくまで合理的な判断をしただけだ。
敵機であるヘッドブリンガーのフレームはMELANDER C3の統一。企業標準機であるMELANDERと比べると軽量化と負荷軽減、機能強化が施されている代償として、僅かながら装甲は削られている。
G5は通常ガード性能に特化したパルスシールドでその欠点を補っているが、それも展開出来なければ無意味。
ショットガンの斉射とブーストキックを繰り返しつつ垂直プラズマミサイルで一方的に攻め続けて負荷をかけていく。
ACS負荷限界。機能を停止し、姿勢を崩した機体に向かってレーザーダガーを展開し、3連撃。
「クソッタレが…調子に乗りやがって…!こっちはな…毎日クソみてえなシゴキを受けてんだよ!」
こっちは人生2回だ。いくらあちらの方が長く訓練を積んできたところで潜ってきた修羅場が違う。
機体の速度を活かしてリニアライフルを躱し、ミサイルを振り切りながらショットガンを斉射して一撃離脱。回避の困難な垂直プラズマミサイルが衝撃の回復する暇を与えない。再びACS負荷限界に陥った敵機をレーザーダガーの連撃で斬り伏せた。
「クソッ避けそこなったか…!? 野良犬ごときが…!」
敵機ダメージ限界。ジェネレーターが爆発し、炎上しながら動作を停止する。シールド任せで回避行動を取ろうともしない癖に何を避け損ねたというのか。
〔イグアス!格下ナンバーにやられたぞ。数学はできるか? 相手はいくつ下だ!?貴様はいつまでその番号をしゃぶっているつもりだ!?〕
〔ヘッざまあねえな、イグアス…熱くなりやがって、馬鹿みてえだぜ…!〕
ここまでは想定通りだが、オールマインドのアリーナを信じるならG4の実力はG5以上…奇襲も出来ない以上は「シンプルな殴り合い」で行くしか無いだろう。しかし真っ向勝負はタンクACの最も得意とする戦闘だ。今更ながら作戦を誤ったかもしれない。
とはいえ軽量2脚とタンクの機動力の差は明白。わたし目掛けて収束する分裂ミサイルを回避し、敵機の眼前に接近。ショットガンがわたしに向いたことを確認してクイックブースト。交差するように背後に回り込んでから反転。逆にショットガンを撃ち込んだ。
一撃を与えたら離脱し、プラズマミサイルで牽制。こちらが戦闘の主導権を握り続ける。
当然、そんなことを続けられればG4は焦りに駆られて強引に攻め込んできた。ブーストキックを飛び越えてショットガンを斉射。ACS負荷限界に陥った敵機にレーザーダガーで連撃。
「こいつ…タダモンじゃねえ…!ミシガンの野郎、何を拾ってきやがった…!?」
泣きを入れたらもう1発。ACS負荷限界を脱した瞬間に接近し、アサルトアーマーを展開。再度レーザーダガーで装甲を切り裂いた。
「チッ機体がいかれやがったか…!離脱するしかねえ!」
〔G4およびG5、レッドガン2名の撃破を確認した。ミシガン、機体の修理費は俺に回しておけ〕
〔ふざけた遠足にしてくれたな、ウォルター。授業料の分は差し引いておくぞ〕
…部下2人をやられたミシガン総長が怒りを押し殺すように告げる。申し訳ないことをした…今後の仕事に影響が出ないと良いが…
[新着メッセージ 1件]
拠点へ帰投し、休眠モードを解除すると案の定G5からメッセージが届いている。
〔…ケッ調子に乗るなよ、野良犬〕
〔ラッキーパンチが当たっただけだ、てめえの実力じゃねえ〕
〔俺たちレッドガンは「壁越え」を果たす。せいぜい指をくわえて見ていろ〕
…よく考えると前回のわたしはこれを聞いてなぜ「応援でもして欲しいのかもしれない」などと考えたのだろう…完全に敵視されている発言だ…
どうせG4をやられて逃げ帰ることになる癖にと考えると腹が…立った訳ではないが、前回と全く同じ内容で返信しておくことにした。
欲望渦巻く夜の町、グリッド077の人波を避けながら目的の場所へ進んでいく。
「そこのお前、この辺りでやけに身なりの良い傭兵を見なかったか?」
『身なりの良い傭兵…それならそっちの路地に駆け込んで行ったぞ』
「そうか、感謝する」
別に庇ってやる理由もないので強面の兄ちゃんたちに情報提供。ノーザーク…今度はどこからいくら借りたのやら。
…グリッド077。独立傭兵達にビジネスを見出したルビコニアン達やドーザーが集まった区画だ。酒場を開く者、ギャンブルやタバコ、コーラルドラックなど娯楽を提供する者、そして…
「その…傭兵のお兄さん、一晩どう…ですか?」
…身体を売ろうとするいかにも貧しそうな少女を無視して進む。元現代日本人としてはあんな子供がそういう行為をするなんてと思わなくはないが…ルビコニアンたちの苦境を思えば…ね。だからといって手を差し伸べたりはしないのだが。彼女たちの客争奪戦は厳しいものだ。あの貧相な身体じゃそういう趣味の奴しか捕まらないだろうな…
「…このままじゃ前と同じ…それなら…」
…目的地に到着。全体的に派手な店が多いこの区画においては珍しく落ち着いた店構えの酒場…俺の行きつけの店だ。
もはや指定席となったカウンターの1番左奥に座り、店主にいつも通りの品を注文。少し早過ぎたか…ちびちびと酒を飲みながら人を待つ。
「待たせてしまったようですね、オルクス」
『今飲み始めた所だ、気にするな』
実際は2杯目だったが、俺が早すぎただけで時間通りだ。これは悪い事をしたな。
俺の隣に座ったのはこの区画には不釣り合いなほどきちんとしたスーツに樹大枝細な身体を押し込んだ独立傭兵…
「彼と同じものをお願いします」
オールマインドは席に着くと酒を注文。オールマインドのことだから脳死で高い酒を飲むものかと思ったが…意外だな。
「さて、本題に入りましょう」
しばらく無意味な雑談やら酒の感想やらを聞いていると、とうとうケイトは本題を切り出した。まぁ、好きな店を褒められて悪い気はしなかったしちゃんと聞いてやるか。
「貴方にはストライダーを破壊して頂きたいのです。計画を実行するにはストライダーの存在が障害となります」
計画に関する仕事の依頼か。別に依頼自体は良いんだが…ここでする話じゃないだろう…
『…まぁ、考えておくよ』
どうせ621が破壊するとは思うが…こちらから誘うのも有りか。ランク7からの推薦ならそこまで彼?の格も落ちないだろうし。
「それではまた会いましょう、オルクス」
意外にもケイトはゆっくりと食事を楽しんでいたが、そろそろお開きのようだ。
『…送ろうか?』
「それには及びません。ですが、その気遣いには感謝します」
俺も満足したし、そろそろ会計を済ませて帰るとするか。ケイトもまぁ…リリース計画さえ絡まなければ悪い奴じゃない。また誘いに乗るのもいいかもな。俺は楽しく食事が出来る相手には寛大なのだ。
「きゃっ…離して下さい…!」
あれは…さっきの少女?男に囲まれて…路地裏に引っ張られている?
「身体はあれだが…顔は悪くねえ」
「金を払うには勿体ねえが…こうすれば、な?」
「いやっ…誰か…!」
ルビコンで生きるってのは厳しいねぇ…とはいえ俺には…
「助けて…」
『…嫌がってるだろ、これをやるから他を当たれ』
「あぁ?なんだてめ…!?」
「なんだこの額!?」
俺には関係ないってのに、何やってるんだか…仕方ない、適当にCOAMを握らせてここは退いてもらおう。
『…まだ足りないか?』
「いや、十分だ…」
「覚えてろよ!」
…何を!?金払っただけなんだが!?
「…ありがとうございます、傭兵のお兄さん。私の為にお金まで…」
少女は服も破られていたため、とりあえず上着を着せてやる。
『端金だ、気にしないでくれ。たまにああいうのもいるから気を付けなよ。とりあえず今日の所は宿泊費を…』
少女に裾を掴まれている…?
「あの…図々しいとは思いますが…一緒に泊まってくれませんか?1人だとまた襲われるんじゃないかって…」
図々しいって言って本当に図々しいパターン初めて見たわ。ここまで全部演技でこのまま財布を抜き取るつもりか?いやでもあんな目に遭ったら怖いのも分からなくはないし…
あ、ちょうど良いのがいたわ。
『もしもしケイト?まだこっち居る?ならちょっと頼みたいことが…』
「!?!?!?」
◯621
…怒ってないが?
◯オルクス
クソボケ
◯オー…ケイト・マークソン
都合の良い女
◯エノメナ
大根役者
三周目オルクスとは関係ないかもしれないし結果は反映されないかもしれないアンケート
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マシンガンパルブレプラミサレザキャ中2
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W赤ネビュラWLRB重2
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WランセツWニドミサ軽逆
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重マシライフルグレ散布ミサ重逆
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W赤ネビュラW実弾オービット車椅子
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Wエツジンプラキャミサ中4