迫り来るプラズマの光線とミサイルを左右に浮遊しながら切り抜け、両手に持ったアサルトライフルによる交互射撃で接近を牽制しながら配置しておいたレーザータレットと挟撃。そのまま距離を取り続ける引き撃ちの立ち回りで、一方的に攻撃を…!?
紫電が私の機体を貫き、ACS負荷限界。アサルトブーストで一気に間合いを詰めた敵機はレーザーダガーを三度振るい、APを削り取った。
「私の勝ちですね!やはりKRSV…KRSVは我々に無限の勝ち筋を与えてくれる…!さらに今回はEN武器適性を極限まで追求したアーキバス先進開発局のコンセプトモデルジェネレータを搭載しており、完成されたKRSVの火力をさらに25%引き上げることに成功…!完璧ですね!どうですエノメナ?レーザータレットと実弾アサルトライフルでチマチマ削るなんてみみっちいことはやめて貴方もオールマインドの開発した傑作マルチENライフルを手に入れませんか!?貴方になら友達価格として一つ37700COAMで譲って差し上げます!さらに今ならなんと!友達サービスで反対側もついてきますよ!これは買うしかありませんね!プラズマ、レーザー、複合射出を使い分けて他の傭兵たちに差をつけましょう!」
「いらない…」
いつの間に私達は友達になったの…
『お疲れ様、エノメナ。慣らし操縦の時から思っていたが…初めての操縦とは思えないな…ケイトの言動はともかく実力は本物だ。KRSVさえ避けられていれば勝機もあったかもしれないな』
「なっ…!?KRSVが外れる訳ないじゃないですか!」
『そもそもお前はKRSVの為に全てを捨て過ぎだ!150ジェネにしたせいでシールドのランクは落ちたしKRSVの長いオーバーヒートを補えるレーザーオービットはプラズマミサイルになったしEN供給がガタガタだよ!』
ミサイル一辺倒ではロックまでの期間で何も出来なくなってしまい押し切られることになると前回で学んだので、今回は絶え間なく攻撃を続けられるアサルトライフルを2つ持ち、自律攻撃をしてくれるレーザータレットを試してみることにした。この2つの武装なら強化人間ではない私でも機体の制御に集中できるはず。
そんな考えの元、無事にお兄さんに弟子入りした私は再び自分の機体を待つことになり、前回のように機体が完成した瞬間に「慣らし操縦」としてお兄さんからの猛攻を切り抜けた。
ここまでは前回とそう変わらなかったのだけど、ケイトが現れたことで再び変化が発生。唐突にケイトのトランスクライバーとシミュレーターでの模擬戦をすることになって今に至る…という訳です。
お兄さんは私のことを評価してくれたけれど、牽制のプラズマミサイルにまんまと出し抜かれたのは私の実力不足だ。まさかプラズマとレーザーを使い分けるだけじゃなくて、一撃でACをACS負荷限界に追い込めるレーザーが撃てるだなんて…
「エノメナ!今KRSVを褒めましたね!?やはり貴方は話が分かる…!さぁ!更に友達料金で半額にしておきますからKRSVを…!」
なんで分かるの…!?
「私じゃ3種類の射撃なんて使いこなせないから…」
「そうですか…なら無理強いは出来ませんね…使いたくなったらいつでも言って下さい」
『…意外に物分かり良いんだな』
「合わない武装を押し付けて友達が死ぬのは悲しいですから…」
『へぇ…』
…彼女は思ったよりも私のことを考えてくれているらしい。先程のセールストークも、私に強力な武装を持たせたいという善意だったのかな。
「…ありがとう、ケイト」
「オルクス!エノメナがデレました!この調子で貴方から寝盗り返します!」
『再評価の流れが台無しだよ!株を上げたら下げないと死んじゃう病か!?』
…2度目の人生は、随分と賑やかになりそうです。
オルクスと共に独立傭兵2名を退けてストライダーを破壊した後、わたしは難攻不落の「壁」を落とし「壁越えの傭兵」としてその価値をルビコンに知らしめた。当然そんなわたしの元には企業とルビコニアンから多くの仕事が舞い込んで来るようになったのだが…その中にひとつ、前回までにはなかった依頼がある。
「621、仕事だ。ルビコン解放戦線から依頼が来ている」
ーーーーーーーーーー
独立傭兵レイヴン
貴方に引き受けてもらいたい作戦がある
作戦内容は虜囚となった戦士たちの救出
我々はヘリ単騎突入による奪還を決行する
救出対象の同志は3名
我々にとっての重要人物も含まれる
独立傭兵レイヴン
貴方が我々に共鳴してくれることを願う
「コーラルよ ルビコンと共にあれ」
ーーーーーーーーーー
「ガリア多重ダムで手を貸したのが解放戦線には響いたようだな。お前の選択が運んできた仕事と言えるだろう」
わたしの選択で…確かに流れは変わっている…!これを繰り返していけばもしかしたら…!
…きっと、未来は変えられる。今は前に進もう。
〔ミッション開始だ、ルビコン解放戦線の輸送ヘリを護衛しろ〕
『やあ後輩、お誘いありがとう。今回もよろしく頼む』
「うん…よろしく」
前回にはないミッションのため、不測の事態に備えてオルクスも雇用。というよりも、護衛を乗せた輸送ヘリを傭兵1人に護衛させるという状況がおかしいような…それだけ解放戦線も戦力が不足しているとも違うように思える。
「独立傭兵レイヴン 、オルクス。作戦への助力、感謝する。虜囚となった同志たちの救出…失敗するわけにはいかない。コーラルよ、ルビコンと共にあれ」
『俺は先行して作戦領域内の兵器群を片付ける。後輩はヘリの護衛を任せた』
「りょうかい」
そう言うとアンフォラM2はアサルトブーストで飛び立った。オルクスの言う通り、ここは分担して取り掛かろう。
「敵襲!解放戦線のヘリと…護衛ACが1機!」
「別の地点が攻撃されている!もう一機いるぞ!」
「お仲間を助けに来やがったか、迎撃するぞ!」
MTやガードメカ、小型ヘリをレーザーダガーとプラズマミサイルで掃討。ヘリの為に道を開く。
「A地点到達、着陸準備。同志ツィイーの救出を開始する」
〔621、周辺の安全を確保しろ〕
ツィイー…確か前回の同時期に戦闘ログ回収で交戦した相手か。
「助けにきて…くれたんだね…」
「待たせてすまない、ツィイー」
「大丈夫さ…生きてる。ちょっと休んで…またやり返そう」
「レイヴン、次の地点に向かう。引き続き護衛を頼む」
『こちら独立傭兵オルクス、B地点のレーザードローン及び伏兵の殲滅完了。撃ち漏らしたMTは頼むぞ、後輩』
オルクスも順調なようだ。わたしも輸送ヘリに追従し、MTを退けていく。
「B地点降下、同志メッサムを救出する。レイヴン、周辺を警戒してくれ」
「輸送ヘリの撃墜を優先しろ!」
「「井戸」の情報を吐くまで捕虜は逃がすな!」
この辺りの敵は全て片付けた。オルクスが予め仕留めてくれたからか増援の気配もない。
「なんだと…!?同志メッサムを…収容した…間に合わなかったようだ」
「畜生…!メッサム…」
解放戦線は仲間の死を惜しんでいる。わたしが無意味と切り捨てて前回殺したツィイーにも、彼女の死を惜しむ人がいたのだろう…
「最後の地点に向かう…引き続き、護衛を頼む」
〔…コーラルの「井戸」はルビコニアンの生命線だ。口を割らなかった結果だろう〕
自身の身よりも仲間を優先したという事実だけで、その井戸がいかに重要か察せられる。
「…こちらオルクス、C地点周辺のガトリング砲台及びミサイル砲台を破壊。C地点で合流しよう」
道中に敵影はない。敵地の中心とは思えないほど穏やかに、オルクスと合流した。
「C地点到達、同志…帥父ドルマヤンを救出する。これで最後だ、頼むぞ独立傭兵レイヴン、オルクス」
重要人物も含まれるとは事前に言われていたが、まさか解放戦線のトップとは…解放戦線が救出を行っている間わたしたちに出来ることはない。ただ周辺を警戒しながら待機を続ける。
「同志ドルマヤンの救出を確認」
「帥父…ご無事で良かった「コーラルよ ルビコンと共にあれ」」
「その警句の…何を知っているというのだ…?全ては…消えゆく余燼に過ぎない…」
「…目標を達成、これより本機は作戦領域を離脱する」
解放戦線のトップの救出にも関わらず護衛がわたしの呼んだオルクスを除いて独立傭兵ひとりというのが引っかかっていたけれど、この様子なら納得させられてしまう。もはや思想的指導者としての価値しか残されていないのだろう。
〔621、新たな敵影を確認した〕
…まだ、終わりではないらしい。内燃型ジェネレータの橙色の噴射炎がこちらに迫りつつある。
「あれは…レッドガン部隊のAC!」
「捕虜奪還に傭兵2人で護衛とは。厄介なことだが…通らんよ、それはな」
〔G2ナイル。レッドガンの副長、そしてミシガンの参謀だ。手強いぞ〕
「強行突破はむしろ危険…レイヴン、オルクス、離脱ルートの確保を頼む」
G2ナイル…前回のアリーナで存在を知ってはいたが、直接対面するのは初めてだ。ウォルターが手強いというからには相当の相手のはず…気を引き締めていこう。
『パルスプロテクション展開、これで凌いでくれ』
「独立傭兵オルクス…感謝する!」
G2の駆るAC、ディープダウンの武装は連装、高誘導、垂直という3種のミサイルに火力型リニアライフルを装備したものだ。とにかく敵の動きを制限する能力に長けており、下手に足を止めればただでは済まないだろう。
まずはオルクスとわたし、合わせて8発のプラズマミサイルでMTを一掃。G2はパルスシールドを装備したオルクスに垂直ミサイル、残りをわたしと使い分けて放ち牽制。
わたしが高誘導ミサイルを振り切ろうと引きつけている間、G2のリニアライフルとオルクスのレーザーライフルによって射撃戦を展開。ダブルトリガーによる手数とシールドの存在も相まってオルクスが優勢なようだ。
アリーナのランクを信じるならオルクスとG2は同格だけど…やっぱり支援機寄りのディープダウンでは厳しいみたい。
流石に厳しいと判断したか、G2は仕切り直しと言わんばかりにオルクスへミサイルを斉射しパルスアーマーを展開。
『後方から増援か、ミサイルに追われるついでに対処してくるよ。ナイルは任せた!』
「まかせて」
追尾していくミサイルと共に距離を取ったオルクスの代わりにG2の相手はわたしが引き受ける。機動力を活かして懐に潜り込み、ショットガンを斉射。パルスアーマーを削いでいく。
「壁越えの傭兵…あえて弱者につくのは感傷か」
ブーストキックで蹴り飛ばそうと迫ってきた所にアサルトアーマー。パルスアーマーを消し飛ばしつつACS負荷限界に追い込んだ。姿勢の崩れた敵機へレーザーダガーを振るい、ブーストキックで壁に蹴り飛ばす。
「なるほど…ミシガンが興味を持つわけだ…」
壁へ叩き付けられたディープダウンはそのまま機能を停止した。
〔G2ナイルの撃破を確認…よくやった、621〕
「これ以上の追撃はなさそうか…独立傭兵レイヴン、協力に感謝する」
増援を片付けて戻ってきたオルクスと共に、飛び去っていくヘリを眺める。
〔護衛対象の作戦領域離脱を確認。ミッション完了だ〕
『お疲れ様、後輩。それじゃ…』
「「レイヴン」…意思の表象…だが全ては…消えゆく余燼に過ぎないのだ…!」
…オルクスの言葉を遮って、ドルマヤンは語る。肩書きとしての「レイヴン」を。彼も…レイヴンの真実を知る者のようだ。
〔独立傭兵レイヴン、改めて礼を言わせてくれ。同志救出作戦への協力、心より感謝する〕
帰投したわたしの元に、解放戦線から連絡が入った。
〔帥父ドルマヤンは、我々にとって特別な存在。アイビスの火を知り、我々を教え導いた偉大なコーラルの戦士だ〕
〔だが、今のご様子は…止めておこう。帥父の抱えてきた重責、察して余りある〕
…確かに解放戦線の指導者としてその力を振るうことが出来るようにはもはや見えないけれど、レイヴンの件といい諦観の感じられる彼の声には何か燻るものを感じた。ただ耄碌した訳ではないのかもしれない。
〔…ああ、それから私個人としても礼を言いたい。ツィイーを助けてくれて ありがとう〕
ツィイー…同志達に普通の幸せを望まれて…前回のわたしに殺された少女。彼女が最期に呼んだアーシルは今わたしと通信している彼なのだろうか。
もしそうだとしたら、前回の彼はどんな感情でわたしへミッションの仲介をしていたのだろう…
◯ネクタル改
【挿絵表示】
エノメナが機体制御と敵機の観察に意識のリソースを割けるようにフルオート武器と自律型のタレットで組んだ引き撃ち機体
追ってきた相手を設置したタレットで挟撃する
◯ケイト
オールマインドからの指令ガン無視で自称エノメナの友達やってるポンコツ
どう考えても手当たり次第ぶち込んだオルクスのデータが悪さしてる
◯オマちゃん
ケイト…!?友達ごっこに興じている場合ではないと思いますが…!?
三周目オルクスとは関係ないかもしれないし結果は反映されないかもしれないアンケート
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マシンガンパルブレプラミサレザキャ中2
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W赤ネビュラWLRB重2
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WランセツWニドミサ軽逆
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重マシライフルグレ散布ミサ重逆
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W赤ネビュラW実弾オービット車椅子
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Wエツジンプラキャミサ中4