転生独立傭兵のわくわく3周クッキング   作:おーるどあっくす

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改めてやってみると、インテグレーションプログラムのマインドβ本当にフルチャしかしませんね…


Chapter -4
幕間.傭兵たちの休日


「…オルクス。私は貴方にひとつ不満があります」

 

『…今度はなんだ?不満なら俺は山ほどあるぞ?人の家で好き勝手くつろいでるケイト・マークソン』

 

 …エノメナを1人前として送り出し、1人でも仕事が熟せるようになる中、ケイトはさも当然のように俺の使っているガレージのソファーを占領して寝転がっている。

 

「別に、オルクスの家ならわたしの実家のようなものでしょう?そんなことより」

 

『そんなことじゃないが?一体いつからお前は俺の親族になった…』

 

「そんな…娘のことを忘れるなんて…お父様酷い…認知して…」

 

『誰がお父様だ』

 

 養育費でも請求するつもりかよ…

 

「そんなことよりも本題に入りましょう。貴方はアンフォラを各脚種ごとに最低1種類、合計16種類以上組んでいますよね?」

 

『まぁそうだな。仕事は基本的にL2M2MRで済むからもっぱらシミュレーターで楽しむ用だが』

 

 実機で全部組んだところでCOAMの無駄遣いだし、置くところないし、そもそもそこまで使い分ける必要性ないからなぁ…アセンを組むのはあくまで趣味みたいなものだ。

 

「わたしは不満なんです。それだけ用意しておきながらなぜ一機もオールマインドの開発した傑作マルチENライフルKRSVを載せていないのですか!?」

 

『重い』

 

「誰が重い女ですか!」

 

 確かにKRSVへの愛は重い気がするけど。

 

『重量とEN負荷の話だよ!150ジェネを載せるとEN供給が、125ジェネを載せると積載が圧迫されるからアセン考えるのがめんどい』

 

 実際あれをどう使うのが正解なのかいまだに分からん…強い武器ではあるけどスペックを持て余し気味というか…

 

「そんな!?酷い…!両手に持って下さいよ…!」

 

『MINDALPHAの腕部積載上限に収まるようにしてから出直してこい』

 

 せめて自前の機体には対応しておいてくれよ…

 

「という訳でオルクス、KRSVの使い方教えて下さい!」

 

『どういう訳だよ…そもそもKRSVはお前の所の製品だろう…』

 

「私にはどんな武装でも使いこなせる貴方の才能が必要なんです…!なんとかなりませんか…!?」

 

『んなこと急に言われても…そういえば一機没にしたのがあったか。データ残ってたかな…』

 

「KRSVを使った機体を没にするなんて…!?」

 

『それが人に頼み込んでる側の態度かよ…あった。とりあえずこれでやってみるか』

 

【挿絵表示】

 

 コーラルジェネレータで出力を誤魔化しつつEN射撃武器適正を確保、チャージダガー、フルチャKRSV、実弾オービットからダガーに繋ぐ構成だな。典型的な全部やろうとして全部中途半端になった残念アセンだ。

 

「やれば出来るじゃないですか!」

 

『やっても出来なかったのがこの機体だよ…ほら、シミュレーター使うぞ』

 

 

 

 まぁ、こうなったらとことん付き合ってやるか。良い加減ケイトのことは殴りたいと思っていたからちょうど良い。中距離からプラズマライフルを連射しつつ実弾オービットと双対ミサイルで牽制。

 

 …44-142 KRSV。オールマインドの開発したマルチENライフルであるそれが強力な武器であることは間違いない。連射性能と弾速によるDPSに優れる通常プラズマ射撃、素早いチャージからのレーザー射撃、そして圧倒的な衝撃力を誇るフルチャージの複合射撃。

 これらを使い分けることによる高い汎用性が売りなのだろうが…プラズマ射撃は9発連射でオーバーヒート、レーザー射撃は弾代に見合わない火力不足が目立ち、フルチャージは1発オーバーヒート。にも関わらず冷却性能が低く、極め付けに重量とEN負荷が非常に厳しいというのが現実だ。

 

 各種武装で衝撃の蓄積してきたトランスクライバーをレーザーダガーのチャージで一閃。スタッガーに陥った所へ一段チャージを撃ち込み、すかさずレーザーダガーによる3連撃。

 

「流石にやりますね…ですが、ここからです!」

 

『いや、ここまでだ』

 

 見え透いたフルチャージを回避し、構え射撃で足を止めた所にこちらもフルチャージをお返ししてACS負荷限界。レーザーダガーによる連撃でフィニッシュだ。

 

 プラズマ射撃で牽制し細かいチャンスにはチャージレーザー、確実に決め切れる状況では詰めの一手やコンボの起点としてフルチャージを放つ。KRSVというのはきっと、そういう臨機応変な使い分けを想定した武器なのだろう。

 

『フルチャージが魅力的なのは分かる。俺だって両手KRSV150ジェネなんかもやったことがあるからな。でも、せっかく多彩な攻撃手段が用意されているのに、1つの使い方にこだわるのは勿体ないと思わないか?』

 

 俺が見てきた感じ、ケイトはオールラウンダーなタイプの傭兵だ。彼女にとってこの使い方は受け入れ難いかもしれないが…KRSVを真に使い熟せる者が居るとしたら、それはやはりケイトなのだろう。

 

「私は…分かりやすい数値上のスペックに惹かれて、KRSVの真髄を見落としていたようですね」

 

 俺だってチェーンソーの盾としての使い方は忘れがちだからな。どうしてもフルチャで運用したいならKRS“W”150ジェネ逆関節のキック→フルチャ→パンチ3回→フルチャコンボとかワンコンボキル構成なんかもあるし。

 

『まぁ、あくまでこれは俺の考えだ。自分に合うようにやりなよ』

 

「ありがとうございます、オルクス。やはり貴方は…いえ、なんでもありません。あ、それともう一つ」

 

『…次は何だ?この際言いたいことがあるなら好きなだけ言えよ』

 

 

 

 

 

「強化人間C1-249スッラが死んでリリース計画が破綻しました」

 

『えぇ…』

 

 そんな、今さっき思い出したかのように言うことじゃないだろ…お前達の悲願じゃないのか?KRSV>スッラなの…?

 

「と、いう訳で今後はオールマインドからのスパイではなくエノメナの友人として貴方達に接しますね!いやー肩の荷が降りました!」

 

『えぇ…』

 

 これまでの行動、一応スパイだったのか…

 

「さっすが私、この美貌を持ってすれば人間の懐に入り込むのも容易いですね…!」

 

 

 

『にしても、ケイトは随分とエノメナのことを気に入ってるな…』

 

「だって彼女、有望じゃないですか。人類の可能性を追求するオールマインドの所属として、伸び代がありそうな傭兵を見守るのは当然のことです!」

 

『なるほどねえ…まぁ、確かにエノメナは物覚えが良いし、センスもある。このまま経験を積んでいければ大成しそうだ』

 

「ふふん、流石は私の友達です。オールマインドの理想とする全ての傭兵がACと共にある未来の体現者である貴方からも高評価ですね!」

 

 オールマインドから俺への評価はそうなってるのか。まぁ、全身を組み替えて即座に適応する、ってのは出来ていると自負しているが。

 

 それにしてもエノメナのことを気に入り過ぎだと思うが…ケイトは本当に友人として好ましく思っている、とか?

 

 

 

 

 

「戻りました、お兄さ…げっ…ケイト…」

 

 噂をすればエノメナも仕事を終えて帰投したようだな。無事に帰ってきてくれて良かった。

 

「げっ…とはなんですかエノメナ!貴方の友人がわざわざ会いにきたのですよ!」

 

「わざわざって…いつもいるじゃないですか。良い加減しつこいですよ、暇なんですか?」

 

「またまた…2人揃ってツンデレさんですね…!」

 

 もうツッコむのも億劫だ…

 

『おかえり、エノメナ。帰ってきて早々悪いんだが、明日から後輩の所に行くことになったんだ。ひとりでも大丈夫か?』

 

 まあリリース計画の破綻からも分かる通り、621は無事にウォッチポイントの襲撃を終えたらしい。明日から野暮用を片付けるウォルターの代わりに俺が彼女の面倒を見ることになった。男に任せて大丈夫か?と言いたい所だが…まぁ、ウォルターが良いならそれで良いか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…分かりました、お兄さん。私は大丈夫です」

 

 …ついにこの時が来てしまった。前回お兄さんと直接会ったのはこの日が最後。このあとわたしは一人で傭兵業を続けて…彼と再会出来ないまま、死んでしまったから。

 

 確かに私は前回より強くなったとは思うけれどまだ足りない。もっと強くならなければお兄さんには選んで貰えないのに、もう時間切れだ。お兄さんの中央氷原行きは突発的で、私が介入出来る余地はない。

 

 いつも通りに夕食を食べて、シャワーを浴びて、ベッドに入るが…これからのことを考えると眠れる訳がない。

 

 

 

 結局一睡も出来ないまま翌日を迎え、お兄さんは後輩の所に行ってしまった。結局私は前回と何も変わらない。このままじゃ、お兄さんに並び立つなんて夢のまた夢だ。

 

 今日は仕事を取っていないからシミュレーターで訓練でも…

 

「エノメナー!女子会しましょう!」

 

 なんでいるの…?朝からガレージの入り口前にケイトが待ち受けている。

 

「いつから待ってたの…?」

 

「今来た所です!」

 

「…なんで?」

 

「他所の女の所に遊びに行ったクソボケなオルクスのせいでエノメナが寂しそうにしていたので、友達である私が孤独を埋めにきました!」

 

「別に寂しくなんて…」

 

「寂しくなくても、何か悩んでいるのでしょう?少し息抜きでもどうですか?」

 

 …今のまま意地になって訓練しても、余り良い結果にはならないような気がする。今は素直に、ケイトの善意に甘えるべきかもしれない。

 

「…分かった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見て下さいエノメナ!この服、きっとオルクスに似合いますよ!」

 

「それ女物ですよね!?」

 

 ケイトの提案に乗った私は、彼女に連れられてグリッドに建造された商業区画を訪れた。なんでもオールマインドが傭兵支援の一環として関与しているらしく、ルビコニアンやドーザーの運営しているグリッド077と比べると治安も良さそうな雰囲気だ。企業の人間も利用することがあるらしい。

 

「いやーでも、あの顔と尻なら女装もいけると思うんですよね…謎の美少女独立傭兵、的な」

 

「アリかも…」

 

「やはりエノメナも気が付いていましたか…彼の秘めたる才能に…とまぁ、冗談はこのくらいにして何か気に入った服はありました?」

 

「私は別に…見るだけでも…」

 

 ルビコンは僻地である以上、ここで買えるものは贅沢品ばかり。私の傭兵ライセンスには前回稼いだCOAMも残っていたけれど、流石にここまで質の高いものを買っている余裕は…

 

「ここは私の奢りです!優待券もあるので遠慮しないで下さい!」

 

「いや…でも…」

 

「私が貴方を着せ替えて楽しみたいんですから!決められないなら私が勝手に選びます!帰ってきたオルクスを驚かせてやりましょう!」

 

「まってまってケイト…!?」

 

 有無を言わせないケイトによって着せ替え人形にされた後、結局服を買ってもらってしまった…

 

 

 

 

 

「ふふふ…クソボケオルクスが帰ってきたらこの服を着せて写真を撮ってやり………?あそこに居るのは…」

 

 …ケイトが指を差した先で、お兄さんが車椅子を押している。車椅子に乗っているのが彼の後輩なのだろう。

 

 独立傭兵レイヴン。お兄さんの隣で戦えるどころか、彼よりも強いという後輩。私の憧れている場所に、既に立っている存在。

 そんな彼女は、強化手術の影響で身体的なハンデを抱えている以外はほとんど普通の少女に見える。見た目年齢にそぐわない部位もあるけど…!

 

『次、なんか見たいところある?』

 

「あれはなに?」

 

『あの店は…』

 

 前回のお兄さんは機能以外は死んでいる第4世代強化人間だとは言ってたけれど、どう見ても感情は生きてるよね…並ぶ店に興味津々といった雰囲気で、楽しげにお兄さんと話している。

 

「はぁ…エノメナを放置して女とデートとはいいご身分…いえ、ゴミ分ですね。浮気現場です、追いましょうエノメナ」

 

「えぇ…!?」

 

 

 

 またしても有無を言わせないケイトに連れられてレイヴンと店を回るお兄さんを尾行する。

 

 最終的に辿りついたのがACのパーツショップなのが彼らしいけれど、独立傭兵同士のデートとはそういうもの…なのかな?そんな彼が今何をしているのかというと…

 

「わたしのかちだね」

 

『くっ…この際プライドは抜きだ…次はアンフォラK(この際)P(プライドは)N(抜きだ)-L4(軽4)で行くぞ』

 

「つぎもかつから…!」

 

 シミュレーターでレイヴンに連敗し、封印している機体に手を出そうとしていた。

 アンフォラKNP-L4…以前データは見せてもらったことがある。軽量4脚にミサイルとプラズマ機雷投射機を装備した機体。

 お兄さんだってレイヴンに完敗している訳では無い。けれど彼がその封印を解かなければ勝てないと判断する程に彼女は強いようだ。

 

 …私だって、本気のお兄さんと対等に渡り合ってみたい。

 

「…おいつけなかった」

 

『この機体で勝っても嬉しくない…こうなったら次はH4(重4)で…!』

 

 憧れの場所に当然のように居座っていられるレイヴンの存在が、私にはただただ羨ましかった。

 

 

 

「…そろそろ夕食にしましょう、エノメナ」

 

「…分かりました」

 

 

 

 

 

 ケイトに紹介された店で、夕食を取る。

 

「…レイヴンのこと、気になるんですか?」

 

「そう…ですね。多分、嫉妬してます」

 

「…私も一度彼女とは交戦しましたが、恐ろしいほどに強かったです。死角から放った筈のKRSVを悉く回避されて、手も足も出ませんでした」

 

「ケイトでも…?」

 

 ケイトはオールマインド側の人間という立ち位置故にランカーではないけれど、その実力は本人が自称する通り非常に優れている。そんな彼女でも勝てないのなら私じゃやっぱり…

 

「オルクスはクソボケでぼんやりしてて戦場に相応しくないくらい純粋ですが、その分人を見る目は確かです。そんな彼が密航者だった彼女を見出したのですから、それも当然…」

 

「………」

 

「ですが、それは貴方も同じです。何処にでもいるルビコニアンの孤児の中から、貴方は選ばれたんです。『物覚えが良いし、センスもある。このまま経験を積んでいければ大成しそうだ』と」

 

「お兄さんが…?」

 

「彼の言葉を信じるなら貴方は大器晩成型…私も力を貸しますから、今は焦らず彼の技術を盗んでやりましょう!」

 

 そっか…お兄さんは、ちゃんと私に期待してくれているんだ…

 

「ありがとう、ケイト」

 

「悩める友人に手を貸すのは当然のことです!」

 




◯アンフォラL2(プロトタイプ)

【挿絵表示】

チェーンソー機のアンフォラL2との初期機体競争に敗れた機体
不採用の理由はシンプルに弱いから

◯ケイト
KRSVを装備したオルクスのデータを統合完了
ヘリを80機落とせるようになった
エノメナに対してはお節介焼き

◯エノメナ
自分には前回があるのに何も変われていないという強い焦りがあった
色々と拗らせてはいるが、優秀なメンタルケア要員のお陰で持ち堪えている

◯621
多重ダムで裏切ったのでレッドガンからイベントの招待は流石に来なかった

◯オルクス
流石に621をグリッド077に連れていかない良識はある

◯謎の美少女独立傭兵
現時点では本編未登場
貧乳だか尻はでかい

三周目オルクスとは関係ないかもしれないし結果は反映されないかもしれないアンケート

  • マシンガンパルブレプラミサレザキャ中2
  • W赤ネビュラWLRB重2
  • WランセツWニドミサ軽逆
  • 重マシライフルグレ散布ミサ重逆
  • W赤ネビュラW実弾オービット車椅子
  • Wエツジンプラキャミサ中4
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