情報漏洩阻止は3周目に持ち越しです
さらばイグアス
後輩の面倒を見に行ったお兄さんはそのままコーラルを追いかけ、私を置いて後輩と中央氷原に向かってしまった。ここまでは前回と同じだったんだけど…
「あんのクソボケオルクスぅ…!乙女心の理解力ゼロなんですか!?」
「いいよケイト、私が弱いから仕方ない…」
「エノメナが悪い訳ないじゃないですか!貴方を放置して他所の女の所に行っておいて、そのまま中央氷原に行くことになった!じゃねーですよ!」
この通り、ケイトが私以上に荒れてしまっている。
「わ、私は大丈夫だから…とりあえず落ち着いてケイト…」
「これが落ち着いていられましょうか?否、いられる訳がありません!ケイトは激怒しました!必ずやかの無知鈍感のオルクスを女装させてやります!」
「お願いだから本当に落ち着いて!確か…そう!アンガーマネジメント*1!」
私がそう嗜めると、ケイトは6秒間深呼吸をしてから口を開いた。
「…エノメナ、中央氷原に殴り込みますよ」
「えっなんで?」
「と、いう訳でやってまいりましたグリッド067!」
ケイトの宣言通り中央氷原を目指すことになった私は、何故かRaDの拠点であるグリッド067を訪れることになったのだけど…
「ケイト、ここに来てどうするの?」
「まぁまぁそう焦らずに…ここは大船に乗ったつもりで、天才美少女傭兵ケイト・マークソンにお任せください!」
の、一点張りで何も教えてくれない。彼女は隔壁の前に立つと、大きく息を吸って、叫び始めた。
「私はケイト・マークソン!海越えにあたってRaDの協力を得る為にこの地を訪れました!隔壁を開けて頂けませんか!」
〔…ビジター、随分と丁寧な挨拶だね。私らRaDは、来る者は拒まないのがモットーだ。せいぜい歓迎しようじゃないかと言いたい所だが…〕
そんなケイトの叫びに対して、広域放送でシンダー・カーラが応じる。
〔今はコヨーテ共のせいで取り込み中でね。私らの協力を得たいなら手を貸してくれるかい?独立傭兵のせいであんたらをもてなすには手が足りないんだ〕
どうやら前回RaDの依頼を受けた時よりも早い段階でジャンカー・コヨーテスからの襲撃を受けているみたい。カーラには前回でもお世話になったから、ここで協力することに不満はない。
「そういうことならば、この優れた傭兵であるケイト・マークソンに依頼が出来たことは幸運でしたね…私達にお任せ下さい!」
〔それじゃ、目障りなコヨーテ共をぶっ潰して貰おうか!〕
「おい!ACが出てきたぞ!」
「前回の連中がやられたのとは違う機体だ。カーラの野郎、またビジターに金を積みやがったな!」
「どうせ木端だ!パンチャーとキッカーを突っ込ませろ!」
ケイトがKRSVとレーザーダガーで次々と敵を薙ぎ倒していくうちに、私はレーザータレットを展開。アサルトライフルと共に弾幕を形成してMTを制圧する。
流石の私でも今更MTに囲まれた程度で遅れを取ったりはしない。前回と比べて手数に優れる今の機体なら尚更だ。
〔ここは片付いたね。続けようか…待ちな、レーダーに敵影。増援か?〕
「ふふふ…例え何が来ても私達の前には無力…なんでもかかって来て下さい!」
「「ヒィヤッハァァァァァ!」」
この声は…確かアンストッパブル・パドックだ。もう1人は知らないけれど…
〔アンストッパブル・パドック、ACインフィニティバレット及びバニシング・アルソン、ACインフェルノーヴァ。コヨーテスの連中…雇えるならなんでもいいのかい…〕
火炎放射器を見ると、前回の死因が頭を過ぎるけれど…大丈夫。戦えなくなるほどじゃない。
「エノメナ、手分けして掛かりましょう」
「うん、分かった」
敵機の武装構成を見るに連携を重視しているようだから、ケイトの指示通り分断するのが有効そうだ。ケイトはパドック、私はアルソンへ攻撃を仕掛ける。
「ヒャッハァーーー!!!火を点けろ!目に付くもの全てに!バニシングだぜェーーー!!!」
…それって、バニシングじゃなくてバーニングじゃないかな…?もしかして、支離滅裂な名前は一種の攪乱戦術?
「燃やせば無くなるから誤差ァ!決して間違えて登録した訳じゃねェーーー!!!」
心を読まれた!?相手のペースに持ち込まれないようにしなきゃ。
敵機の武装は私の精神に圧をかけてくるだけで、距離を取ってしまえばそれほど脅威にはならない。上昇力に優れるブースターを活かして炎上地帯を飛び越え、照準に揺さぶりをかけながらライフルを放つ。今はレーザータレットの展開に集中しよう。
「ギャハハハッハァ!!!その程度の火花、俺達の
ACS負荷限界で動きの止まった所をレーザータレットに全方位から撃たれながら言われても…
「エノメナ!ACはもう一機います!」
…!クイックブーストで飛び退くと、先程までわたしが居た場所に炎と弾丸の雨が降り注ぐ。
「ご機嫌よう、独立傭兵にRaDの皆様」
現れたのは火炎放射器とガトリングを両手両肩に装備し、アーキバス先進開発局製最新フレームで固めたAC。
「わたくしの名はフローレイン・ファーニスですわ!」
「「姉御ォ!」」
「おばかさん!お姉さまとお呼びなさい!」
ま、また変なのが増えた…
「こちらはわたくし1人で十分ですので、おばかさん2人は連携して片方の足止めを頼みますわ」
「了解です!姉御ォ!」
敵機はガトリングと火炎放射器を構えアサルトブーストでこちらに突撃してくる。 1人で十分とは舐められたものだけれど、負ける訳にはいかない。
アーキバス先進開発局の製品を手に入れている時点でただのランク圏外傭兵でないことは確かだ。もしかしたらアーキバス上層部の令嬢なのかもしれない。それにしては武装がベイラム系列のガトリングとドーザー集団の火炎放射器なのが気になる…
「こいつらを片付けたら向かいます!持ち堪えて下さい、エノメナ!」
ありがたいけれど…ケイトに頼りっぱなしは、少し嫌だな。
アサルトブーストで距離を詰めてくる相手を迎撃しながら迎え撃つのは得策じゃない。ここは敵機の周囲を旋回して揺さぶりつつ、レーザータレットで包囲していく。まずは私が有利な盤面を整えよう。
「みっともなく逃げ回るのはお辞めなさいな。足掻いたところで結果は同じ…直ぐに蜂の巣にして差し上げますわ」
装甲に任せて回避を捨て火力を集中させてくる機体を相手に長期戦は不利。ACS負荷限界に陥った所をレーザータレットで集中砲火して片付けたい所だけど、姿勢安定性能もEN防御も高いのが厄介だ…
「貴方、随分と素敵なステップを披露して下さりますのね…けれど、ダンスパーティはここまでですわ!」
ACS負荷限界…!敵機は両腕のガトリングをこちらに斉射し、一気に火力を集中させてくる。やや熱管理が甘かったのか途中から片方がオーバーヒートしたおかげでなんとか削り切られずには済んだけれど、あと一歩間違えればあのまま負けていた。
「日頃の行いがよろしかったようですね。けれど、次はありませんわ!」
…やけに熱の蓄積が早いと思ったけれど、ようやく納得がいった。継続的に放たれる炎によって炙られることで弾丸が熱を帯び、攻撃力を底上げしているらしい。ガトリングのオーバーヒートも相応に早まっているが、オーバーヒートしたら背負っているものと交換して冷却すれば問題ないという訳だ。
けれど、敵のタネが割れたことで狙うべき突破口も見えた。わたしにはあまり器用なことは出来ないから操縦は捨てることになるけれど、マニュアルエイムに切り替えてただ一点に狙いを定める。
「エノメナ!?動いて下さい!」
「ようやく運命を受け入れる気になりましたのね!せめて、苦しまないよう蜂の巣にして差し上げますわ!」
熱を帯びているのはガトリングの弾丸だけではない。炎を撒き散らしながらアサルトブーストを行えば、当然自分の放った炎に突っ込むことになる。敵機を引きつけて…ライフルとタレットを右肩の関節へ斉射。
「…!そんなっ…!?」
ただ一点に突き刺さったレーザーによって、熱を帯びた肩部関節が灼け落ちた。
ただでさえ重い火炎放射器を握っていた重量級の腕部を失ったことで機体制御にも致命的な影響を受けることになり、私目掛けて突進してきた敵機は姿勢を崩して進路がブレる。
ACS負荷限界。マニュアルエイムによる連動射撃が解除され、通常稼働に戻ったレーザータレットが無防備な背中へ集中砲火。瞬く間にその装甲を貫いていくが、敵機は冷静にパルスアーマーを展開。
決めきれなかった…と思ったのも束の間、敵機が武装を全てパージする。
「お見事という他ありませんわね…ここは降参しますわ」
…敵機にアサルトアーマーは無いことは確認済み。片腕を失った状態ではパンチもキックも脅威にならないはず。ここは…信用しても良い、よね?
「貴方、お名前はなんと申しますの?」
「エノメナ、です」
どうせ傭兵ライセンスと同じだからつい言ってしまったけれどこの屈辱を晴らすまで忘れないとか言われたらどうしよう…
「エノメナさま…素敵なお名前をお持ちですのね」
「…ありがとうございます?」
「エノメナさまに負けてしまったからにはこれ以上お父さまにご心配をかける訳にもいきません。わたくしはこの惑星を出ることにしますわ」
彼女にはまだ、家族がいるんだ…少し羨ましいな。
そう思っていると、何かのデータが送られてきた。
「エノメナさま、アーキバス経済圏を訪れたら是非遊びに来て下さいな。今度はゆっくりお茶会でもしましょう」
連絡先と招待状…なのかな?少し無防備過ぎるような気がするけれど…
「ありがとう、フローレインさん」
「再会を心待ちにしておりますわ!さて…おばかさんたち!ここは退きますわよ!」
「「了解です!姉御ォ!」」
「おばかさん!お姉さまとお呼びなさい!」
なんだか、雰囲気に押し切られてしまったような気分だけれど…殺さずに解決出来るなら、それも悪くはないと思う。
「…無茶し過ぎです、エノメナ。私が連れ出したとはいえ、もし貴方に何かあったら…」
「ごめん、ケイト」
「…無事なら良いんです。それにしても、アリーナ圏外とはいえFランクを退けるとは驚きました。私なんて様子のおかしい2人の連携に良いようにされてしまって…対応力が今後の課題ですね」
〔…終わったようだね。さて、あんた達の頼み事を聞かせて貰おうか?〕
…そういえば、RaDの防衛が目的だった。
「私たちは中央氷原に行くために、カーゴランチャーへの案内をして頂きたいと考えています!」
…!?カーゴランチャー!?あれって普通の人が乗れるものじゃ…
〔…カーゴランチャーはやめておきな。あんたは兎も角、そっちの子は真人間だろう?身体がもたないよ〕
「えっ!?人ってそんな脆いんですか!?」
そんな、まるで自分は人じゃなかったみたいな言い方…
〔…だが、あんたらは運が良い。中央氷原への脚を用意してやろうじゃないか〕
「え!?良いんですか!?」
「ケ、ケイト…流石に話が良すぎるような…」
「ですが、早くオルクスに会いたいでしょう?ここは頼んじゃいましょう!」
という訳で、いくらカーラさんからだとしても怪しい提案を受け入れてしまったのだけれど…
「………お前がケイト・マークソンか。ウォッチポイントでは俺の猟犬が世話になったな」
「ハハハハンドラー・ウォルター…!?エエエエノメナ、私は泳いで中央氷原に行くので向こうで合流しましょう!!!!!」
「どうしたのケイト!?流石に無茶だよ!?」
どういう訳か、お兄さんの後輩の代理人さんと一緒に、輸送ヘリに乗り込むことになりました。
◯ケイト
突発的な行動でエノメナを死因から遠ざけた
周回の情報についてはAMから共有されていないのになぜか選択肢を正解し続けるのどうなってるんだ…
それはそれとしてピンチ
◯エノメナ
動体視力や咄嗟の判断は劣るものの冷静さを保てている時の集中力と胆力は凄まじく、本番に強い
転生者、ブルートゥ、ポンコツAI、お嬢様…変な奴に気に入られる体質持ち?
◯--/Fフローレイン・ファーニス
シュナイダー上層部役員の娘だが、窮屈な日々から抜け出す為ルビコンに進駐するアーキバス部隊にこっそり紛れ込んできた
上流故のしがらみに揉まれてきた為人を見る目には自信があり、アーキバス側らしくない武装と戦闘スタイルについてはルビコンで良くしてくれたおばかさん2人の連携からアイデアを得ているようだ
投稿が遅れた最大の原因ですわ!
結局ですわ付けとけばいいですわのエセお嬢様スタイルでゴリ押すことにしましたの。
おかしい所があっても気にしないで欲しいですわ!
◯ AC//インスージアズムバレット
【挿絵表示】
父親が彼女に用意した機体
実の娘に紙装甲のシュナイダー製品を用意しない聖人
しかし現地のおばかさんに影響を受け、近距離特化の尖りまくった機体にされてしまった
使っててストレスがなく超楽しい
◯おばかさんたち
たまたま仕事で一緒になったフローレインに助けられてから彼女を姉御と慕いつつ、ルビコンでの立ち回り方を教えた
これまでは分断されていたせいで真の力が発揮出来なかったが連携時の戦闘力は凄まじく、ケイトをもうよくわかりませんありがとうございました状態に追い込んだ
三周目オルクスとは関係ないかもしれないし結果は反映されないかもしれないアンケート
-
マシンガンパルブレプラミサレザキャ中2
-
W赤ネビュラWLRB重2
-
WランセツWニドミサ軽逆
-
重マシライフルグレ散布ミサ重逆
-
W赤ネビュラW実弾オービット車椅子
-
Wエツジンプラキャミサ中4