転生独立傭兵のわくわく3周クッキング   作:おーるどあっくす

50 / 77
前話の最後にアンケートを入れる予定だったのに完全に忘れてたので緊急で小話を捻じ込みました
ご協力よろしくお願いします


安いおまけ

 

「ーーーーー」

 

 こんな事を思ってしまうのは申し訳ないが、レイヴン先輩は声が小さくてどうにも聞き取りづらいな…

 

「お兄さん、指を耳の中に入れたら傷ついちゃいますよ。ちゃんと耳かきしてますか?」

『あー…恥ずかしながら自分で出来ないというか…』

 

 

 これも元を辿れば前世の母親に原因がある。俺の母さんは耳フェチを自称しており、(父さん)息子()()の耳かきに並々ならぬ熱意を持っていたのだ。

 思春期の俺が「(母親の膝枕で耳かきなんて)やってられるかよ」と自分で綿棒を使ったことがバレた瞬間に「私から楽しみ(獲物)を奪うな…!」と言わんばかりに詰め寄られる程度には…

 余談だが俺が高校生になった頃、男を堕とすための嫁入り修行として母さんは歯を食いしばりながら耳かきの練習台として娘に俺を差し出した。夫の耳は譲らなかった。

 そうして母さんと妹に耳を調教されて育った結果、自分で耳かきも出来ない男子大学生(20)兼、憑依転生者(21)が出来上がってしまった訳だ。誰に言い訳してんだ俺は。

 

 

「それなら私がやりましょうか?」

『はい?いや流石にそれはちょっと…ほら、人間の身体は耳掃除しなくても耳垢が取れるようになってるらしいし…』

「集落にいた頃、子供達の耳かきをやったことがあるのでそれなりに自身があるんですよ」

 

 近所に住んでる中3のお姉さんが耳かきしてくれるとか性癖歪みそ…う…?あっ…よく考えたらその子供達、もう全滅してるじゃん…なんか一気に断り辛い雰囲気になったぞ…

 

『わ、分かった…よろしくお願いします…』

「じゃあ、ベッド行きましょうか」

『言い方よ…』

 

 

 

「のうが はかいされる………」

 

 

 

 

 

「さあ、膝にどうぞ」

『いやいや膝は流石に…』

「膝枕せずにどうやって掃除するんですか?」

『はい…失礼しますぅ…』

 

 エノメナの膝は、細いながらも確かに柔らかい。そんな感触を感じながら家族でもない女性の膝枕で落ち着ける訳がないだろうと抗議しようとしたその時…

 

「身体、強張ってますよ。ほーら、力抜いてください」

『んっ…!?』

 

 耳元で囁かれて抵抗の意志を奪われる。口を開くだけ無駄どころか、口を開くことすら許されなかった。

 

「まだ耳かきも入れてないのにぴくっとして…お耳、弱いんですね」

 

 エノメナは魔性の女で、俺は罠に掛かった哀れなマゾであった。勝ち目は無い。これから俺は言われるがまま、されるがまま彼女に耳を蹂躙されるのだ。

 

「それでは…始めましょうか。動いたらだめですよ」

 

 彼女がそう宣言して、ゆっくりと耳かき棒が差し入れられた。耳の入り口をこするようなかりかりとした刺激を感じる。

 

「お兄さんの耳は狭いですね…もう、人間の身体は耳掃除しなくても耳垢が取れるようになってるなんて言い訳は通用しませんよ…」

 

 死刑宣告かな?次があることを匂わされてしまいなんとか自力で出来るようにならないとまずいと焦る俺を他所に、耳かき棒はじっくりと耳垢を掻き出しながら奥へ進んでいく。

 

「これだけ狭いなら、誰かにやって貰わないと自分で耳垢を押し込んじゃうかも…」

 

 はい、対戦ありがとうございました。完全に退路を塞がれると同時に、耳の中の感触ががさがさとしたものに変化する。

 

「こんなに溜め込んで…」

 

 耳掻き棒はごそごそと耳の中をかき回り、堆積した耳垢を解体している。

 

「──ふぅーっ………」

『〜〜〜〜〜!?!?』

 

 唐突に、耳へ息が吹き込まれる。

 

「また身体に力が入ってますよ、ほら、リラックス…リラックスーーー………」

『〜/////』

 

 不意打ちを受けてスタッガーした俺に対して、泣きを入れたらもう1発と言わんばかりにもう一度吹き込まれた息が直撃。

 

「細かい耳垢もこれで吹き飛びましたね、気持ち良かったですか?」

『うん…』

「ふにゃふにゃで可愛い返事ですね…でも、まだ片方残ってますよ?」

 

 最早彼女や621の前で保ってきた先輩としての演技を続ける余裕もなかった俺の脳裏を【悲報】まだ半分という言葉がニ◯◯コ動画のコメントのように横切っていく。

 

「ほら、ころんってしましょうねー」

 

 格付け完了と言うべきか、完全に子供扱いな彼女の言葉に従って体の向きを入れ替える。

 

「はい、よく出来ました。続きを始めますね…」

 

 再びかりかりと、細かな耳垢が掻き出される感触が始まった。

 

「こっちは大きいのが張り付いてますね…ピンセットを使いましょう」

 

 ひんやりとしたピンセットの掴んだ耳垢が引っ張られ、ぺり…ぺり…と音を立てて耳からゆっくりと剥がれていく。先程までの繰り返し掻き出すような動きとは異なり、快感がじわじわと終わらない。

 

「いっぺんに剥がれましたよ。じーっと出来てえらいですね…」

 

 既に耳垢は剥がれたというのにじんわりとした心地良さが未だ耳の中に残っている。エノメナは再び耳かき棒を取り出し、ごそごそと耳垢を掻き出し始めた。

 

「また大きいのがありますね、このまま放っておいたら耳を塞いでしまいそう…」

 

 耳の奥の方で、耳かき棒がこつりと止まったのを感じる。中々の大物らしい。

 

「かり…かり…かりかり…かり…」

 

 スロー…スロー…クイッククイックスロー…

 大物を取り出すため、緩急をつけてエノメナは固まった耳垢を剥がしていく。オノマトペまで習得しているとは…これも日本の文化だよね?どうなってんだルビコニアン…

 

「あと少し…」

 

 かりかりとした感触は次第にべりべりと剥がれるようなものに変わり…ペリッとした手応え、いや耳応え?もうどっちでも良いや…とともに、異物感が消える。

 

 

 

 

 

「取れましたよ、お兄さん」

『そっか…』

「それじゃあまた…──ふぅーっ………」

『んぅ………』

 

 …さっきよりもお兄さんの反応が悪い。やり方が悪かっただろうかと彼の顔を見れば、すっかり眠ってしまったようだ。

 

「ふふっ…気持ちよくて寝ちゃったんですね…かわいいなぁ…」

 

 私の膝の上で蕩けた表情を浮かべているお兄さんの頭を撫でると、もっともっとと甘える子供のように頭を擦りつけてくる。きっとお兄さんは、家族に大切にされてきたんだろうなぁ…

 

 そんな彼を今度は私が守ってみせるのだと、決意を新たに彼を眺める。

 

「それでは…お兄さんも寝てしまったので、次のおまけに交代しますね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔準備運動は終わりだ!続けるぞ!!役立たずども!!!〕

 

 ミシガン総長の怒声と共にG4ヴォルタとG5イグアスが次の目標へ移動していく姿をわたしは眺めている。前回と同じならば…

 

〔…待て、621。暗号通信が入った〕

 

 やはり、ルビコン解放戦線から通信が入った。

 

〔独立傭兵レイヴン、我々はルビコン解放戦線だ。単刀直入に言おう、こちらに付きレッドガン2名を排除してもらいたい。報酬はベイラム提示の2倍、色好い返事を期待している〕

 

〔…なるほど。ここはお前が決めろ、621〕

「なら、おうじる」

〔独立傭兵レイヴン、協力に感謝しよう〕

「わたしがせんとうかいししたら、ぶたいはさがらせて。かれらがまきこまれるとこまる」

〔…改めて感謝しよう〕

 

 今回はギリギリを攻めるつもりだから、MT部隊によるラッキーパンチがレッドガンの2人に当たっては困る。この言い方ならば、MT部隊も守ろうとしているとフラットウェルも誤認してくれるだろう。あとはイグアスとヴォルタを無力化するだけだ。

 

〔621、解放戦線から友軍識別タグが交付された。お前の選択を尊重するが、無理はするな〕

「りょうかい」

 

 

 

 

 

「!?てめえ…誤射じゃねえな…?クソッカメラが…」

 

〔そう来るか、ハンドラー・ウォルター…G4!G5!応戦しろ!G13は貴様らと遊びたくなったようだ〕

 

 まずは無力化が容易なヴォルタからだ。MTと交戦するふりをして接近し、その「枝細」な頭部にショットガンを斉射。視界を潰してからアサルトアーマーを発動する。

 

「こいつ…タダモンじゃねえ…ミシガンの野郎、何を拾ってきやがった…!?」

 

 ACS負荷限界に陥ったキャノンヘッドの履帯をパイルバンカーで破壊。もはやブースト飛行しか出来なくなったヴォルタの機体にじっくりとスタンニードルランチャーの狙いを定め、発射。

 

「チッ…機体が完全にいかれやがった…!離脱するしかねえ!」

〔ヴォルタ!貴様の性能もいかれたようだな!おまけに土を付けられるとは!〕

 

 今回の作戦にあたってスタンニードルランチャーの弾には敵機の無力化に重点を置いた改造を施しておいた。1度目の集積コーラル到達でわたしの機体が再起不能に陥ったように、機体システムを破壊するという一点を突き詰めた仕様だ。

 

「やってくれたな、野良犬…レッドガンに喧嘩を売るとはいい度胸だ!」

 

 次はイグアスだ。今度はアサルトアーマーに頼れないので地道にいこう。

 

「野良犬…ヴォルタと同じようにいくと思うなよ…ミシガンの顔面に一発ぶち込むまで…引っ込んでられるか!」

 

 相も変わらず盾を構えながらリニアライフルとミサイルを放つイグアスにショットガンを撃ち込みながら隙を伺う。

 

 一度直撃さえさせれば機体を破壊出来る改造スタンニードルランチャーだが、使用には当然厳しい条件がある。一つ目は純正ではない改造弾を使う為FCSが使えず、マニュアルエイムでコアを狙うこと。二つ目に、システム復元性能を持つ頭部の破壊が必須であるということだ。

 あと、コアブロックが剥き出しになっているLAMMERGEIER/40Fでは搭乗者の安全を確保しながらシステムを無力化出来ないという欠点もある。

 

「クソッタレが…調子に乗りやがって…!こっちはな…毎日クソみてえなシゴキを受けてんだよ!」

 

 情報を整理しているうちにイグアスがスタッガーしたようだ。まずは右腕のショットガンをパージして頭部にBASHOの拳を3度叩き込み粉砕。続いてヘッドブリンガーのコアと脚部を繋ぐ股関部をパイルバンカーで突き上げる。

 

「クソっ…動け…!ふざけるなよ野良犬…遊んでやがるのか…!?」

 

 これで頭部と機動力は潰した。別にイグアスを弄んでいるという訳ではないのだが、必要なことなのでゆっくりとコアに狙いを定めて発射。

 

「機体が…!こんな卑怯なマネして、勝ったと思うんじゃねぇぞ…!」

 

 …彼らの為とはいえ、余り良いやり方でなかったのは確かだ。この後はわたしの方から謝罪の通信を入れておこう。

 

 

〔G4およびG5、レッドガン2名の撃破を確認した。ミシガン、機体の修理費は俺に………〕

〔これが修理出来ると思うか!?ウォルター!!!ふざけた遠足にしてくれたな!授業料の分は差し引いておくぞ!!!〕

 

 

 

 …今回の仕事は初めての赤字になるかも?ウォルターにも申し訳ない…

 




これがやりたかっただけだろシリーズ
心温まる日常回に見せかけたサプライズミシガン理論

◯エノメナ
耳掃除がウォルターの次くらいに上手い

◯真レイヴン
この後エノメナに耳掃除して貰った

◯ウォルター
きっと耳掃除が上手い

◯621
しれっとチート兵器を持ち出した

◯ミシガン
彼の声を聞くだけで耳垢が逃げていく

◯イグアス・ヴォルタ
完全に被害者



折戸(おりと)
父、母、息子、娘の4人家族だが、息子は大学進学にあたってマンションで1人暮らしをしている
家は庭付き二階建て一軒家
両親は共働きだが家族仲は非常に良好

◯折戸母
実は家族に内緒で耳かきASMR動画を投稿している

◯折戸父
実はACシリーズを全てプレイしている

◯折戸 (ひさし)(生前オルクス)
実は睡眠導入として母親のASMR動画を愛用していた(当然母親であることは知らない)

◯折戸 珠利(しゆり)(妹)
実は母親の動画投稿を特定して脅し、兄の耳かき権を母から奪い取った

 ───────────────
◯アンケート決戦投票
①マシブレレザキャプラミサ中2

【挿絵表示】

オルクスの機体は尖りがちなので一周回ってシンプルな構成に…
と思って組んだらほぼロックスミスだったので開き直って寄せに行くことにしました

②重マシARグレ散布ミサ重逆

【挿絵表示】

装甲で耐えながら中距離を維持する射撃機体
没になったオーバーシアー√からの刺客

③WランセツWニドミサ軽逆

【挿絵表示】

エノメナとお揃いの軽逆引き撃ち機体
エルカノの伝家の宝刀ニドミサ持ち出すとか頭ブランチがよぉ…

決戦投票

  • マシブレレザキャプラミサ中2
  • 重マシARグレ散布ミサ重逆
  • WランセツWニドミサ軽逆
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。