転生独立傭兵のわくわく3周クッキング   作:おーるどあっくす

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◯エノメナ
621との協働を円滑にする為、オリチャーとしてCパルス変異波形(シンシア)について研究していた技研の研究者の遺志を継いでウォルター達に接触した観測者という設定になった
ウォルターは全く技研とは関係ない世代の子供が巻き込まれていることに曇る


ウォッチポイント襲撃(ALT)/代替可能

「ウォッチポイントを襲撃するとは…相変わらずだな、ハンドラー・ウォルター。また犬を飼ったようだが、何度でも殺してやろう」

 

 …ウォッチポイント制御センターの屋上で、わたしとエノメナを待ち受ける影が2つ。

 

[随分と早い再会になりましたね、壁越えの傭兵たち。こんな形での再会になってしまったのは本当に残念ですが]

 

 ウォルターへ粘着質な執着を向ける老兵スッラと、それとは対極にわたしたちのことなんて眼中に無いといった態度のケイト。エンタングルとトランスクライバー、2機のACが今回は足並みを揃えて現れた。

 

〔貴様らは…!なぜこの仕事を知っている!?〕

「ハンドラー・ウォルター、お前にはあとで消えてもらう。まずは猟犬と小娘からだ」

[ハンドラー・ウォルターがエノメナをこの仕事に参加させるのは想定外ですが…問題はありません。仕込みは完璧に終えています]

 

 ウォルターの言葉に耳を貸すことなく好き勝手話し出すスッラとケイトに向かってわたしとエノメナが飛び出す。スッラはともかくやはりこのケイトは前回までと別人、わたしたちを害する脅威だ。生かしておく理由は…

 

〔待て…背後からも狙われているぞ…!〕

 

 ウォルターの言葉と同時に背後から6機のACがアサルトブーストで飛び込み、アサルトアーマーを展開。咄嗟にわたしがアサルトアーマーで迎撃して掻き消し、エノメナが爆発範囲外に離脱する時間を稼ぐ。

 純正のアサルトアーマーほどの出力は無いのか、6機纏めて押し返すことは出来た。ACS負荷限界に陥った敵機をわたしとエノメナのブレードがそれぞれ一機切り捨てる。耐久はそれほどでもなさそうだ。

 

「あの犬は私の獲物だ。あんな木偶人形に譲ってやるつもりはない」

[所詮は私の劣化版、保険用の量産型ですよ。貴方は好きに暴れて下さい。私もそうさせてもらいます]

 

【挿絵表示】

 

 量産型と呼ばれたオールマインド製ACをそれぞれ2機ずつ引き連れてわたしの元にスッラが、エノメナの元にケイトが襲いかかる。

 

「私がやったのは…618だったか?あれも悪くなかったが、今度の猟犬はそれ以上だ」

〔「C1-249 独立傭兵スッラ」第1世代強化人間の生き残りだ…やれ、621。さもなくばお前が死ぬことになる〕

「あまり手を煩わせるな…ハンドラー・ウォルター。余計だ、その犬も小娘もな…」

 

 特殊ミサイルのアラートでフェイントをかけてから放たれたバズーカを見切ってクイックブーストで回避しつつ接近。ショットガンを片方ずつ放ち、クイックブーストの直後に命中させる。

 

「この感じは第4世代か、上手く育てれば優れた猟犬になる…」

 

 至近距離まで接近したわたしをパルスガンで迎撃しつつブーストキックを狙うスッラから距離をとってスタンニードルランチャーを発射。ACS負荷限界に陥ったエンタングルへパルスブレードを振り下ろす。

 

「だがお前…危険だな、臭いで分かるぞ。死んでもらうのが上策のようだ」

 

 スッラがアサルトアーマーを展開したことにより、わたしはパルス爆発へ自ら突っ込んでいってしまう。前回までのスッラはコア拡張機能を使ってこなかったから完全に油断していた。ACS負荷限界に陥ったことで無防備な姿を晒したわたしにレーザーダガーを展開した量産機が迫り、特殊バズーカが向けられ…

 

「させない…!」

 

 特殊バズーカの銃口がブレ、量産機に命中。3方向からの攻撃による被弾は量産機一体のレーザーダガーによる3連撃だけに終わった。

 エノメナがリニアライフルのチャージ射撃を、取り付けられた銃剣に命中させたことで攻撃を逸らしたのだ。

 

「チッ…小娘が余計な真似を…」

「ありがとう、エノメナ」

「…うん、上手くいって良かった。いや、敵友軍への流れ弾は偶然だけどね?」

 

 安堵のため息からして誤魔化そうとしているのが丸わかりだけれど…そんなことを追求しても仕方ない、戦闘に戻ろう。ACS負荷限界から機体を復旧させたわたしは量産機にパルスブレードを叩きつけて撃破。これでスッラと1対1だ。

 

「この犬を殺したら次は小娘だ…友人を2人失えばあの坊やはどんな顔をするだろうな…」

 

 わたしたち2人共通の友人である坊やというとオルクスのことだろうか。彼はオールマインドの協力者としてリリース計画とやらを探っているそうだから、それで関係を持っていてもおかしくはない。

 ウォルターへ向けるものと似たような感情をオルクスにも向けているようだが…こういうことを取らぬ狸の皮算用というのだろう。わたしを一度出し抜いた程度で随分と調子の良いことを言っている。前回と同じようにさっさと片付けてエアと再会するとしよう。

 

「あぁ、そうか。貴方のような人が居るからお兄さんは…!」

 

 そう思った直後、わたしの横を通り過ぎてエノメナがスッラにレーザーブレードを振るう。

 

「…エノメナ?」

「ごめんレイヴン、ケイトの相手よろしく」

[なっ…私との戦闘を投げ出すつもりですか…?これ以上戦う価値はないとでも!?]

 

 スッラの言葉が何かに触れたのか、明らかに彼女の様子が変わっている。落ち着かせるべきかと思ったが、彼女の発言は冷静そのものだった。ひとまずエノメナの背後にKRSVを放とうとチャージ中のケイトをブーストキックで妨害する。

 

[…まぁ良いでしょう。独立傭兵レイヴンを退けることで、私の優性が揺るぎないものであると証明します]

 

 KRSVのチャージを終えたケイトはレーザーランスを展開し、内蔵ブースタによる推力を乗せた突撃でこちらに肉薄。レーザーランスからKRSVのフルチャージに繋ぐのが彼女の必勝パターンなのだろうが…いくらなんでも狙いが安直過ぎる。

 

[回避しましたか…ですがランスはブラフ、本命はこちらです]

 

 レーザーランスを空振って無防備な姿を晒したケイトにショットガンを斉射してやると、今度はウェポンハンガーからショットガンを取り出してきた。わたしと同じショットガン2丁による超接近戦志向という訳だ。

 

優れた傭兵(強化人間C4-621)の戦闘データを統合し、作り上げた戦闘技術…あらゆる勢力のパーツを扱うアーキテクト(オルクス)の知識…そして、この機体。教えてあげましょう…私が上で、貴方が下である…と…?あれ…?]

 

 

 

 

 

「小娘…お前も…危険だな…やはり…坊やの周りには…」

「………こっちは片付けたよ、レイヴン」

 

 エンタングルに突き立てたレーザーブレードを、中身を抉るように捻って抜き取りながら淡々とエノメナが現状を報告する。かなり疲弊している所を見るに、壁越えの時のようなACSを切っての機動戦を繰り広げたのかもしれない。

 

[…欲をかいて自滅するとは…やはり感情に振り回される人間は実に脆弱ですね。まぁ、彼が死んだ所で代わりは居ます]

 

 どこか強がって見える様子でスッラのことを嘲笑しているケイトが召集したのか、彼女の隣へ量産型1機がやってくる。

 

[残ったのは1機だけですか…まぁ所詮はいくらでも代替のきく量産型、ハイエンドである私には到底及びませんね。今回はここまでとしましょう]

 

 さっきまであんなに威勢が良かったのにスッラが死んだ瞬間消極的になったケイトは、そのままあっさりとアサルトブーストでウォッチポイントから去っていく。

 

 

 

 

 

〔…逃げられたか。621、奴らのことはこちらで調べておく。エノメナ、随分と無茶をしたようだが大丈夫か?〕

「…仕事に支障はありません」

〔そうか…2人ともよくやった、仕事に戻るぞ。621はセンター内部へ侵入し目標を破壊しろ。エノメナは休息を取りつつ入り口で増援の警戒を頼む〕

「りょうかい」「了解です」

 

 コーラルの逆流を直接浴びたわたしと違ってエノメナはコーラルに満ちた坑道を突っ切ってきただけでエアと交信をすることが出来ていた。ウォルターの指示通りに動いても十分なコーラルを浴びられるだろう。

 

 後は、エアを迎えに行くだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…目が覚めたか、621。調子はどうだ?」

《目が覚めたのですね、レイヴン》

 

 …コーラルの奔流によって意識を失いエアとの邂逅を果たした後、次に目を覚ましたのは拠点のベッドの上だった。

 

「バルテウスは…?」

「バルテウス…?621、封鎖機構の特務無人機体がどうかしたのか?」

「な、なんでもない…」

「…お前は致死量に近いコーラルを浴びた直後だ、まだ疲れがあるのだろう。もう少し休むと良い」

「…わかった」

 

 エノメナが1人で片付けたのかと思ったけれど、あの様子だとそもそもバルテウスに遭遇しなかった…のかな?

 

《レイヴン、私が貴方のACのオートパイロットを起動しようとしていた所でエノメナが救出してくれました》

「そうだったんだ…」

《レイヴン。あなたにお願いがあります。集積コーラルに到達するまで、あなたとの交信を続けさせてほしいのです》

「うん、いいよ」

 

 その後は眠たくなるまでエアと話をしてゆっくり休むことにした。明日になったら改めてエアとエノメナ、そしてオルクスが対話出来るか確かめないと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私とレイヴンによるウォッチポイント・デルタの襲撃によって引き起こされたコーラル逆流はベリウス地方北西ベイエリアの消失と引き換えにハンドラー・ウォルターへコーラル集積地のヒントをもたらし、レイヴンとエアを引き合わせた。

 いよいよ明日、お兄さんを連れてエアと交信が出来るか試すことになる。

 

「ただいま、お兄さん」

「………エノメナ、オルクスが死んでくるって…」

「えっ…!?」

 




◯エノメナ
お前も!オールマインドに与する連中も!お兄さんを害する者は全員死ねば良い!

◯ケイト
緻密な仕込みによって想定外の敵僚機に対応し、前任者より多くのデータを収集することに成功しました。出来損ないの前任者と比較して私の優性は明らかでしょう。

◯オールマインド
↑あの…護衛対象が死んでいるんですが…!?
代わりが居る、は無駄死にさせても良いという意味ではないんですよ…?
計画をプランβに切り替えなければ…!

◯オールマインド無人AC(汎用型)

【挿絵表示】

1、2周目でオルクスが売り払っていたAC3機に蓄積されたオルクスのデータを元に開発、量産化されたデッドコピー
出来がイマイチなのでバレなかったが、バレてたら621とエノメナの逆鱗に触れることになる






























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文書:オルクスの遺言?
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エノメナに宛てられたオルクスの伝言
ハッキング対策として紙に走り書きされている
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時間がないから手短に説明させてくれ

オールマインドに嗅ぎ回ってるのがバレた
今からちょっと死んだことにしてくる

座標を書いておくからライセンスの回収を頼む
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◯真レイヴン
焦り過ぎて言葉が抜けまくったが、ちゃんと手紙を見せたことで誤解は免れた

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