転生独立傭兵のわくわく3周クッキング   作:おーるどあっくす

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待たせたな、戦友(カスティ)
別に待ってないと言われれば残念でもないし当然ですが…


人生も再走させて欲しい(切実)

 不安だらけな幕開けだったドーザー生活ではあるが、住めば都とでも言うべきか案外気楽なものだ。女性らしい振る舞いをしなければならないのはアレだが…上位ランカーだとかブランチの一員だとかの称号に比べれば軽いものだろう。

 

 俺がここまで乗って来た新品のジャンクACは内装やフレームの状態こそ整っているものの、カモフラージュの為に外装を剥がしていたり風化した鉄板を貼り付けていたりでとても命を預けられる機体とは言い難い。そういう訳だから撃破されたヒビキとコヨーテスのジマジマうるさいコンビの機体残骸からパーツを寄せ集めてここのメカニックに修繕を頼んでいたのがようやく完成したらしい。ドーザーのメカニックというのがなんとも不安だが…まあ、お手並み拝見といこう。

 

 

 

 

 

 ドーザー集団ストークスはシシル旧軍港のガレージを利用しているため、当然ながら封鎖機構が半世紀ほど前に運用していた機体が前提になっている。そんなハンガーを無理矢理改修して吊り下げられた俺のACを見ているだけでどんどん不安になってくるのだが…

 

『思ったよりも良い出来だ…』

 

 武装こそ継続火力に欠けていて不安が残るがこればっかりは有り合わせだから仕方ない。肝心の機体本体はかなり丁寧に修繕されており、中古品として販売されていたとしても安心して購入できそうだ。

 

「“思ったより”とは…随分と失礼なヤツですね」

 

 おっと、誰か居たのか。随分とちんまい子供だが、彼女がヒビキの言っていたメカニック…?

 

『君がこれをやったの?』

「はい。で、お前がシンシアですね…こんなだらしない身体のメス牛にヒビキ様の影武者が務まるんですか?」

 

 だ、だらしない胸部装甲はあくまでパットだし…ルビコンで買える1番小さいサイズがこれだから妥協せざるを得なかったんだよ。やっぱり大豊とかいう企業頭おかしい。

 にしてもメス牛呼ばわりって…このガキ、口が汚いな。

 

「…シラベ、私が見出したシンシアを疑うつもりか?」

「いえ、ボクがヒビキ様の目利き疑うなんて有り得ません…ですが、ヒビキ様がこの胡散臭いメスに騙されているのではと心配なのです…」

「………すまないな、シンシア。この子は誰にでもこんな調子で…腕は確かだから、上手く付き合ってやってくれ」

『な、なるほど…苦労しているんですね…』

 

 明らかに俺とヒビキで扱いが違うし、この雰囲気は崇拝系って奴か?ヤンデレなんかは部外者として楽しむ分には好きだけど、自分が巻き込まれるのは勘弁だな…排除されないと良いが。

 いっそ2人をくっつけるキューピッドになるというのはどうだろうか?俺がシラベの協力者になればヒビキを狙う敵扱いされずに済むだろう。俺の平穏のためにも検討の余地有りだな。ヒビキには生贄になってもらう。

 

 

 

「さて、シラベのおかげで*1機体の用意もできた以上そろそろ君に仕事を頼みたい」

『ええ、シラベのお陰で*2初仕事も上手くいきそうです。任せてください』

「今回の依頼主は企業ではなく我々“ストークス”で、目的は戦力増強だ。船を修理する為の費用を君一人で稼ぐというのは厳しいものがある以上、ACを追加で手に入れたい」

『その口ぶり、真っ当な手段で購入するというわけではなさそうですね』

「その通り、作戦目標はベイラムの輸送機鹵獲だ。連中は独立傭兵レイヴンやオルクスとの交戦で失ったキャノンヘッド、ヘッドブリンガー、ディープダウンの組み立てを終え、駐屯地に運び込むつもりらしい。」

『えっ』

「…どうかしたのか?シンシア」

『いや、それだとストークスがベイラムを完全に敵に回すことになるんじゃ…』

「は?メス牛がヒビキ様の計画に文句ですか?」

 

 えぇ…

 

「よせ、シラベ。シンシアの懸念も当然のことだ。だが、それについては問題ない。今ドーザーの間で銀色塗装と緑色のデバイスが特徴的な無人機に偽装して物資を強奪するのが流行りだから、上手く誤魔化せるように手を回してある」

『ドーザーって強かだなぁ』

「輸送機の護衛にはG6レッドとMT部隊が配備されているそうだ。君ならば余裕な相手だろうし、出来る限り手短に頼む」

『それはまた随分と手薄…』

「は?ヒビキ様の集めた情報が信用出来ないのですか?」

 

 さっきからやかましいわクソガキ。

 

「事情は分からないが未だG1がACで作戦に出てこない以上、今動かせる戦力がG6レッドとG3五花海だけということだろう。これ以上ないチャンスを逃す訳にはいかない」

『分かりました、やってみせましょう』

 

 “ストークス”に所属してから初めての出撃とはなるが、機体も体調も万全ならばなんとでもなるはずだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさかここに噂の無人機が現れるとはな」

 

 いやちょっと待ってフル芭蕉でフロイトは流石にキツいってなんでそんな酷いことするのスネイル百歩譲ってアーキバスがレッドガンの戦力削ごうとするのは分かるけどどうせお前も護衛がレッドだけってことは把握してるでしょフロイトは絶対過剰だってこちとら状態が悪くないだけで武装は寄せ集めだぞ…!?

 

 …作戦地点に到着した俺が目にしたのは撃墜された輸送機とハーミットの側に佇むロックスミス…V.Iフロイト。最悪なことに、いくらこちらを無人機と認識しているとはいえ目の前にあるおもちゃを放置して次に任務へ向かうほど忙しくはないらしい。クソ自由人がよぉ…

 

「丁度良い、G6だけでは物足りなかった所だ」

 

 無造作に放たれた拡散バズーカをアサルトブーストで回避しそのまま距離を詰める。この機体の武装と装甲的にもフロイトがレーザードローンを展開しないうちに戦える間合いまで持ち込んでおきたい。トリガー引きっぱなしのままランセツARで弾をばら撒きつつ、これまた雑に垂直ミサイルを打ち上げておく。発射間隔の決まり切ったバースト射撃と一点に纏めて落下していくミサイルなんてフロイトの前では正直どちらもアテに出来ない武装である以上、なんとか隙をついて芭蕉腕によるパルスブレードを叩き込むしか無いか。

 

「噂の機体よりも貧相な武装だな、量産性を優先したのか?」

 

 案の定好き勝手言われてるよ…ただ、ローコストな無人機相手でそこまで興が乗っていない今ならば付けいる隙はあるかもしれない。最初の一撃に全てがかかっている訳だ。なんとかキカクの近接推力でブレードを届かせられる程度へ間合いは詰め切ったが…ここは一手間加えるべきか。一度ブレードを展開して見せてから即座にキャンセルし、AB中のQB連発によって側面へ回り込んでから逆関節には及ばないとはいえ水平推力に優れる芭蕉で壁を蹴る。ABの推力も上乗せしたルビコニアン縮地でレーザーブレードを振り下ろし…

 

「無人機にしては中々出来るらしいな。AIをシミュレータに組み込んで…いや、鹵獲しても自壊するという話だったか」

 

 ………ッ浅いか!

 流石にエノメナから見て学んだだけの技では限界があったか。いやよく考えたらなんで俺が彼女から学んでるんだ…?自称親が乗ってる所を見たのテクニックじゃないでしょアレは…まぁそもそも彼女には師匠面するほど長い関係ですらなかったな。

 

「仕方ない、壊れるまで楽しませてくれよ?」

 

 さて、渾身の一撃はロックスミスの左肩へ傷を付ける程度で止まったのに相手はそれなりに本腰を入れてこちらと遊ぶ気満々というのは相当まずい展開だな…真っ向から迎え撃つ以外の選択肢は…っ!?

 

「増援か…水を差された気分だ」

 

 俺とフロイトとの間へ紫電…フルチャKRSVが迸る。あれはアンフォラM2…と、呼ぶには原型を留めてなさ過ぎるのでは?

 

 

【挿絵表示】

 

 

 銀色塗装と緑色のデバイスが特徴的な無人機に偽装して物資を強奪する流行りに乗っかったらご本人登場してきちゃったよ…

*1
シラベ(満足げな笑み)

*2
露骨なご機嫌取り




◯オルクスデッドコピー(M2)

【挿絵表示】

EN武器特化のM2にはやっぱりKRSV!
→反対はトレーニングの在庫からレザハンを使いましょう
→我々が開発したAIの超反応ならこのシールドも使いこなせますね
→せっかく出力に優れた機体ですからもう少しEN武器を…
→EN出力が足りませんね…腕と脚の消費を抑えて…
_人人人人人人人人人人人人人人_
> 破綻した設計の妥当な末路 <
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