FG◯でレイドやってたらAMちゃんみたいなシステムがいたので正月休みの内に久々投稿
…今回はAMちゃんの出番ないですが
わたし達の心に多大な影響を与えたオルクスの死も、コーラルを巡るルビコンでの2大企業、解放戦線、封鎖機構の争いの中では些事に過ぎない。わたし達は傭兵として、それぞれと特務機体カタフラクトの撃破と壁内部の執行部隊排除を完了した。
表面状はいつも通りに仕事を熟しているエノメナではあるけれど、シミュレータに籠ってひたすら訓練を続けていたりと内心ではあのHCに対する強い憎しみが渦巻いているのだろう。そんな彼女の状況は余りにも危ういし、このままではHCとの戦闘に至る前に壊れてしまいかねない。だからこそ、少しだけ荒療治に出てみることにした。
「つぎのアーキバスからのしごとだけど、エノメナに頼んでもいい?」
「旧宇宙港…惑星封鎖機構への襲撃…別に良いけど、何か用事?」
「うん、わたしにはベイラムからのしごとがきてるんだ」
「そっか、そういうことなら私に任せて」
「わたしにはウォルターがいるから、エアはエノメナをてつだってあげて」
《お任せ下さい、レイヴン。エノメナ、よろしくお願いします》
封鎖機構への攻撃と聞いた瞬間、あのHCが出てくる可能性を期待しているのか彼女の瞳に仄昏い光が宿る。そんな彼女を止めることができないわたしの言葉に変わって、ラスティから何かいい影響を受けてくれれば良いんだけれど…
〔やあ、戦友〕
「…どうも、ラスティさん」
…ヴェスパー第4隊長ラスティ。アーキバスに潜入したルビコン解放戦線のスパイ。「前回」ではお兄さんとレイヴンと共にルビコン解放の立役者となった人物。協働して作戦に参加するのは壁越え以来になる。
ルビコンを解放するためアーキバスの主戦力として息を潜め、同胞を犠牲にしながらも牙を研ぎ続けたその覚悟は、私個人としても尊敬できる人物だと思える。それと同時にどこか隠していることも多そうで、完全に信頼して良いのかは私がシュナイダー所属として関わりのあった前回でも最期まで測りかねる人物でもあったけれど。
〔アーキバスから君に依頼だ。作戦立案者でもある私の上官からお言葉がある。まあ聞いてみてくれ〕
ヴェスパー第2隊長スネイルです
これより作戦内容を伝達します
私の直属で作戦行動に臨めること 光栄に思いなさい
これは惑星封鎖機構の2拠点に対して 同時刻 秘密裏に行われる急襲作戦です
襲撃目標のひとつは敵の部隊間通信を中継するハーロフ通信基地
もうひとつは強襲艦隊の母港として接収された バートラム旧宇宙港です
通信基地の方は我がヴェスパーの第4隊長ラスティが受け持ちます
彼が封鎖機構の通信網を混乱に陥れ 精鋭部隊による増援を不可能にする
独立傭兵エノメナ 貴方はその間に停泊中の強襲艦を全て破壊してください
〔…この作戦には穴がある。通信網の混乱は一時的なものになるはずだ。こちらの仕事が片付いたら、救援に向かおう〕
ヴェスパーの第4隊長がただの独立傭兵に対してここまでする理由はない。どうやら彼はレイヴンだけでなく私にも“戦友”足り得る存在となることを期待しているらしい。
《ミッション開始です、停泊中の目標を破壊していきましょう》
上部に搭載された主砲や機関砲といった最低限の迎撃手段は備えているものの、停泊中の強襲艦では高空からの制圧という本来の運用法を満たせるはずもない。普通にやればあっという間に終わらせられる目標ではあるけれど…
「コード15 侵入者を捕捉」
「基地全体に共有、脅威度の測定を…!?」
悠長にこちらを測ろうとしている封鎖機構のMTどもをレーザーブレードで纏めて斬り捨てる。
目標ではなかったが、この基地に損害を与えておけばあのHCを誘き寄せることが出来るかもしれない。別に今更お金に興味なんてないけれど、この作戦には敵撃破による加算報酬もあるから建前としては十分だ。
[戦友、こちらは通信基地近傍で待機している。回線を繋いでおいてくれ。そちらの状況を見て仕掛けよう]
V.IVは勝手に最適なタイミングで自分の仕事を果たしてくれるだろう。それまでに潰せる敵を潰して少しでも脅威をシステムに伝えて貰えると良いんだけど…
「排除目標が強襲艦に接近」
「脅威レベル3から4と推定、やらせるな」
などと考えながらすれ違いざまに敵機を仕留めている内にドック内に停泊するひとつめの目標に到着していたようだ。艦橋をブレードで叩き切ってジェネレータに誘爆させる。やっぱり艦橋を叩くだけで自壊するのは高空からの攻撃が本領とはいえいくらなんでも脆すぎる。
[戦友、こちらで中継アンテナを破壊した。これで連中はしばらく外部との通信ができない。その間に作戦を進めてくれ]
これから本格的に基地を叩くタイミングでの通信妨害とは流石、仕事が早い。来るかもしれない増援とこの基地の戦力で挟み討ちになるのは避けたいし、引き続きなるべく敵は撃破しつつ目標の破壊を目指そう。
[順調に進めているようだな、戦友。こちらも攪乱を続けているが復旧対応が速い。この通信妨害は、長くは持たないと思ってくれ]
基地の下から出てすぐ3隻並んで停泊していた強襲艦を破壊したものの、V.IVの予想していた通り通信網の混乱は長続きしなかった。残念ながらここからは手当たり次第に交戦する訳にはいかなさそうだ。
《残りの1隻は高台に停泊しているようです》
「分かった、急ごう」
特にこれといった問題もなく高台上にいた最後の1隻を撃破。レイヴンから聞いた通りになるなら次に来る増援は飛行している強襲艦になるが、この調子なら敵ではないだろう。
《これで目標は全てですね》
[聞こえるか、戦友。封鎖機構の外部通信が復旧した。応援要請を受けた強襲艦がそちらに向かっている。私が着くまで持ちこたえてくれ]
《敵性反応!上から狙われています!》
「コード5 排除対象が接近」
「対処しろ、本隊到着まで持たせる」
エアの呼んでくれたシェルパで補給をしていた所、こちらの逃亡を阻止する為の時間稼ぎの為かまずは狙撃型のLCを派遣してきたらしい。
アサルトブーストで狙撃を振り切って基地上部に登り、狙撃体制に入って動けないLCをプラズマライフルの爆発で炙るようにして撃破。高台から狙われながら上を目指して接近するのは少し面倒だったけれど、この後強襲艦の上へ飛び移ることを考えると無駄な行動にはならないだろう。
[旧宇宙港の襲撃者に告ぐ ただちに武装解除し 投降せよ 抵抗を続ける場合は 強制排除を執行する]
アサルトブーストで本隊である強襲艦へ飛び移ってそれぞれの艦橋を斬り捨てていく。停泊していようが飛んでいようが、上を取られると脆弱なのは変わりない。
[…システムより承認 強制排除執行]
[すまない戦友、そちらに着くまではまだ時間がかかりそうだ…封鎖機構はこちらにヒアルマー採掘場で報告のあったHCを寄越してきた]
「…!?ラスティさん、それなら私が増援に…!」
《エノメナ!こちらにも増援が来ています!》
「コード15 排除目標を確認」
「消えてもらおう」
私の前に現れたのはHCとLC…消えるのはお前達の方だ。少しでも早くあのHCの方に向かわないと。
高台から見下ろしてくる2機へ向かってアサルトブーストで飛び出していく。ヒアルマー採掘場まではほとんど縁の無かった封鎖機構の主力との戦闘だけれど、レイヴンと共に行動したここ最近でかなり経験を積めたつもりだ。今回の戦闘もあのHCとの決着に向けた糧にさせてもらおう。
「コード44 排除対象2機の情報を回してくれ」
「システムより回答 独立傭兵 識別名 エノメナ ランク圏外 「ブランチ」と関係があるとみて活動記録を照合中」
「あのブランチ絡みとはいえど無名の傭兵一人とは舐められたものだ」
「ハーロフ付近で拡張型HCが企業所属と交戦しているらしい、合流する算段だったということだろう」
《敵機を解析します。封鎖機構の執行機……LC高機動型およびHC型。それぞれ機動力と火力が脅威です》
ブレードを装備したHCに背中を見せながら高機動型LCを追いかけ回す状況は望ましくないし、まずはHCから仕留めよう。今回のHCはブレードとシールドによる近接偏重型で、唯一の遠距離手段であるパルスキャノンも反動で散らばりやすくて至近距離でないと安定しない。そのため中距離からライフル主体の引き撃ちで立ち回っていく。
LCの動きにも注意を払って跳躍で狙いをズラしながら、プラズマライフルで盾諸共じわじわと削りを入れて牽制。双対ミサイルを回避したり強引にブレードで攻めて来たりといった防御を疎かにした瞬間をチャージしたリニアライフルで貫いてACS負荷限界に追い込む。
「まずい…このままでは…!」
あのHCと違って即座に負荷限界から復旧することはないから、動けないところをプラズマ爆発で持続的に削りながら近づいてブレードの回転斬りを叩き込む。
「システム…報告を…」
「…!システムから脱出の許可が出ています、上尉!報告は私にお任せを!」
「…!ならば…そうさせて貰う」
…あのHCといい最近の封鎖機構の連中は逃げてばかりだ。人々に不自由を強いておきながら自分達だけは助かろうなどとその浅ましさには反吐が出る。
《敵執行機 残り1機です》
「コード78、脅威レベルEを送信」
[コード78Eを受領 システムに上申]
そっちがその気ならあのLCは逃げる余裕すらないように仕留めて…
[システムの判断を通達します コード78Eを承認 惑星封鎖に対する脅威現出と見なし IA-02の起動を許可します 残存勢力は直ちに該当地域から離脱して下さい]
「システムがここまで早く動くとは…珍しいこともあるものだ」
「通達に従いましょう。上尉、掴まって下さい」
戦闘を放棄して逃げるつもりか…!いや、生身の人間を連れた状態で高機動型の最高速を出せる訳がない。今から追えば2人纏めて…いや、それよりもあのHCの元に…!
《この反応は…!?マーカー情報を送信。そちらの方角から、何かが…》
封鎖機構の想定外な動きに対してどう動くかと硬直していた所で、周囲一帯に揺れが走る。
《地中から…来ます!》
「これは…!?」
隆起した地面から、掘削機が取り付けられた顔面が首をもたげる。あれがアイスワーム…レイヴンから聞いてはいたけれど、海越えの時に遭遇したC兵器とは比べ物にならない迫力だ。ミールワームとは似ても似つかない。
《エノメナ、回避に専念を!》
「とりあえず…高台まで退避してみる」
今の私にあの…えっと…確かプライマルアーマー?だったかを突破する術はないし、突破した所でレールキャノンもない以上ここは見ているしかないだろう。
《このコーラル反応…有人ではあり得ません。おそらくは自律型のC兵器》
アイスワームは強襲艦の残骸や建物をぐちゃぐちゃにかき回してスクラップに変えながら暴れ回っていたかと思えば、唐突に動きを止めて離れていく。
《行動パターンの変化を感じます。何か…より優先の指令…集積コーラルの、防衛…?》
惑星封鎖の脅威とシステムが判断した私を放置して離れていったのは、技研からの司令を優先したということ…?
いや、去った脅威なんてどうでもいい。どうせあれは前回もレイヴンがなんとかできたもののはず。それよりも今はあのHCの元へ急がないと。
《エノメナ…?今はあのC兵器についてレイヴンに報告すべきでは…》
「それよりラスティさんの増援に向かわないと、お兄さんでも歯が立たなかった相手にあの人が無事だとは思えない」
《あまり無理をして欲しくはありませんが…分かりました、V.IVラスティの座標まで私が案内します》
「…ありがとう」
「っ…悪いが私はには、まだ為すべきことがある。こんな所では終わる訳にはいかない…!」
ハーロフ通信基地に辿り着けば、そこには崩れ落ちたスティールヘイズとそれを見下ろしながらブレードを構えるHCという光景が待ち受けていた。その姿がまるでお兄さんに庇われる直前の私を見せられているようで胸を締め付けられる。
V.IVの存在はこの先もまだ必要だし、レイヴンの助けたい人でもある。注意をこちらに向けるためリニアライフルでHCの無防備な背中を撃ち抜いた。
[敵襲…!気付くのが遅れました、申し訳…分かりました、撤退しましょう]
「待て!また逃げるのか…!」
私の制止に対して反応は無く、余りにもあっさりとHCは飛び立つ。私はあのHCと2度交戦して生存しているというのに、V.IVへの対処を優先された辺りもはや私など相手する価値も無いなどと思われているのだろうか。もしそうならばどうすれば…
「増援に向かえないどころか助けられてしまったな…すまない戦友」
「…いえ、気にしないで下さい。無事で何よりです、ラスティさん」
「…こんな状況でなんだが、ひとつ聞いてもいいだろうか」
「唐突ですね、大丈夫ですけど…」
「壁で共闘した時には見えていたものが分からなくなった…戦友、君は何を求めて戦っている?」
私の戦う理由は…お兄さんのためだ。生きて、隣にいて欲しかっただけだ。
「………大切な、人のためです」
それが叶わないのならば…仇を討つしかない。例えが彼が望まないとしても、彼の為に私ができることなんてこれしか思い浮かばない。
「そうか、君は…いや、例えそうだったとしても…理由なき強さほど、危ういものはないぞ」
「……………」
「まだ間に合う筈だ。答えが見つかることを期待しよう、戦友」
何故彼はまだ、私が戦友となることに期待できるのだろうか。私には見切りをつけて、レイヴンを注視してしまえば良いのに。お兄さんの生死に関係なく最初から私にとってのルビコンは既に失われてしまった場所である以上、彼と同じ使命を抱く戦友になることはないのに。
彼のことも、自分のことも何も分からなくなったまま拠点のガレージへ帰還する。酷く疲れてしまった。レイヴンへの報告はエアがやってくれるし今日はもう寝よう。そう思いながら生活スペースの扉を開けば
「…お疲れ様、エノメナ。久しぶり」
「レイヴン…さん…?」
そこには、お兄さん基準で先輩の方のレイヴンが待っていた。
◯エノメナ
封鎖機構の戦力を痛めつけよう
もしかしたらあのHCを呼ぶかもしれない
精神的に限界が近く、攻撃的
◯レイヴンさんじゅうななさい
押しかけ先輩
報連相が出来ない
◯オルクス
オーバードレールキャノンってACと直結して照準するのか?ラスティには悪いけどアーキバスの動きを抑え付けておく為にも出来るだけスティールヘイズにダメージを与えておきたいんだけど動かせなくなったら困るし…って痛!?なんかエノメナ来ちゃったし撤退撤退〜