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先生が指揮した後、イナはアヤネと一緒に配置に付く。自身がspecial枠だったことに若干安心しつつ、ハンドガンの簡易的な作動確認をする。そういえば、挨拶をしていなかった事を思い出しアヤネの方へ向き、話しかける。
「よ、よろしくお願いします。ゲヘナ学園1年、纏 イナと言います」
「イナ……ちゃんですね。アビドス高等学校1年、奥空 アヤネです。よろしくお願いします」
自己紹介を含めた挨拶を交わす二人。するとアヤネはイナの服に所々に空いた穴と汚れを見て、思い出したかのように話しかける。
「もしかして、イナちゃんって『柴関ラーメン』に居ましたか?」
風紀委員会と対面する前に、アビドス高等学校一同は柴大将と会っていた。元々、この現場に来た理由が柴関ラーメンの爆発を感知したからであり、柴大将の安否が心配だった彼女らにとって大将の無事は最優先事項だった。
実際会ってみると擦り傷程度で済んでおり、最初は爆発の中心から逃れたのかと思ったが違うらしい。その時柴大将が
『恥ずかしながらイナ……常連のゲヘナの生徒に爆発から守られちまってな』
と、言っていた。
ゲヘナの生徒というと便利屋68のイメージなのだが、便利屋が柴関ラーメンを爆発させた張本人だったため、結局誰かは分からずじまいで大将と別れてしまった。服の様子を見るとおそらくだが、爆発をかばった際についてしまった汚れなのだろうとアヤネは推測した。大将がイナの名前を言っていたのもあり、ほぼ確実だろう。
(い、いきなり?)
何故そのような事を聞かれるか分からないイナ。聞かれた質問に対して答える。
「確かに居たけれど……」
そう答えるとアヤネは確信し、大将を助けてくれたお礼を言おうとする。
「皆さんを代表して……あっごめんなさい! この話は後程します」
しかし、風紀委員会のイオリがシロコに銃弾を撃ったために中断してしまう。
(気になるんだけど!? 代表して一体何を?)
そんな事を言い出す暇もなく、もしかして爆破の犯人にされているのでは?と不安で仕方ないイナであった。
戦闘が始まり、配置についた一同はそれぞれ先生から指示をもらっていく。途中先生に自己紹介していない弊害が出て、イナだけ指示が止まってしまうが、簡潔に自己紹介をして無事に指示をもらうことができた。先生からもらった指示は『"アヤネの護衛と援護"』だ。
(要はアヤネが回復に集中できるようにってことでしょ)
そのためには後衛を狙ってくる風紀委員を倒すことになるのだが、ここでイナは肝心な事に気が付いてしまった。それはハンドガンにマガジンを入れた時のこと
(ちょっと待って、自分足手纏いイナなのでは…?)
自分で言うのもなんだが、ろくに弾が当たった試しがない。一度練習はしてみたものの、遠くの物から近くの物まで全弾外れるという恐ろしい結果をたたき出している。
そういえば、ジュリと一緒に肉叩きの時に下ごしらえの練習として『ダブルバレルショットガン』を使ったが、それすらも肉に避けられるように外した時は、フウカ先輩にすごく怒られたのを思い出した。
(だって、叩いたら『刃物』になるんだもの……)
某食材で包丁を作る不審者もびっくりの早業で作業工程を飛ばして手軽にできてしまう。
ちなみに、フウカ先輩に怒られた原因は、外れたショットガンの弾がまな板や調理器具に当たってダメにしてしまったからである。
(とにかく今は集中しないと!)
改めて気を引き締め、前衛の様子を見ながら周囲を確認しつつ、死角となりうる場所を探す。ついでにシロコ先輩、ノノミ先輩、セリカが風紀委員とイオリを相手にしている姿を目に焼き付けておく。
すると、路地裏の影から風紀委員の中隊が進攻しているのを発見する。前衛が崩せなくて後衛にまで来たのだろうか。
「2時の方向、進攻を確認。発砲します!」
フルオートで数撃ったら当たる戦法で路地裏に向けて発砲する。だが、『風紀委員には』当たっておらず、流石のイナエイムクオリティと言わざるを得ない。
(……おかしいな、色々とカスタマイズしたはずなのに)
カスタマイズも当たらない影響の一つだということはさておき、このままではアヤネが回復や支援に集中出来なくなる。なんとかしようと、リロードを行った時……
ガタンッ!!
路地裏の上にあった大きな看板が音を立てて落ちてきた。その看板は侵入出口を塞ぐかのようにうまくハマり込む。
(老朽して落ちたのかな、ラッキー)
この辺りは砂漠地帯も多く、それに加えて柴関ラーメンの爆発の影響で落ちてきたのだとイナは考える。だが、その看板には複数の新しい弾痕があるのには気が付かなかった。
(進攻の選択肢を狭めて守りやすいように……対大人数で市街地戦ならではの戦術ですか)
「イナちゃん、助かりました!」
アヤネはイナが看板を打ち抜いて落とした事に関心しながら、感謝を伝える。
「え? あぁ看板のことはたまたまで……」
まるで『たまたま良い所に看板が上にあったから打ち抜いて落とした』という風に聞こえてしまい、状況の視野の広さと実行に移す判断と実力にアヤネは、味方で良かったと思うのであった。
先生らの快進撃は続き、イオリへシロコが小型ミサイル搭載のドローンを仕向け、戦闘は一旦の休戦状態となる。後方からチナツが来て先生と久しぶりの会話をした後、イナの方を向く。
(そりゃ見たくなるよ……すまない)
成り行きとはいえ、友達と仕事中に敵対したとなればイナに罪悪感が生まれてくる。チナツに限っては公私を別にするとは思うが、それでも仕事を増やしてしまったことを反省する。
「あなた方の所属をお願いします」
『それは私から答えさせていただきます』
アヤネが風紀委員とイオリに向けて所属を聞き出そうとするが、通信によって風紀委員No.2の行政官アコが割って入る。
(この後の流れは、便利屋と共闘して先生とヒナ委員長とホシノ先輩がなんとかするんだっけ?)
風紀委員会の執行妨害に対しての罰が怖いが、自分はもう関係ないとばかりに、この後の展開について思い出す。
(アコ先輩の服の胸あたり、絶対先生に見られてるゾ)
某ところてんのように『大変だねーあんたら』と高を括っていたのもあり、余裕を持っていた。状況について説明しているアコの服装をいじっていたのが悪かったのだろうか、次の言葉でイナは固まってしまう。
『あら、簡単なことじゃないですか、そちらの……
纏 イナを渡してくれれば済む話じゃないですか』
(え?)
一瞬、自分の名前じゃないと思うほどに動揺するイナ。
(なんで!? いや、確かに執行妨害はしたかも……ってあれ?)
アコの話を思い出すと、まるで『わざわざイナを捕まえるために来た』と言っているかのように聞こえた。これがもし、執行妨害で捕まえに来たのなら、妨害をしてくるという前提で考えなければおかしい。別の件で風紀委員会が、わざわざ出向かなければいけないほどの校則違反をイナがしたことになる。
(なんのことかさっぱり、もしかしてC4フレンチトースト? いやあれはちゃんと渡したし……)
思い当たりそうな項目を挙げるが、いずれも解決or終わった話である。そしてアコから追加の情報が与えられる。
『あの生徒はここで便利屋とともに飲食店を爆破した張本人。自治区および自治区外でそのような行為は違反の対象なのですよ。』
驚きが隠せないイナ。だが、他の皆の目は決して犯人だとは思っていなかった。というよりも、便利屋のアル達が自分らが爆破させたと供述していたため、今更イナが爆破させたとは思えなかった。
シロコと先生に至っては、便利屋がなにかしらで爆発させてしまった事故と、割と正解な予想もしていた。
(自分が爆破!? していないし、疑われるようなことも……あ)
フレンチトーストかぁ……
あれをタッパに入れて持ってきたことを少し後悔する。とにかく今は無実を主張するしかないと、イナが一歩前に出た瞬間……
ダンッ! ダンッ! ダンッ!
「グッ!?」「あがっ!?」「う゛っ……」
アコの後方が何やら騒がしい。よく見ると風紀委員の何人かが倒れている様子だが、ショットガンの銃声があったため、誰かに撃たれたのだろうか。
「死んでください、死んでください……死んでくださいぃ!」
銃声の主は便利屋のハルカが撃ったものだった。撃たれた中にはイオリも居たが、風紀委員は接近に気が付かなかったようだ。
「そーれっ!」
次に、便利屋であるムツキがダイナマイトを風紀委員陣地へ投げ込み、カヨコがそれを撃ち抜いて大爆発を起こす。後衛がやられたことに混乱する風紀委員会。
「手柄を横取りするなんて、纏 イナ…と言ったかしら? いい度胸ね」
便利屋68社長のアルが姿を現して、イナを名指しにする。
そしてそのままアルはアコの方へ向き……
「柴関ラーメンを爆破したのは『私たち』よ。当てが外れたようね行政官さん」
(い、言っちゃったー!)
『便利屋68……』
かっこよく登場するも、内心ビビッているアル。イナが爆発の犯人だと聞いた時は、逃げようとカヨコに進言されたが、アルの判断によりここに残っている。
(最初聞いた時はびっくりしたけど、このままだと絶対後悔する!)
イナが爆破の犯人だと聞いた時、一番驚いたのは便利屋のメンバーである。
『何故、便利屋ではなくイナが疑われたのか?』
『あの生徒は何者なのか?』
と、色々と疑問は残るものの、アルの矜持と意地によってここに立っている。
『あら、それで勝ったつもりですか? ただ、校則違反者が増えただけのこと……』
アコがそう言うと前から疑問に思っていたカヨコが発言する。
「私たちを捕まえるのに、こんな兵力は必要? アコ。あんたは最初からシャーレの先生を狙ってた……違う?」
『……カヨコさんが居るのを忘れてました。そう、目的は先生……あなたです』
「"……"」
それから事の顛末を話し出す。
きっかけはティーパーティーが得た『シャーレの先生』の情報からだという。ティーパーティーが持っているという事と不特定で不安要素の先生に興味を持ったとのこと。そして、以前チナツから提出された報告書を見て実行に移したそうだ。
『ただ、もう一つ目的が増えてしまったのは誤算でしたが……仕方ないです』
そう言うと、態勢を立て直した風紀委員会が銃を構えて攻撃意思を見せる。
便利屋&対策委員会という奇妙な組み合わせとゲヘナ風紀委員会が衝突する---
(完全に言う機会無くなっちゃった)
イナはというと、無罪を主張する機会を便利屋に取られてしまい、まあいいかと思いつつハンドガンをホルスターへ収納する。
(まあ、人数多いから編成に組み込まれないでしょ)
本人は大して活躍していないと思っており、編成に入らないと油断していた。
そう……本人は忘れていた。便利屋と対策委員会を合わせてもspecial枠はアヤネ以外居ないということを。
「"みんな一緒に行くよ!"」
(……組み込まれてるぅ!?)
そこからは圧倒的だった。便利屋のポテンシャルも高かったこともあり、風紀委員会の中隊レベルが次々と撤退していく。
「これが先生の…!」
風紀委員会側はその先生の力を身をもって体験した。なにより、捕縛対象であったイナも、遮蔽物の車の破壊と爆発、ムツキが投げたカバンを的確に撃ち抜いて爆破、アヤネの援護をするなど活躍を見せた。
(イヤッー! 急に爆発した!?)
本人はそれどころではないが……
そして、この対立は一本の通信によって終結する。
「に、逃げるわよ! 委員長が来る。ほら! イナも」
「え? な……」
アルによって一緒に現場から撤退する。影で覗いているとアコの通信の相手はヒナ委員長らしい。しかし、通信なのにどうして?と思ったが、よく見ると後ろから『来ていた』。
「他の学園の自治区で、委員会のメンバーを独断で運用しないといけないようなことが?」
『……え? ……ええええっ!?』
軽くホラーである。
『こ、これはですねヒナ委員長。ゲヘナの火……便利屋と纏 イナを捕まえようと……』
「どこにも居ないけど?」
そこからは早かった。建前であった校則違反者の姿形もなく、言い訳もできない状況。さらには、対策委員会の『
先生へある情報を伝えた後、アビドス付近から風のように撤退を終えてしまった。
一方イナは……
「あのーよければ最寄り駅教えて欲しいんですけど…?」
便利屋に連れられるようにして事務所らしきところに居る。
「私たちの質問に答えてもらう」
カヨコがイナに質問を始める。
「単刀直入に言うよ、あなたは『何者』?」
(いや、ただのしがない給食部です……)
イナのエイムについてですが、本人自体着弾してる場所を把握してないんですよね……そのためかフィードバックもうまくいかない状態で、そりゃうまくなりません。
感想ありがとうございます!次回もよろしくお願いします!