──頭文字U 峠最速のウマ娘──   作:フロムトーキョー

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蹄鉄でドリフトできんの?とか細かいことは気にせず読んでもらえれば幸いです。

MFG経由で久しぶりにイニD熱が再燃した為勢い任せで書いた作品です、ストーリーは細かい所は違いますが大まかにはイニシャルD準拠です。
バトル相手がほぼほぼ中央トレセン所属になっています。

誤字脱字がありましたら報告してもらえるとありがたいです。





ACT.1 峠の幽霊。

 

 

 

 

 

峠レース。

 

トゥインクルシリーズのようにレース場で行う訳ではなく、主に関東各地の峠で行われるレースカテゴリー、20年程前に人気だったレースだが、ここ数年で再度爆発的に人気になり熱狂的なファンが増えている。

 

その理由は平地のレース場のレースと違い、峠ならではの攻め方や独特の走法など、他のレースでは見ることのできない熱いバトルにある、そして近年はドローンの普及により、ウマ娘達の姿をリアルタイムで観戦できるようになった、再び人気を取り戻した峠レースは、今注目の種目になりつつある。

 

 

 

───ハァッ…!ハァ…!

 

 

 

峠レースでは主に2つの走法が多用される、ひとつはグリップ、これは従来のようにコーナー前で減速しスリップしない程度の速度で曲がる走法、そしてもうひとつ、峠を早く走る為に生まれた独自の走法がある、ドリフトだ。

 

バランスをスピンしないギリギリに崩しながら蹄鉄を滑らせグリップ走行よりも早い脱出速度でコーナーを曲がれる走法、蹄鉄の消耗が大きく少しでもミスれば事故になりかねない危険な走行だが、コーナーで火花と白煙を上げながら曲がっていく姿は観戦客からも人気な峠を代表する走法だ。

 

 

 

───ハァッ…!クソッ!

 

 

 

峠専門のウマ娘達はかつて車で峠を攻めていた者達から取り"走り屋"と呼ばれるようになった、彼女達は峠で一番速いウマ娘になることを夢見て、毎晩のように峠で走り込みをするようになっていった、そしてそれはここ群馬県の秋名峠でも同じ、真夜中、彼女達の腰に装着されたヘッドライトが暗い峠道を照らしていた。

 

 

 

 

「ハァッ…引き剥がせねぇ!このオレが煽られてる…⁉︎」

 

 

黄色い勝負服、栗毛のウマ娘、余裕の無い表情を見せ夜道を駆け抜ける彼女は"アンフィニイエロー"。中央トレセン所属で峠部門専門のチーム『レッドサンズ』の新人エースだ、デビューから3年で峠部門のG1相当レースを4勝、現在までシーズン7連勝とまだ若手だがその名を轟かせる期待のウマ娘だ。

 

「(初めての秋名だとしても、オレがここまで尾けられるなんて…地元の奴か?)」

 

現在、地元との交流という名目で秋名峠へと訪れていたレッドサンズは地元の走り屋ウマ娘達を圧倒していた、イエローはあまりのレベルの低さに肩を落とし帰り際にチームのウマ娘達を引き連れもう一度峠を攻めていたところだった。

 

「(ふざけやがって…!なにもんだあの野郎‼︎)」

 

「クソッタレがァ‼︎」

 

 

ギャァァアア!!

 

 

スキール音を鳴らしドリフトで曲がっていく、火花と煙が上がり胴体前面に取り付けてあるヘッドライトの光が横を向きながらイエローはコーナーを曲がる。

 

そしてその後ろにピッタリ貼りついた()()1()()()()()、古いリトラクタブルタイプのライトがイエローの身体を照らす、イエローは追ってくるその影を見て目を見開く、先程より距離が詰まっていたのだ。

 

「(ウソだろ⁉︎…ピッタリ貼りつかれてる…‼︎こんな芦毛の野郎に…ッ!)」

 

逆光で顔は見えないが、後ろについていたのは芦毛のウマ娘だった、しかも後ろに大きなバッグを背負っている、そのウマ娘はイエローよりもインに入ったベストラインと言ってもいい程の完璧なドリフトを成し遂げていた、名前も知らないそのウマ娘にイエローは焦りを隠し切れていなかった。

 

「(何処のウマ娘だ…このオレについてくるなんて…レッドサンズのNo.2だぞ⁉︎そのオレがこんな…)」

 

「…ッ⁉︎」

 

コーナー間のストレート、減速したイエローの横をそのウマ娘がスピードを落とさずに突っ込んでいく、イエローは咄嗟に声を荒げた。

 

「お、おい‼︎お前道を知らないのか⁉︎そのままじゃ…!」

 

「(このゆるい右の後はキツイ左がある、あれじゃオーバースピードで谷底へ落っこちるぞ⁉︎…)」

 

イエローの声が聞こえなかったのか、ウマ娘は速度を緩めずドリフト体勢へと入った、やはり速度が乗りすぎていたのかラインがどんどんアウト寄りになりガードレールスレスレへと膨らんでいく。

 

「言わんこっちゃねぇ!スピードが乗りすぎてる、減速して立て直すスペースはもう…なっ⁉︎」

 

次の瞬間イエローは驚愕する、ガードレールに当たる直前、そのウマ娘は咄嗟に一回転しバランスを真反対へと落とす、一瞬浮いた蹄鉄は再び火花を散らし、コーナーに対しほぼ横向きのまま滑っていく。

 

 

ウァギャァァアア!!

 

 

「か、慣性ドリフト⁉︎───」

 

今にもスピンしそうなウマ娘はそのまま立ち上がり急コーナーをなんなくクリアしていった、減速せず身体の荷重移動と慣性力で曲がっていく慣性ドリフト、そんなハイパーテクニックを使いこなせるのは中央トレセンでもごく僅かだ、呆気に取られたイエローは徐々に速度を落とし立ち止まってしまった、そのウマ娘の尻尾と腰のテールランプの残灯をただ呆然と見つめていた。

 

 

 

 

 

「イエロー先輩!今の…」

 

「あぁ…」

 

数分後、イエローに追いついたレッドサンズのウマ娘達はイエローと同じく信じられない者を見たという顔だった、イエローはあのウマ娘が残していったものであろう道路に付いたドリフト痕を舌打ちをして蹴り上げた。

 

「オレは、この峠で死んだウマ娘の幽霊でも見たのか…?この秋名の道を知り尽くした腹立つ位に完璧なスーパードリフト、あんなの見せられてオレのプライドはズタズタだぜ…!」

 

 

「クソッ…‼︎こんな屈辱的な負けは初めてだ…‼︎」

 

「イ、イエロー先輩がちぎられた⁉︎そんな…⁉︎」

 

「あの芦毛の子…一体何者⁉︎」

 

ほぼ無敵と言っていい程の実力を持ったイエローがいとも簡単に敗北した、チームのメンバー達は本人を前にしてなお、その事実を受け入れられずに居た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ─頭文字U 峠最速のウマ娘─

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…戻りが遅いな、レースも良いが私達は学生の身分だ、それを忘れるなよ」

 

「わーってるよ姉貴」

 

「それで?秋名はどうだった」

 

「…カス揃いだ、ウチの2軍でも楽に勝てる奴らばかりだったよ…けど」

 

「…けど、なんだ?」

 

 

 

 

 

「姉貴は幽霊って信じるか?」

 

 

 

 

               To be continued.




オリウマ元ネタ

アンフィニイエロー。

そのまんまです、アンフィニRX-7、啓介のFDのカラー、コンペティションイエローマイカから取りました、多分他のウマ娘もこんな感じで決めていきます。
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